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俺、またしてもお披露目会?!
俺、ばたんきゅう
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さてさて。
「ルーダ召喚ごっこ」を楽しんでいた俺だったが、とつぜん目の前がぐるんぐるんに。
あれ?どした?
部屋の中を駆け回ったから目が回っちゃったんだろうか?
そう思ってたら、ちかちかとお星さまが飛んで、その後真っ暗になった。
「サフィ!!!」
誰かが叫んでるのが聞こえる。
ご、ごめん……
大丈夫だよって…いいたいんだけど…………
そのまま俺の意識は闇に沈んでいったのだった。
目を覚ますと、なにやら豪華なビラビラが見えた。
んん?なんだ、あれは?
よーく目をこらして見たら、ベッドの天蓋。
俺はもんのすんごくゴージャスなベッドに寝かされているようだ。
カーテンみたいなとこ、刺繍がいっぱいされたすっごおく重そうな布だもん。
そういえば、背に当たる敷布団の感触もふっかふっか。
上にかけられた掛布団なんてまるで羽のような軽さである。
俺のお部屋のお布団もふかふかだけど、ベッドはもっとシンプル。
あれ?
じゃあ、ここどこ?ええっとええっと…。
どう考えても思い出せない。
まさか…俺、変なお薬とか盛られちゃって、眠ったまま誘拐されちゃったとかじゃない?
アニメとかでよくあるヤツ!
お姫様が敵の貴族に誘拐とかされちゃうやつ!
俺は姫じゃないけど聖女だし……ありうるのかも。
ど、ど、ど、どおしよお!
とりあえずまずは安全な場所に。お布団にもぐって隠れよう!
そおっと動こうとしたんだけど…
あれ?手が動かない!
なんでー⁈
ウソでしょ!誰か俺の手、握ってる!
ひいいいいい!!
逃げられないよおおおおお!!
俺の手が動いたことで、相手に俺が目覚めたと気付かれてしまったようだ。
すぐ横に居たらしい誰かが俺をのぞき込んできた。
ギャアアアアア!
「サフィ!目が覚めたのか?」
んあ?この声!
「ゲ…ル?」
ゲイルだああああ!!!
あ。なんか喉が変。かぴかぴしちゃって、上手く声が出ない。
コホン。
でも、ゲイルだ!!
「ゆ…かいじゃ…なかった…?どこ…ここ」
ゲイルは俺を優しく抱き起して、サイドテーブルのコップを取って俺の口元に当ててくれた。
「ん。ゆっくり飲めよ?慌てなくていい。ちょっとずつな?」
こく。こく。
ちょっと飲んだらなんだかすごく喉が渇いていることに気付いた。
もっとちょーだい!!
俺はゲイルからコップを奪い取るようにしてもらい、両手でがっしり掴むと、ごくごくごくごくーっ!
「あ、こら!そんなに飲むと…!」
「!!」
ごっほ!えっほん!えっほえっほ!!
ヤバい!変なとこに入っちゃった!
「慌てるなっていったろ?」
慌ててゲイルが俺の背中をさすってくれる。
ううー……。
まだ気管支になんか入ってる気がするう…。
でも、お陰でちょっと頭がすっきりした。
「……落ち着いたか?」
「うん。もうだいじょうぶっぽい」
周りを見回してみると、見覚えのない豪華なお部屋。
家具とかも装飾がいっぱいついた豪華仕様。
まだ王城なのかな?
ルーダと楽しく遊んで、目がぐるぐるしてお星さまピカリから、覚えてない。
一体なにがあったんだろう?
「あのね、ぼく、なんでここにいるの?
なんでねてたの?」
「あのな、お前、倒れたんだよ。もう3日も眠ったままだったんだぞ?
……あんまり心配させるな」
ゲイルは首をかしげる俺をそおっと抱きしめると、俺の首に顔を埋めた。
首元に湿った感触。
ゲイル…泣いてる?
どうやら凄く心配させてしまったみたい。
よく見ると、目の下にはクマがあったし、頬に当たる感触はゲイルの無精ひげ。
かなりのボロボロ。
俺は静かに涙するゲイルのぼさぼさになってしまっている髪を、そおっと優しく指ですいた。
「………ごめんね?」
俺だってなにがどうしてこうなったのかは分かんないけど。
心配させちゃってごめんね、ゲイル。
ゲイルの抱きしめる力がもっと強くなった。
ゲイルはしばらくそうしていたが、やがて「ふうっ!」と大きく息を吐いて立ち上がる。
そして、頭をがりがりと掻きながら、苦笑した。
「みんなも心配してずっとここに居たがったんだがな。
『俺がいるからお前らは仕事しろ』って、ここから追い出してやったんだよ。
ちょっと呼んでくるわ!」
そういうゲイルの目のはじっこは赤くって、泣いてたのが丸わかり。
ゲイルには申し訳ないんだけど、こんなゲイルを見れて嬉しい。
愛されちゃってるって感じで。
でも、みんなに見られちゃうのは、アレだよねえ…
「ゲイル、ゲイル」
「ん?なんだ?」
「あのね、おめめがあかい。ないたのバレバレ」
するとゲイルは首まで真っ赤になってすんごい速さで「ヒール!!」。
しゅううん、とゲイルのお顔は元通りになった。
ついでにクマまで消えていた。
無精ひげはそのまんまだけど。
「おお…!いつもどおりのカッコよゲイル!
えへへ。ゲイルのなきがお、ぼくだけみちゃったねー!」
「……皆には言うなよ?」
ゲイルは困ったような顔で俺にデコピンすると、そそくさと部屋から出て行ってしまった。
照れなくてもいいのにね!
俺のお父様って、かわいいよね!
「ルーダ召喚ごっこ」を楽しんでいた俺だったが、とつぜん目の前がぐるんぐるんに。
あれ?どした?
部屋の中を駆け回ったから目が回っちゃったんだろうか?
そう思ってたら、ちかちかとお星さまが飛んで、その後真っ暗になった。
「サフィ!!!」
誰かが叫んでるのが聞こえる。
ご、ごめん……
大丈夫だよって…いいたいんだけど…………
そのまま俺の意識は闇に沈んでいったのだった。
目を覚ますと、なにやら豪華なビラビラが見えた。
んん?なんだ、あれは?
よーく目をこらして見たら、ベッドの天蓋。
俺はもんのすんごくゴージャスなベッドに寝かされているようだ。
カーテンみたいなとこ、刺繍がいっぱいされたすっごおく重そうな布だもん。
そういえば、背に当たる敷布団の感触もふっかふっか。
上にかけられた掛布団なんてまるで羽のような軽さである。
俺のお部屋のお布団もふかふかだけど、ベッドはもっとシンプル。
あれ?
じゃあ、ここどこ?ええっとええっと…。
どう考えても思い出せない。
まさか…俺、変なお薬とか盛られちゃって、眠ったまま誘拐されちゃったとかじゃない?
アニメとかでよくあるヤツ!
お姫様が敵の貴族に誘拐とかされちゃうやつ!
俺は姫じゃないけど聖女だし……ありうるのかも。
ど、ど、ど、どおしよお!
とりあえずまずは安全な場所に。お布団にもぐって隠れよう!
そおっと動こうとしたんだけど…
あれ?手が動かない!
なんでー⁈
ウソでしょ!誰か俺の手、握ってる!
ひいいいいい!!
逃げられないよおおおおお!!
俺の手が動いたことで、相手に俺が目覚めたと気付かれてしまったようだ。
すぐ横に居たらしい誰かが俺をのぞき込んできた。
ギャアアアアア!
「サフィ!目が覚めたのか?」
んあ?この声!
「ゲ…ル?」
ゲイルだああああ!!!
あ。なんか喉が変。かぴかぴしちゃって、上手く声が出ない。
コホン。
でも、ゲイルだ!!
「ゆ…かいじゃ…なかった…?どこ…ここ」
ゲイルは俺を優しく抱き起して、サイドテーブルのコップを取って俺の口元に当ててくれた。
「ん。ゆっくり飲めよ?慌てなくていい。ちょっとずつな?」
こく。こく。
ちょっと飲んだらなんだかすごく喉が渇いていることに気付いた。
もっとちょーだい!!
俺はゲイルからコップを奪い取るようにしてもらい、両手でがっしり掴むと、ごくごくごくごくーっ!
「あ、こら!そんなに飲むと…!」
「!!」
ごっほ!えっほん!えっほえっほ!!
ヤバい!変なとこに入っちゃった!
「慌てるなっていったろ?」
慌ててゲイルが俺の背中をさすってくれる。
ううー……。
まだ気管支になんか入ってる気がするう…。
でも、お陰でちょっと頭がすっきりした。
「……落ち着いたか?」
「うん。もうだいじょうぶっぽい」
周りを見回してみると、見覚えのない豪華なお部屋。
家具とかも装飾がいっぱいついた豪華仕様。
まだ王城なのかな?
ルーダと楽しく遊んで、目がぐるぐるしてお星さまピカリから、覚えてない。
一体なにがあったんだろう?
「あのね、ぼく、なんでここにいるの?
なんでねてたの?」
「あのな、お前、倒れたんだよ。もう3日も眠ったままだったんだぞ?
……あんまり心配させるな」
ゲイルは首をかしげる俺をそおっと抱きしめると、俺の首に顔を埋めた。
首元に湿った感触。
ゲイル…泣いてる?
どうやら凄く心配させてしまったみたい。
よく見ると、目の下にはクマがあったし、頬に当たる感触はゲイルの無精ひげ。
かなりのボロボロ。
俺は静かに涙するゲイルのぼさぼさになってしまっている髪を、そおっと優しく指ですいた。
「………ごめんね?」
俺だってなにがどうしてこうなったのかは分かんないけど。
心配させちゃってごめんね、ゲイル。
ゲイルの抱きしめる力がもっと強くなった。
ゲイルはしばらくそうしていたが、やがて「ふうっ!」と大きく息を吐いて立ち上がる。
そして、頭をがりがりと掻きながら、苦笑した。
「みんなも心配してずっとここに居たがったんだがな。
『俺がいるからお前らは仕事しろ』って、ここから追い出してやったんだよ。
ちょっと呼んでくるわ!」
そういうゲイルの目のはじっこは赤くって、泣いてたのが丸わかり。
ゲイルには申し訳ないんだけど、こんなゲイルを見れて嬉しい。
愛されちゃってるって感じで。
でも、みんなに見られちゃうのは、アレだよねえ…
「ゲイル、ゲイル」
「ん?なんだ?」
「あのね、おめめがあかい。ないたのバレバレ」
するとゲイルは首まで真っ赤になってすんごい速さで「ヒール!!」。
しゅううん、とゲイルのお顔は元通りになった。
ついでにクマまで消えていた。
無精ひげはそのまんまだけど。
「おお…!いつもどおりのカッコよゲイル!
えへへ。ゲイルのなきがお、ぼくだけみちゃったねー!」
「……皆には言うなよ?」
ゲイルは困ったような顔で俺にデコピンすると、そそくさと部屋から出て行ってしまった。
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