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俺の平凡な日常

俺の平凡な日常と俺の非凡なお誕生日会

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※※※※※※※※



あれからおっちゃんたちにも無事にお土産を配り終えて、俺はまた平凡な日常に戻った。

朝起きたらゲイルかお兄様かライリオと朝ごはん。
その後は2時間くらい自由時間。
ここで、あさイチでおっちゃんが凸して遊びにくることもあるし、庭を散歩したり、ゲイルとあそんだり。
ルー親子と遊んだりする。

その後は、オルガ団長との剣術訓練。体力づくりも兼ねて走ったりとかも。これは護衛ズが団長と一緒に来てくれることも。
もしくは、バイツー先生が来てくれて魔法の訓練。こっちはお兄様も時間が許せば参加したりする。

そしてランチ。
ゲイルがいたらゲイルと。お兄様が来たり、王様に「おいで」されることも結構あるからそこはフレキシブルに。
ライは学校が始まったので昼はいないことが多くなった。だからリオは公爵がいれば公爵と食べてるみたい。
でも、寂しくなると俺のとこに食べに来たりもする。

午後はエリアスと貴族のお勉強。マナーに加え、ダンスとかも。
意外なことにエリアスはダンスも上手だった!華麗に踊るエリアスは、エリアスなのにすごくスマートでカッコいい。こうしてみると、いかにもな美形。やわらかな笑顔の素敵な、でも一癖ありそうな美人さんにみえる。

あとはフリータイム。
ティガマリと敷地内の森に行ったり、気が向けば守り隊の集まりに顔を出したり、王城に顔を出したり。

休みの日とか時間があるときにはゲイルといっしょに城下に行ったりもしてるの。
ゲイルがギルドで治療するときも一緒に連れて行ってもらってる。
おかげですっかり町のみんなとも顔なじみに。

もんのすごく平凡だけど充実した毎日なのです。







あ。
あのね、オレ、無事に6歳になりました!
もんのすんごい盛大なパーティーを国をあげてな勢いで「王家に」主催されそうになったけど、なんとか阻止しました。
マジで企画段階で気付いて良かった!ぽろっとマリーに口をすべらせてくれた侍女さんには感謝しかない!
聖女とはいえ一貴族のしかも3男になにをしようとしてるの、王様!

身内で大人しく祝いたいと必死でお願いして、国をあげたやつはなんとか思いとどまって貰った。
そして「サフィのたっての希望」ということで、ゲイルとエリアス、公爵家メンバー、先生、団長さん、お兄様とミカミカ、王様と王妃様、それに公爵家の守り隊と侍女さんたちでフリーダムな立食パーティーにして貰ったのでした。
それでも、おっちゃんたちとかがあまりにうるさかったので、「王城で」王家と高位貴族を招いての俺のお誕生日会パート2まで開催されたのでございました…。

プレゼントも沢山もらったよ。
そのどれもが、適当に選んだとかお金がかかっているとかじゃなくって、俺のために選んでくれた俺のためのものだった。

ゲイルは俺にマジックバッグをくれた。空間収納がついた鞄。しかもこれ、ゲイルの手作り!!こっそりとあの鞄屋さんに通って作ってたんだって!冒険者になってからも使えるように、腰に下げるベルト付きのタイプ。そのベルトには剣もさせるようになっていた。
なんて細やかな気遣いなの!!ゲイルううう!ほんとにもう好きすぎる!!ゲイルって、最高のお父様すぎない?絶対に大事にするからねっ!!
かばん屋さんの息子のジャンからも、鞄とお揃いのポーチをもらった。前は小銭入れしか作れなかったけど、ようやくポーチをつくることを許可されたんだって。

お兄様のプレゼントは、指輪!お兄様の瞳の色の宝石がついてて、お兄様といつもいっしょみたいで嬉しい。なんてね。薬指にピッタリのサイズだったから、結局俺の薬指に収まった。「プロポーズみたいだね」って笑ったら、ゲイルの目が凍った。冗談なのに。
これには迷子防止機能がついてるんだそうな。俺がどこにいてもわかるから、いざというときに安心なんだって!
お兄様、優しい!
それなのにみんなは「レオン、それはダメだろ」「ヤベエな」「追跡装置か?!」「重すぎる…ある意味、婚約指輪より激重げきおも」とか言っててちょっと酷いと思う。お兄様、俺のこと心配してくれてるだけなのに。

団長はサフィ用の剣パート2!これまた俺のサイズに合わせてくれてある。木剣から進化して、軽量合金!色々な金属を混ぜて魔法でつないであって、軽くて丈夫なんだって。
ちょっと筋力もついた今の俺ならなんとか振れる!よーっし!強くなるぞおおおお!!!

バイツー先生は魔法使いのマント!!あの!!伝説の!!ハリーなやつとかが着てるマント!!俺の膝くらいまであって、それを纏うだけでものすごい優秀な魔法使いに見える!

「あのね、それ、魔塔の職員ですって証なんだよお。図書館とか他の国とかでも、魔法関連の禁書が自由に読めるからねえ!ふふふ。すごいでしょお!」

ちょ!!ちょ!!禁書って!!こんな6歳児にそんな凄いもんくれちゃって大丈夫なの?!

「サフィちゃんのことは信頼してるから。聖女なんだし悪用なんてしないでしょお?」

おっとりと笑うバイツー先生の信頼が怖い!

「もっとオレをうたがって!
オレにだって悪の心がめばえちゃうかもしれないでしょお!」

抗議したら、みんなに吹き出された。

「ははは!無理だろ」
「サフィが?ありえないでしょう」
「わっはっはは!そんなことがあるなら我も見てみたいものだ!」

きいいい!!

「わらったみんな、ケーキはなしだからね!!」


マリーのプレゼントはマリーが倒した「珍しい虹色ドラゴンの逆鱗」。さらっと「私が倒した」って言った?おおお!凄いね、マリー!

ティガーは「絶対に汚れない加工がされた冒険者のブーツ」と「絶対に破れない冒険者の上着」のセット。
サラマンダーの皮を変異スライム液各種で加工したんだって。え?なにそれ?!
これまたティガーの手作り。ほんっとおになんでもできるんだね、ティガー!

公爵家のプレゼントは………途方もなかった。
なんだと思う?
公爵、ライリオ、守り隊総出で頑張ったらしい。
あのね……泳げる池!!!
うん。聞き間違いじゃないの。い・け!泳げる人口の池!!
ちょっと意味わかんないだろうけど、要するにプール、プールなの!!信じられる?
うん、信じられないよね!
俺も!!

「プレゼントを渡すね」って言って外に連れ出された時におかしいなって思ったんだよ。
だけど、まさかそんなんだなんて思わないでしょ?!
泳げる池には滑り台までついてた。完全に前世のプールやん…。

なんか、週末に3日くらい「王城に行っているように」って言われてたんだよね。みんな留守にするから、なんて言ってたんだけど。
どうやら魔法を駆使してみんなでひっしこいて頑張ってたみたい。
しかも、作った後はバイツー先生に隠蔽魔法まで頼んで今日まで俺に隠してたの!どうりでそっち側に行こうとするとみんなが邪魔してきたわけだよ!
ちなみに、水は公爵家の面々が入れ替えてくれるそうな。さすが水魔法に特化した貴族!凄いを超えて、ビビるレベル。


それで王様たちからのプレゼントはといえば…各種水着だった!
絶対にこれ確信犯!王家と公爵家、組んでたでしょお?!

にこにこしながら王妃様が言った。

「これ、サフィちゃんのためにデザインしたのよ~!楽しかったわあ!」

え?まさかのメイドイン王妃様?マジで?
そんなことある?
ケースに入れて陳列しなきゃダメなやつじゃない?コレ。



でね。信じられないことは続くの。
いつの間にかプールサイドにお着替え用テントが建てられてて、そのまま俺、水美ファッションショーに突入!
水着は驚くことに10着もあった!王妃様曰く「どれも可愛くって選べなかったのよ」だそうな。
でもって、次から次に着せ替えられ、ポーズを取らされ(そしてゲイルはそれを必死で絵に…)ついでに歌まで歌わされました。
楽しかったけど!!!けっこうノリノリになっちゃったけど!!!
こんなお誕生日会、規格外すぎるよおおお!!
俺「身内で大人しく祝いたい」って言ったよね?
大人しいとは!

とはいえ。
みんなが俺のために、俺にいいものをと一生懸命プレゼントを選んでくれたのが伝わってきた。
色々考えて頑張ってくれたのがすごおくよくわかるの。
プレゼント自体もうれしいんだけど、それ以上にみんなの気持ちが嬉しかった。

「おめでとう!」
「産まれてきてくれてありがとう!ずっとサフィが大好きだよ!」
「サフィちゃんと出会えて嬉しいわ。これからもよろしくね」
「無事に大きくなってくれて嬉しいよ。大好きだぞ」

優しい言葉がシャワーみたいに注がれて、俺はみんなのやさしさにひたひたに浸される。

何て幸せなんだろう。
幸せすぎて怖いくらいだ。
人間の一生に幸せと不幸せの量が決まってるとしたら、もうここまでで昔の辛さとかはチャラになるくらいにみんなに愛して貰ってる。大事にして貰ってる。

なので。
プレゼントもほどほどにしましょう!
過度な幸せは怖いですので!
とりあえず来年に向けて俺はこう言っておいた。

●プレゼントはお部屋に入るおおきさで
●お誕生日会場は公爵家の広間。外にまで繰り出さない。
●高価なものはやめましょう




ちなみに、おっちゃんたちからもとんでもないプレゼントを沢山いただいたのですが。
中でもヤバかったのはアイクおじ様。
なんとあやつ、鍵を寄越しおった!

「敷地内に使っていない別宅があってな。
いつでも遊びに来れるように整えておいた。
好きな時に遊びに来るとよい。
果樹園もあるし、馬場もあるのでな。楽しめると思うぞ」

まさかの、別邸!!!
もちろんすぐさまお返しいたしました!
遊びに行くときは連絡するから。その時に貸してくれたらいいだけだから!!

さすがにみんなドンびいていたので、俺がおかしいんじゃないと思う……。

ゲイルが「あいつ、サフィを孫とでも思ってんじゃねーか…」と言っていたが、まさしくそんな感じ。
すっかりなつかれてしまったなあ。
まあ、たまには遊びに行ってあげようと思う。
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