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第2部 サフィ10歳。伯爵家の息子です!
俺の仲良しさんとリオ
しおりを挟むすみません。1話抜けて公開されておりませんでした!
「俺の学園生活1日目、終了」
を6話前に追加しております。よろしければご覧くださいませ!
※※※※
リオと歩いてたら、向こうのほうにリースとカミールが。誰かを探しているみたいにうろうろキョロキョロしてる。
「おーい!リース!ミルー!おはよー!」
大きく手を振ると大慌てで俺の方に駆け寄って来た。
「サ、サフィ!アンタなにしでかしたの?」
「大丈夫か?何があった?」
え?探してたの、俺?
「えーと。特になにも?」
「ええ⁈そんなはずないでしょ!
なんか『サフィちゃんがヤバい』って先輩たちが噂してたんだけど⁈
よく思い出しなさい!」
襟を掴まれてガクガク揺さぶられた。
カ、カミール、暴力的すぎるよう!
「せ、先輩、たちに、ご挨拶して、お、菓子を、もらったかな?」
「はあ?なにそれ!どうしてそうなるの⁈」
「ええー?だってリオが…」
そこにリオが笑いながら割り込んできた。
「あはは!
ほんとにサフィの言う通りなんだよ!
僕はリオネル・グランディール。
生徒会長をさせてもらっている。
サフィとはちょっと前まで一緒の家で暮らしていたんだ。
今日は僕と来たから注目されちゃったみたい。ごめんね?
あのね、多分だけど『サフィちゃんが可愛くてヤバい』だと思うよ?
みんなかわいいかわいいって大騒ぎだったから。
君たちはサフィのお友達?」
よそゆき笑顔でにっこり微笑むリオに、リースとカミールがビシィと固まった。
「し、失礼致しました!
私はサフィのクラスメートで、ゲイリース・アーカードと申します」
「私はカミール・ブランと申します。お騒がせ致しました」
顔を赤らめて頭を下げる。
「頭を上げて!
サフィを心配して来てくれたんでしょう?
ふふふ。サフィと仲良くしてくれてありがとう!
これからもよろしくね」
「ちょっとお!
リオのくせに保護者みたいなこと言わないでよね!」
プンスカしたら、リースとカミールから
「こら!生徒会長に向かって失礼なことを言わない!」
と頭を下げさせられた。
えー?俺、悪くないよ!
朝から勝手にリオが押しかけて来て無理やり連行されたんだもん!
「ぶー!ぶー!
断固として抗議します!
リオが悪いんだよー!
一人で行くって言ったのに、無理やりご一緒するから!」
不満を訴えたら、リオが絶対反省してない声で謝ってきた。
「はいはい。ごめんね、サフィ。
だって、サフィが来るの楽しみにしてたんだもん!
1年だけだけど、一緒に通おうよ!いいでしょ?
レオン様にも頼まれてるし。ね!」
「……リオってば、いつまでも甘えん坊だよねえ。
ライがいないから寂しいんでしょ!
ちょっと大人になった気がしたけど、気のせいだった!」
「違うよー!サフィと通いたかったんだもん!
生徒会のみんなにもサフィのこと話してるんだよ。
みんな会うの楽しみにしてるんだからね!」
「あー!もう!勝手なことしたらダメでしょお!」
プッ。
誰かが吹き出す音がして、みたらカミールが涙目でプルプルと震えながら口を抑えている。
リースも震えながら下を向いている。
「笑ってたでしょお!」
「……笑って…ない…ぞ?」
目を合わせようとしないリース。
「嘘つきい!絶対笑ってるじゃん!」
「ブハァ!む、むりー!
あはははははは!なんなのサフィ!
生徒会長もおもしろーい!
2人とも仲良しすぎない?どういう関係なの?」
文字通りの爆笑!
涙を拭いながらカミールが言った。
関係?
「……えーと。あえていうならば…今は無関係?」
「サフィはね、大切な子で、僕を仲間だって言ってくれたんだよー」
返事が被った。
「サ、サフィ⁈無関係って何?
無関係じゃないよね⁈一緒に暮らしてたよねっ⁈
血だって繋がってるのにい!!」
半泣きになるリオがうるさいので
「リオのいうような関係です」
とまとめておいた。
カミールは更に爆笑。
リースが優しくリオの背中をとんとんしてる。
1年生に慰められる生徒会長とは⁈
「あのね?リオ。
生徒会長なんだから、泣かないの。
もっとちゃんとしようね?」
「「サフィに言われたくないと思うよ⁈」」
リースとカミールが俺をディスってきた。
君たちは俺の友達でしょおが!俺の味方をしようね!
なんだか俺の知らんうちにリオとリース&カミールの間にに友情が築かれ、3人で勝手に連絡先などを交換している。
俺!俺の友達なのに!!
「あのね!
リースとカミールは俺のお友達なんですからね!
俺の方が先にお友達になったんだからね!」
ぎゅうっとリースとカミールに抱きついて、リオに宣言。
「えっと…僕、やきもち焼かれてる?」
リオが苦笑。
「ちょっとお!サフィってばボクのこと大好きじゃん!」
「ああ。…俺もサフィを大切な友達だと思っているぞ?」
リースとカミールがてれてれ。
そういうことじゃなーい!
あ、あれ?
そういうこと?
とりあえず2人を確保してリオから距離を取った。
「リオは2人に近寄らないように!」
両手を広げ2人を背に庇いながらそう宣言すれば、
「ええ?僕、いじめっ子扱い?嘘でしょ!
サフィの僕の扱い、ちょっと酷いと思う」
唇を尖らせ不満そうなリオ。
ええー?拗ねてるの⁈
「だってリオだもん。
身内だし扱いがぞんざいでもしょうがないでしょ!」
「!!そ、そうだよね!身内だもんね!うん!
身内だから扱いがぞんざいでもしょうがないよねえ!」
いきなり元気になったリオが、にやにや。
何が嬉しいのか分からん。
「なに?リオってば変なのー!」
もしかして、ぞんざいな扱いされたい人?
「ち、違うからね⁈優しくして!」
あ。口にでてた。
リースとカミールが同情するようなら眼差しをリオに向けている。
「リオ先輩ってば、サフィにいいように翻弄されてるよねえ。なんか…カッコいい先輩だと思ってたのに、イメージ変わっちゃったあ」
「確かに。牽引力のある生徒会長だと思っていたが。
色々大変そうだな…」
「ちょっと!君たちも何気なく失礼だよ⁈
僕が弱いの、サフィにだけだし!」
「つまり、サフィには弱いんですね」
「ああ。そういう…」
「勝手に納得しないで⁈
ねえ、サフィ!お友達はちゃんと選ぼう⁈」
「さっきまで仲良ししてたくせに!リオが悪い」
「ええ…僕が悪いの…?」
「まあまあ。許してあげなよ、サフィ」
「そうだぞ。可哀想だろ!」
「ええ…後輩に庇われた…嘘でしょ…」
がっくりするリオにバイバイして急いで教室に。
とりあえず、リースとカミールのおかげで朝から生徒会は免れた。良かったあ!
それにしても全くリオってば困った子だなあ!
いつまでも頼りない俺の弟みたい。
俺にべったりなんだもん。
もっと大人になりましょうね?
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