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俺の平凡な日常
俺とキースのそうごりかい。
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ライリオとお兄様を連れて来るのに「冒険者さんはちょっとお口悪いからなー。お兄様たちは怖いかもだし、さくっと挨拶だけして孤児院にダッシュ!」なんて思ってた俺に教えてあげたい。
そもそも普段あんまり関わらない強大な権力にビビり倒してたのは冒険者だったし、悪いお口の犠牲になったのは俺!
最大の被害者、俺だからーーーーー!!!
急にうちとけたお兄様とライリオと冒険者たち。
「同志よ!!」みたいな感じで「サフィの保護者の苦労」について語り合っておる……。
おい!ライリオめ!この裏切りもの!
お兄様はともかく、ライリオに関しては、面倒みてあげてるの俺だと思うんですがー?
あの唐変木な公爵にビシッと言ってやったり、色々としりごみしがちなライリオのお尻をゲシッと押してあげてるの、俺ですけど?!
あまりにもな理不尽な扱いにちょっとぶすくれちゃうのは仕方ない話。
ぷうっと頬を膨らませて三角になっていじいじしてたらば。
「まあまあ。みいんなサフィが大好きだっていうことだから!」
キースがよしよししてくれた。
キースはあっちに加わってないんだね。
さすがだよキース!
この殺伐としたむさくるしいギルドの中の唯一の清涼剤といっていいキース!
「キースってほんとにぼうけんしゃ?
キースこそ、ギルドのきゅーせいしゅなんじゃない?
それかゆうしゃ。もしくは王族」
「え?な、なんで?」
最後の言葉でなぜかキースは急におどおどと目をさ迷わせる。
んん?
え?
テキトーに行ってみただけなんだけど、もしかしてもしかしちゃう?
「……じつはキースは他の国の4ばん目とか5ばん目とかの王子」
ギクリ、と身をこわばらせるキース。
「でもって、王位けいしょうとかあとつぎもんだいとかであらそいになってて、どくとかもられたり。あんさつみすいとか。それがイヤで家出中」
ギクギク!
「『あんなやつらかぞくじゃない、せいりゃくけっこんとかもイヤだし、この国でオヨメさん見つけちゃおう』みたいな?
そしたら王位とかつがなくていいし、みたいな?」
「ちょ、ちょ、ちょ、ちょ!!!
いや、マジで待って?待とうな?!
え?サフィってそういう能力とかあんの?
なんで見てきたみたいに知ってるんだ?」
キースは焦ったように周りを見回し、必死で指で「しーっ」「しーっ」した。
え?ホントにそうなの?
異世界あるあるを語ってみただけなのに!
マジでーーーー?!
ちょっとびっくりしてたら、キースも「え?」ってお顔に。
「サフィ…まさか適当に言ってみただけ、か?」
俺もちょっとびっくりしながらこくりと頷く。
いくらなんでもこんなギルドに他国の王子がいるとか!しかもA級冒険者として大活躍してるとか思わないじゃん!
「マジかー……」
ガクリと肩を落として下にしゃがみ込み、髪に手を入れくしゃくしゃ掻き混ぜるキース。
ちらりと捨てられた子犬みたいな目で俺を見ると
「内緒な?」
とウインクした。
「りょーかい」
俺はしゃがんだままでちょこちょことキースの横に移動。
小声でこっそりと内緒話。
「追手とかいないの?だいじょうぶ?」
「ああ。間にいくつかの街を経由して撒いてきたからな。人前では魔法も使わないようにしてるし」
そうか。魔法使ったら貴族の血をひいてるってわかっちゃうもんね。
俺は地面に近くにあった木の棒で意味のない〇や×を書きながら、何気ない感じで続けた。
「………キースはかぞくと仲良しじゃないの?」
「………家族か……。
血の繋がりあるっていうだけかな。
ギルドの皆の方がよほど身近に感じるよ。
……薄情だと思うか?」
ちょっと茶化したみたいに笑うキース。
その目の奥には傷付けられたもの特有の痛みが見える。
「ううん」
俺がそういうと、キースはほっとしたように息をついた。
「そっか」
くしゃくしゃっと俺の頭を撫でるキースに、俺はあえて淡々と言った。
「かぞくって、血のつながりじゃないでしょ。こころのつながり。
オレのお父さまのゲイルだって、お母さまのオジさんだもん。血でいったらとおいよ。
でも、ゲイルがオレを息子にしてくれたの。オレがゲイルをお父さまだってきめてるの。
ほんとの父とか兄弟とかはかぞくじゃないって、そうオレがきめたから。
オレのお父さまはゲイル。お兄さまは、血はつながってないけどレオンお兄さま」
「……そうか。確かに、ゲイルとサフィは間違いなく家族だもんな」
キースはそうっと俺の肩を抱き寄せ、優しい優しい声で静かに言った。
「…サフィにも色々あったんだな」
「……いろいろあったの。
………キースにもいろいろあったんだね…」
「ああ。色々あったな…」
お互いに多くは語らなかったけど、俺にはキースの気持ちが分かった。
触れ合う肩から暖かなぬくもりが伝わる。
俺がこのぬくもりに癒されてるみたいに、キースもこのぬくもりに癒されてくれたらいいな。
家族を選んで産まれてくることはできないから。
この痛みは俺たちがずっと抱えていくものだから。
俺は言った。
「あのね。えらんでいいんだよ」
「ん?何をだ?」
「かぞく。生まれるところはえらべないから、生まれたあと自分でかぞくをえらんだらいいの。
大好きな人とお互いに『かぞくだな』って思ったら、それがかぞく。
血がつながっただけの人なら、傷つけてくるだけの人なら、かぞくじゃないってポイしていいの。
血がつながってるだけでかぞくだっていうのはごうまん」
「ポイしていい………?」
「キース?」
「……俺は家族から逃げた。
家族を家族だと思えない自分は冷たいやつなんじゃないかって…おかしいんじゃないかって思ってた。
いいのか?家族なのに愛せなくても、いいのか?」
「そりゃあ、身内でけんりょくとかをとりあうかぞくでしょ?ころしあいしたり、ヤバすぎ!
イヤだし、にげるでしょ。あたりまえだよ。
どうせそこには愛なんてないもん。ないものはお返ししようがないでしょ?
愛は与えてるだけじゃダメ。与えてもらわなきゃ。いっぽーつうこーはさびしい」
「そうか。…そうだな」
「キースは…そんなかぞくでも愛したかったんだね」
キースの顔がくしゃりと歪んだのを俺は見ないふりをした。
「ああ。…………ずっと愛したいと思ってた…」
「……さびしかったね。
愛してもらいたかった?やさしくしてほしかった?」
「愛して貰いたかった。優しくして欲しかった…!」
俺はキースをぎゅっと抱きしめた。
「大丈夫だよ。ぜったいにかぞくに出会えるよ。
オレがゲイルに出会ったみたいに。お兄さまがオレを弟にしてくれたみたいに。
きっとキースのかぞくに出会えるよ。
キースを愛して、やさしくしてくれる人に出会えるよ」
「そうかな?
俺もいつか…出会えるのか?誰かを愛せるのか?」
そりゃあそうでしょ。こんなにカッコいいお兄さんなんだもの!
「もう愛してるでしょ。
だってキースはとってもやさしいもん。みんなのこと大好きだからだよね。
みんなもキースが大好きでしょ。キースのいうことなら聞くし。
キースはギルドのお母さん。ギルドがキースのおうちなんだよ」
俺の言葉にキースがクスっと笑った。
「俺があいつらのお母さんなのか?」
俺もふふふと笑った。
「あんなおじちゃんたちのおせわなんて。わかいのにたいへんですねー?」
「ふは!サフィだってまだ子どもだろう。
子どもなのに大変だよなあ」
「うん。たいへんなの!わかってくれる?
みんなオレのこと、大人だってかんちがいしてない?
まだ6さいなのにたよりすぎー!」
「はははは!確かに!まだ6さいだったなあ!
時々もっと本当は大人なんじゃないかと思うぞ。魔法で若返った賢者とか?」
ギクッ!鋭い!賢者ではないけどのね。若返りみたいなもの。
ってゆーか、前世に記憶戻ってからの年数足したらも成人済みだものね。
身体の年齢にこころは引きずられるけど。知識は年齢相応にあるから。
俺はすんっとなって万感の思いを込めて言った。
「………くろうしてきたからねー」
それからにっこりと笑う。
「でも、今はしあわせですのでね!
キースもオレといっしょにかぞくになる?
キースお兄ちゃんもいっしょにしあわせ!おー!」
ね。キースももう俺の家族。
お互いに家族を捨てたふたりなんだもの。
もうここは家族で良くないですか?
俺の言葉にしない気持ちが伝わったみたい。
キースは目を見開いたあと
「ああ。幸せだな!……サフィ!」
内側からにじみ出るような柔らかな笑みを見せたてくれたのだった。
そもそも普段あんまり関わらない強大な権力にビビり倒してたのは冒険者だったし、悪いお口の犠牲になったのは俺!
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「え?な、なんで?」
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んん?
え?
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ギクギク!
「『あんなやつらかぞくじゃない、せいりゃくけっこんとかもイヤだし、この国でオヨメさん見つけちゃおう』みたいな?
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「ちょ、ちょ、ちょ、ちょ!!!
いや、マジで待って?待とうな?!
え?サフィってそういう能力とかあんの?
なんで見てきたみたいに知ってるんだ?」
キースは焦ったように周りを見回し、必死で指で「しーっ」「しーっ」した。
え?ホントにそうなの?
異世界あるあるを語ってみただけなのに!
マジでーーーー?!
ちょっとびっくりしてたら、キースも「え?」ってお顔に。
「サフィ…まさか適当に言ってみただけ、か?」
俺もちょっとびっくりしながらこくりと頷く。
いくらなんでもこんなギルドに他国の王子がいるとか!しかもA級冒険者として大活躍してるとか思わないじゃん!
「マジかー……」
ガクリと肩を落として下にしゃがみ込み、髪に手を入れくしゃくしゃ掻き混ぜるキース。
ちらりと捨てられた子犬みたいな目で俺を見ると
「内緒な?」
とウインクした。
「りょーかい」
俺はしゃがんだままでちょこちょことキースの横に移動。
小声でこっそりと内緒話。
「追手とかいないの?だいじょうぶ?」
「ああ。間にいくつかの街を経由して撒いてきたからな。人前では魔法も使わないようにしてるし」
そうか。魔法使ったら貴族の血をひいてるってわかっちゃうもんね。
俺は地面に近くにあった木の棒で意味のない〇や×を書きながら、何気ない感じで続けた。
「………キースはかぞくと仲良しじゃないの?」
「………家族か……。
血の繋がりあるっていうだけかな。
ギルドの皆の方がよほど身近に感じるよ。
……薄情だと思うか?」
ちょっと茶化したみたいに笑うキース。
その目の奥には傷付けられたもの特有の痛みが見える。
「ううん」
俺がそういうと、キースはほっとしたように息をついた。
「そっか」
くしゃくしゃっと俺の頭を撫でるキースに、俺はあえて淡々と言った。
「かぞくって、血のつながりじゃないでしょ。こころのつながり。
オレのお父さまのゲイルだって、お母さまのオジさんだもん。血でいったらとおいよ。
でも、ゲイルがオレを息子にしてくれたの。オレがゲイルをお父さまだってきめてるの。
ほんとの父とか兄弟とかはかぞくじゃないって、そうオレがきめたから。
オレのお父さまはゲイル。お兄さまは、血はつながってないけどレオンお兄さま」
「……そうか。確かに、ゲイルとサフィは間違いなく家族だもんな」
キースはそうっと俺の肩を抱き寄せ、優しい優しい声で静かに言った。
「…サフィにも色々あったんだな」
「……いろいろあったの。
………キースにもいろいろあったんだね…」
「ああ。色々あったな…」
お互いに多くは語らなかったけど、俺にはキースの気持ちが分かった。
触れ合う肩から暖かなぬくもりが伝わる。
俺がこのぬくもりに癒されてるみたいに、キースもこのぬくもりに癒されてくれたらいいな。
家族を選んで産まれてくることはできないから。
この痛みは俺たちがずっと抱えていくものだから。
俺は言った。
「あのね。えらんでいいんだよ」
「ん?何をだ?」
「かぞく。生まれるところはえらべないから、生まれたあと自分でかぞくをえらんだらいいの。
大好きな人とお互いに『かぞくだな』って思ったら、それがかぞく。
血がつながっただけの人なら、傷つけてくるだけの人なら、かぞくじゃないってポイしていいの。
血がつながってるだけでかぞくだっていうのはごうまん」
「ポイしていい………?」
「キース?」
「……俺は家族から逃げた。
家族を家族だと思えない自分は冷たいやつなんじゃないかって…おかしいんじゃないかって思ってた。
いいのか?家族なのに愛せなくても、いいのか?」
「そりゃあ、身内でけんりょくとかをとりあうかぞくでしょ?ころしあいしたり、ヤバすぎ!
イヤだし、にげるでしょ。あたりまえだよ。
どうせそこには愛なんてないもん。ないものはお返ししようがないでしょ?
愛は与えてるだけじゃダメ。与えてもらわなきゃ。いっぽーつうこーはさびしい」
「そうか。…そうだな」
「キースは…そんなかぞくでも愛したかったんだね」
キースの顔がくしゃりと歪んだのを俺は見ないふりをした。
「ああ。…………ずっと愛したいと思ってた…」
「……さびしかったね。
愛してもらいたかった?やさしくしてほしかった?」
「愛して貰いたかった。優しくして欲しかった…!」
俺はキースをぎゅっと抱きしめた。
「大丈夫だよ。ぜったいにかぞくに出会えるよ。
オレがゲイルに出会ったみたいに。お兄さまがオレを弟にしてくれたみたいに。
きっとキースのかぞくに出会えるよ。
キースを愛して、やさしくしてくれる人に出会えるよ」
「そうかな?
俺もいつか…出会えるのか?誰かを愛せるのか?」
そりゃあそうでしょ。こんなにカッコいいお兄さんなんだもの!
「もう愛してるでしょ。
だってキースはとってもやさしいもん。みんなのこと大好きだからだよね。
みんなもキースが大好きでしょ。キースのいうことなら聞くし。
キースはギルドのお母さん。ギルドがキースのおうちなんだよ」
俺の言葉にキースがクスっと笑った。
「俺があいつらのお母さんなのか?」
俺もふふふと笑った。
「あんなおじちゃんたちのおせわなんて。わかいのにたいへんですねー?」
「ふは!サフィだってまだ子どもだろう。
子どもなのに大変だよなあ」
「うん。たいへんなの!わかってくれる?
みんなオレのこと、大人だってかんちがいしてない?
まだ6さいなのにたよりすぎー!」
「はははは!確かに!まだ6さいだったなあ!
時々もっと本当は大人なんじゃないかと思うぞ。魔法で若返った賢者とか?」
ギクッ!鋭い!賢者ではないけどのね。若返りみたいなもの。
ってゆーか、前世に記憶戻ってからの年数足したらも成人済みだものね。
身体の年齢にこころは引きずられるけど。知識は年齢相応にあるから。
俺はすんっとなって万感の思いを込めて言った。
「………くろうしてきたからねー」
それからにっこりと笑う。
「でも、今はしあわせですのでね!
キースもオレといっしょにかぞくになる?
キースお兄ちゃんもいっしょにしあわせ!おー!」
ね。キースももう俺の家族。
お互いに家族を捨てたふたりなんだもの。
もうここは家族で良くないですか?
俺の言葉にしない気持ちが伝わったみたい。
キースは目を見開いたあと
「ああ。幸せだな!……サフィ!」
内側からにじみ出るような柔らかな笑みを見せたてくれたのだった。
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