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いざ帝国!

帝国到着

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1週間の船旅も終わり、もうすぐ帝国につく。
お兄様、ミカミカ、リオと俺にとっては初めての船旅だった。
船は想像よりもおっきくて豪華で、そしてすっごく楽しかった。
船員さんたちのおかげだと思う。
俺があちこちウロチョロしても嫌がらず、お仕事だって見せてくれた。
手伝っても大丈夫そうなところはやらせてもくれた。
前世含めてこんなことしたことなかったから、どんなことも新鮮で面白かったんだ。
船長も操舵室を見せてくれたり、いろいろな話を聞かせてくれた。
でっかいイカパーティーだってすっごく楽しかった!あんなにたくさんイカを食べたの、初めて!
みんなが「サフィ、旨いぞ!」「よくぞ獲った」ってほめてくれたり喜んでくれたのも嬉しかった。

とにかくとにかく充実した1週間だったんだ。

目的地である帝国への交通手段にすぎないはずが、なんだか名残惜しい。
自分の部屋のような気すらしてきた。

船員さんたちもこれから各地に噂をばらまきに散ってしまう。これは、戦略とか以前に「その国の人たち」が関わることが大事だと思うから。

分かってるし俺が頼んだことだとだけど、でもずっと一緒に過ごしてきたからやっぱりお別れは寂しい。
しょんぼりしちゃった俺。
最後にと思ってみんなのところにひとりひとりご挨拶に回った。

「ちょっとの間だけれども、一緒でたのしかった。いろいろ教えてくれてありがと。遊んでくれてありがと!王国に来るときにはうちに連絡して!絶対にうちにお泊りして!」

みんなをぎゅっとして回ったら、選別だって言っていろいろなものをくれた。

珍しいきれいな貝だとか。昔の船の部品だとか、錨型のキーホルダー。虹色に光る大きなお魚のエラ(帝国ではネックレスとかにする人が多いんだって)、魚の標本、海賊の本……。どれもとっても素敵で、異国情緒にあふれたものだった。
一つ一つにくれた人の個性があって、物自体ももちろん嬉しいんだけど、見るたびにみんなを思い出せそうなのが嬉しい。

船長さんは、昔使ってたっていう船員さんの帽子をくれた!今はこのデザインは使ってないからくれても大丈夫らしい。

「どう?見て!俺、海軍の軍人さんみたい!敬礼」

服の中から白っぽいのを選んで、帽子と合わせてみたらなんだか本当の海軍の制服みたい!
かっこいい!めっちゃ大人って感じする!
嬉しくなってしまった俺は、それを着て帝国の第一歩を踏み出すことにした。



※※※※※

本日は短くてすみませんです。
今週多忙でちょっとすすめていたストックが切れてしもうた_(X3」∠)_とほほ
ナージャくん待たせてゴメンよ



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