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俺、またしてもお披露目会?!

俺の高位貴族クーイズ!

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その日。王城の大広間には高位貴族のみが集められていた。
予め「王家から重大発表がある」とのみ先ぶれが出され、集まった貴族たちはみな

「もしや殿下の婚約発表では?」
「いやいや、先日魔塔主とフィラー公爵がひと悶着あったそうで…。もしやその件では?」

などと好き勝手に想像し、うわさ話に余念がない。
彼らは全く予想もしていなかった。
まさか、この後自分たちがああなってしまうとは…!



なんてね。

俺はカーテンの隙間からこそっと広間をのぞき見。
後ろで「サフィ!」なんて声が聞こえるけど、しーらない、っと。
だってまだまだ時間はあるんだし。
集まってきた貴族を見ながら答え合わせしたいもん。

「あのおなかぽんぽこりんのひとは、びみょー」
「うーん…あそこは…中立派、かな。その代によってつく相手を変える」
「じゃあ、あそこのかみのけさびしいひとは…よし!」
「当たりだよ。あの侯爵家は代々人情派でね。自らも炊き出しを行う人徳者なんだ」
「なりきんこうしゃくといっしょにいる、はらぐろめがねは、わるいひと」
「確かに、貴族至上主義かな。領民に相当重税を課している」

ブホっと変な音が聞こえたと思ったら、ゲイルだ。
口元を押さえて声がでないようにしながら、身を折り曲げるようにして爆笑してる。

「おっ…おなか…っぽんぽこりん……っ髪の毛さびしい人……っ!おまけに、腹黒眼鏡…っ!!
レオン…よく普通に返事できるな」

その横で王様と王妃さままで口元をハンカチで押さえ涙を浮かべて笑いをこらえていた。

「と…とても…ふふっ…的確な表現だと…思うわよっふ…ふふっ」

俺は自慢げに胸を張る。えへん!あだ名つけるのには自信がある!

「わかりやすいでしょ?」
「うん。サフィはとってもかしこいね!個性的な表現力!天才かもしれない!」

面白がった王様と王妃様が

「彼はどうだ?」
「あやつは?」
「あの人はどう?」

と貴族を指さす。俺は次々に

「ほっぺぼよよん。いいひと」「しあわせをはこぶやさしいおじさん」「おべっかつかい。わるいひと」

と教えてあげた。
みんな感心したように「なるほど」「ほうほう!」「確かに!」と頷く。

「あのね、ちゃんといいひとかわるいひとか、おしえてほしいです。こたえをください」

ちなみに全部正解だった!
俺ってば人を見る目があるのかもしれぬ!

「動物的な感は鋭いよな、サフィは」

言いながらゲイルが俺のほっぺをツンツン。
うへへ。褒められた!

「うんそーなの。ゲイルにだって、あってすぐにさいこうのおとうさまってわかったもん!」
「ああもう!そういうとこだぞ、そういうとこ!!全くサフィは可愛いよなあああ!!」

ゲイルがなぜか悶えだし、

「ああ。服がじゃまだなあ!シワになっちまうから抱っこできねえじゃねえか!」

と手をワキワキさせ、代わりにと俺のほっぺをこすり出した。
そもそもこのやりとりのどこに抱っこしたくなる要素があったのだろうか。
お化粧とれちゃうから、ほどほどのすりすりでお願いしますよ。
抱っこはお披露目おわった後でね!



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