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ギルド50周年記念祭りだよ!

俺の知り合い続々来場(王様)

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さて。会場するやいなや、待ち構えたように来場したのは…。

う、嘘でしょ?王様?!
市民風の服を着て平民を装ってるけど!変なマントつけてフードかぶって不審者みたいだし!
それなのに隠しきれてないオーラと圧!王族の溢れ出る気品、半端ないね!
高位貴族バレバレ!
お兄さま、思わず「ち、父上?!」って言っちゃったし!
マジで一国の王がこんなとこ来ちゃっていいの?



ところがこの王様強かった。
なにがって?
コミュ力つよつよ星人だったのだ!

「ほう!このようなイベントをサフィが企画したとは!なんと素晴らしい!
さすがはワシのサフィだ!うむ!」

とご機嫌で会場を回り(隠れて着いて来てる護衛さんがあちこちでアワワ)

「むむ!これは魔物の肉なのか?なんと!
………おおお!この野性味あふれた味!食したことがないぞ!これは美味い!
なんという肉なのだ?」
「ふむふむ。その魔物はお主が狩ったのか!素晴らしい!」

だのと話しかけ、いつの間にか冒険者と肩を組んでる!
メニューにないビールとか勧められちゃってる!
しかも毒味もなしに飲み食いしちゃってる(毒なんてないけど!)!
自由だわー。この人、自由だわああああ!
まあ、ゲイルと俺がいるんだから大丈夫だろうっていうのがあるんだろうけど。

呆れながら見てる俺に気付くと嬉しそうに走り寄ってきた(ほんとに走り寄ってきたの。王様なのに!)

「最近忙しくしておると思ったが、なんと素晴らしい企画ではないか!
さすがはサフィだ!
それにしても、冒険者は多少乱暴者が多いと聞いておったのだが…なに、なんとも気の良い者たちではないか。
サフィが気に入るだけのことはある」

にこにこしながら俺の頭を撫でる王様は、会場を眺めて目を優しく細める。

「街の者と冒険者とはあまり交わらないでやってきた。
それが…どうだ。何とも楽しそうにしておる。
老若男女、地位や身分も関係なく皆で協力しあっておるわ。
客にも笑顔が絶えぬ。………良い祭りだ」

俺は「国」という大きな場所を治める王様に認めて貰ったことが凄く誇らしかった。

「えへへ。そうでしょ?オレもそう思う!」



「あのね、おう…じゃない、おじさま。こじいんも見て!」

俺は王様の手を引いて孤児院を案内。


ビーズのブレスレットを見て王様は目を丸くした。

「ほう!このように可愛らしいものをこんな値段で販売してよいのかね?
この10倍くらいでもよいのではないか?
え?これをお主たちが作ったというのか?なんと素晴らしい技術だ!とても器用なのだな。
どれ、いくつか貰ってもよいか?」

王妃様にあげるのだと、ひとつひとつ手に取り真剣に選び出す。

「こ、これは…!ひとつひとつ違うのだな。
こちらの組み合わせはとても清楚で美しい。しかし、こちらも独創的で捨てがたい。
どれも良いぞ。これは……なかなか決められぬな」

選びながら心から褒めてくれるから、作った子がものすごく嬉しそう。
最初は「なんかすごい人来ちゃった」っておどおどしてたのに、いつの間にか横に並んで和気あいあい。

「あのね。ここの組み合わせに苦労したの」
「確かに!大きさの違いが良いアクセントになっておるな!センスがあるぞ!」
「こっちも可愛いでしょ!これはね、ユリの花をイメージしたの」
「ほう!言われてみればこの組み合わせはユリの色と同じだな。発想が素晴らしい!
妻はユリが好きなのだ。こちらももらおう!」
「おじさん、好きな色とかある?」
「ワシか?うーむ。緑と青じゃな」
「じゃあ、これ!緑と青で作ったの!
これはね、可愛いんじゃなくって男の子でもいいようにって思って作ったの。
だからおじちゃんでもできるよ」
「おお!確かに!これならばワシでも良いな!……どうだ?似合うか?」
「うん!すっごく似合うよ!」

楽しそうにやり取りする姿を、俺は微笑ましい気持ちで見ていたのだった。
大人に、しかも貴族の人に対等な相手として話をしてもらう機会って、ここの子たちにはあまりないの。
臆せずにきちんと伝え、対応している子供たちが誇らしかった。
そして子供に対する態度じゃなくって、ちゃんと「お店屋さんの人」として対等に話をしてくれる王様、好き!
うちの王様、最高の王様だと思う

うんうん言いながら悩み、遂には「今のを全部」と言ってしまった王様。

「あのね。買いすぎたらダメだよ。そんなに要らないでしょ?
ムダ遣いしすぎないようにね」

なんて子供に諭されてたの、可愛い。
悩んだ末に「ワシの分もあるし、片手に2つ付けてくい見合わせを変えても良いだろう?」なんて言い訳しながら10個お買い上げ!ありがとうございまーす!
王妃様には後で「王様がすっごく真剣に選んでたよ」って教えてあげよっと!



カフェでも美味しいパンケーキを堪能し、ちびっこたちに囲まれてデレデレ。
チビちゃんたちは貴族とか王様とか知らないから、お膝にのったりお髭をひっぱったりやりたい放題。
シスターが「申し訳ございません」と青くなるのを、「よいよい。可愛いのう」と鷹揚に宥めてにこにこ。

このままここに居つきそうな勢いだったけど、お兄様が「そろそろお帰りを」って言って引きずるようにして強制退場。
子どもたちが「おじちゃーん!またきてねええええ!」って言うのに「またくるからのおおおお!」って言ってたから、お忍びで通うつもりなのだろう。
いいのかなあ。ここまでの大物を釣るつもりはなかったんだけど…。

冒険者たちとハイタッチとかしながら帰っていったの、笑った。





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