102 / 276
まさかまさかの新生活
俺と新たなもっふもふ!
しおりを挟む
だいぶんカオスになってしまってオロオロしていると。
「あのねー。ちょっといいー?」
相変わらず空気をぶった切ってルー君登場!
「しめいのひとに会えたらね。ママがだいじなはなしするから、呼んでっていってたのー。
ぼくが知らないこと、ママはいっぱい知ってる。ママ呼ぶ?」
しーん。
ママ呼べるのかよ!!
早く言ってくれ!!
てか、ママって大人フェンリル?!呼んじゃって大丈夫なの?!
満場一致の心の声である。
そんな俺たちの心の声をよそに、ルー君は。
「ママ呼ぶねー!うーんと。
ママー!!」
瞬間。
ゴワっと俺の中から魔力が抜けたのが分かった。
身体の力が抜けて、ガクリと崩れかかる。
「サフィ?!大丈夫?」
「サフィ?!どうした?!」
慌ててお兄様がしっかりと俺を抱き止めてくれた。
ゲイルが慌てて俺に駆け寄る。
「……だ、だいじょぶ。まりょくひゅわっとへって、びっくりしただけ」
ちょっとめまいはするけど大丈夫そう。
ほう、とみんなの肩から力が抜けた。
「よかった……。何か不調があったら言えよ。お父様がなんとかしてやるからな!」
ゲイルが俺の髪をかき上げてくれる。
「サフィ。私もいるからね。すぐに言うんだよ?」
お兄様が泣きそうな顔。
「うん。ありがとゲイル、おにいさま。もうだいじょうぶみたい」
ルー君が申し訳なさそうに耳と尻尾を垂らした。
「ごめんね、サフィ!ママ呼ぶの、魔力たくさんいるの。だから、ひとりのときは呼べなかったの」
うんうん!いいんだよー!へにょんとしたお耳、かわいいねえええ!!!
と。
ぐわん、と空間が歪んだのが分かった。
あまりにも強大な魔力にびりびりと肌がしびれるような感覚。
「!!」
お兄様が俺を守るように腕の中に抱き込み、ゲイルとティガマリがすかさず俺たちを背に庇う。
見ると、護衛たちは王様を取り囲み、公爵たちも焦ったように俺を守ろうと立ち上がっている。
しゅん。
急速に威圧が収束し、その後には……
3メートルほどの巨大な真っ白狼!!
「ママー!!」
ルー君の無邪気な声が響く。
みんなはお口パッカーン、お目目パッチーン。
俺はといえば…興奮のあまり叫んでしまった。
「おっきなもふもふーーーーーーー!!!!!」
ひゃっほーい!!!ふっかふかのもっふもふ!ルー君なんてめじゃないもふっぷり!
ちょっとちょっと、お兄様、放して!!俺、モフる!モフりたいの!!!
腕の中でじたばたする俺を、お兄様は無意識にぎゅうぎゅうと締め付ける。
い、いたい…!ちょっと、力強い!
「て!てー!!」
ぺちぺちとお兄様の手を叩くと、
「ご、ごめんね!」
慌ててお兄様が手の力を緩めてくれた。
今だ!
そのすきを逃さず、俺は素早く巨大もふもふに向かって走る!
「ルーくんママですか?!サフィです!はじめまして!
ルーくんはおとうとになりました!なのでルーくんママはぼくのママ!
モフっていいですかああああ!!」
ぴょーん!!
もっふううううううううう!!!
「サフィイイイイイイイイイイ!!!!」
「あああああああああああ!!!!!」
悲痛な悲鳴が上がった後。
「ふわああああ!!もっふもふううううううう!!!」
俺の歓声が部屋に響き渡ったのだった。
一触即発の空気を漂わせる人間たちに、ルー君ママはあきれたように口を開いた。
「…………人間よ。我が子が世話になったな。
……話をしても良いだろうか?」
うっそー!なんてイケボ!!ロートーンボイス!!
「この子はママと言っているが、正確に言えば我はママではない。フェンリルには性別というものがないのだ」
なんと!フェンリルママは、フェンリルパパでもあった!
フェンリルは無性らしい。
「あのね、ルーくんのママっていいにくいしパパかもでしょ。
なので、おっきなるーくんっていみで、ルーくんダイのルーダイ。りゃくしてルーダってよんでいい?」
俺が言ったとたん、また体の力がふにゃって抜けて、ルーダの身体がキラキラってした。
「………」
「……………」
す、すごい!何、今の?!
「………名付けられてしまったようだな。まさか我を名付けることができるとは…。
息子と同じく、我もサフィと繋がった。サフィが我を呼べば、我に伝わる」
「「「「「サフィ!!!!」」」」
みんな大慌て。何を慌てているんだろう。
それって悪い事じゃないよね?
俺は念のため聞いてみた。
「なかよしということでよきですか?」
「……まあ、そうだ。我はサフィの守護獣となった」
「おお!なんと!よきですね、よきよき!」
ちょっといきなり色々あったが。まあ、仲良しになっただけなら、いいじゃん?
おっけーおっけー!
ルンルンもふもふをご堪能する俺の耳に、ゲイルの呆れたような声が。
「…………サフィだからな………」
「あのねー。ちょっといいー?」
相変わらず空気をぶった切ってルー君登場!
「しめいのひとに会えたらね。ママがだいじなはなしするから、呼んでっていってたのー。
ぼくが知らないこと、ママはいっぱい知ってる。ママ呼ぶ?」
しーん。
ママ呼べるのかよ!!
早く言ってくれ!!
てか、ママって大人フェンリル?!呼んじゃって大丈夫なの?!
満場一致の心の声である。
そんな俺たちの心の声をよそに、ルー君は。
「ママ呼ぶねー!うーんと。
ママー!!」
瞬間。
ゴワっと俺の中から魔力が抜けたのが分かった。
身体の力が抜けて、ガクリと崩れかかる。
「サフィ?!大丈夫?」
「サフィ?!どうした?!」
慌ててお兄様がしっかりと俺を抱き止めてくれた。
ゲイルが慌てて俺に駆け寄る。
「……だ、だいじょぶ。まりょくひゅわっとへって、びっくりしただけ」
ちょっとめまいはするけど大丈夫そう。
ほう、とみんなの肩から力が抜けた。
「よかった……。何か不調があったら言えよ。お父様がなんとかしてやるからな!」
ゲイルが俺の髪をかき上げてくれる。
「サフィ。私もいるからね。すぐに言うんだよ?」
お兄様が泣きそうな顔。
「うん。ありがとゲイル、おにいさま。もうだいじょうぶみたい」
ルー君が申し訳なさそうに耳と尻尾を垂らした。
「ごめんね、サフィ!ママ呼ぶの、魔力たくさんいるの。だから、ひとりのときは呼べなかったの」
うんうん!いいんだよー!へにょんとしたお耳、かわいいねえええ!!!
と。
ぐわん、と空間が歪んだのが分かった。
あまりにも強大な魔力にびりびりと肌がしびれるような感覚。
「!!」
お兄様が俺を守るように腕の中に抱き込み、ゲイルとティガマリがすかさず俺たちを背に庇う。
見ると、護衛たちは王様を取り囲み、公爵たちも焦ったように俺を守ろうと立ち上がっている。
しゅん。
急速に威圧が収束し、その後には……
3メートルほどの巨大な真っ白狼!!
「ママー!!」
ルー君の無邪気な声が響く。
みんなはお口パッカーン、お目目パッチーン。
俺はといえば…興奮のあまり叫んでしまった。
「おっきなもふもふーーーーーーー!!!!!」
ひゃっほーい!!!ふっかふかのもっふもふ!ルー君なんてめじゃないもふっぷり!
ちょっとちょっと、お兄様、放して!!俺、モフる!モフりたいの!!!
腕の中でじたばたする俺を、お兄様は無意識にぎゅうぎゅうと締め付ける。
い、いたい…!ちょっと、力強い!
「て!てー!!」
ぺちぺちとお兄様の手を叩くと、
「ご、ごめんね!」
慌ててお兄様が手の力を緩めてくれた。
今だ!
そのすきを逃さず、俺は素早く巨大もふもふに向かって走る!
「ルーくんママですか?!サフィです!はじめまして!
ルーくんはおとうとになりました!なのでルーくんママはぼくのママ!
モフっていいですかああああ!!」
ぴょーん!!
もっふううううううううう!!!
「サフィイイイイイイイイイイ!!!!」
「あああああああああああ!!!!!」
悲痛な悲鳴が上がった後。
「ふわああああ!!もっふもふううううううう!!!」
俺の歓声が部屋に響き渡ったのだった。
一触即発の空気を漂わせる人間たちに、ルー君ママはあきれたように口を開いた。
「…………人間よ。我が子が世話になったな。
……話をしても良いだろうか?」
うっそー!なんてイケボ!!ロートーンボイス!!
「この子はママと言っているが、正確に言えば我はママではない。フェンリルには性別というものがないのだ」
なんと!フェンリルママは、フェンリルパパでもあった!
フェンリルは無性らしい。
「あのね、ルーくんのママっていいにくいしパパかもでしょ。
なので、おっきなるーくんっていみで、ルーくんダイのルーダイ。りゃくしてルーダってよんでいい?」
俺が言ったとたん、また体の力がふにゃって抜けて、ルーダの身体がキラキラってした。
「………」
「……………」
す、すごい!何、今の?!
「………名付けられてしまったようだな。まさか我を名付けることができるとは…。
息子と同じく、我もサフィと繋がった。サフィが我を呼べば、我に伝わる」
「「「「「サフィ!!!!」」」」
みんな大慌て。何を慌てているんだろう。
それって悪い事じゃないよね?
俺は念のため聞いてみた。
「なかよしということでよきですか?」
「……まあ、そうだ。我はサフィの守護獣となった」
「おお!なんと!よきですね、よきよき!」
ちょっといきなり色々あったが。まあ、仲良しになっただけなら、いいじゃん?
おっけーおっけー!
ルンルンもふもふをご堪能する俺の耳に、ゲイルの呆れたような声が。
「…………サフィだからな………」
1,804
お気に入りに追加
5,174
あなたにおすすめの小説
自分勝手な側妃を見習えとおっしゃったのですから、わたくしの望む未来を手にすると決めました。
Mayoi
恋愛
国王キングズリーの寵愛を受ける側妃メラニー。
二人から見下される正妃クローディア。
正妃として国王に苦言を呈すれば嫉妬だと言われ、逆に側妃を見習うように言わる始末。
国王であるキングズリーがそう言ったのだからクローディアも決心する。
クローディアは自らの望む未来を手にすべく、密かに手を回す。
不貞の子を身籠ったと夫に追い出されました。生まれた子供は『精霊のいとし子』のようです。
桧山 紗綺
恋愛
【完結】嫁いで5年。子供を身籠ったら追い出されました。不貞なんてしていないと言っても聞く耳をもちません。生まれた子は間違いなく夫の子です。夫の子……ですが。 私、離婚された方が良いのではないでしょうか。
戻ってきた実家で子供たちと幸せに暮らしていきます。
『精霊のいとし子』と呼ばれる存在を授かった主人公の、可愛い子供たちとの暮らしと新しい恋とか愛とかのお話です。
※※番外編も完結しました。番外編は色々な視点で書いてます。
時系列も結構バラバラに本編の間の話や本編後の色々な出来事を書きました。
一通り主人公の周りの視点で書けたかな、と。
番外編の方が本編よりも長いです。
気がついたら10万文字を超えていました。
随分と長くなりましたが、お付き合いくださってありがとうございました!
君は妾の子だから、次男がちょうどいい
月山 歩
恋愛
侯爵家のマリアは婚約中だが、彼は王都に住み、マリアは片田舎で遠いため、会ったことはなかった。でもある時、マリアは、妾の子であると知られる。そんな娘は大事な子息とは、結婚させられないと、病気療養中の次男との婚約に一方的に変えさせられる。そして次の日には、迎えの馬車がやって来た。
妹だけを可愛がるなら私はいらないでしょう。だから消えます……。何でもねだる妹と溺愛する両親に私は見切りをつける。
しげむろ ゆうき
ファンタジー
誕生日に買ってもらったドレスを欲しがる妹
そんな妹を溺愛する両親は、笑顔であげなさいと言ってくる
もう限界がきた私はあることを決心するのだった
【完結】間違えたなら謝ってよね! ~悔しいので羨ましがられるほど幸せになります~
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
「こんな役立たずは要らん! 捨ててこい!!」
何が起きたのか分からず、茫然とする。要らない? 捨てる? きょとんとしたまま捨てられた私は、なぜか幼くなっていた。ハイキングに行って少し道に迷っただけなのに?
後に聖女召喚で間違われたと知るが、だったら責任取って育てるなり、元に戻すなりしてよ! 謝罪のひとつもないのは、納得できない!!
負けん気の強いサラは、見返すために幸せになることを誓う。途端に幸せが舞い込み続けて? いつも笑顔のサラの周りには、聖獣達が集った。
やっぱり聖女だから戻ってくれ? 絶対にお断りします(*´艸`*)
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2022/06/22……完結
2022/03/26……アルファポリス、HOT女性向け 11位
2022/03/19……小説家になろう、異世界転生/転移(ファンタジー)日間 26位
2022/03/18……エブリスタ、トレンド(ファンタジー)1位
お決まりの悪役令息は物語から消えることにします?
麻山おもと
BL
愛読していたblファンタジーものの漫画に転生した主人公は、最推しの悪役令息に転生する。今までとは打って変わって、誰にも興味を示さない主人公に周りが関心を向け始め、執着していく話を書くつもりです。
旦那様、愛人を作ってもいいですか?
ひろか
恋愛
私には前世の記憶があります。ニホンでの四六年という。
「君の役目は魔力を多く持つ子供を産むこと。その後で君も自由にすればいい」
これ、旦那様から、初夜での言葉です。
んん?美筋肉イケオジな愛人を持っても良いと?
’18/10/21…おまけ小話追加
ボロ雑巾な伯爵夫人、やっと『家族』を手に入れました。~旦那様から棄てられて、ギブ&テイクでハートフルな共同生活を始めます2~
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
第二夫人に最愛の旦那様も息子も奪われ、挙句の果てに家から追い出された伯爵夫人・フィーリアは、なけなしの餞別だけを持って大雨の中を歩き続けていたところ、とある男の子たちに出会う。
言葉汚く直情的で、だけど決してフィーリアを無視したりはしない、ディーダ。
喋り方こそ柔らかいが、その実どこか冷めた毒舌家である、ノイン。
12、3歳ほどに見える彼らとひょんな事から共同生活を始めた彼女は、人々の優しさに触れて少しずつ自身の居場所を確立していく。
====
●本作は「ボロ雑巾な伯爵夫人、旦那様から棄てられて、ギブ&テイクでハートフルな共同生活を始めます。」からの続き作品です。
前作では、二人との出会い~同居を描いています。
順番に読んでくださる方は、目次下にリンクを張っておりますので、そちらからお入りください。
※アプリで閲覧くださっている方は、タイトルで検索いただけますと表示されます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる