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第7章 三つ巴の攻防
フィオの迎え
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朝日を見ながらまた眠ってしまったようだ。
来客を知らせるベルに慌てて飛び起きた。
「朝か…」
同じく飛び起きたクリスが、硬くなった身体を伸ばしながら来客を迎えに出る。
フィオか?
俺も慌てて身繕いして後を追う。
「…よう。早かったな」
「おはようございます。ゲイルを返して頂けますか?」
扉を開けたとたんのセリフにブハッとクリスが吹き出した。
「慌てるな。そこにいる」
「よう、フィオ。おはよう」
フィオの背に差し込む朝日の眩しさに目をすがめる。
仮眠しただけだから頭がうまく働かねえ。
入ってきたフィオが強張った表情で素早く俺の全身に目を這わす。一睡もしていないのだろう。その目の下には黒い隈が出来ている。
だよな。うん。ごめんな。妬いたよな。ごめん。
俺はそんなフィオに手を伸ばし、柔らかくその身体を抱きしめた。
「……やってねえよ。一晩中話をしていただけだ」
腕の下の身体から、ふっと力が抜けるのが分かった。フィオへほう、と耳元で息を吐くとそのまま俺の肩口に顔を伏せる。
「……信じていいですか?」
拗ねたようにいうフィオが可愛くて、愛おしくて申し訳なさと色々な感情が溢れ出す。フィオを甘やかしてやりたいが、だがさすがに昨日の今日、クリスの目の前で、ってのは…なあ。
クリスはそんな俺の気持ちに気付いたのだろう。目に一瞬切なさを滲ませ、それでも笑ってみせた。
フィオの背をポンと叩くと、わざとらしく宣言するクリス。
「あー、眠い!眠気覚ましにシャワー浴びてくるわ」
フィオの肩越しにウインクして部屋の奥に立ち去るクリスに、目で謝意を伝える。悪いな、クリス。
お前、マジでいい男だよ。俺の親友。二番目の夫だとか愛人なんてポジションにはお前はもったいねえんだ。
クリスの姿が消えたのを見届け、改めて愛しい恋人を見つめる。さあ、フィオを甘やかしてやらなきゃな!
「まあ、座ろうぜ?」
フィオの手を引き、さっきまで俺がいたソファへ。わざとらしくソファの座面を払い、フィオに向かって眉を上げて見せた。
「一晩中酒飲んで、ここで寝落ちしちまった。腰が痛えわ。クリスなんて、そこだぜ?」
床を示して苦笑。
「あいつ、身体バキバキなんじゃねえか?後でヒールしてやんねえとなー」
無言でじいっとソファを見つめたフィオが口を開いた。
「クリスは…床で?」
うん。言いたいことはわかる。
俺はフィオの目を見つめて頷いた。
「ああ。俺はソファ。クリスは床だ。てか、お互い言いたいこと言い合ってたから、ほとんど寝てねえわ。すげえ眠い」
そのままフィオをソファに座らせ、その肩に腕を投げかけ前から包み込むように抱きしめた。
「フィオ、ごめんな。悪かった。俺が迷ったせいでお前にあんな決意をさせちまった。すまん」
「俺はクリスが好きだ。だけどそれは親友として、肉親みたいな愛なんだよ。クリスにキスされて確かに気持ち良かった。だから混乱した。親友を失うくらいなら、と迷っちまった。だけど、フィオとは違うんだよ。フィオはここが気持ちいいんだ」
ここが、と胸を叩いて見せる。身体よりなにより、心が満たされるんだ。
「クリスに愛するヤツが出来たら、俺は心から祝ってやれる。そりゃちと寂しいがな。だが、親友の幸せを嬉しく思う。でも、フィオはダメだ。俺以外を、ってなったら、祝ってやれねえ。渡してやれねえ」
だからこそ分かる。クリスと俺の気持ちを優先したお前が、どんなに俺を大切に思っているか。
「俺はフィオに酷いことをした。ごめん。俺が抱かれたいと思うのも、子供が欲しいと思うのも、フィオだからだ。フィオだけなんだ。それに……男を抱く趣味はないが、お前なら抱きたい」
ビクリと腕の中の身体が震えた。
「あ……あの……やはり抱かれるのは嫌ですか?」
ぶは、と息が漏れた。ようやく口を開いてくれたと思えばそこかよ!
俺はぎゅうううっとフィオを抱きしめた。
「お前ならどっちだっていいって話だろ!お前がやりたい方でいい。フィオ、相手がお前ならどっちだっていいんだよ!」
ゴホン!えへん!オホン!
ドアの向こうで咳払いの音がした。
その後、わざとらしい大きな足音。
「クリス、なんだよ。お前んちだろ、入れよ」
扉が開き、ソファに座った俺たちを見てほっとした顔をした。
「いや、よかったぜ。おっぱじめちまってるかと……」
「俺を何だと思ってんだよ」
「ゲイルだろ。お前、フィオにメロメロじゃねえか。やっててもおかしくねえ状況だったろうがよ!」
「いくらなんでも、振った奴んちでそこまでしねえ!」
「クソ配慮に欠けた配慮をありがとうよ!この野郎!気遣いできるなら、俺の前でべたべたすんなよ!」
「これくらいいいだろうが!10日ぶりなんだぞ?お前が俺を混乱させるからこんなことになったんだろうが!」
「配慮はどこにいった?!」
ふふふ、と声がした。
フィオ?
「ふふ…ははははは!二人ともやめてください!どっちもどっちですよ?
「「はあ?俺は悪くねえ!」」
声が被った!
「「悪いのはこいつだろ?!」」
同時にお互いに相手を指す。
「あははははは!も、もう!どうしてこうなるんですか!……悩んだ私が馬鹿みたいだ。ふふふ。もういいです。あなたたちはどうやったって親友で、クリスがゲイルを愛していようといまいと、あなたたちはこうなんです。分かったでしょう?親友をやめることなんてできませんよ、クリス。抜きあいもなしです。親愛のキスのみ許します。親友ですからね。ただし、私も親友にしてください。ゲイルにキスをするなら、私もします。いいですね?」
「……実質許可してねえのと変わらねえ……」
「フィオにキス?ダメだからな!」
「ほら!こうなるだろうがよ!」
「ふふふふふ。説得したらいかがですか?」
「ダメだっつってんだろ!クリス、俺ともフィオともキスすんなよ!分かったな!」
「あああ!もう!分かったよ!しねえよ!これでいいんだろ、フィオ!」
※※※※
クリスがあまりにも不憫なのですが、ご安心ください!
未来のクリスはめっちゃ幸せになる予定です。
来客を知らせるベルに慌てて飛び起きた。
「朝か…」
同じく飛び起きたクリスが、硬くなった身体を伸ばしながら来客を迎えに出る。
フィオか?
俺も慌てて身繕いして後を追う。
「…よう。早かったな」
「おはようございます。ゲイルを返して頂けますか?」
扉を開けたとたんのセリフにブハッとクリスが吹き出した。
「慌てるな。そこにいる」
「よう、フィオ。おはよう」
フィオの背に差し込む朝日の眩しさに目をすがめる。
仮眠しただけだから頭がうまく働かねえ。
入ってきたフィオが強張った表情で素早く俺の全身に目を這わす。一睡もしていないのだろう。その目の下には黒い隈が出来ている。
だよな。うん。ごめんな。妬いたよな。ごめん。
俺はそんなフィオに手を伸ばし、柔らかくその身体を抱きしめた。
「……やってねえよ。一晩中話をしていただけだ」
腕の下の身体から、ふっと力が抜けるのが分かった。フィオへほう、と耳元で息を吐くとそのまま俺の肩口に顔を伏せる。
「……信じていいですか?」
拗ねたようにいうフィオが可愛くて、愛おしくて申し訳なさと色々な感情が溢れ出す。フィオを甘やかしてやりたいが、だがさすがに昨日の今日、クリスの目の前で、ってのは…なあ。
クリスはそんな俺の気持ちに気付いたのだろう。目に一瞬切なさを滲ませ、それでも笑ってみせた。
フィオの背をポンと叩くと、わざとらしく宣言するクリス。
「あー、眠い!眠気覚ましにシャワー浴びてくるわ」
フィオの肩越しにウインクして部屋の奥に立ち去るクリスに、目で謝意を伝える。悪いな、クリス。
お前、マジでいい男だよ。俺の親友。二番目の夫だとか愛人なんてポジションにはお前はもったいねえんだ。
クリスの姿が消えたのを見届け、改めて愛しい恋人を見つめる。さあ、フィオを甘やかしてやらなきゃな!
「まあ、座ろうぜ?」
フィオの手を引き、さっきまで俺がいたソファへ。わざとらしくソファの座面を払い、フィオに向かって眉を上げて見せた。
「一晩中酒飲んで、ここで寝落ちしちまった。腰が痛えわ。クリスなんて、そこだぜ?」
床を示して苦笑。
「あいつ、身体バキバキなんじゃねえか?後でヒールしてやんねえとなー」
無言でじいっとソファを見つめたフィオが口を開いた。
「クリスは…床で?」
うん。言いたいことはわかる。
俺はフィオの目を見つめて頷いた。
「ああ。俺はソファ。クリスは床だ。てか、お互い言いたいこと言い合ってたから、ほとんど寝てねえわ。すげえ眠い」
そのままフィオをソファに座らせ、その肩に腕を投げかけ前から包み込むように抱きしめた。
「フィオ、ごめんな。悪かった。俺が迷ったせいでお前にあんな決意をさせちまった。すまん」
「俺はクリスが好きだ。だけどそれは親友として、肉親みたいな愛なんだよ。クリスにキスされて確かに気持ち良かった。だから混乱した。親友を失うくらいなら、と迷っちまった。だけど、フィオとは違うんだよ。フィオはここが気持ちいいんだ」
ここが、と胸を叩いて見せる。身体よりなにより、心が満たされるんだ。
「クリスに愛するヤツが出来たら、俺は心から祝ってやれる。そりゃちと寂しいがな。だが、親友の幸せを嬉しく思う。でも、フィオはダメだ。俺以外を、ってなったら、祝ってやれねえ。渡してやれねえ」
だからこそ分かる。クリスと俺の気持ちを優先したお前が、どんなに俺を大切に思っているか。
「俺はフィオに酷いことをした。ごめん。俺が抱かれたいと思うのも、子供が欲しいと思うのも、フィオだからだ。フィオだけなんだ。それに……男を抱く趣味はないが、お前なら抱きたい」
ビクリと腕の中の身体が震えた。
「あ……あの……やはり抱かれるのは嫌ですか?」
ぶは、と息が漏れた。ようやく口を開いてくれたと思えばそこかよ!
俺はぎゅうううっとフィオを抱きしめた。
「お前ならどっちだっていいって話だろ!お前がやりたい方でいい。フィオ、相手がお前ならどっちだっていいんだよ!」
ゴホン!えへん!オホン!
ドアの向こうで咳払いの音がした。
その後、わざとらしい大きな足音。
「クリス、なんだよ。お前んちだろ、入れよ」
扉が開き、ソファに座った俺たちを見てほっとした顔をした。
「いや、よかったぜ。おっぱじめちまってるかと……」
「俺を何だと思ってんだよ」
「ゲイルだろ。お前、フィオにメロメロじゃねえか。やっててもおかしくねえ状況だったろうがよ!」
「いくらなんでも、振った奴んちでそこまでしねえ!」
「クソ配慮に欠けた配慮をありがとうよ!この野郎!気遣いできるなら、俺の前でべたべたすんなよ!」
「これくらいいいだろうが!10日ぶりなんだぞ?お前が俺を混乱させるからこんなことになったんだろうが!」
「配慮はどこにいった?!」
ふふふ、と声がした。
フィオ?
「ふふ…ははははは!二人ともやめてください!どっちもどっちですよ?
「「はあ?俺は悪くねえ!」」
声が被った!
「「悪いのはこいつだろ?!」」
同時にお互いに相手を指す。
「あははははは!も、もう!どうしてこうなるんですか!……悩んだ私が馬鹿みたいだ。ふふふ。もういいです。あなたたちはどうやったって親友で、クリスがゲイルを愛していようといまいと、あなたたちはこうなんです。分かったでしょう?親友をやめることなんてできませんよ、クリス。抜きあいもなしです。親愛のキスのみ許します。親友ですからね。ただし、私も親友にしてください。ゲイルにキスをするなら、私もします。いいですね?」
「……実質許可してねえのと変わらねえ……」
「フィオにキス?ダメだからな!」
「ほら!こうなるだろうがよ!」
「ふふふふふ。説得したらいかがですか?」
「ダメだっつってんだろ!クリス、俺ともフィオともキスすんなよ!分かったな!」
「あああ!もう!分かったよ!しねえよ!これでいいんだろ、フィオ!」
※※※※
クリスがあまりにも不憫なのですが、ご安心ください!
未来のクリスはめっちゃ幸せになる予定です。
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