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お披露目会、大成功!…だよね?!
俺と泣いている子供たち
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さんざん泣いて泣いて。
気が付いたら、ゲイルの膝に移動していた俺。
そんな俺を、ゲイルが優しく抱きしめ、撫で続けてくれていた。
ドクン、ドクン。
その音が「だいじょうぶ、だいじょうぶ」と言ってくれているようで。
伝わる鼓動に、少しづつ俺は落ち着きを取り戻したのだった。
王様たちは、俺が泣き止むのを黙ってずっと見守ってくれていた。
忙しいだろうに。沢山のお披露目をして疲れているだろうに。
俺を責めることも、せかすこともせずに。
俺が落ち着いてきたタイミングで、
人払いをしているからか、護衛騎士がお茶を淹れてくれた。
音をたてないようにものすごく気を遣って、そおっとそおっと。
無骨な指で丁寧に淹れてくれているのがなんだか嬉しくて可笑しくて。
「んふ」
俺はつい笑ってしまう。
「………せっかくだから、頂こうか。のどが渇いただろ?サフィ」
ゲイルが優しく俺の涙をぬぐいそっと抱き直すと、カップを手に取りふうふうしながら俺の口に。
どうやら飲ませてくれるみたい。
せっかくだから、いただこう。
せっかくだから、あまえちゃおう。
こくん。
ぬるめにしてくれてたみたい。優しい温度が喉に心地いい。
お砂糖多め。
きっと、熱いうちに溶かし、さましてから持ってきてくれたんだろう。
俺のために用意して、俺のために淹れてくれた紅茶は、俺の喉と心を潤し、元気をくれた。
「ありがと」
ひといきついて、ふと気づけば。
ライオネルとリオネルも、声もなく泣いていた。
こんなに静かに泣く子供なんて、生前でもみたことなかった。
俺は、あれ?と思った。
そう、子供だ。
俺より年齢は上だけど。こいつらも、母親を亡くした子供だったんだ。
俺が生まれたとき、ライオネルは今の俺と同じ年齢。
リオネルはたった3歳だったじゃないか。
母を失ってしまった辛さを。母を奪われたやるせなさを。寂しさを。
全て俺のせいにしてしまうくらいには、子供だったんだ。
誰もそんな彼らを止めなかった。
サフィに酷い言葉をぶつけた母の元侍女は、こいつらとも親しかった。
きっと毒を吹き込んだんだろう。
「全部サフィラスのせいなの」「サフィラスのせいでお母様は亡くなったのよ」という毒を…。
思い返してみれば、確かにサフィはこいつらに罵倒されたり、つねられたりした。
でもそれは2歳くらいまでの話で、サフィが歩けるようになったころには、そんなことはしなかった。
ただ目が合うと気まずそうにそらされたりしただけだ。
それをサフィは「嫌われているから」だと思っていた。
本当にそうだったのか?
時折じっと陰から見ているのを、サフィは「睨まれている」と感じていたが…。
あれは、ただサフィの様子をうかがっていたんじゃないのか?
そう気づいたら、次々と色々なことを思いだした。
公爵とこいつらにあいさつした時。
公爵は「いないもの」のようにサフィを無視し、こいつらは無視されたサフィをあざ笑ったかのように見えた。
でも、本当にそうだったのかな?
あれはサフィに笑いかけようとしたんじゃないのか?
サフィをなんとか慰めたかったんじゃないか?
でもそれがうまくできなかったんじゃないだろうか。
前世で俺も言ってはならないことを言ってしまったことがある。
兄ちゃんと喧嘩して、力ではかなわなかった俺は、つい言ってしまったんだ。
「兄ちゃんなんか死んじゃえ!」
って。
その瞬間、兄ちゃんが凄く傷ついたのがわかった。
するん、と兄ちゃんの表情が抜け落ちたように見えたからだ。
幼稚園とかでみんなよく言ってる言葉だけど。言ったら行けない言葉だったんだ。
俺はすぐにそのことに気付いて、必死で誤った。
「ごめん!兄ちゃん、ごめんね!そんなこと思ってないよ!
お兄ちゃん、大好き!ごめんね。さっきの、嘘だからね。ほんとうにごめん!」
兄ちゃんは許してくれたけど、俺はずっとそのことがトゲみたいに胸に刺さってた。
言ってしまったことは取り消せない。俺は、ずっとあの言葉を悔やんでた。
ライオネルとリオネルは、何回もサフィを罵りに来た。
でも、俺を罵る、その顔は良く見ると凄く悲しそうだった。
やるせなさに歪んでいた。
母が恋しくて恋しくて耐えられなくなると、それをサフィにぶつけに来ていたのかもしれない。
どうしようもない気持ちを、ぶつけに来ていたんだ。
サフィは悪意や敵意は感じたけど、その言葉の意味がよく理解できていなかった。
だから、曖昧な表情を浮かべていただけだった。
でも、きっとライオネルとリオネルは、自分たちが何を言っていたか、どこかで気付いたんだ。
どんなにひどい言葉だったのか、自覚した。
だから、あんまり絡んでこなくなったんじゃないか?
その代わりに、サフィの様子をうかがっていたんじゃないか?
どうしよう。
絶対悪い事なのに。
許せないことなのに。
泣いているこいつらを見て、思ってしまった。
俺は、小さなライオネルとリオネルを責められない。
誰かがあのとき彼らを抱きしめるべきだった。
母を失った小さな子供を。
ゲイルが俺にしてくれたように、抱きしめるべきだった。
「サフィラスのせいじゃないんだよ」と教えるべきだったんだ。
きっとあの時こいつらに寄り添ったのは、公爵じゃなかった。
あの、俺への恨みを、憎しみを胸に秘めていた母の侍女だったんだ。
いいかな。サフィ。
いいよね。
胸の中で「いいよ」と聞こえた気がした。
2人が大泣きしていても、公爵は困ったように、何をしていいのか分からないように途方にくれている。
公爵こそが泣きたいような顔をして。
まるで「触れたら余計に泣くのではないか」「壊してしまうのではないか」とでもいうように、2人に触れようとしない。
「……こうしゃく。ふたりをだっこして」
ゲイルに抱っこされながら、俺は公爵に言った。
「はやく。いま。だっこして」
公爵は黙っておずおずと震える手を2人に伸ばした。
そして、そっと。
まるで怯えたように、2人に触れ、抱きしめる。
とたん。
「うわあああああん!!おかあさまああああ!あいたいよおおお!!」
「うっうっうっ……。サフィラス……すまなかった……っ!わたしたちは…っわたしたちはっ!
自分の辛さをお前のせいにしたんだっ!何の罪もない小さなお前をなじって…傷つけた…っ。
なんということを…っ。ずっと後悔していた…。ずっと…お前と話したかった…。すまない…ほんとうに…っ」
「サフィー、ごめんねえええええ!しんじゃえなんていって、ごめんねえええええ!!
ぼく、ぼくっずっと、ほんとにしんじゃったらどうしようって…どうしようってこわくって…っ。
ごめんねえええええっごめんねええええっ」
「お父様が…変わってしまって………笑って下さらなくなって……っ辛くって…。お母様がいらしたらって…!おかあさまあああ!」
「ははうえ……っ!」
2人はわあわあと泣きながら、色々なことを吐き出した。
本当はあの頃に言いたかっただろうことを。
吐き出したかっただろうことを。
********
みなさま、いつもご覧いただきありがとうございます。
以前より「公爵家の裏設定」について触れていくといいながらなかなか本文で触れられておりませんでした。
まだまだ先になりそうなので、設定集に追加させて頂いております。
非常に公爵家にイライラされる展開となっており、申し訳ない。
公爵がなぜおかしいのか、ダメな人なのか、の裏設定を載せておりますので、よろしければ…。
気が付いたら、ゲイルの膝に移動していた俺。
そんな俺を、ゲイルが優しく抱きしめ、撫で続けてくれていた。
ドクン、ドクン。
その音が「だいじょうぶ、だいじょうぶ」と言ってくれているようで。
伝わる鼓動に、少しづつ俺は落ち着きを取り戻したのだった。
王様たちは、俺が泣き止むのを黙ってずっと見守ってくれていた。
忙しいだろうに。沢山のお披露目をして疲れているだろうに。
俺を責めることも、せかすこともせずに。
俺が落ち着いてきたタイミングで、
人払いをしているからか、護衛騎士がお茶を淹れてくれた。
音をたてないようにものすごく気を遣って、そおっとそおっと。
無骨な指で丁寧に淹れてくれているのがなんだか嬉しくて可笑しくて。
「んふ」
俺はつい笑ってしまう。
「………せっかくだから、頂こうか。のどが渇いただろ?サフィ」
ゲイルが優しく俺の涙をぬぐいそっと抱き直すと、カップを手に取りふうふうしながら俺の口に。
どうやら飲ませてくれるみたい。
せっかくだから、いただこう。
せっかくだから、あまえちゃおう。
こくん。
ぬるめにしてくれてたみたい。優しい温度が喉に心地いい。
お砂糖多め。
きっと、熱いうちに溶かし、さましてから持ってきてくれたんだろう。
俺のために用意して、俺のために淹れてくれた紅茶は、俺の喉と心を潤し、元気をくれた。
「ありがと」
ひといきついて、ふと気づけば。
ライオネルとリオネルも、声もなく泣いていた。
こんなに静かに泣く子供なんて、生前でもみたことなかった。
俺は、あれ?と思った。
そう、子供だ。
俺より年齢は上だけど。こいつらも、母親を亡くした子供だったんだ。
俺が生まれたとき、ライオネルは今の俺と同じ年齢。
リオネルはたった3歳だったじゃないか。
母を失ってしまった辛さを。母を奪われたやるせなさを。寂しさを。
全て俺のせいにしてしまうくらいには、子供だったんだ。
誰もそんな彼らを止めなかった。
サフィに酷い言葉をぶつけた母の元侍女は、こいつらとも親しかった。
きっと毒を吹き込んだんだろう。
「全部サフィラスのせいなの」「サフィラスのせいでお母様は亡くなったのよ」という毒を…。
思い返してみれば、確かにサフィはこいつらに罵倒されたり、つねられたりした。
でもそれは2歳くらいまでの話で、サフィが歩けるようになったころには、そんなことはしなかった。
ただ目が合うと気まずそうにそらされたりしただけだ。
それをサフィは「嫌われているから」だと思っていた。
本当にそうだったのか?
時折じっと陰から見ているのを、サフィは「睨まれている」と感じていたが…。
あれは、ただサフィの様子をうかがっていたんじゃないのか?
そう気づいたら、次々と色々なことを思いだした。
公爵とこいつらにあいさつした時。
公爵は「いないもの」のようにサフィを無視し、こいつらは無視されたサフィをあざ笑ったかのように見えた。
でも、本当にそうだったのかな?
あれはサフィに笑いかけようとしたんじゃないのか?
サフィをなんとか慰めたかったんじゃないか?
でもそれがうまくできなかったんじゃないだろうか。
前世で俺も言ってはならないことを言ってしまったことがある。
兄ちゃんと喧嘩して、力ではかなわなかった俺は、つい言ってしまったんだ。
「兄ちゃんなんか死んじゃえ!」
って。
その瞬間、兄ちゃんが凄く傷ついたのがわかった。
するん、と兄ちゃんの表情が抜け落ちたように見えたからだ。
幼稚園とかでみんなよく言ってる言葉だけど。言ったら行けない言葉だったんだ。
俺はすぐにそのことに気付いて、必死で誤った。
「ごめん!兄ちゃん、ごめんね!そんなこと思ってないよ!
お兄ちゃん、大好き!ごめんね。さっきの、嘘だからね。ほんとうにごめん!」
兄ちゃんは許してくれたけど、俺はずっとそのことがトゲみたいに胸に刺さってた。
言ってしまったことは取り消せない。俺は、ずっとあの言葉を悔やんでた。
ライオネルとリオネルは、何回もサフィを罵りに来た。
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母が恋しくて恋しくて耐えられなくなると、それをサフィにぶつけに来ていたのかもしれない。
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サフィは悪意や敵意は感じたけど、その言葉の意味がよく理解できていなかった。
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でも、きっとライオネルとリオネルは、自分たちが何を言っていたか、どこかで気付いたんだ。
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許せないことなのに。
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俺は、小さなライオネルとリオネルを責められない。
誰かがあのとき彼らを抱きしめるべきだった。
母を失った小さな子供を。
ゲイルが俺にしてくれたように、抱きしめるべきだった。
「サフィラスのせいじゃないんだよ」と教えるべきだったんだ。
きっとあの時こいつらに寄り添ったのは、公爵じゃなかった。
あの、俺への恨みを、憎しみを胸に秘めていた母の侍女だったんだ。
いいかな。サフィ。
いいよね。
胸の中で「いいよ」と聞こえた気がした。
2人が大泣きしていても、公爵は困ったように、何をしていいのか分からないように途方にくれている。
公爵こそが泣きたいような顔をして。
まるで「触れたら余計に泣くのではないか」「壊してしまうのではないか」とでもいうように、2人に触れようとしない。
「……こうしゃく。ふたりをだっこして」
ゲイルに抱っこされながら、俺は公爵に言った。
「はやく。いま。だっこして」
公爵は黙っておずおずと震える手を2人に伸ばした。
そして、そっと。
まるで怯えたように、2人に触れ、抱きしめる。
とたん。
「うわあああああん!!おかあさまああああ!あいたいよおおお!!」
「うっうっうっ……。サフィラス……すまなかった……っ!わたしたちは…っわたしたちはっ!
自分の辛さをお前のせいにしたんだっ!何の罪もない小さなお前をなじって…傷つけた…っ。
なんということを…っ。ずっと後悔していた…。ずっと…お前と話したかった…。すまない…ほんとうに…っ」
「サフィー、ごめんねえええええ!しんじゃえなんていって、ごめんねえええええ!!
ぼく、ぼくっずっと、ほんとにしんじゃったらどうしようって…どうしようってこわくって…っ。
ごめんねえええええっごめんねええええっ」
「お父様が…変わってしまって………笑って下さらなくなって……っ辛くって…。お母様がいらしたらって…!おかあさまあああ!」
「ははうえ……っ!」
2人はわあわあと泣きながら、色々なことを吐き出した。
本当はあの頃に言いたかっただろうことを。
吐き出したかっただろうことを。
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みなさま、いつもご覧いただきありがとうございます。
以前より「公爵家の裏設定」について触れていくといいながらなかなか本文で触れられておりませんでした。
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公爵がなぜおかしいのか、ダメな人なのか、の裏設定を載せておりますので、よろしければ…。
3,407
はじめまして。初めて書いてみたオリジナル異世界BL。可哀想な主人公が、それに負けずに力業で幸せになるのが好きです。ハピエン主義なので、完全無双のハピエンになります。誤字脱字など、ご容赦くださいませ(;・∀・)→ご指摘があれば修正いたしますので!ご都合主義の作者の自己満足小説です。作者豆腐メンタルのため、ご不満のある方は「そっ閉じ」でお願いいたします。。。お楽しみいただけましたら、ぜひぽちっとイイネをお願いいたします♡コメントもぜひ♡
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