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王城でのまがりにん生活
閑話休題 幸せは分け合うものでしょ
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あの後、お兄様たちにも剣をご披露!
俺のカッコいい雄姿はもちろんみんなに大好評だった。
特に王様が大喜びで「この素晴らしい姿を残さねば!肖像画を描かせよう!ここに画家を!!」なんて言い出したから、必死で止めた。いくらなんでもそれは恥ずかしい!どこに飾るつもりなの?!
でも、たっくさん「かっこいい」「かわいい」って褒めて貰って、俺は大満足だ!
お楽しみの食後のパイは、今日はなんと!ラズベリー入りだった!
しかも、猫ちゃんのお顔の形になってて、食べるのがもったいないくらい。食べたけど!
熊さん最高!
あんまり可愛いから後でゲイルにあげようと思って、みんなが見てないときにこっそりと紙に包んでポケットにいれた。ゲイルも可愛いがすきだから、きっと喜ぶと思うんだ。うふふふ。
あ、バイツー先生も欲しがるかも。念のため、もうひとつポッケにいれとこ。
でも、そしたら、俺だって一緒に食べたい。お兄様だって欲しくなるよね?
マリーとティガーと、護衛ズも…食べたいよねえ…。
………ポッケ、右も左ももういっぱい。どうしよう。
お尻のポッケ…座らないようにすれば大丈夫だよね?
立ち上がってそうっとお尻のポッケに入れようとしたら、お兄様がにこっと微笑んだ。
「サフィ。そのポッケの中のもの、出そうか?つぶれちゃうよ?
後で籠に入れて貰おうね」
ひゃ!バレてた!はずかし!
「とってもかわいいから、ゲイルに。あと、げいつーせんせにも。
そしたら、ぼくもまたほしくなるし、おにいさまだってほしくなるでしょ?
そうしたら、てぃがーたちもほしくなるかも。
それでぽっけ、いっぱいになっちゃったの」
「私の分も?」
お兄様がちょっとびっくりした顔をした。
俺はそのことに驚いてきょとんとお兄様を見返す。
まさか、俺がお兄様にだけあげないとでも?!
「あたりまえ。おにいさまも いっしょがいい。
おいしいとかうれしいとかは だいすきなひとといっしょがいいの」
お兄様のお顔がふわわわーってピンクになる。
そして、あわてたように顔を片手で覆って、下を向いてしまった。
「……それは……ありがとう。サフィ」
王様と王妃さまがにこにこ。
「うふふ。よかったわねえ、レオン?」
「いっしょがいいのか。そうかそうか。レオンと仲良くしているようでなによりだ」
あたりまえでしょ。俺とお兄様は仲良しなんだからね!
「うれしいとか、たのしいとか、おいしいは、いっしょがいいの。
だいすきなひとと『おいしいね』ってしたら、おいしいが もっともっと おいしくなる!」
教えてあげたら、王様たちも「うんうん」って。
王様たち、知らなかったのかな?
幸せは分け合うものなのよ。覚えておいてね!
俺のカッコいい雄姿はもちろんみんなに大好評だった。
特に王様が大喜びで「この素晴らしい姿を残さねば!肖像画を描かせよう!ここに画家を!!」なんて言い出したから、必死で止めた。いくらなんでもそれは恥ずかしい!どこに飾るつもりなの?!
でも、たっくさん「かっこいい」「かわいい」って褒めて貰って、俺は大満足だ!
お楽しみの食後のパイは、今日はなんと!ラズベリー入りだった!
しかも、猫ちゃんのお顔の形になってて、食べるのがもったいないくらい。食べたけど!
熊さん最高!
あんまり可愛いから後でゲイルにあげようと思って、みんなが見てないときにこっそりと紙に包んでポケットにいれた。ゲイルも可愛いがすきだから、きっと喜ぶと思うんだ。うふふふ。
あ、バイツー先生も欲しがるかも。念のため、もうひとつポッケにいれとこ。
でも、そしたら、俺だって一緒に食べたい。お兄様だって欲しくなるよね?
マリーとティガーと、護衛ズも…食べたいよねえ…。
………ポッケ、右も左ももういっぱい。どうしよう。
お尻のポッケ…座らないようにすれば大丈夫だよね?
立ち上がってそうっとお尻のポッケに入れようとしたら、お兄様がにこっと微笑んだ。
「サフィ。そのポッケの中のもの、出そうか?つぶれちゃうよ?
後で籠に入れて貰おうね」
ひゃ!バレてた!はずかし!
「とってもかわいいから、ゲイルに。あと、げいつーせんせにも。
そしたら、ぼくもまたほしくなるし、おにいさまだってほしくなるでしょ?
そうしたら、てぃがーたちもほしくなるかも。
それでぽっけ、いっぱいになっちゃったの」
「私の分も?」
お兄様がちょっとびっくりした顔をした。
俺はそのことに驚いてきょとんとお兄様を見返す。
まさか、俺がお兄様にだけあげないとでも?!
「あたりまえ。おにいさまも いっしょがいい。
おいしいとかうれしいとかは だいすきなひとといっしょがいいの」
お兄様のお顔がふわわわーってピンクになる。
そして、あわてたように顔を片手で覆って、下を向いてしまった。
「……それは……ありがとう。サフィ」
王様と王妃さまがにこにこ。
「うふふ。よかったわねえ、レオン?」
「いっしょがいいのか。そうかそうか。レオンと仲良くしているようでなによりだ」
あたりまえでしょ。俺とお兄様は仲良しなんだからね!
「うれしいとか、たのしいとか、おいしいは、いっしょがいいの。
だいすきなひとと『おいしいね』ってしたら、おいしいが もっともっと おいしくなる!」
教えてあげたら、王様たちも「うんうん」って。
王様たち、知らなかったのかな?
幸せは分け合うものなのよ。覚えておいてね!
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