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俺、無双

俺、聖者無双する3

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なんか、俺の無双は思った以上にうまくいった。

聖女とか聖獣とかのワードのインパクトに加え、俺はともかく、あのゲイルが見た目女神な聖女、いや聖者(自称)になっていた衝撃が大きかった。
ポカーンとしたところで、成金のひとことにより聖獣様が召喚されてしまい、どどーん!
ひええ、なところに更に俺が「滅します」でダメ押し。

完全なるコンボが決まり、反王家の皆々さまからも、すっかり毒気が抜けてしまった。
だっていくら逆らっても無駄じゃん?神様のご意志なんだもん。
聖女がいるだけで平和で幸せになっていくんなら、それでいいよね。

てわけで。
衝撃に次ぐ衝撃にやられ、高位貴族たちはすっかりと単なるオジサマたちに成り下がってしまった。

最初は「滅されないか」と恐る恐るって感じで様子見してた貴族なんだけど。
ここで、ゲイルのまさかの一言。

「サフィ。歌っとけ」

が会場の空気を一気に変えた。

さすがに俺も「お披露目で?単なる目立ちたがりみたいじゃん!ヤダって言ったよね?」と思ったが、とはいえビビらせまくったままってのはまずいような気がする。
この後は絶対にどんなにビビっててもう必要がなかろうとなんだろうと、頑張って覚えた「雷ドッカーン」を見せたい!しかしこの感じでそれやったら、高位貴族が使い物にならなくなっちゃう!テンションをあげてやらねば!

背に腹は代えられぬ。

雷ドッカーンのために俺は魂を売る!

腹を決めたからには、最高のコンサートにしてやるぞ!
はじめてチュウする歌は…効果が強すぎ。みんなバタバタ倒れたから、ダメだと思う。
なら、うーんと……。
ここは無難に初心に戻って、ねこなバスが出てくる国民的アニメでいこう!

「みなさま、ごちゅーもくくださいませ!
ごあいさつがわりに、オレ、歌いまーす!」

ア◯ロ行きます、みたいな宣言すると、貴族のおっちゃんたちの顔が「なんで⁈」となった。
うん、そーなるよねー。分かってた!
が、ビビり散らされたままよりよほどよき!でしょうが!


「みんなー手を出して!てびょんし!はい!」

ワン・ツー・ワン・ツー!
はい!はい!はい!はい!

「あーるーこー♪あーるーこー♪」
「サフィはーげーんきー♪」

右にとことっ!左にとことっ!
あっちに手を振りこっちにウインク!

最初は「?!」を頭の上に浮かべた貴族たちだったが、このようなコンサートは初めてだったらしい。
だんだん前に出てきて徐々にノリはじめ、最終的には仇敵だった王様と肩を組み(王様いつの間にそっち側に?!)はっするはっする!

想像以上に盛り上がったので、くりかえし2回目!

「もっかいいくねー!はい!」

「あーるーこー(ハイ!)あーるーこー♪(ハイ!)」

拳突き上げいいタイミングで合いの手を入れてくる。
す、すごい!職人だ!職人が生まれた!

飛び散る汗と、浮かぶ満面の笑み!
会場が一体となり、ハイ!ハイ!ジャンプ!ジャンプ!


「みんなじょうずー!いいかんじだよっ!
もっとオレのおうた、ききたいー?」

「はい!」
「はああい!」

「じゃあねえ、つぎはー!がくえんが天国ー!!」

「うおおおおおお!!!」

ノリノリの貴族たちと、ノリノリの俺。
お兄様は俺の横でハモリはじめ(天才か!)ルー親子はワオンワオンとリズムを刻む。
紙とペンを持ってこさせ、必死の形相で何か描いてるゲイル。
うわっ楽しいいいい!

初めてのコンサートは大成功だった。
みんな汗だく。だけどすっごくいい顔してる。

「みんなああ!!きょうはオレのためにわざわざきてくれてありがとおおお!!」

「サフィちゃああん!!かわいいぞおおお!!」

「えへへ。ほめてくれてありがとうなっ!たのしんでもらえたかなあああ?」

「楽しかったぞおおおおおお!!」
「こんなのはじめてええええ!!」

「みなさん、これからも、王様たちとオレたちをよろしくでえええっす!」

「まかせておけーーー!!」
「国と聖女は俺たちが守る!」
「サフィちゃああん!また会いに行くからねえええ!」

貴族たちは一丸となり、王国の士気は最大限にまで高まったのだった。
程よい疲れと満足感。
ああ、いいコンサートだった!自分で言うのもなんですが。
さいっこお!!



でも、もう必要ないかもだけど、これだけはさせて。
これは絶対にやりたいの。
そのために頑張ってきたの。

「このあと、オレの魔法のごひろうがありまああす!!
ちょっとばしゃで いどうしてもらうんだけど。
きてくれるうううう?」

「もちろんいくぞーーーー!!」

やったあ!!
みんなアレ見たら驚くぞおお!


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