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第1章 俺はゲイル

ぷろろーぐ

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「あのね。ボクはルー。
ゲイルは聖女なの。
魔王にならないように助けて欲しい人がいるんだけど」

「はあ?何言ってんだ?」

俺の前に突然現れた犬?猫?
そいつがなんと言葉を話した。
しかもおかしな事を言い出したのだ。

あ。そうか。
これ、夢だ夢!
俺、疲れてんだな。うん。今日も忙しかったしなあ。
よし!寝よう!
眠って目を覚ませばこいつも消えるだろ。

「うん。
……おやすみ!」

俺は目を閉じて眠ることにした。
人間、限界を超えたら幻覚が見え幻聴が聞こえるんだな。
いやあ、勉強になった!

「待って待って待ってーーー!!
普通に寝ようとしないで?!
あのね、君は聖女なの!聞いてた?」

うるさい幻影だ。
とりあえず寝かせろ。俺もう限界なんだって!
えっと…まあ3時間でいいか。
俺は自分に向かって唱えた。

「スリープ!」

「嘘でしょ?!ねえ、起きてよ!ボク聖獣なんですけどお?!」








3時間後。

「おはよー。起きたあ?」

目を開けるとまだあのモフモフが居る。
俺はガシガシと頭を掻き、ため息をついた。

「………まだダメか。スリ…」
「やめてやめてやめて!!ボク聖獣だから!
この国を守護する聖獣!フェンリルのルーです!!!
話を聞いて?」

え?聖獣?!

「嘘だろ?お前聖獣なのか?!
てか、聖獣って実在するんだなあ。
フェンリルってことはうちの守護獣じゃねえか。
マジか!
てことはこれって…」

「やっとわかってくれた?!
夢じゃないよ。これは現実です。
ゲイルは聖女!魔王を救う事ができるのはゲイルだけなの」
「いやお前が聖獣ってのは理解した。
まあ、そこはそれでいいだろう」
「じゃあ、聖女として…」
「断る!俺は男!
聖女なんて無理だからな?!
なんなら見せようか?」

下着に手をかけ、俺を…

「やめてやめてやめてええええ!!見せなくていいからっ!
ゲイルが男なのは分かったからあ!
ごめんなさい!しまって下さい!!」

ルーが必死に止めてきた。
分かってくればいいんだ、うん。
俺はそっと出しかけた俺をしまった。

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