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俺、またしてもお披露目会?!

俺、叱られる

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俺とルーダ。
ただいま反省中です。

2度も続けてばたんきゅうしてしまった俺。
今度は半日昏倒していたらしく、目を覚ますと、またしてもゲイルにおててを繋がれていた。
さすがに2度めともなれば俺も「あれ?」とはならない。
では、どうなったか。
この時の俺の気持ち、お聞きください。


ヤバーーーい!
さすがにこれは、ヤバーーーーい!!



怖くて目が開けられない。
だって、「気を付けて」って言われてすぐにまたこれだもん。
ゲイル、おこだよね?絶対におこ!!
うう…こわいよおお…。
あれでいてゲイルは俺に激甘だから、あんまり怒られたことない。
だけど、俺の安全だとか俺のためにはすっごく怒るの。
今回はアウト。俺にもわかる。

でも、でもさ。
お兄様が吐血したと思ったんだもん!
一刻の猶予もならぬでしょおが!!

心の中でぐちぐちと言い訳をしながら、そおっとそおっと気付かれないくらいにうすーく片目を開けてみる。

!!!嘘!
目が!目があった?!

「………サフィ?目が覚めてるよなあ?」

低っく!!声、ひっく!!!
ロートーンボイスどころじゃない!ルーダも真っ青な地を這う低音だよ!

俺は慌てて目をしっかりつぶった。

「さめておらぬです。ねてます」
「ばっちり起きてんじゃねえか!」

ひいいいい!!

「はい!おきてます!おめめばっちりです!」

お布団の中でびしっと直立の姿勢。
ゲイルには見えてないかもだけど。気持ちの問題ですから、気持ちの!

「…………ゲイル、おこ?」

恐る恐る聞いてみた。
ゲイルはまだ俺の手をしっかりとつかんだまま。
もう魔力は流して無いみたいだけど、それでも手を離そうとしない。

その顔は……怒ってるというより、すごく悲しそうだった。
そんな顔をされるくらいなら、怒られた方がマシだ。

「ゲイル…ごめんね…!ごめんなさい!」

はあー…。
ゲイルが深く、深くため息をつく。
なんどか大きく深呼吸して、自分の気持ちを落ち着かせようとしてるみたい。

「……怒ってるわけじゃない」

言いながら繋いでいない方の手で俺の頬をそっと撫でるゲイル。

「あのな、俺がどんな気持ちだったかわかるか?
大切な息子が2度も続けて俺の前で倒れたんだぞ?
魔力ってのはな、ゼロになるまで使っちまうと、命に係わることもあるんだ。
だが、お前の魔力は膨大だ。
気を付けてさえいれば、魔力が枯渇するなんてことはないはずなんだ」

淡々と真摯な目をして語る。
その言葉を聞きながら、なんだか涙が出てきた。
俺ってやつは!誰かを守るためにじゃなく、遊びで死にかけたんだ。
いくらなんでも馬鹿すぎる。

「俺たちも止めずにいたんだから同罪だ。
あれくらいなら問題ないと思っていたんだ。…すまん」

ゲイルはそう言って俺に頭を下げた。ゲイルが悪いことなんて、なにもないのに!
俺が勝手にやったんだよ。
俺が悪いのに!

ぽとり。
ぽとり。
俺の目から勝手に涙が出て布団を濡らした。

俺が調子にのったせいで。
ごめん。ごめんね、ゲイル。ごめんね、みんな。
そんな俺の頬をゲイルが指で拭ってくれる。
でも、その指先が凄く優しくて、余計に涙が止まらなくなっちゃう。

「お前はまだ子供だ。知らなかったんだから仕方ない。
もっと俺たちが気を配るべきだったんだ。
でも…もうするな。
絶対にするなよ。
何かする前に、必ず俺か大人に確認するんだ。
いいな。約束だぞ?」

「うん!もう…っしない!
ぼく…ぼくっ…ちーみて、おにいさま…っしんじゃうかと…おもって…っ。
いそがなきゃっておもって、それで…っ。
ごめんなさいいいい!ごめんねえええええ!!!」

俺は何度も何度も頷いた。
そして子供みたいに大泣きして、ゲイルに飛びつく。
ゲイルの優しさは、怒鳴られたりするよりもよっぽどこたえた。

「お前は1ですむところを100垂れ流している。
おまけに感情に左右されやすい。
使うつもりがなくとも、魔力を大放出してしまうんだ」

「……うん……っ」

「お前は確かに優秀だ。教えていないような魔法だって使えるんだろう。
だが…まだ使うな。使い方を習うまでは禁止だ。
頼むから…慌てて大人になろうとするな。
魔法だってなんだって、少しずつだ。
まだお前は魔力を出せるようになったばかりなんだ。
まだまだ、これからなんだぞ?
焦らなくていい。ゆっくりだ。ゆっくりいこうな」

俺は返事をする代わりに、ぎゅうっと強く抱き着いた。

わかったよ。今度は本当にわかった。

いろいろなことを一度に聞いて、俺、なんかなんでもできるって思っちゃったんだ。
俺ツエエじゃん、やったあ!って、調子に乗った。
でも、いくら膨大な魔力を持っていたって、使いこなせなくちゃ意味がないんだ。
まだ魔力操作を始めたばかり。
焦らずに、ゆっくりいかなきゃ。

でも、あの時はすっごく焦っちゃったから…

って!そういえば、お兄様!
お兄様はどうなったんだろう?
あの超ヒールで血は止まっただろうか?
多分特大なヒール出たから大丈夫だとは思うけど…。

「おにいさまは?げんきになった?ないぞう、だいじょうぶ?」

俺の言葉を聞いてゲイルは苦い物でも食べたみたいな顔になった。

「あれはな………鼻血だ」
「は?」

今なんて言った?え?鼻血?鼻血って言った?
いくらなんでも、俺の聞き間違いだよね?

「鼻血。レオンは鼻血を出しただけだったんだ」
「………はぁ?!」

思わずすんごい声がでた。
ええ?!あれだけ「ゴフゥッ!」みたいに吐血…じゃなかった。
あんなにぼとぼと血を出しといて、鼻血だってえええ?!
嘘でしょ?!何それ!
鼻血で、俺こんなことになってんのおおおお?!
なんておまぬけさんなの、俺ってば!!!
とんだ勘違いやろうじゃないですか!

「………とけつだとおもったの」
「ああ。お前、そう言ってたよな」
「だから、どおしてみんなよゆうなの、っておもって。ぼくがやらなきゃ、って…」
「……そうだな……」
「ぜんぶぼくのかんちがい………」

一人で大騒ぎした挙句、魔法大放出してばたりんこするなんて!!
は、恥ずかしすぎるううううう!!!

かあああ、っと真っ赤になって丸まる俺。

ゲイルが気の毒そうに

「いや、あれは確かに鼻血にしてはありえない量が出てたしな!
そりゃあ驚くよなあ!」

とフォローしてくれるのが、余計に辛い……。

俺は本当に本当に!絶対的にこれからは「報告・連絡・相談」すると心に誓ったのだった。

「ほうれんそう!だいじでした!!こころにきざんだ!」
「お…おお?たしかに栄養があるからな。ちゃんと食べような?」


そっちじゃないー!!



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