もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!

をち。

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俺、またしてもお披露目会?!

俺、エリアスにぶっちゃける

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俺とゲイルかママだの聖女だの言われてわけわかめになってしまったエリアス。
気持ちはよくわかる。
聖女、だもん。聖人ですらなく、聖女。
俺だってゲイルだって、認めるのに時間がかかった。
てゆーか、ママに関してはまだ認めてない。

とにかく

「話がすすまん。サフィはお口を閉じて」

と言われてお口を両手でガード。

ゲイルは「よし」と頷き、俺たちに何があったのかをエリアスに話してくれた。
エリアスは「ええ⁈」だとか「うんうん」だとか「そうなの?」だとか言いながら聞いていたのだが。
最終的になぜか

「サフィちゃん…不用意な発言はダメだよー」


に終わった。

どんな流れでそうなった?
解せぬ。




とにもかくにも、俺はしばらくはオルガ団長の訓練はおやすみ。お披露目会パート2に向けて、バイツー先生に魔法制御を、エリアスにゲイルいわくの「老害を黙らせる方法」を教えて貰うことになっていて。
公爵家に戻ったらエリアスにお願いしようと言っていたところだったのだ。

ゲイルは「ちょうど良かった」とついでにお願い。

「どのみちエリアスを呼んで説明するつもりだったから、手間が省けた!
サフィの訓練、引き受けてくれるだろ?」

「引き受けてくれる?」ではなく「くれるだろ」だって!
言い方!それってお願いという名の反強制でしょおが!

一応少しは申し訳無いと思い、おずおずと申し出てみた。

「あのね、エリアス。むりならだいじょうぶだからね?なんとかなる。
こうしゃくのおしごと、あるでしょ」

だから、無理しないで。
できる範囲で、と
コテンと首を傾げてお願いする。

するとエリアスはみるみる目を潤ませ、

「サフィちゃん、やさしいい!
誰かさんと違って、気遣いの天才!」

両手を広げてガバリと俺に抱きついてきた。
そして、行動とは裏腹に穏やかで優しい声音でささやく。

「あのね。子供はそんなこと考えなくていいんだよー?
そこをなんとかするのは大人のお仕事!
僕、これでも有能なんだよ?
かわいいサフィちゃんのためなら、叔父様、どうとでもしちゃうんだから!任せて!」

俺はエリアスとオデコを合わせ、こつん。目を見つめながら微笑んだ。

「うん。しってる。
えりりんはアレだけど、エリアスはゆうのう。エリアスせんせいもゆうのう。
ゲイルはとくべつ。
でもエリアスもちゃんとだいすきだよ?」

ごめんね、と、ありがとうね、の気持ちをこめて。俺からもギュ!

「ぼくたちは かぞくだもん」



…って。ちょっといい感じだったのに。
そこで何故かエリアスが震え出した。
え?ど、どした?

エリアスはガバっと顔を上げ、俺を指差しゲイルに向かって叫ぶ。

「ねえ!この子、聖女じゃなくて天使じゃない?天使すぎない⁈
こんなにかわいくて大丈夫?天に召されちゃわない⁈神に奪われないように気をつけなきゃっ!」

エリアス!落ちつけ!
俺は人間!!
ゲイル!頷いてどうする!



やっぱエリアス、連れてかなくて正解だった!

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はじめまして。初めて書いてみたオリジナル異世界BL。可哀想な主人公が、それに負けずに力業で幸せになるのが好きです。ハピエン主義なので、完全無双のハピエンになります。誤字脱字など、ご容赦くださいませ(;・∀・)→ご指摘があれば修正いたしますので!ご都合主義の作者の自己満足小説です。作者豆腐メンタルのため、ご不満のある方は「そっ閉じ」でお願いいたします。。。お楽しみいただけましたら、ぜひぽちっとイイネをお願いいたします♡コメントもぜひ♡
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