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俺、またしてもお披露目会?!

俺、貴族メロメロ大作戦!ぱんぱかぱーん!衣装はこれ!

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やってきました、俺のお披露目会聖女バージョン!
衣装はゲイルとのし烈な戦いの末に、王家主催だからと王家が用意してくれました。
ゲイルは最後まで「俺の息子なのに!」と頑張ってたけど…。
どんまい!


そんなこんなでご用意いただきました衣装はといえば。
生地は白!
じゅ・ん・ぱ・く!真っ白でした!
これはもちろん聖女をイメージしておりまする。

下は細身のパンツで綺麗なブルー。
お兄様の瞳の色みたいだねって言ったら、お兄様が照れて、ゲイルがチッと舌打ちした。
お行儀が悪いですよ、ゲイル!
カッコいいので俺は好き。

だけど、問題は上。上着の方なの。
前開きになっていて、ボタンは王族のカラーである金色で、葉っぱの形。
その周りに蔦のようにこれまた金糸で刺繍が。
金色をふんだんに使っているのは、王族の庇護下にあることを知らしめるためなんだって。
上着というよりもチュニックみたい。丈が眺めで、膝くらいまである。
おまけに裾がふわりと広がるようになってるので、ドレスみたいにも見える。
てゆーか!
ぱっとみ、ドレスじゃん!むきー!

聖女って言ったって、俺は女の子じゃありません!!

思わず不機嫌顔になったらば。

「ほら、サフィ。私の上着だって同じ形だよ?」

バサッと上着を羽織るお兄様。
なんと、お兄様とお揃いだった!
俺のと同じように裾が少し広がったチュニックになっているんだけど、お兄様が着たらカッコよく見える。

あ、あれ?

「おんなのこじゃない?カッコいい?」
「ふふふ。私の衣装をカッコいいと思ってくれるのなら、サフィだって同じだよ?」
「ぼく、おんなのこにみえない?カッコいい?」
「うん。とても素敵だよ」

なんとしてもカッコいいと言ってくれないのは不満だが、まあ、女の子用じゃないのはわかったので良しとしよう。

ちなみに、お兄様の衣装は俺とちょうど上下を入れ替えた色違いみたいな感じ。
下は真っ白じゃなくてアイボリー。
上着がお兄様のブルー。
色を逆にしただけでキリリとして見える。
俺もこっちがよかったなあ。



髪は例によってエリアスが張り切って編み込みにしてくれた。
白い可愛いお花まで一緒に編み込んでる。器用すぎる!
マリーと一緒に公爵の髪で練習してたんだって。

「え?こ、こうしゃくの?!」

あのさらっさらすとレートで練習?白い花を編み込んだの?マジで?!
あの顔で編み込み…お花……はっきりいって…似合わなすぎる!!
公爵も嫌がっていたのだが「サフィのためだ」と言ったら大人しく言いなりになったそうな。
こ、こうしゃく………!
ちょっと可哀想になってきた…。


それでもって、おでこに冠?ティアラ?みたいなのをかぶせられる。
威厳みたいなのを付け加えるためだって。
きらきらと輝く宝石は…え?ダイヤモンド?!
ひとーつふたーつみっつ……ひいいいいい!数えるのやめ!!
万が一の場合でも責任はとれませんのでよろしく。

お耳にはエリアスがエメラルドグリーンのイヤカフスをつけてくれた。まるで蔦が絡んでるみたいに見えるやつ。
むちゃんこ妖精的!

後はお顔にお粉をパタパタとはたかれて、お口に唇がつやっつやのぷるっぷるになるなにかを塗られて。
おでこにもダイヤモンドのシールみたいなのをペタリんこ。

お、おお!
なんか神秘的にみえる!俺じゃないみたい!
聖女!聖女が権限なされた!

俺はくるうりと回って片足をトン。
両手はまるで翼のようにまっすぐにしてペンギンさんに。
どお?似合ってる?
と首をかしげたらば。

「おおおおお!!!」

まるで天の岩戸から天照大神が現れたかのような「ビシャーン!」なお顔で、みんな動かなくなった。
王様が手配したらしい何人もの画家さんが、時々俺を拝むようにしながら猛烈な勢いで手を動かしている。
大作が生み出されてるナウ!


ゲイルー!ねえねえ、俺ってばそおんなにカッコいい?
げいる?
あれ?そういえば、一番にわいわい言いそうなゲイルは?俺の大好きなお父様は?

「ゲイル?」

「………ここだ……」

後ろからなんだか低ーい声が聞こえた。
あれ?不機嫌モード?俺がこおんなに素敵になってるのに?

振り返りましたらば…

「ゲイル?!」

うっひゃああああ!!これぞビシャーンだ!
ビシャーン!!!聖女だ!聖女がいる!!!
なんとゲイル、大事なお髭まで剃られて、俺とお揃いの衣装をきせられておりまする!!
オジサンなのに!!
オジサンなのに、聖女!大事なので繰り返しました!

ゲイルも聞かされてなかったみたいで、もんのすんごく全身で「ふ・ほ・ん・い!!」と叫んでいた。
お口は不満げにしっかりとへの字に結ばれており。
凛々しい眉はこれ以上ないほど急速に上に向かってつり上がっております。
綺麗な瞳は…おお!深緑!!
これ、ゲイルの気持ちが大変なときのやつ!
主に俺が大好きだったり、俺が可愛すぎたりするとなるんだけど、怒りすぎてもこうなるんだね。
ほへー。感情が高ぶると、ってやつだったのか。
メラメラと炎がでそうなくらいギラギラしてる。

清楚な衣装なのに両足をしっかりと上着の裾が許す限りかっぴらき、腕組みまでして仁王立ち。

いつもはカッコよくてハンサムでセクシーですんばらしく最高のゲイルなんだけど、お髭をそったら急に若くなっちゃって、20代のセクシーハンサムな美女!!美女ですよおおおお!!
ロートーンボイスすらセクシーな美女!
ゲイルはたとえるなら聖なる国の女王様って感じ。妖精の女王様。
なんという神々しいさなのでしょう!
俺の欲目があるのかもだけど。

ああああ!!いつもとは違う意味でもカッコいいよおおう!

俺は思わず

「ママー!!!」

ってゲイルに飛びついた。

ゲイルが氷点下の殺気を王家に向かって放ち、一瞬にして空気が凍り付く。
俺に放たないところがゲイル。すき!

俺と色違いオソロのお兄様がゲイルの殺気をものともせずにやってきて言った。

「私もお揃いなんです。ゲイル…母上とお呼びしても?」

ここで?ここでそれ言っちゃうの?
死ぬ気か、お兄様!!

「却下!!ちなみに『それなら父上だ』なんてふざけたことを言ったら…」

お兄様の前髪が威圧でブオンと揺れた。
お兄様!気を付けて!これ以上刺激するとヤられてしまうDEATHよ!


ちなみに俺たち以外は豪華だけど普通の(?)お家のカラーの衣装だった。



戦闘衣装を身にまとい、いざ!貴族どもをメロメロにせん!


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