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たくさんの感謝と共に(おみやげ配るだけ!)
俺、おみやげ配り人になる5(お兄様とゲイル)
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夜はぐっすり。
なんなら食べながら何度も撃沈しかけて、結局はお父様に抱っこで回収されクリーンからのお布団コース。
ああ…また今日もお風呂に入り損ねてしもうた…。しょんぼり。
で。
朝です!
新しい朝がきた!希望の朝だ!
早く寝たからか、スッキリ!
今日はバイツー先生の日。サクッと朝ごはん食べて、俺の方から先に魔塔にいこう!
てことで、ゲイルの上に乗っかってゆさゆさ起こす。
「ゲイル!おはよお!おきてくださいませー!」
ごめんね。まだゲイルの起きる時間じゃないけど、ゲイルと一緒に朝ごはん食べたいんだもん!
ごっは~ん!ごっは~ん!
ゲイル~!ごっはーん!
リズムをつけてゆさゆさしたら、ゲイルが目をしょぼしょぼさせながら言った。
「サフィはあさからげんきだなあ。おとーさまはねむい…あと30ぷん…」
「ゲイルーゲイルー!おーきーてーよおー!」
「ぐう…」
寝たふりをするゲイルに、俺は作戦を変えた。
しょんぼりした感じで弱々しい声を出す。
「ゲイルう…おなかすいたよう…。
ごはん…いっしょに食べたいの…。おなかすいたの…」
「あああ!もう!」
ガバリと起き上がるや否や、俺を布団に引き摺り込むゲイル。
「それはズルいぞ!こら!悪い子はこちょこちょの刑だ!!」
「きゃーっ!あはははははは!やめてえええ!」
バッターン!
あれ?お兄様?
このパターン、前に…
「サフィ!大丈夫かっ?何があった?!
!!!ゲイルっ!まさか…!」
あー!これこれ!
「またかよ…マジか!
いや、違うぞ?
お前、これつい数日前にやったばっかだよな?」
「サフィと布団の中で何を?」
「またかよ…マジか!」
あ。そういえば今日はお布団の中でした。
氷点下のお兄様に、俺はボサボサになった髪を手櫛で直しながら説明した。
「ハア…ゲイルにのってゆさゆさしたら、ハア…わるい子めってお布団に入れられて、ハアハア、こちょこちょされてたの……」
まだ息が切れちゃう!ふう…笑いすぎちゃったもんねえ。
なんとか頑張って説明したのに、お兄様の眉はビックリするくらいくわって上がった。
「ゲイル…?どういうこと?
説明してもらえるかな?」
「サフィは黙ろうな?
レオン!前と同じことしてただけだって!
俺にそんな趣味はねえ!
息子だぞ?何考えてんだ!」
「そんなしゅみって?どんなしゅみ?
なにかんがえた?」
「サフィはお口閉じような?」
「聞かれてやましいことでもあるんですか?」
「いや、その言葉そのままお前に返すわ!」
わーわー大騒ぎの中、突然ゲイルが大声を出した。
「あーーーーー!もう!
ご・か・い・だ!ご!か!い!!
サフィ、さっさとメシを食いに行くぞ!
レオンも来たきゃこい!
さあ10秒だ!支度しろ!10、9、8…」
「ああん!待って!待って!」
カウントダウンしながら着替え始めたゲイルに、俺も大慌てでお着替え。
10秒でピシッ!
「よし!」
ぽかーんとしたままのお兄様を置き去りに、ゲイルはさっさと俺の方の食堂へ向かう。
俺も行こ…
おっと!忘れてらならぬお兄様!
俺は行きかけた足をUターンしてお兄様のお背中をぐいぐい。
早くしないとおいてっちゃいますよー?
「お兄さま!いきますよっ!
ご・は~ん♪ご・は~ん♪
ティガーのごっはんっは おいしーの♪」
るんた、るんた♪
リ~ズムに合~わせってっつったかたったったー♪
「ところでお兄さま、朝からどうしたの?ごよう?」
「あ、ああ。今日は魔法の訓練だろう?一緒に、と思って来たんだけど。
そうしたらサフィの声が聞こえて…」
お兄さまは思い出したのかズモモと黒いものを背負い出した。
ヤ、ヤバイ!
慌ててお兄様を宥めるべくおててをぎゅ!
「わああ!そうだったんですねええ!
お兄さまといっしょ、うれしいなあああ!」
あれ?だけど…
「今日はオレがまとうに行くつもり。まとうの人にもかんしゃの気持ちをおわたしせねばなので!
だから早くにゲイルをおこしてたの。
ごはんいっしょが良きですので」
ここでゲイルがくるりと振り返り、ドヤあ!
「な!そういう訳だ!納得したか?」
「はい、…と言うとでも思いましたか?
誤解されるような行動は慎んで下さい!」
「それ、コイツに言えよ!」
突然俺に指を突きつけるゲイル。
「え?オレ?」
きょとん。
「サフィは悪くないよね?」
優しく俺に問うお兄様に、俺はいい笑顔でお返事。
「(よくわかんないけどとりあえず)うん!」
「ほら!悪いのはゲイルじゃないですか!」
「サフィ!適当に頷くな!
てかレオン!お前の正義はどこに行った?!」
「私の正義はサフィですが?」
知らんかった!お兄さまの正義は俺でした!
お兄さまにキッパリと断言されたゲイル。
そのお口があんぐりと開いてしまったので、優しい正義な俺はこの手でもって下からパタンと閉じてあげた。
いい息子で良かったね、ゲイル!
ここで俺はハタと思い出した。
あ!あああ!
大事な人に渡してなかった!そう、このお2人でござる!
ちょうど2人揃ってるから、今渡しちゃお。
俺はとっととお部屋に走って戻り、おみやげ置き場でゲイルのとお兄様のを準備。大慌てで2人の元に戻った。
その間3秒!
ごめん、嘘です。3分くらい?
とにかく高速で戻って、俺はおみやげ配り人になった。
「ゲイルー!これはゲイルの。
オレのお父さまになってくれてありがとう。
あと、なでなでやだっこもありがとう。
いっしょにねてくれてありがとう。
これはありがとうの気持ちなのです。
ゲイル、いっぱいいっぱい大好き!ずっといっしょにいてね。
オレの目の色のリボンと、ゲイルの色のおさいふとてぶくろ!
くふふふ。リボンとおさいふはオレとおそろいなの。
おそろいだといつもいっしょみたいでいいよね!
えへへへ。
ちなみに、てぶくろはお兄さまと色ちがいだよ!」
「お兄さま!
オレのお兄さまになってくれて、ありがとう!
やさしくしてくれてありがとう!
はじめておしろにお泊まりしたときも、いっしょにねてくれてうれしかったの。
いつもだっこしてくれてありがとう!
リボンはオレとゲイルとおそろいで、おさいふはオレと色ちがいなの。
てぶくろはゲイルと色ちがいなのです。
どうか使ってくださいませませ!
お兄さま、大好き!これからもよろしく!」
それぞれにハグとともに渡したらば、2人ともフリーズ。
じいいいいいい。
おみやげを穴が開くほど見つめてる。
あ、あれ?
大丈夫?
と思ったら、数秒のタイムラグで一気に動き出した。
片手でおみやげを抱きしめ、もう片手で目元を覆い天を仰いで咽び泣くゲイル。
ブルブル震えてる。
おみやげを胸に抱え込み、真っ赤になって床でダンゴムシになるお兄さま。
こちらも小刻みに震えてる。
「俺の息子、可愛すぎんか?
いっしょに行ったのに、わざわざみやげとか!
俺のために!
しかもお揃いとか!!一緒にいるみたいとか!
可愛すぎるだろ?!
こんないい子が俺の息子!!俺は神に愛されている!!」
「サフィの目の色のリボン!しかもお揃いで!
私の事を大好きと!
…聞き間違いだろうか?
いや、そんなことはない。しっかりとこの耳で聞いた!
!!
もしや、これはプロポーズ?!プロポーズですね?!
こ、婚約!婚約指輪を用意せねばっ!!
結婚指輪の宝石は何がいい?
やはりエメラルド?
それとも私の色のサファイア…?」
なにやら真剣に悩み始めてしまったお兄様。
何言ってるのかわけわかめだけど、この2人の漫才は顔芸も全身での感情表現までもが見応えがあり、面白い。
わくわく、わくわく。
ここでお兄様のあまりのテンパりっぷりに、神に感謝していたゲイルが正気に戻った。
猛烈にお兄様に突っ込みを入れる。
「いや、まて!サフィだぞ?!早まるな!
こいつ、絶対になんにも考えてねえから!
それと、ヨメにはやらんからな!
俺の目が緑なうちはサフィはお父様とずっと一緒に暮らす予定だから!」
「え?だってプロポーズですよね?
自分瞳の色のものを贈り、大好きと言ったんですよ?
お揃いの品ですよ?婚約者ですよね?」
「俺ともお揃いだが?」
とたん、スン顔になるお兄様。
「…………すみません。あまりの衝撃に正常な思考を失っていたようです」
おお!暴走お兄様がまたキラキラ王子様に戻った!
これからどうなるんだろう。
どきどきわくわく。
三角座りでじいーっと鑑賞していたらば。
ゲイルがそんな俺に気づいた。
「…サフィ?何キラキラした目をしてんだ?」
「え?あれ?もうおわりですか?
もっとやってくださいませ!」
「?何をやれって?」
「めおとまんざい」
「何?めおと?まんざい?」
「めおとは、ふうふ。まんざいは…面白いやりとり?
まとめると!ふうふみたいに息がぴったりの面白いかけないのこと!」
おおっとお!2人揃ってのスン、頂きましたー!!
この2人って、周りから「あんまり喜怒哀楽を外に出さない落ち着いた人」って言われてるんだけど、そんなの嘘!
1人で大騒ぎしたり、泣いたり笑ったり。
2人そろえば夫婦漫才。やりとりがめっちゃくちゃ面白いの!
表情だってくるくる変わるし!テンポもよき!
そゆとこもっとみせていこー!!
「いや、それは…」
「それは嫌だ」
ええ?またお口に出してた?
「出てたな。てか、俺はサフィにそんな風に思われてたのか…」
「そうですね…。1人で大騒ぎ、とか、夫婦漫才だとか。地味にダメージがきますね…」
「ほめてますが?」
「褒めてねえよな?」
「ほめてるもん!
だって、オレ、そんな2人が大好きなんだもん!」
「「サフィ!そういうとこだよ(ぞ)!!!この人たらしっ!!」」
ほーら、息ピッタリじゃん!
なんなら食べながら何度も撃沈しかけて、結局はお父様に抱っこで回収されクリーンからのお布団コース。
ああ…また今日もお風呂に入り損ねてしもうた…。しょんぼり。
で。
朝です!
新しい朝がきた!希望の朝だ!
早く寝たからか、スッキリ!
今日はバイツー先生の日。サクッと朝ごはん食べて、俺の方から先に魔塔にいこう!
てことで、ゲイルの上に乗っかってゆさゆさ起こす。
「ゲイル!おはよお!おきてくださいませー!」
ごめんね。まだゲイルの起きる時間じゃないけど、ゲイルと一緒に朝ごはん食べたいんだもん!
ごっは~ん!ごっは~ん!
ゲイル~!ごっはーん!
リズムをつけてゆさゆさしたら、ゲイルが目をしょぼしょぼさせながら言った。
「サフィはあさからげんきだなあ。おとーさまはねむい…あと30ぷん…」
「ゲイルーゲイルー!おーきーてーよおー!」
「ぐう…」
寝たふりをするゲイルに、俺は作戦を変えた。
しょんぼりした感じで弱々しい声を出す。
「ゲイルう…おなかすいたよう…。
ごはん…いっしょに食べたいの…。おなかすいたの…」
「あああ!もう!」
ガバリと起き上がるや否や、俺を布団に引き摺り込むゲイル。
「それはズルいぞ!こら!悪い子はこちょこちょの刑だ!!」
「きゃーっ!あはははははは!やめてえええ!」
バッターン!
あれ?お兄様?
このパターン、前に…
「サフィ!大丈夫かっ?何があった?!
!!!ゲイルっ!まさか…!」
あー!これこれ!
「またかよ…マジか!
いや、違うぞ?
お前、これつい数日前にやったばっかだよな?」
「サフィと布団の中で何を?」
「またかよ…マジか!」
あ。そういえば今日はお布団の中でした。
氷点下のお兄様に、俺はボサボサになった髪を手櫛で直しながら説明した。
「ハア…ゲイルにのってゆさゆさしたら、ハア…わるい子めってお布団に入れられて、ハアハア、こちょこちょされてたの……」
まだ息が切れちゃう!ふう…笑いすぎちゃったもんねえ。
なんとか頑張って説明したのに、お兄様の眉はビックリするくらいくわって上がった。
「ゲイル…?どういうこと?
説明してもらえるかな?」
「サフィは黙ろうな?
レオン!前と同じことしてただけだって!
俺にそんな趣味はねえ!
息子だぞ?何考えてんだ!」
「そんなしゅみって?どんなしゅみ?
なにかんがえた?」
「サフィはお口閉じような?」
「聞かれてやましいことでもあるんですか?」
「いや、その言葉そのままお前に返すわ!」
わーわー大騒ぎの中、突然ゲイルが大声を出した。
「あーーーーー!もう!
ご・か・い・だ!ご!か!い!!
サフィ、さっさとメシを食いに行くぞ!
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さあ10秒だ!支度しろ!10、9、8…」
「ああん!待って!待って!」
カウントダウンしながら着替え始めたゲイルに、俺も大慌てでお着替え。
10秒でピシッ!
「よし!」
ぽかーんとしたままのお兄様を置き去りに、ゲイルはさっさと俺の方の食堂へ向かう。
俺も行こ…
おっと!忘れてらならぬお兄様!
俺は行きかけた足をUターンしてお兄様のお背中をぐいぐい。
早くしないとおいてっちゃいますよー?
「お兄さま!いきますよっ!
ご・は~ん♪ご・は~ん♪
ティガーのごっはんっは おいしーの♪」
るんた、るんた♪
リ~ズムに合~わせってっつったかたったったー♪
「ところでお兄さま、朝からどうしたの?ごよう?」
「あ、ああ。今日は魔法の訓練だろう?一緒に、と思って来たんだけど。
そうしたらサフィの声が聞こえて…」
お兄さまは思い出したのかズモモと黒いものを背負い出した。
ヤ、ヤバイ!
慌ててお兄様を宥めるべくおててをぎゅ!
「わああ!そうだったんですねええ!
お兄さまといっしょ、うれしいなあああ!」
あれ?だけど…
「今日はオレがまとうに行くつもり。まとうの人にもかんしゃの気持ちをおわたしせねばなので!
だから早くにゲイルをおこしてたの。
ごはんいっしょが良きですので」
ここでゲイルがくるりと振り返り、ドヤあ!
「な!そういう訳だ!納得したか?」
「はい、…と言うとでも思いましたか?
誤解されるような行動は慎んで下さい!」
「それ、コイツに言えよ!」
突然俺に指を突きつけるゲイル。
「え?オレ?」
きょとん。
「サフィは悪くないよね?」
優しく俺に問うお兄様に、俺はいい笑顔でお返事。
「(よくわかんないけどとりあえず)うん!」
「ほら!悪いのはゲイルじゃないですか!」
「サフィ!適当に頷くな!
てかレオン!お前の正義はどこに行った?!」
「私の正義はサフィですが?」
知らんかった!お兄さまの正義は俺でした!
お兄さまにキッパリと断言されたゲイル。
そのお口があんぐりと開いてしまったので、優しい正義な俺はこの手でもって下からパタンと閉じてあげた。
いい息子で良かったね、ゲイル!
ここで俺はハタと思い出した。
あ!あああ!
大事な人に渡してなかった!そう、このお2人でござる!
ちょうど2人揃ってるから、今渡しちゃお。
俺はとっととお部屋に走って戻り、おみやげ置き場でゲイルのとお兄様のを準備。大慌てで2人の元に戻った。
その間3秒!
ごめん、嘘です。3分くらい?
とにかく高速で戻って、俺はおみやげ配り人になった。
「ゲイルー!これはゲイルの。
オレのお父さまになってくれてありがとう。
あと、なでなでやだっこもありがとう。
いっしょにねてくれてありがとう。
これはありがとうの気持ちなのです。
ゲイル、いっぱいいっぱい大好き!ずっといっしょにいてね。
オレの目の色のリボンと、ゲイルの色のおさいふとてぶくろ!
くふふふ。リボンとおさいふはオレとおそろいなの。
おそろいだといつもいっしょみたいでいいよね!
えへへへ。
ちなみに、てぶくろはお兄さまと色ちがいだよ!」
「お兄さま!
オレのお兄さまになってくれて、ありがとう!
やさしくしてくれてありがとう!
はじめておしろにお泊まりしたときも、いっしょにねてくれてうれしかったの。
いつもだっこしてくれてありがとう!
リボンはオレとゲイルとおそろいで、おさいふはオレと色ちがいなの。
てぶくろはゲイルと色ちがいなのです。
どうか使ってくださいませませ!
お兄さま、大好き!これからもよろしく!」
それぞれにハグとともに渡したらば、2人ともフリーズ。
じいいいいいい。
おみやげを穴が開くほど見つめてる。
あ、あれ?
大丈夫?
と思ったら、数秒のタイムラグで一気に動き出した。
片手でおみやげを抱きしめ、もう片手で目元を覆い天を仰いで咽び泣くゲイル。
ブルブル震えてる。
おみやげを胸に抱え込み、真っ赤になって床でダンゴムシになるお兄さま。
こちらも小刻みに震えてる。
「俺の息子、可愛すぎんか?
いっしょに行ったのに、わざわざみやげとか!
俺のために!
しかもお揃いとか!!一緒にいるみたいとか!
可愛すぎるだろ?!
こんないい子が俺の息子!!俺は神に愛されている!!」
「サフィの目の色のリボン!しかもお揃いで!
私の事を大好きと!
…聞き間違いだろうか?
いや、そんなことはない。しっかりとこの耳で聞いた!
!!
もしや、これはプロポーズ?!プロポーズですね?!
こ、婚約!婚約指輪を用意せねばっ!!
結婚指輪の宝石は何がいい?
やはりエメラルド?
それとも私の色のサファイア…?」
なにやら真剣に悩み始めてしまったお兄様。
何言ってるのかわけわかめだけど、この2人の漫才は顔芸も全身での感情表現までもが見応えがあり、面白い。
わくわく、わくわく。
ここでお兄様のあまりのテンパりっぷりに、神に感謝していたゲイルが正気に戻った。
猛烈にお兄様に突っ込みを入れる。
「いや、まて!サフィだぞ?!早まるな!
こいつ、絶対になんにも考えてねえから!
それと、ヨメにはやらんからな!
俺の目が緑なうちはサフィはお父様とずっと一緒に暮らす予定だから!」
「え?だってプロポーズですよね?
自分瞳の色のものを贈り、大好きと言ったんですよ?
お揃いの品ですよ?婚約者ですよね?」
「俺ともお揃いだが?」
とたん、スン顔になるお兄様。
「…………すみません。あまりの衝撃に正常な思考を失っていたようです」
おお!暴走お兄様がまたキラキラ王子様に戻った!
これからどうなるんだろう。
どきどきわくわく。
三角座りでじいーっと鑑賞していたらば。
ゲイルがそんな俺に気づいた。
「…サフィ?何キラキラした目をしてんだ?」
「え?あれ?もうおわりですか?
もっとやってくださいませ!」
「?何をやれって?」
「めおとまんざい」
「何?めおと?まんざい?」
「めおとは、ふうふ。まんざいは…面白いやりとり?
まとめると!ふうふみたいに息がぴったりの面白いかけないのこと!」
おおっとお!2人揃ってのスン、頂きましたー!!
この2人って、周りから「あんまり喜怒哀楽を外に出さない落ち着いた人」って言われてるんだけど、そんなの嘘!
1人で大騒ぎしたり、泣いたり笑ったり。
2人そろえば夫婦漫才。やりとりがめっちゃくちゃ面白いの!
表情だってくるくる変わるし!テンポもよき!
そゆとこもっとみせていこー!!
「いや、それは…」
「それは嫌だ」
ええ?またお口に出してた?
「出てたな。てか、俺はサフィにそんな風に思われてたのか…」
「そうですね…。1人で大騒ぎ、とか、夫婦漫才だとか。地味にダメージがきますね…」
「ほめてますが?」
「褒めてねえよな?」
「ほめてるもん!
だって、オレ、そんな2人が大好きなんだもん!」
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