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第2部 サフィ10歳。伯爵家の息子です!
俺のスピーチ
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いよいよ俺の学校デビュー!
そう、いきなりの新入生代表スピーチである!
これで失敗したら、「ああ…あの…」と残念な人として全校生徒の記憶に刻まれてしまう!!
コンサートとか、お祭りの挨拶とかよりハードル高すぎる!
しかし!任せて欲しい!
俺は予めカンニングペーパーならぬ、カンニング書き込みをしてきたのだ!さりげなーく読めるように手のひらに!!
しかーも!万が一誰かに見られてもわからないように、日本語で書いたのです!
我ながらバッチリ!
「新入生代表、サフィラス・グリフィスくん」
名前が呼ばれ、ドキドキする胸を押さえながら壇上に。
背筋を伸ばして、少し下向きで足元に注意。
一歩一歩進む。
ちら。
横目で会場を見たらば。
ふわああああ!
めっちゃ人がいるううう!
同じ年くらいの子にはほとんど会ったことないから、むちゃくちゃ緊張!!!
壇上につき、勇気を出して顔をあげて前を見ると、何故だか
「わあ!」
「おおお!」
だの悲鳴みたいな小さな声があちこちから。
え?何か変?
俺は慌てて自分の服をくるりくるりと確認。
別に破れてるとか汚れてるとかない…よね?
念のため袖も見たけど問題ない。
頭を撫でて見たけど、何もついてなさそう。
な、なんで?何もないよね?
涙目できょろきょろ。
前列にいるゲイルを見つけて「おかしくないよね?」と首を傾げたら、またどよどよどよっと会場がわいた。
な、なにいい⁈
ひーん、と半泣きになっていたら、ゲイルがぱくぱく。
だ・い・じょ・う・ぶ
さ・い・こ・う・だ
ゲイルー!!
うん!俺、頑張るね!負けない!
しっかりと頷き、深呼吸。すー。はー。
なぜか会場からも深呼吸が聞こえる。
ん?みんなも緊張してるのかな?
会場を見たら目があった子が真っ赤になってぐっと拳を握って頷いてくれた。
!!応援してくれてる!
よし!
「みなさま、初めまして。
サフィラス・グリフィスです!」
うん。いける!!
「なぜか新入生代表に選ばれ、大変光栄です。
だけどこのように沢山の同級生を前に、本当に私がスピーチをして良いのかと心配でもあります。
本日私たちは新たな門出を迎えました」
ここから大事なとこだ。
しっかりやらなきゃ!
ちらりと手のひらを見る。
⁈え?
文字が…ない!!!
手を開いたり閉じたりしてガン見してたら、ゲイルが何か合図してる。
え?何?
よ・ご・れ
ク・リー・ン・し・と・い・た・ぞ
親指をたてウインク。
ゲイルー?!なんてこと!!!
あわわな俺に、会場が「?」
そしてなぜか声援が。
「が、頑張れっっ!サフィ!」
お兄様!ガタンと立ち上がったあああ!
「がんばってえええ!!サフィ」
エリアス!!エリアスまで!!
すると生徒たちまで立ち上がる。
「サフィちゃああん!頑張ってええ!」
「慌てなくていいぞおおおサフィちゃん!!」
「かわゆすーっっ!」
「おちついてーっ!」
み、みんなああああ!!!
俺はみんなの声援をうけ、俄然やる気なみなぎってきた。
「あ、ありがとー!
こほん。
もう大丈夫ですので!みなさま、座ってくださいませ」
「えっと。今日から私たちの学校生活が始まります!
多くの学びが、沢山の素晴らしい出会いがあるかと思います。
楽しいこともあれば、大変なこと、辛いこともあるでしょう。
だけど、みんなとならそれを乗り越えていけると信じています。一緒に頑張りましょう!」
にっこり。
とっておきの笑顔で。
「これからよろしくおねがいしましゅ!」
か、かんだ!!
大事なときにいつも噛んじゃうの!俺のばか!
な、泣きそう。
「だ、大丈夫?」
「気にしなくていいからね!」
「上手だったぞ!」
みんなハラハラと見守ってくれているのを感じる。
優しい励ましがあちこちから。
うん!負けない!
「これから、よろしく、おねがい、します!!!」
今度はちゃんと言い切った!
やった!俺はやりきった!!
満足感で胸をいっぱいにして会場を見回すと、誰もが「うんうん」「がんばったね」「グッジョブ」してくれる。
う、嬉しいっ!!
満面の笑みを浮かべ深々とおじぎ。
わあああああ!
パチパチパチパチパチパチ!!
バチバチバチバチ!!
一際大きな拍手が聞こえる方向に目をやれば、公爵!
渾身の力で手を叩いている。
無表情なのに、ちゃんと気持ちが伝わってきた。
ありがとうね!
ゲイルは目元を押さえて下を向いて震えてる。
どんだけ⁈
立ち去りながら、優しいみんなに感謝を込めて胸の前で小さく手を振る。
みなさん、ありがとう。おかげでなんとか無事にスピーチできました!
「きゃー!!かわいい!」
悲鳴が上がってしまった。
カッコいいが良いんだけどなあ。
でも、好意的な感じでひと安心。
俺はにこにこしながら、転ばないようにゆっくりと退場したのだった。
ご挨拶が終わると、学園長の挨拶が。
学園長は、真っ白な長いお髭のダンデ先生。
優しいおじいちゃんみたいな感じ。
「サフィラスくん、素晴らしい挨拶をありがとう。
立派でしたよ?
皆、サフィラスくんにもう一度拍手を!」
わああああ!
パチパチパチパチ!
俺はテレテレしながら手を振って拍手に応えた。
ダンデ先生が片手を上げる。
すると一気に会場が静まった。
先生は満足そうに微笑むと、声を上げる。
「新入生諸君!ようこそ学園へ!
ここでは、身分や地位など関係なく過ごして貰います。
王族も、男爵も関係ありません。
みな同じく学園の仲間であり、友なのです。
ここでの付き合いは貴重なものになるでしょう。
学園で一生の友を得る者も多い。
共に学び、語り合い、この貴重な時を存分に過ごしてください」
「悩み苦しむ時もあるでしょう。
しかし、明けぬ夜はありません。
どうか前を向き、進むことを恐れないでください。
一人で立てぬ時には、我々もいます。
そのことを忘れずに。
以上!」
学校だから勉強とかの注意があるかと思ってたのに。
先生が語ったのは仲間について、友情についてだった。
困ったら頼れる人がいるよ、ってことだった。
なんかちょっとじーんとした。
この先生が学園長なら、きっと素敵な学校なんだろうなとワクワクした。
幕間から尊敬の眼差しを送っていたら。
ポンポンと肩を叩く手が。
「?」
え?お、お兄様?
「サフィ、さっきのスピーチ、サフィらしくてとても良かったよ」
「お兄様も応援してくれてありがとう!
ちょっと恥ずかしかったけど」
ちょっと唇尖らせると、お兄様がその唇をつん、と指でついた。
「ふふふ。ごめんね?つい声が出てしまった」
絶対にごめんと思ってないでしょ。
ところで。
「お兄様はどうしてここに?」
「私もスピーチがあるんだよ」
え⁈
驚いてたら、ダンデ先生がお兄様を呼んだ。
「レオンハルト殿下が皆さんのためにお越しくださっております。殿下、皆に祝いの言葉をお願いできますか?」
お兄様は悠然と壇上に。
しーん。
皆がお兄様の言葉を待つ。
なんか、凄いね、お兄様。
「あー。皆、楽にして欲しい。
私はレオンハルト。第一王子であるとともにこの学園の卒業生でもある。
私も君たちと同じように、ここで学び、語り、素晴らしい友を得た。
図書室で勉強を教えあった。
悪戯をして叱られたこともある。
これでもなかなかやんちゃだったんだよ?
今でも当時の先生方には頭が上がらない」
ここで茶目っ気たっぷりに片目をつぶってみせるお兄様に、会場からはクスクスと小さな笑い声が。
少し間をあけ、お兄様は大切なものを抱えるかのようにそっと胸に手を当てた。
「ここで過ごした時間は私の宝だ。
きっとこれから過ごす君たちの時間も君たちの宝になるだろう。
君たちの学園生活が充実したものになることを願う」
パチパチパチパチ!
拍手の嵐!
ここで終わるかと思いきや、まだ続きがあった。
「あと、これは余談なんだけど。
先程は式の最中に声を上げてしまい申し訳なかったね。
サフィは私の大切な人なんだ。
どうかみんな、サフィの力になってあげてね?」
やらかしおったー!!!
そんなことゆったら、俺が王族関係者みたいじゃん!
遠巻きにされて友達できないかもでしょーが!
「では。私からは以上です。
ご清聴ありがとう」
にこ、と笑顔で締めるお兄様だが。
会場は見事に静まり返ったままだった。
ほーら!!
俺、要注意人物になっちゃったでしょー!!!もう!
そう、いきなりの新入生代表スピーチである!
これで失敗したら、「ああ…あの…」と残念な人として全校生徒の記憶に刻まれてしまう!!
コンサートとか、お祭りの挨拶とかよりハードル高すぎる!
しかし!任せて欲しい!
俺は予めカンニングペーパーならぬ、カンニング書き込みをしてきたのだ!さりげなーく読めるように手のひらに!!
しかーも!万が一誰かに見られてもわからないように、日本語で書いたのです!
我ながらバッチリ!
「新入生代表、サフィラス・グリフィスくん」
名前が呼ばれ、ドキドキする胸を押さえながら壇上に。
背筋を伸ばして、少し下向きで足元に注意。
一歩一歩進む。
ちら。
横目で会場を見たらば。
ふわああああ!
めっちゃ人がいるううう!
同じ年くらいの子にはほとんど会ったことないから、むちゃくちゃ緊張!!!
壇上につき、勇気を出して顔をあげて前を見ると、何故だか
「わあ!」
「おおお!」
だの悲鳴みたいな小さな声があちこちから。
え?何か変?
俺は慌てて自分の服をくるりくるりと確認。
別に破れてるとか汚れてるとかない…よね?
念のため袖も見たけど問題ない。
頭を撫でて見たけど、何もついてなさそう。
な、なんで?何もないよね?
涙目できょろきょろ。
前列にいるゲイルを見つけて「おかしくないよね?」と首を傾げたら、またどよどよどよっと会場がわいた。
な、なにいい⁈
ひーん、と半泣きになっていたら、ゲイルがぱくぱく。
だ・い・じょ・う・ぶ
さ・い・こ・う・だ
ゲイルー!!
うん!俺、頑張るね!負けない!
しっかりと頷き、深呼吸。すー。はー。
なぜか会場からも深呼吸が聞こえる。
ん?みんなも緊張してるのかな?
会場を見たら目があった子が真っ赤になってぐっと拳を握って頷いてくれた。
!!応援してくれてる!
よし!
「みなさま、初めまして。
サフィラス・グリフィスです!」
うん。いける!!
「なぜか新入生代表に選ばれ、大変光栄です。
だけどこのように沢山の同級生を前に、本当に私がスピーチをして良いのかと心配でもあります。
本日私たちは新たな門出を迎えました」
ここから大事なとこだ。
しっかりやらなきゃ!
ちらりと手のひらを見る。
⁈え?
文字が…ない!!!
手を開いたり閉じたりしてガン見してたら、ゲイルが何か合図してる。
え?何?
よ・ご・れ
ク・リー・ン・し・と・い・た・ぞ
親指をたてウインク。
ゲイルー?!なんてこと!!!
あわわな俺に、会場が「?」
そしてなぜか声援が。
「が、頑張れっっ!サフィ!」
お兄様!ガタンと立ち上がったあああ!
「がんばってえええ!!サフィ」
エリアス!!エリアスまで!!
すると生徒たちまで立ち上がる。
「サフィちゃああん!頑張ってええ!」
「慌てなくていいぞおおおサフィちゃん!!」
「かわゆすーっっ!」
「おちついてーっ!」
み、みんなああああ!!!
俺はみんなの声援をうけ、俄然やる気なみなぎってきた。
「あ、ありがとー!
こほん。
もう大丈夫ですので!みなさま、座ってくださいませ」
「えっと。今日から私たちの学校生活が始まります!
多くの学びが、沢山の素晴らしい出会いがあるかと思います。
楽しいこともあれば、大変なこと、辛いこともあるでしょう。
だけど、みんなとならそれを乗り越えていけると信じています。一緒に頑張りましょう!」
にっこり。
とっておきの笑顔で。
「これからよろしくおねがいしましゅ!」
か、かんだ!!
大事なときにいつも噛んじゃうの!俺のばか!
な、泣きそう。
「だ、大丈夫?」
「気にしなくていいからね!」
「上手だったぞ!」
みんなハラハラと見守ってくれているのを感じる。
優しい励ましがあちこちから。
うん!負けない!
「これから、よろしく、おねがい、します!!!」
今度はちゃんと言い切った!
やった!俺はやりきった!!
満足感で胸をいっぱいにして会場を見回すと、誰もが「うんうん」「がんばったね」「グッジョブ」してくれる。
う、嬉しいっ!!
満面の笑みを浮かべ深々とおじぎ。
わあああああ!
パチパチパチパチパチパチ!!
バチバチバチバチ!!
一際大きな拍手が聞こえる方向に目をやれば、公爵!
渾身の力で手を叩いている。
無表情なのに、ちゃんと気持ちが伝わってきた。
ありがとうね!
ゲイルは目元を押さえて下を向いて震えてる。
どんだけ⁈
立ち去りながら、優しいみんなに感謝を込めて胸の前で小さく手を振る。
みなさん、ありがとう。おかげでなんとか無事にスピーチできました!
「きゃー!!かわいい!」
悲鳴が上がってしまった。
カッコいいが良いんだけどなあ。
でも、好意的な感じでひと安心。
俺はにこにこしながら、転ばないようにゆっくりと退場したのだった。
ご挨拶が終わると、学園長の挨拶が。
学園長は、真っ白な長いお髭のダンデ先生。
優しいおじいちゃんみたいな感じ。
「サフィラスくん、素晴らしい挨拶をありがとう。
立派でしたよ?
皆、サフィラスくんにもう一度拍手を!」
わああああ!
パチパチパチパチ!
俺はテレテレしながら手を振って拍手に応えた。
ダンデ先生が片手を上げる。
すると一気に会場が静まった。
先生は満足そうに微笑むと、声を上げる。
「新入生諸君!ようこそ学園へ!
ここでは、身分や地位など関係なく過ごして貰います。
王族も、男爵も関係ありません。
みな同じく学園の仲間であり、友なのです。
ここでの付き合いは貴重なものになるでしょう。
学園で一生の友を得る者も多い。
共に学び、語り合い、この貴重な時を存分に過ごしてください」
「悩み苦しむ時もあるでしょう。
しかし、明けぬ夜はありません。
どうか前を向き、進むことを恐れないでください。
一人で立てぬ時には、我々もいます。
そのことを忘れずに。
以上!」
学校だから勉強とかの注意があるかと思ってたのに。
先生が語ったのは仲間について、友情についてだった。
困ったら頼れる人がいるよ、ってことだった。
なんかちょっとじーんとした。
この先生が学園長なら、きっと素敵な学校なんだろうなとワクワクした。
幕間から尊敬の眼差しを送っていたら。
ポンポンと肩を叩く手が。
「?」
え?お、お兄様?
「サフィ、さっきのスピーチ、サフィらしくてとても良かったよ」
「お兄様も応援してくれてありがとう!
ちょっと恥ずかしかったけど」
ちょっと唇尖らせると、お兄様がその唇をつん、と指でついた。
「ふふふ。ごめんね?つい声が出てしまった」
絶対にごめんと思ってないでしょ。
ところで。
「お兄様はどうしてここに?」
「私もスピーチがあるんだよ」
え⁈
驚いてたら、ダンデ先生がお兄様を呼んだ。
「レオンハルト殿下が皆さんのためにお越しくださっております。殿下、皆に祝いの言葉をお願いできますか?」
お兄様は悠然と壇上に。
しーん。
皆がお兄様の言葉を待つ。
なんか、凄いね、お兄様。
「あー。皆、楽にして欲しい。
私はレオンハルト。第一王子であるとともにこの学園の卒業生でもある。
私も君たちと同じように、ここで学び、語り、素晴らしい友を得た。
図書室で勉強を教えあった。
悪戯をして叱られたこともある。
これでもなかなかやんちゃだったんだよ?
今でも当時の先生方には頭が上がらない」
ここで茶目っ気たっぷりに片目をつぶってみせるお兄様に、会場からはクスクスと小さな笑い声が。
少し間をあけ、お兄様は大切なものを抱えるかのようにそっと胸に手を当てた。
「ここで過ごした時間は私の宝だ。
きっとこれから過ごす君たちの時間も君たちの宝になるだろう。
君たちの学園生活が充実したものになることを願う」
パチパチパチパチ!
拍手の嵐!
ここで終わるかと思いきや、まだ続きがあった。
「あと、これは余談なんだけど。
先程は式の最中に声を上げてしまい申し訳なかったね。
サフィは私の大切な人なんだ。
どうかみんな、サフィの力になってあげてね?」
やらかしおったー!!!
そんなことゆったら、俺が王族関係者みたいじゃん!
遠巻きにされて友達できないかもでしょーが!
「では。私からは以上です。
ご清聴ありがとう」
にこ、と笑顔で締めるお兄様だが。
会場は見事に静まり返ったままだった。
ほーら!!
俺、要注意人物になっちゃったでしょー!!!もう!
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