119 / 276
俺、またしてもお披露目会?!
俺、きんしん
しおりを挟む
お兄様もようやくいつもの仕様(キラキラ)に戻り、ひとあんしん。
でも。
今いうのも酷かもしれないが、忘れてそうなので言っておく。
「あのね。なかなおりしましたけれども!
あの『こうしゃくけたちいりきんし』はけいぞくですので!
おわすれなく!」
俺をママ扱いした恨み、忘れてないんだからな!
「え?あれ、有効なの?!
魔法の訓練に、私も公爵家に通う事になっていたと思うんだけど…」
困ったような顔をしてるけど、それ絶対わざとでしょ!
このどさくさで、うやむやにするつもりだな!
俺はだまされませんので!
腕を胸の前で組み、威厳を持って俺は言った。
「それはじぶんのおうちでおねがいします。
ぼく だいじょうぶですので!おきづかいなく!」
ガーン!
お兄様の顔にそんな文字が見える気がする。
でもゆずらぬ!
男には決してゆずれぬ戦いがあるのだ!いつかどこかで誰かのじっちゃんが言ってた!
「ハハハ!これはレオンの負けだなw諦めろ。
まあ、サフィがそっちに行った時には会えるんだし、いいだろ?」
「無理ですよ!ゲイル叔父様も分かってますよね?
私はサフィと毎日一緒に眠っていたのですよ?
サフィを抱きしめて眠り、サフィのおはようで起き、一緒に朝食を…。
それがどれだけ私の癒しになっていたか…!!
その癒しを急に失い…どれだけ毎日がむなしいか……!!」
えー?!そうだったの?
お兄様、俺で癒されちゃってたの?
毎日俺のお世話で申し訳ないと思ってたんだけど。
問題ナッシングだったのか!早くいってよおお!
「ぼくがゲイルだっこで『ほう!』てなるのとおんなじ!
それがないとむなしい!わかりみ!
それはたいへん!いちだいじ!」
「そうだよなあ。俺もサフィが居ないと癒しがねえもん。分かるぞ、レオン」
共感を示し同意してあげたというのに、お兄様は複雑なお顔。
拗ねたように唇を尖らせて
「サフィはゲイルが一番なんだね。私ではダメなのかな?」
と上目遣い。
ええー?!かわいい!
カッコいいお兄様が、かわいい!
「お前でもそういう顔するんだなあ!」
ゲイルが顎をさすりながら感心したように口笛を吹いた。
お行儀悪いですよ!
「……分かっていますよ。子供みたいなことを言っているって。
自分でも『らしくない』と思いますよ。
……でも……私だって嫉妬くらいするんです」
お兄様はぼそぼそとそう言うと、プイっとおよそを向いてしまった。
「おにいさま、すねた!すねすねもーど!」
おおお!!
ぷいっ。
覗き込む。
ぷいっ。
ちょっと面白くなってしまって、顔をそむけたお兄様の顔を右に左に移動して覗き込む。
何度か繰り返してたら
「ぷはっ!
あはははは!もう!サフィ!」
お兄様が笑い出した。
俺も可笑しくなって、ふひゃひゃとお腹を抱えて大笑い。
「レオン…サフィに似てきたぞ?」
ゲイルが呆れたようにお兄様の頭をくしゃっとした。
最初の頃に比べるとだいぶんぞんざいな扱いになっちゃってるんだけど、お兄様はそれが嬉しそう。
「叔父様!」
髪を撫でつけ、抗議しながらも笑ってる。こういうのがずうっと続けばいいのにね。
ほのぼのとした気持ちでいた俺だが、ゲイルの言葉に撃沈。
「サフィは、一週間謹慎だ」
「え?!」
「お前は何度気をつけろといってもきかねーからな。少しは反省しろ。
1週間は外出禁止!
エリアスとバイツー先生を部屋にやるから、部屋で精神を鍛える訓練をしておけ!
魔力もそれで安定するし、一石二鳥だろ?」
「……それって…ばつ?」
「ん?」
「おへやにおこもり、ぼくのつうじょうしよう。ずっとそうだったし。
ぜんぜんへいきなんだけど」
「……そういえばそうか。
あんまりに色々ありすぎて随分前のことに思えるが…部屋から出てあちこちしてんの、この2週間くらいだったな」
うーん…。
謹慎じゃあ俺には罰にならないよねえ、と頭を悩ませていると。
「まあ、それでも罰にはなるだろ」
とゲイル。
ん?どうして?
その疑問の答えはすぐに与えられた。
「私にとっては充分な罰ですね…」
おにいさま、しょんぼり。
そうか!侯爵家、出入り禁止。俺が王城に行かないと会えないのか!
ガーン!そ、それは俺も寂しい!
ゲイルは分かってたようで、にやあ、っとまるでチェシャ猫のような笑みを見せた。
そういうことかあ!
うう…。お兄様。1週間ばいばいだね。
がんばってね。俺もがんばるから。
でも。
今いうのも酷かもしれないが、忘れてそうなので言っておく。
「あのね。なかなおりしましたけれども!
あの『こうしゃくけたちいりきんし』はけいぞくですので!
おわすれなく!」
俺をママ扱いした恨み、忘れてないんだからな!
「え?あれ、有効なの?!
魔法の訓練に、私も公爵家に通う事になっていたと思うんだけど…」
困ったような顔をしてるけど、それ絶対わざとでしょ!
このどさくさで、うやむやにするつもりだな!
俺はだまされませんので!
腕を胸の前で組み、威厳を持って俺は言った。
「それはじぶんのおうちでおねがいします。
ぼく だいじょうぶですので!おきづかいなく!」
ガーン!
お兄様の顔にそんな文字が見える気がする。
でもゆずらぬ!
男には決してゆずれぬ戦いがあるのだ!いつかどこかで誰かのじっちゃんが言ってた!
「ハハハ!これはレオンの負けだなw諦めろ。
まあ、サフィがそっちに行った時には会えるんだし、いいだろ?」
「無理ですよ!ゲイル叔父様も分かってますよね?
私はサフィと毎日一緒に眠っていたのですよ?
サフィを抱きしめて眠り、サフィのおはようで起き、一緒に朝食を…。
それがどれだけ私の癒しになっていたか…!!
その癒しを急に失い…どれだけ毎日がむなしいか……!!」
えー?!そうだったの?
お兄様、俺で癒されちゃってたの?
毎日俺のお世話で申し訳ないと思ってたんだけど。
問題ナッシングだったのか!早くいってよおお!
「ぼくがゲイルだっこで『ほう!』てなるのとおんなじ!
それがないとむなしい!わかりみ!
それはたいへん!いちだいじ!」
「そうだよなあ。俺もサフィが居ないと癒しがねえもん。分かるぞ、レオン」
共感を示し同意してあげたというのに、お兄様は複雑なお顔。
拗ねたように唇を尖らせて
「サフィはゲイルが一番なんだね。私ではダメなのかな?」
と上目遣い。
ええー?!かわいい!
カッコいいお兄様が、かわいい!
「お前でもそういう顔するんだなあ!」
ゲイルが顎をさすりながら感心したように口笛を吹いた。
お行儀悪いですよ!
「……分かっていますよ。子供みたいなことを言っているって。
自分でも『らしくない』と思いますよ。
……でも……私だって嫉妬くらいするんです」
お兄様はぼそぼそとそう言うと、プイっとおよそを向いてしまった。
「おにいさま、すねた!すねすねもーど!」
おおお!!
ぷいっ。
覗き込む。
ぷいっ。
ちょっと面白くなってしまって、顔をそむけたお兄様の顔を右に左に移動して覗き込む。
何度か繰り返してたら
「ぷはっ!
あはははは!もう!サフィ!」
お兄様が笑い出した。
俺も可笑しくなって、ふひゃひゃとお腹を抱えて大笑い。
「レオン…サフィに似てきたぞ?」
ゲイルが呆れたようにお兄様の頭をくしゃっとした。
最初の頃に比べるとだいぶんぞんざいな扱いになっちゃってるんだけど、お兄様はそれが嬉しそう。
「叔父様!」
髪を撫でつけ、抗議しながらも笑ってる。こういうのがずうっと続けばいいのにね。
ほのぼのとした気持ちでいた俺だが、ゲイルの言葉に撃沈。
「サフィは、一週間謹慎だ」
「え?!」
「お前は何度気をつけろといってもきかねーからな。少しは反省しろ。
1週間は外出禁止!
エリアスとバイツー先生を部屋にやるから、部屋で精神を鍛える訓練をしておけ!
魔力もそれで安定するし、一石二鳥だろ?」
「……それって…ばつ?」
「ん?」
「おへやにおこもり、ぼくのつうじょうしよう。ずっとそうだったし。
ぜんぜんへいきなんだけど」
「……そういえばそうか。
あんまりに色々ありすぎて随分前のことに思えるが…部屋から出てあちこちしてんの、この2週間くらいだったな」
うーん…。
謹慎じゃあ俺には罰にならないよねえ、と頭を悩ませていると。
「まあ、それでも罰にはなるだろ」
とゲイル。
ん?どうして?
その疑問の答えはすぐに与えられた。
「私にとっては充分な罰ですね…」
おにいさま、しょんぼり。
そうか!侯爵家、出入り禁止。俺が王城に行かないと会えないのか!
ガーン!そ、それは俺も寂しい!
ゲイルは分かってたようで、にやあ、っとまるでチェシャ猫のような笑みを見せた。
そういうことかあ!
うう…。お兄様。1週間ばいばいだね。
がんばってね。俺もがんばるから。
1,421
お気に入りに追加
5,174
あなたにおすすめの小説
不貞の子を身籠ったと夫に追い出されました。生まれた子供は『精霊のいとし子』のようです。
桧山 紗綺
恋愛
【完結】嫁いで5年。子供を身籠ったら追い出されました。不貞なんてしていないと言っても聞く耳をもちません。生まれた子は間違いなく夫の子です。夫の子……ですが。 私、離婚された方が良いのではないでしょうか。
戻ってきた実家で子供たちと幸せに暮らしていきます。
『精霊のいとし子』と呼ばれる存在を授かった主人公の、可愛い子供たちとの暮らしと新しい恋とか愛とかのお話です。
※※番外編も完結しました。番外編は色々な視点で書いてます。
時系列も結構バラバラに本編の間の話や本編後の色々な出来事を書きました。
一通り主人公の周りの視点で書けたかな、と。
番外編の方が本編よりも長いです。
気がついたら10万文字を超えていました。
随分と長くなりましたが、お付き合いくださってありがとうございました!
【完結】間違えたなら謝ってよね! ~悔しいので羨ましがられるほど幸せになります~
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
「こんな役立たずは要らん! 捨ててこい!!」
何が起きたのか分からず、茫然とする。要らない? 捨てる? きょとんとしたまま捨てられた私は、なぜか幼くなっていた。ハイキングに行って少し道に迷っただけなのに?
後に聖女召喚で間違われたと知るが、だったら責任取って育てるなり、元に戻すなりしてよ! 謝罪のひとつもないのは、納得できない!!
負けん気の強いサラは、見返すために幸せになることを誓う。途端に幸せが舞い込み続けて? いつも笑顔のサラの周りには、聖獣達が集った。
やっぱり聖女だから戻ってくれ? 絶対にお断りします(*´艸`*)
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2022/06/22……完結
2022/03/26……アルファポリス、HOT女性向け 11位
2022/03/19……小説家になろう、異世界転生/転移(ファンタジー)日間 26位
2022/03/18……エブリスタ、トレンド(ファンタジー)1位
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
妹だけを可愛がるなら私はいらないでしょう。だから消えます……。何でもねだる妹と溺愛する両親に私は見切りをつける。
しげむろ ゆうき
ファンタジー
誕生日に買ってもらったドレスを欲しがる妹
そんな妹を溺愛する両親は、笑顔であげなさいと言ってくる
もう限界がきた私はあることを決心するのだった
旦那様、愛人を作ってもいいですか?
ひろか
恋愛
私には前世の記憶があります。ニホンでの四六年という。
「君の役目は魔力を多く持つ子供を産むこと。その後で君も自由にすればいい」
これ、旦那様から、初夜での言葉です。
んん?美筋肉イケオジな愛人を持っても良いと?
’18/10/21…おまけ小話追加
君は妾の子だから、次男がちょうどいい
月山 歩
恋愛
侯爵家のマリアは婚約中だが、彼は王都に住み、マリアは片田舎で遠いため、会ったことはなかった。でもある時、マリアは、妾の子であると知られる。そんな娘は大事な子息とは、結婚させられないと、病気療養中の次男との婚約に一方的に変えさせられる。そして次の日には、迎えの馬車がやって来た。
ボロ雑巾な伯爵夫人、やっと『家族』を手に入れました。~旦那様から棄てられて、ギブ&テイクでハートフルな共同生活を始めます2~
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
第二夫人に最愛の旦那様も息子も奪われ、挙句の果てに家から追い出された伯爵夫人・フィーリアは、なけなしの餞別だけを持って大雨の中を歩き続けていたところ、とある男の子たちに出会う。
言葉汚く直情的で、だけど決してフィーリアを無視したりはしない、ディーダ。
喋り方こそ柔らかいが、その実どこか冷めた毒舌家である、ノイン。
12、3歳ほどに見える彼らとひょんな事から共同生活を始めた彼女は、人々の優しさに触れて少しずつ自身の居場所を確立していく。
====
●本作は「ボロ雑巾な伯爵夫人、旦那様から棄てられて、ギブ&テイクでハートフルな共同生活を始めます。」からの続き作品です。
前作では、二人との出会い~同居を描いています。
順番に読んでくださる方は、目次下にリンクを張っておりますので、そちらからお入りください。
※アプリで閲覧くださっている方は、タイトルで検索いただけますと表示されます。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる