上 下
193 / 264
俺の平凡な日常

俺とキースとお兄さま

しおりを挟む
お兄様&ライリオが冒険者たちと親睦を深めている間に、俺とキースはお互いの理解を深め。
「サフィ」「キースお兄ちゃん」という仲に!

いつの間にか更に仲良くなっていた俺たちに、レオンの方のお兄様が激おこプンプン!

「これなんですよ!分かります?こういうことなんです!
ほんの少し目を離しただけで、こうなるんですよ?!
私がサフィのお兄さまなのに!!」

俺をギュウっと腕の中に囲い込んでガルルルとキースに牙を剥いている。

「なんていうか…レオンってこういう人だったんだね…」
「大人びた方だという印象だったがサフィと絡むと……な………。
感情的になられるというか…人間らしいというか……」

聖女云々で壊れっぷりを見ていたライリオすらも引いてる。

穏やかで落ち着いていたお兄様。
すっかり変わってしまわれましたなあ……。

ぷんすかしそうなライリオはというと…。

「僕たちはもう『サフィの仲間』っていう別枠だから。それでいいって決めてるの」
「そうだな。私たちがしたことを思えば、こうして仲良くして貰えるだけで、十分だ」

ということらしい。
健気かよ!!
ちゃんと仲間として大事に思ってるからね!
冒険のときには後継ぎだからダメかもだけど誘っていいっていうならたまになら誘ってあげるし!



敵意むき出しのお兄様に、キースが恐る恐る手を伸ばす。

「…あの…レオン?
サフィが痛がってるぞ?」

するとお兄様は1歩下がってその手をかわした。

「もうサフィの保護者のつもりですか?
いつの間にか親しくなったようですね?
念のために言っておきますが、私はサフィを思っています。
誰にも渡すつもりはありませんので、ご承知おき下さい」

「いや、サフィはモノじゃねえだろ?サフィの意志を大事に…」

キース!いいこという!その通りです!
内心で応援してたら、お兄様が俺の顔をくいっと持ち上げた。

「サフィは私のことが嫌い?」

哀し気にきらめく空色の瞳。切ない声音に俺は思わず…

「き、嫌いじゃないです!」
「ということは私のことが好きということでいいんだよね?」
「好きですけれども…」

言っている途中でお兄様のキスが俺のおでこに落とされる。
お兄様の目が優しく細められ、甘やかに輝く。
すっと耳にその唇を寄せ

「いつも『大好き』と言ってくれるものね。
ふふふ。私もサフィが大好きだよ?」

あ・まーーーい!!あ・まーーーーーい!!!
耳もとに吹き込まれたでろでろなシュガーボイスとキスで俺がメロメロになっている間に、お兄様がこう断言した。

「ということで、両想いですので」

ちょ、ちょ、ちょっとまたれよーーーーー!

「お兄さまとして!お兄さまとして大好きなのですのでーー!!」

キース!キースお兄ちゃん!フォローお願いしまっす!


キースはにこっと爽やかな笑みを見せて口を開いた。

「お兄様としてなら、俺にもチャンスあるんじゃないかな?」


こらあああああ!!火に油をそそいでどおする!!!

ライとリオがおでこに手を当て「あちゃあ!」と横を向き、冒険者たちは「やれやれー!」だの「キース!キース!」と観戦体制。

カオス!カオスです!!
俺の周りってどうしてみんなこうなの?!
保護者同士なかよくしてよおおおおおう!


俺…家族選びを間違えたかもしれん……。
本日。俺の家族に「ギルドの優しい気遣いお兄ちゃん」改め「ギルドのサフィの強火保護者」が1名増えました。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

モブに転生したはずが、推しに熱烈に愛されています

奈織
BL
腐男子だった僕は、大好きだったBLゲームの世界に転生した。 生まれ変わったのは『王子ルートの悪役令嬢の取り巻き、の婚約者』 ゲームでは名前すら登場しない、明らかなモブである。 顔も地味な僕が主人公たちに関わることはないだろうと思ってたのに、なぜか推しだった公爵子息から熱烈に愛されてしまって…? 自分は地味モブだと思い込んでる上品お色気お兄さん(攻)×クーデレで隠れМな武闘派後輩(受)のお話。 ※エロは後半です ※ムーンライトノベルにも掲載しています

誰よりも愛してるあなたのために

R(アール)
BL
公爵家の3男であるフィルは体にある痣のせいで生まれたときから家族に疎まれていた…。  ある日突然そんなフィルに騎士副団長ギルとの結婚話が舞い込む。 前に一度だけ会ったことがあり、彼だけが自分に優しくしてくれた。そのためフィルは嬉しく思っていた。 だが、彼との結婚生活初日に言われてしまったのだ。 「君と結婚したのは断れなかったからだ。好きにしていろ。俺には構うな」   それでも彼から愛される日を夢見ていたが、最後には殺害されてしまう。しかし、起きたら時間が巻き戻っていた!  すれ違いBLです。 ハッピーエンド保証! 初めて話を書くので、至らない点もあるとは思いますがよろしくお願いします。 (誤字脱字や話にズレがあってもまあ初心者だからなと温かい目で見ていただけると助かります) 11月9日~毎日21時更新。ストックが溜まったら毎日2話更新していきたいと思います。 ※…このマークは少しでもエッチなシーンがあるときにつけます。 自衛お願いします。

『別れても好きな人』 

設樂理沙
ライト文芸
 大好きな夫から好きな女性ができたから別れて欲しいと言われ、離婚した。  夫の想い人はとても美しく、自分など到底敵わないと思ったから。  ほんとうは別れたくなどなかった。  この先もずっと夫と一緒にいたかった……だけど世の中には  どうしようもないことがあるのだ。  自分で選択できないことがある。  悲しいけれど……。   ―――――――――――――――――――――――――――――――――  登場人物紹介 戸田貴理子   40才 戸田正義    44才 青木誠二    28才 嘉島優子    33才  小田聖也    35才 2024.4.11 ―― プロット作成日 💛イラストはAI生成自作画像

お飾り王妃の愛と献身

石河 翠
恋愛
エスターは、お飾りの王妃だ。初夜どころか結婚式もない、王国存続の生贄のような結婚は、父親である宰相によって調えられた。国王は身分の低い平民に溺れ、公務を放棄している。 けれどエスターは白い結婚を隠しもせずに、王の代わりに執務を続けている。彼女にとって大切なものは国であり、夫の愛情など必要としていなかったのだ。 ところがある日、暗愚だが無害だった国王の独断により、隣国への侵攻が始まる。それをきっかけに国内では革命が起き……。 国のために恋を捨て、人生を捧げてきたヒロインと、王妃を密かに愛し、彼女を手に入れるために国を変えることを決意した一途なヒーローの恋物語。 ハッピーエンドです。 この作品は他サイトにも投稿しております。 表紙絵は写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID:24963620)をお借りしております。

愛されていたのだと知りました。それは、あなたの愛をなくした時の事でした。

桗梛葉 (たなは)
恋愛
リリナシスと王太子ヴィルトスが婚約をしたのは、2人がまだ幼い頃だった。 それから、ずっと2人は一緒に過ごしていた。 一緒に駆け回って、悪戯をして、叱られる事もあったのに。 いつの間にか、そんな2人の関係は、ひどく冷たくなっていた。 変わってしまったのは、いつだろう。 分からないままリリナシスは、想いを反転させる禁忌薬に手を出してしまう。 ****************************************** こちらは、全19話(修正したら予定より6話伸びました🙏) 7/22~7/25の4日間は、1日2話の投稿予定です。以降は、1日1話になります。

真実の愛ならこれくらいできますわよね?

かぜかおる
ファンタジー
フレデリクなら最後は正しい判断をすると信じていたの でもそれは裏切られてしまったわ・・・ 夜会でフレデリク第一王子は男爵令嬢サラとの真実の愛を見つけたとそう言ってわたくしとの婚約解消を宣言したの。 ねえ、真実の愛で結ばれたお二人、覚悟があるというのなら、これくらいできますわよね?

白紙にする約束だった婚約を破棄されました

あお
恋愛
幼い頃に王族の婚約者となり、人生を捧げされていたアマーリエは、白紙にすると約束されていた婚約が、婚姻予定の半年前になっても白紙にならないことに焦りを覚えていた。 その矢先、学園の卒業パーティで婚約者である第一王子から婚約破棄を宣言される。 破棄だの解消だの白紙だのは後の話し合いでどうにでもなる。まずは婚約がなくなることが先だと婚約破棄を了承したら、王子の浮気相手を虐めた罪で捕まりそうになるところを華麗に躱すアマーリエ。 恩を仇で返した第一王子には、自分の立場をよおく分かって貰わないといけないわね。

魔がさした? 私も魔をさしますのでよろしく。

ユユ
恋愛
幼い頃から築いてきた彼との関係は 愛だと思っていた。 何度も“好き”と言われ 次第に心を寄せるようになった。 だけど 彼の浮気を知ってしまった。 私の頭の中にあった愛の城は 完全に崩壊した。 彼の口にする“愛”は偽物だった。 * 作り話です * 短編で終わらせたいです * 暇つぶしにどうぞ

処理中です...