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新生活スタート!
俺と家族の水入らず
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さて。あのあと、美味しいデザート……の前に、俺はなんと!寝落ちてしまった。
あの一日は、王城でも色々あって、こっちでも色々あって、お疲れモードだった俺。
挨拶とかの顔合わせも終わり、お腹もいっぱいになって、俺の横にはゲイルとエリアス。
家族の体温を感じ「もうきょうはおしまい」って安心してしまったんだと思う。
気付いたら眠くて眠くてたまらなくなって、なんとか目をあけようと頑張ったんだけど、どうしても上瞼が下瞼とくっつこうとするの。
抵抗に抵抗を重ねた俺は………あきらめた。
むり!俺は最善をつくしました。でも、むりなものはむり!
最高のお父様であるゲイルもいるし。困ったときに頼りになるティガーもいるし。誤魔化し上手なエリアスも居る。なんとかなるでしょ!
「……サフィ?眠いのか?もう少し頑張れ!」
「んー……むりい…。あとはおまかせしますので。……おやすみい、げいる……」
「お、おい!サフィ!」
すやあ……。
目をあけたら、目の前は真っ白。
俺の身体は何かにしっかりホールドされ、動けない!
でも慌てない。だって、わかってるから。
この安心感、この安定感、このいい匂いは、俺がずっと求めてたもの。
俺は自分からもぎゅうっと抱き着いて、くんくん。
ふわあああ。安心する匂い。
しっかりとした胸板に、頭をぐりぐりと押し付ける。
うううう。これこれこれーーー!!!
お兄様の抱っこもすてきだけど、このがっしり感!
すっぽりと包まれる感じ!
これが最高なのおおおお!!
ふうー。
俺は幸せのため息をついた。
眠る前の抱っこも好きだけど、こうやって目を覚ましてこっそりと甘えるのも大好き。
寒い冬にあったかあいお風呂でちゃぷちゃぷしているような気持ち。
俺にとってのおうちはここ。
公爵家の俺の部屋は俺の居場所ではあるけど。
俺が「帰りたい」って思って、心から安心できるのはゲイルのここなんだ。
いつでも俺を受け止めてくれるゲイルが俺の帰る場所。
俺はゲイルにすりすりしてゲイルを堪能しながら、ようやく「帰ってきたなあ」って思った。
「ただいま。ゲイル」
小さく呟いたら
「お帰り、サフィ」
無いと思ってた返事が返ってきた!
あれ?ゲイル、もしかして起きてた?
「ふふ。サフィがかわいく甘えて来るから目が覚めちまった。よく眠れたか?」
「うん。よくねむれた」
「そうか。よかった」
俺の顔を覗き込みながら、俺のおでこに張り付いた前髪を指で優しく取り除いてくれるゲイル。
その指が凄く優しくって、胸がぎゅうっとなった
ゲイルの瞳のエメラルドグリーンは、こんなとき深緑に彩を変える。
そんなゲイルの彩を見ると、胸の奥からふつふつと暖かなものが湧き出てくる。
俺は大好きな深緑をもっとよく見たくって、うんしょうんしょとゲイルの胸の中をよじ登り、ゲイルの両頬に手を添えてその深緑を間近に覗き込む。
これが俺の幸せ。俺の帰るところ。
「ぼく、やっとゲイルのとこにかえってきたよ」
心からの笑みが溢れ出る。
「だいすき。ゲイル。おむかえにきてくれてありがと。これからはずっといっしょ!」
ゲイルは何も言わず、ぎゅうっと俺を抱きしめてくれた。
あの一日は、王城でも色々あって、こっちでも色々あって、お疲れモードだった俺。
挨拶とかの顔合わせも終わり、お腹もいっぱいになって、俺の横にはゲイルとエリアス。
家族の体温を感じ「もうきょうはおしまい」って安心してしまったんだと思う。
気付いたら眠くて眠くてたまらなくなって、なんとか目をあけようと頑張ったんだけど、どうしても上瞼が下瞼とくっつこうとするの。
抵抗に抵抗を重ねた俺は………あきらめた。
むり!俺は最善をつくしました。でも、むりなものはむり!
最高のお父様であるゲイルもいるし。困ったときに頼りになるティガーもいるし。誤魔化し上手なエリアスも居る。なんとかなるでしょ!
「……サフィ?眠いのか?もう少し頑張れ!」
「んー……むりい…。あとはおまかせしますので。……おやすみい、げいる……」
「お、おい!サフィ!」
すやあ……。
目をあけたら、目の前は真っ白。
俺の身体は何かにしっかりホールドされ、動けない!
でも慌てない。だって、わかってるから。
この安心感、この安定感、このいい匂いは、俺がずっと求めてたもの。
俺は自分からもぎゅうっと抱き着いて、くんくん。
ふわあああ。安心する匂い。
しっかりとした胸板に、頭をぐりぐりと押し付ける。
うううう。これこれこれーーー!!!
お兄様の抱っこもすてきだけど、このがっしり感!
すっぽりと包まれる感じ!
これが最高なのおおおお!!
ふうー。
俺は幸せのため息をついた。
眠る前の抱っこも好きだけど、こうやって目を覚ましてこっそりと甘えるのも大好き。
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俺にとってのおうちはここ。
公爵家の俺の部屋は俺の居場所ではあるけど。
俺が「帰りたい」って思って、心から安心できるのはゲイルのここなんだ。
いつでも俺を受け止めてくれるゲイルが俺の帰る場所。
俺はゲイルにすりすりしてゲイルを堪能しながら、ようやく「帰ってきたなあ」って思った。
「ただいま。ゲイル」
小さく呟いたら
「お帰り、サフィ」
無いと思ってた返事が返ってきた!
あれ?ゲイル、もしかして起きてた?
「ふふ。サフィがかわいく甘えて来るから目が覚めちまった。よく眠れたか?」
「うん。よくねむれた」
「そうか。よかった」
俺の顔を覗き込みながら、俺のおでこに張り付いた前髪を指で優しく取り除いてくれるゲイル。
その指が凄く優しくって、胸がぎゅうっとなった
ゲイルの瞳のエメラルドグリーンは、こんなとき深緑に彩を変える。
そんなゲイルの彩を見ると、胸の奥からふつふつと暖かなものが湧き出てくる。
俺は大好きな深緑をもっとよく見たくって、うんしょうんしょとゲイルの胸の中をよじ登り、ゲイルの両頬に手を添えてその深緑を間近に覗き込む。
これが俺の幸せ。俺の帰るところ。
「ぼく、やっとゲイルのとこにかえってきたよ」
心からの笑みが溢れ出る。
「だいすき。ゲイル。おむかえにきてくれてありがと。これからはずっといっしょ!」
ゲイルは何も言わず、ぎゅうっと俺を抱きしめてくれた。
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