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俺の平凡な日常
俺の想定より大事に?
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祭りの予定は2か月後。
準備は着々と進んでおります。
最初こそ俺が「あれはどう?」「これはどう?」と指揮をとり、面倒くさそうな冒険者がいれば士気をあげ、東に泣く子があれば行って大丈夫だよといい、西に困った冒険者がいればこうしたらどうかとアドバイスしていたのですが。
1か月もした今では冒険者たちが自発的にどんどんあれやこれやとやり出し、俺の知り合いの街の人までそれに加わり、楽しそうな様子を見た街の人もそれに加わり…もうこの段階で「街の人と冒険者とがもっと仲良くなる」は達成してる気が…。
それに伴って孤児院でも大忙し。
カフェの人たちも定期的に顔を出してくれてるみたいで、いい匂いがあたりに満ちている。
試作品をギルドに差し入れてくれて、冒険者と子供達も和気あいあい。
俺が教えた「おっちゃんマウンテン登山」や「おっちゃんぐるぐる」をして貰ってはしゃいでいる。
え?なにここ?
ちょっとしたパラダイス?
あたりにはクッキーの良い匂いが漂い、子どもと強面のおっちゃんがきゃっきゃと戯れ。
即席に作られたテントには街の人からの差し入れが山となり、休憩しながらつまめるようになっている。
そのお礼だと、手の空いた冒険者が街の人の手伝いで屋根のペンキ塗りやドアの補修をしたり。
楽し気な様子に誘われて、普段はこっちに来ない街のおじいちゃんおばあちゃんたちまで、おずおずと顔を出している。
冒険者って、基本的にお年寄りと子供には優しいんだよね。
自分たちと違って弱いから守ってあげなきゃ、とか思うのかも。
おじいちゃんに気付いた冒険者が
「ここに座ったらどうだ?」
とかいって椅子を持って行ってあげたりしてるのが微笑ましい。
老若男女、ムキムキもほそほそも、人間も獣人も、大人も子供もまぜこぜになって協力しあってる。
理想郷じゃん!
いつの間にこんなことに!
ちょっと大人しそうなお嬢さんとかにはキラキラなキースがジェントルに声を掛けていた。
適材適所だね。
キースってナンパそうにみえて真面目だし人当たりもいいから、キースに任せとけば安心。
余談だが、俺の中でキースの評価はうなぎ登り!
なにしろ冒険者としては有望。なのに腰は低いし、人望も厚い。
北に困った人あれば手助けし、南に揉める人あれば仲裁し。
合間にちょちょっと依頼もこなす万能っぷり!
孤児院の子たちにも慕われている。
ティガーやミカミカなみの「なんでもお兄さん」だったのだ!
なので、今は「祭り実行委員会」の副会長みたいなことしてもらってる。
え?これって、もう俺ゆっくりしてていいんじゃね?
孤児院と庭と街とで行ったり来たりしてて、俺、最近ゲイルに行きかえりと寝るときくらいしか抱っこしてもらってない!
たまに眠すぎておはようのちゅーしてもらっても覚えてない!
これはゆゆしきじたいですぞ!
ギルド長の調査(地味に継続して観察されてた)によると、俺の癒し力的なものは持続性があるらしく、俺とハグしたり仲良しした人はパワー状態が維持されるぽい。
なので、新しい人が来るまでは俺、数日くらいならお休み頂いてもよいのではないかしら?
なんて思っていたら。
ゲイルより先にお兄様とゆっくりしなくてはならぬきんきゅーじたい発生!
というのも。
週3日に加えて空き時間もお休みの日も朝から1日中こっちに入り浸っているので、お兄様がおかしくなってきてしまったのだ!
癒し力、維持されてるはずなのに!
ミカミカから緊急のお知らせが届いたのですよ。曰く
「宙を見つめながら『サフィ』とつぶやいていた」
「侍女にサフィに似たぬいぐるみをつくれないかと相談していた」
などとけっこう残念な内容。
おまけにその〆はこうだ。
「頼むから1日レオンの為に開けてやってくれ!サフィ切れだ。ヤベエ。また闇落ちするぞ!」
ひいいいいい!!
お泊りしてるじゃん!週に1日は俺があっちにお泊りしてるし、週に2日くらいはお兄様がこっちで寝てるよね?
どんだけ俺が大好きなのよ!
でも、確かに最近は忙しかった。
家でも色々な計画をまとめてみたり、疲れて寝ちゃったりと、ゆっくりとすごす時間が足りてなかったかも。
昼間動き回ってるから帰るとぐっすりで、俺が寝ちゃってからお兄様が来たり。
魔法訓練とかの日も、空き時間はお祭りのお飾りをつくったり、ポスターをつくったりしてた。
あれ?
お兄様と遊んだりとか、お散歩したりとか絵本読んだりとかしてない?
これはあかん!
てことで。ギルド長に相談し、冒険者さんたちにも「今日は帰るね」と伝え、後をキースに任せて。
俺は大急ぎでゲイルに王城まで送ってもらった。
「ありがとね、ゲイル!夜にゲートで帰るからね!ごはんはこっちで食べるー!」
「あーあ、すっかり王城が別宅だなあ」
ゲイルがため息をついた。
「えへへ。ごめんね?
でも、オレにとってはゲイルがいるとこがおウチだからね!」
ぎゅっとして「いってきます」のハグ。
したら、ちょっとゲイル恋しくなって「こっちこっち」と顔を近づけてもらってほっぺすりすりも。
「じゃあ、あとでね!いってきまーす!」
準備は着々と進んでおります。
最初こそ俺が「あれはどう?」「これはどう?」と指揮をとり、面倒くさそうな冒険者がいれば士気をあげ、東に泣く子があれば行って大丈夫だよといい、西に困った冒険者がいればこうしたらどうかとアドバイスしていたのですが。
1か月もした今では冒険者たちが自発的にどんどんあれやこれやとやり出し、俺の知り合いの街の人までそれに加わり、楽しそうな様子を見た街の人もそれに加わり…もうこの段階で「街の人と冒険者とがもっと仲良くなる」は達成してる気が…。
それに伴って孤児院でも大忙し。
カフェの人たちも定期的に顔を出してくれてるみたいで、いい匂いがあたりに満ちている。
試作品をギルドに差し入れてくれて、冒険者と子供達も和気あいあい。
俺が教えた「おっちゃんマウンテン登山」や「おっちゃんぐるぐる」をして貰ってはしゃいでいる。
え?なにここ?
ちょっとしたパラダイス?
あたりにはクッキーの良い匂いが漂い、子どもと強面のおっちゃんがきゃっきゃと戯れ。
即席に作られたテントには街の人からの差し入れが山となり、休憩しながらつまめるようになっている。
そのお礼だと、手の空いた冒険者が街の人の手伝いで屋根のペンキ塗りやドアの補修をしたり。
楽し気な様子に誘われて、普段はこっちに来ない街のおじいちゃんおばあちゃんたちまで、おずおずと顔を出している。
冒険者って、基本的にお年寄りと子供には優しいんだよね。
自分たちと違って弱いから守ってあげなきゃ、とか思うのかも。
おじいちゃんに気付いた冒険者が
「ここに座ったらどうだ?」
とかいって椅子を持って行ってあげたりしてるのが微笑ましい。
老若男女、ムキムキもほそほそも、人間も獣人も、大人も子供もまぜこぜになって協力しあってる。
理想郷じゃん!
いつの間にこんなことに!
ちょっと大人しそうなお嬢さんとかにはキラキラなキースがジェントルに声を掛けていた。
適材適所だね。
キースってナンパそうにみえて真面目だし人当たりもいいから、キースに任せとけば安心。
余談だが、俺の中でキースの評価はうなぎ登り!
なにしろ冒険者としては有望。なのに腰は低いし、人望も厚い。
北に困った人あれば手助けし、南に揉める人あれば仲裁し。
合間にちょちょっと依頼もこなす万能っぷり!
孤児院の子たちにも慕われている。
ティガーやミカミカなみの「なんでもお兄さん」だったのだ!
なので、今は「祭り実行委員会」の副会長みたいなことしてもらってる。
え?これって、もう俺ゆっくりしてていいんじゃね?
孤児院と庭と街とで行ったり来たりしてて、俺、最近ゲイルに行きかえりと寝るときくらいしか抱っこしてもらってない!
たまに眠すぎておはようのちゅーしてもらっても覚えてない!
これはゆゆしきじたいですぞ!
ギルド長の調査(地味に継続して観察されてた)によると、俺の癒し力的なものは持続性があるらしく、俺とハグしたり仲良しした人はパワー状態が維持されるぽい。
なので、新しい人が来るまでは俺、数日くらいならお休み頂いてもよいのではないかしら?
なんて思っていたら。
ゲイルより先にお兄様とゆっくりしなくてはならぬきんきゅーじたい発生!
というのも。
週3日に加えて空き時間もお休みの日も朝から1日中こっちに入り浸っているので、お兄様がおかしくなってきてしまったのだ!
癒し力、維持されてるはずなのに!
ミカミカから緊急のお知らせが届いたのですよ。曰く
「宙を見つめながら『サフィ』とつぶやいていた」
「侍女にサフィに似たぬいぐるみをつくれないかと相談していた」
などとけっこう残念な内容。
おまけにその〆はこうだ。
「頼むから1日レオンの為に開けてやってくれ!サフィ切れだ。ヤベエ。また闇落ちするぞ!」
ひいいいいい!!
お泊りしてるじゃん!週に1日は俺があっちにお泊りしてるし、週に2日くらいはお兄様がこっちで寝てるよね?
どんだけ俺が大好きなのよ!
でも、確かに最近は忙しかった。
家でも色々な計画をまとめてみたり、疲れて寝ちゃったりと、ゆっくりとすごす時間が足りてなかったかも。
昼間動き回ってるから帰るとぐっすりで、俺が寝ちゃってからお兄様が来たり。
魔法訓練とかの日も、空き時間はお祭りのお飾りをつくったり、ポスターをつくったりしてた。
あれ?
お兄様と遊んだりとか、お散歩したりとか絵本読んだりとかしてない?
これはあかん!
てことで。ギルド長に相談し、冒険者さんたちにも「今日は帰るね」と伝え、後をキースに任せて。
俺は大急ぎでゲイルに王城まで送ってもらった。
「ありがとね、ゲイル!夜にゲートで帰るからね!ごはんはこっちで食べるー!」
「あーあ、すっかり王城が別宅だなあ」
ゲイルがため息をついた。
「えへへ。ごめんね?
でも、オレにとってはゲイルがいるとこがおウチだからね!」
ぎゅっとして「いってきます」のハグ。
したら、ちょっとゲイル恋しくなって「こっちこっち」と顔を近づけてもらってほっぺすりすりも。
「じゃあ、あとでね!いってきまーす!」
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はじめまして。初めて書いてみたオリジナル異世界BL。可哀想な主人公が、それに負けずに力業で幸せになるのが好きです。ハピエン主義なので、完全無双のハピエンになります。誤字脱字など、ご容赦くださいませ(;・∀・)→ご指摘があれば修正いたしますので!ご都合主義の作者の自己満足小説です。作者豆腐メンタルのため、ご不満のある方は「そっ閉じ」でお願いいたします。。。お楽しみいただけましたら、ぜひぽちっとイイネをお願いいたします♡コメントもぜひ♡
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