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新生活スタート!
俺のお散歩
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休憩で元気を取り戻した俺たちは、散歩を再開。
そこからはぴょんぴょんなしで、普通にぶらぶらしながら歩いたから、なんかすんごおくラクチン!
これ、なんとかいう「大変なことを最初にさせて、楽に感じさせる」って効果なのかもしれぬ。
歩きながら、ライが植えられている花を指して
「この花はね、アネモネっていうんだよ。花の色によって花言葉が違うんだ。赤は『君を愛す』、白は『真実』『希望』、紫は『あなたを信じて待つ』。アネモネ全般だと『はかない恋』『恋の苦しみ』。同じ花なのに色や組み合わせによって全く意味が変わってしまうんだよ」
「これはライラックというんだ。通常花弁は4枚。だが稀に5枚のものがある。5枚の花は『ハッピーライラック』と言われていてね。幸運を運ぶそうだよ」
などと教えてくれる。
「さすが、ライオネル」
と褒めたら、ちょっと恥ずかしそうにこう言った。
「……実は、予め調べたんだ」
表情は相変わらず大きくは変わらないんだけど、耳が真っ赤だ。
ふふふ。お散歩用に勉強してたのかな。可愛い所があるよね。
俺とリオはもちろん5枚の花を探しまくった。まれに、というだけあり、なかなか見つからない。
くそおおおお!
むきになって探してたら、リオネルが歓声をあげた。
「あったああああ!!」
高々と掲げたその花の花弁は5枚!
おおお!!すごおおい!!
「やったじゃん!リオ!」
パチパチパチー!と拍手したら、リオがすっごい笑顔で
「はい!サフィ!あげる!」
と俺にその花を差し出してきた。
「え?いいよ。リオのでしょ。みつけたひとのかち。しょうりのあかし」
当然ながら俺は遠慮したのだが、
「いいの。サフィにあげたくってさがしたの。サフィがしあわせになりますように!」
とくったくなく笑う。
「……じゃあ、もらうね。ありがとうリオ」
受け取った花は、なんだかほんとに幸せを運んできそうに見えた。
痛めないようにそうっと持っていると、ティガーがこう提案してくれた。
「押し花にしましょうか?そして、それでしおりを作ってはいかがでしょう?」
「!うん!そうする!」
ここに挟んでおきましょうね、と紙を渡してくれたので、俺は丁寧にその花を紙で包んだ。
大事に持って帰ろう。はじめてのお散歩の記念。リオがくれた、幸せへのパスポートだ。
「うふふ」
リオが笑うので、どうしたのかと聞くと
「あのね。サフィが嬉しそうだから、僕も嬉しいの」
と笑う。俺はその顔をみてたら、なんだか、なんだかぐわああってなって。
「ああああああ!!!もうさあああああ!!」
ライとリオを置いて駆け出してしまった。
急に走り出した俺にキョトンとしたままのライリオ。
ある程度離れたところまで走ると俺はくるりと振り返り、大声で叫んだ。
「あのさあああ!!ぼく、もうじゅうぶん しあわせですからああああ!!
たしかにかこは、アレでしたが!
いまはまいにち とおってもしあわせで!とおってもたのしいですので!
そこんとこ、おわすれなくううううう!!」
ライリオはそれを聞いて、ひまわりみたいな笑顔になった。
クールなライオネルさえ、顔をくしゃくしゃにして笑っている。
2人は両手を上に挙げて、ぶんぶんと振った。
「うん!うん!わかったあああああ!!
あのねええ、サフィがしあわせでよかったあああああ!!」
「サフィラスが楽しいと、私たちも楽しい!サフィラスが幸せで嬉しい!」
そんな2人を見て、俺は誓う。
2人に内緒で、俺も5枚の花弁の花を見つけよう。
それでしおりを作るんだ!
そして、2人に分けてあげる。
色々あったけど。2人にも幸せが来ますように。
仲間だもんね。それくらいは祈ってあげるよ。
そこからはぴょんぴょんなしで、普通にぶらぶらしながら歩いたから、なんかすんごおくラクチン!
これ、なんとかいう「大変なことを最初にさせて、楽に感じさせる」って効果なのかもしれぬ。
歩きながら、ライが植えられている花を指して
「この花はね、アネモネっていうんだよ。花の色によって花言葉が違うんだ。赤は『君を愛す』、白は『真実』『希望』、紫は『あなたを信じて待つ』。アネモネ全般だと『はかない恋』『恋の苦しみ』。同じ花なのに色や組み合わせによって全く意味が変わってしまうんだよ」
「これはライラックというんだ。通常花弁は4枚。だが稀に5枚のものがある。5枚の花は『ハッピーライラック』と言われていてね。幸運を運ぶそうだよ」
などと教えてくれる。
「さすが、ライオネル」
と褒めたら、ちょっと恥ずかしそうにこう言った。
「……実は、予め調べたんだ」
表情は相変わらず大きくは変わらないんだけど、耳が真っ赤だ。
ふふふ。お散歩用に勉強してたのかな。可愛い所があるよね。
俺とリオはもちろん5枚の花を探しまくった。まれに、というだけあり、なかなか見つからない。
くそおおおお!
むきになって探してたら、リオネルが歓声をあげた。
「あったああああ!!」
高々と掲げたその花の花弁は5枚!
おおお!!すごおおい!!
「やったじゃん!リオ!」
パチパチパチー!と拍手したら、リオがすっごい笑顔で
「はい!サフィ!あげる!」
と俺にその花を差し出してきた。
「え?いいよ。リオのでしょ。みつけたひとのかち。しょうりのあかし」
当然ながら俺は遠慮したのだが、
「いいの。サフィにあげたくってさがしたの。サフィがしあわせになりますように!」
とくったくなく笑う。
「……じゃあ、もらうね。ありがとうリオ」
受け取った花は、なんだかほんとに幸せを運んできそうに見えた。
痛めないようにそうっと持っていると、ティガーがこう提案してくれた。
「押し花にしましょうか?そして、それでしおりを作ってはいかがでしょう?」
「!うん!そうする!」
ここに挟んでおきましょうね、と紙を渡してくれたので、俺は丁寧にその花を紙で包んだ。
大事に持って帰ろう。はじめてのお散歩の記念。リオがくれた、幸せへのパスポートだ。
「うふふ」
リオが笑うので、どうしたのかと聞くと
「あのね。サフィが嬉しそうだから、僕も嬉しいの」
と笑う。俺はその顔をみてたら、なんだか、なんだかぐわああってなって。
「ああああああ!!!もうさあああああ!!」
ライとリオを置いて駆け出してしまった。
急に走り出した俺にキョトンとしたままのライリオ。
ある程度離れたところまで走ると俺はくるりと振り返り、大声で叫んだ。
「あのさあああ!!ぼく、もうじゅうぶん しあわせですからああああ!!
たしかにかこは、アレでしたが!
いまはまいにち とおってもしあわせで!とおってもたのしいですので!
そこんとこ、おわすれなくううううう!!」
ライリオはそれを聞いて、ひまわりみたいな笑顔になった。
クールなライオネルさえ、顔をくしゃくしゃにして笑っている。
2人は両手を上に挙げて、ぶんぶんと振った。
「うん!うん!わかったあああああ!!
あのねええ、サフィがしあわせでよかったあああああ!!」
「サフィラスが楽しいと、私たちも楽しい!サフィラスが幸せで嬉しい!」
そんな2人を見て、俺は誓う。
2人に内緒で、俺も5枚の花弁の花を見つけよう。
それでしおりを作るんだ!
そして、2人に分けてあげる。
色々あったけど。2人にも幸せが来ますように。
仲間だもんね。それくらいは祈ってあげるよ。
2,120
はじめまして。初めて書いてみたオリジナル異世界BL。可哀想な主人公が、それに負けずに力業で幸せになるのが好きです。ハピエン主義なので、完全無双のハピエンになります。誤字脱字など、ご容赦くださいませ(;・∀・)→ご指摘があれば修正いたしますので!ご都合主義の作者の自己満足小説です。作者豆腐メンタルのため、ご不満のある方は「そっ閉じ」でお願いいたします。。。お楽しみいただけましたら、ぜひぽちっとイイネをお願いいたします♡コメントもぜひ♡
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