32 / 358
俺、えりりんと貴族教育する!
俺、お茶会の練習をする
しおりを挟む
貴族教育もほぼ終わりに近づいてきた。
と言っても、俺が受けているのはあくまでも「お披露目会用」の付け焼刃なんだけどね。
王族に対する礼儀だとか、この国の歴史だとか。
あとは、なんらかの質問をうけた場合に備えての最低限の知識。
ボウ(以下略!)はなんとか出来るようになった。
普段使わないような筋肉を酷使するんだもん!
すっごく!すごおおおおく!大変だったけどね!!
少なくとも、ゲイルが
「凄いぞ!満点だ!」
ってすっごい拍手して俺を抱き上げてくるくる回ってくれるくらいには上手になったと思う。
あのくるくるするやつ、最高!
もっかい!もっかい!って何度もお願いして、目が回ってふらふらになるまでやって貰って、最後には2人でベッドに倒れ込んだくらい面白かった!
またやってくれないかなー。
でもって、今俺を悩ましているのが。
お茶!お茶なの!
別に紅茶が嫌いとか、そういうことじゃないんだよ。どっちかっていうと、好き。
お砂糖たっぷり入れると美味しいんだよ。
でも、問題は…あのカップ!
何あの細い取っ手!
あんなとこを親指と人差し指でもって優雅に飲めって…無理でしょ!
どう考えても、物理的に無理でしょおおおおお!
たった2本の指にカップ、お茶、すべての負荷がかかるんだよ?!意味わかんない!
俺の小さな細い指には拷問だ。
俺の指を殺す気?!
俺が真剣な顔でプルプルとカップを持ち上げるのを見て、笑い堪えてるそこの人!
おい!出たなえりりん!お前のことだぞ!
可愛い甥の頑張りを笑うとは何事だ!
俺、ぜったいに許してやらないんだからなっ!
ゲイルとティガーは、
「頑張れ、サフィ!その調子だ!」
「素晴らしいですよ、サフィラス様!とっても素敵です!」
と目をキラキラさせながら俺を応援している。
嬉しいけど、ちょっと黙ってて!気が散る!
マリーは……鼻を抑えて上を向いてる。
おい!その鼻血さっさと拭いてこい!
「優雅なお茶会」のはずが、保護者達がアレなので優雅とは程遠い有様だ。
これでいいのだろうか…。
いや、集中集中!あと少しだ!頑張れ俺!
カタン。
なんとか口まで運び1口飲んで、音をたてぬようにカップをソーサーに戻すと言う偉業達成!
やったあ!
俺は両手を広げてゲイルに突進した!
あれ!あれやって!!
あのご褒美のぐるぐる!
ゲイルは俺をひょいっと抱き上げ、くるくるーっと。
いつもより多めに回ってくれる!
「アハハハハ!すごいすごい!!
めがまわるよおおおおう!」
ハアハアと大興奮の俺。
ふと見ると、マリーが手を広げて待ち構えている。
バッチコーイ、な態勢だ。
も、もしかして!マリーーもやってくれるの?!
鼻血、止まったみたいで良かったね、マリー!
俺、ちょっと重くなったけど、大丈夫?
ぴょーいっとマリーに飛びつけば……
「うひゃあああああああ!!
なにこれえええええええ!」
くるくる、じゃない!
ぐるんぐるんぐるーん!だよ、これっ!
俺の身体、遠心力で地面と平行になってる!!!
ひいいいいいい!!!
「どうですか?楽しいですか、サフィラス様!」
張り切ってくれているのは分かる!でも、でも、やりすぎいいいい!!!
「マリー!サフィラス様が大変です!」
目をぐるぐるさせている俺を見て、ティガーが慌ててマリーを止めてくれた。
「ハァ…ハァ…あ…ありがと…ティガー…」
こわかったよおおおう!!
ゲイルがそっと俺の鼻水と涙をぬぐってくれる。
チーン…。
ふう…。ゲイルうう…浮気してごめんね!やっぱりゲイルのが1番だった!
そんな俺たちを見て、エリアス叔父様がお腹を抱えてゲラゲラと笑っている。
くそおおおおう!
貴族の気品はどこいった、エリアス!
いや、これはえりりんか!
「ごめんごめん!だって……あんなの…www無理でしょwwwwww」
ぷんぷんと頬を膨らませた俺に笑いながら謝るえりりん。
謝罪とは!
「サフィラス様あ!ごめんなさああい!マリーやりすぎちゃいました?」
しょんぼりと肩を落とすマリー。
「マリーつよすぎた。でも、だいじょうぶ
でも、えりりんは ゆるさない!」
「ど、どうして僕?!」
「おにのえりりんとは、もうおちゃかいしない。ゲイルとティガーとマリーでする」
ゲイルに抱っこして貰いながら、右手はティガー左手はマリーとつなぎ、宣言する。
「ええええ?!そんなああああ!!
このお菓子、叔父様が用意したんだよ?
有名なお菓子やさんのでね、手に入れるのすっごく大変だったんだだよ?」
「………」
「次のお茶会では、美味しいって評判のレモンタルトを用意しようと思ってたんだけどなあ…。
クッキーの生地の上に甘酸っぱいクリームがたあっくさんのってるんだけどなー。
残念だなー」
「………」
「そこの店、アップルパイも有名なんだよねー。
知ってる?リンゴをはちみつとお砂糖で煮込んでね。
パイの上にたっぷりのカスタードクリームを入れてその上に甘いリンゴを載せて、焼くんだ。
サックサクとろーり、なんだけどなー」
「しかたない。エリアスおじさまならきてもいいです」
ゲイル!侍従コンビ!そんな「ちょろいなー」ってジト目で見ない!
しょうがないでしょ!
美味しいは正義なんだから!
エリアス!アップルパイは多めにお願い!お代わりするから!
辛く苦しいお茶会の練習は、まだまだ続きそうである。
と言っても、俺が受けているのはあくまでも「お披露目会用」の付け焼刃なんだけどね。
王族に対する礼儀だとか、この国の歴史だとか。
あとは、なんらかの質問をうけた場合に備えての最低限の知識。
ボウ(以下略!)はなんとか出来るようになった。
普段使わないような筋肉を酷使するんだもん!
すっごく!すごおおおおく!大変だったけどね!!
少なくとも、ゲイルが
「凄いぞ!満点だ!」
ってすっごい拍手して俺を抱き上げてくるくる回ってくれるくらいには上手になったと思う。
あのくるくるするやつ、最高!
もっかい!もっかい!って何度もお願いして、目が回ってふらふらになるまでやって貰って、最後には2人でベッドに倒れ込んだくらい面白かった!
またやってくれないかなー。
でもって、今俺を悩ましているのが。
お茶!お茶なの!
別に紅茶が嫌いとか、そういうことじゃないんだよ。どっちかっていうと、好き。
お砂糖たっぷり入れると美味しいんだよ。
でも、問題は…あのカップ!
何あの細い取っ手!
あんなとこを親指と人差し指でもって優雅に飲めって…無理でしょ!
どう考えても、物理的に無理でしょおおおおお!
たった2本の指にカップ、お茶、すべての負荷がかかるんだよ?!意味わかんない!
俺の小さな細い指には拷問だ。
俺の指を殺す気?!
俺が真剣な顔でプルプルとカップを持ち上げるのを見て、笑い堪えてるそこの人!
おい!出たなえりりん!お前のことだぞ!
可愛い甥の頑張りを笑うとは何事だ!
俺、ぜったいに許してやらないんだからなっ!
ゲイルとティガーは、
「頑張れ、サフィ!その調子だ!」
「素晴らしいですよ、サフィラス様!とっても素敵です!」
と目をキラキラさせながら俺を応援している。
嬉しいけど、ちょっと黙ってて!気が散る!
マリーは……鼻を抑えて上を向いてる。
おい!その鼻血さっさと拭いてこい!
「優雅なお茶会」のはずが、保護者達がアレなので優雅とは程遠い有様だ。
これでいいのだろうか…。
いや、集中集中!あと少しだ!頑張れ俺!
カタン。
なんとか口まで運び1口飲んで、音をたてぬようにカップをソーサーに戻すと言う偉業達成!
やったあ!
俺は両手を広げてゲイルに突進した!
あれ!あれやって!!
あのご褒美のぐるぐる!
ゲイルは俺をひょいっと抱き上げ、くるくるーっと。
いつもより多めに回ってくれる!
「アハハハハ!すごいすごい!!
めがまわるよおおおおう!」
ハアハアと大興奮の俺。
ふと見ると、マリーが手を広げて待ち構えている。
バッチコーイ、な態勢だ。
も、もしかして!マリーーもやってくれるの?!
鼻血、止まったみたいで良かったね、マリー!
俺、ちょっと重くなったけど、大丈夫?
ぴょーいっとマリーに飛びつけば……
「うひゃあああああああ!!
なにこれえええええええ!」
くるくる、じゃない!
ぐるんぐるんぐるーん!だよ、これっ!
俺の身体、遠心力で地面と平行になってる!!!
ひいいいいいい!!!
「どうですか?楽しいですか、サフィラス様!」
張り切ってくれているのは分かる!でも、でも、やりすぎいいいい!!!
「マリー!サフィラス様が大変です!」
目をぐるぐるさせている俺を見て、ティガーが慌ててマリーを止めてくれた。
「ハァ…ハァ…あ…ありがと…ティガー…」
こわかったよおおおう!!
ゲイルがそっと俺の鼻水と涙をぬぐってくれる。
チーン…。
ふう…。ゲイルうう…浮気してごめんね!やっぱりゲイルのが1番だった!
そんな俺たちを見て、エリアス叔父様がお腹を抱えてゲラゲラと笑っている。
くそおおおおう!
貴族の気品はどこいった、エリアス!
いや、これはえりりんか!
「ごめんごめん!だって……あんなの…www無理でしょwwwwww」
ぷんぷんと頬を膨らませた俺に笑いながら謝るえりりん。
謝罪とは!
「サフィラス様あ!ごめんなさああい!マリーやりすぎちゃいました?」
しょんぼりと肩を落とすマリー。
「マリーつよすぎた。でも、だいじょうぶ
でも、えりりんは ゆるさない!」
「ど、どうして僕?!」
「おにのえりりんとは、もうおちゃかいしない。ゲイルとティガーとマリーでする」
ゲイルに抱っこして貰いながら、右手はティガー左手はマリーとつなぎ、宣言する。
「ええええ?!そんなああああ!!
このお菓子、叔父様が用意したんだよ?
有名なお菓子やさんのでね、手に入れるのすっごく大変だったんだだよ?」
「………」
「次のお茶会では、美味しいって評判のレモンタルトを用意しようと思ってたんだけどなあ…。
クッキーの生地の上に甘酸っぱいクリームがたあっくさんのってるんだけどなー。
残念だなー」
「………」
「そこの店、アップルパイも有名なんだよねー。
知ってる?リンゴをはちみつとお砂糖で煮込んでね。
パイの上にたっぷりのカスタードクリームを入れてその上に甘いリンゴを載せて、焼くんだ。
サックサクとろーり、なんだけどなー」
「しかたない。エリアスおじさまならきてもいいです」
ゲイル!侍従コンビ!そんな「ちょろいなー」ってジト目で見ない!
しょうがないでしょ!
美味しいは正義なんだから!
エリアス!アップルパイは多めにお願い!お代わりするから!
辛く苦しいお茶会の練習は、まだまだ続きそうである。
4,419
はじめまして。初めて書いてみたオリジナル異世界BL。可哀想な主人公が、それに負けずに力業で幸せになるのが好きです。ハピエン主義なので、完全無双のハピエンになります。誤字脱字など、ご容赦くださいませ(;・∀・)→ご指摘があれば修正いたしますので!ご都合主義の作者の自己満足小説です。作者豆腐メンタルのため、ご不満のある方は「そっ閉じ」でお願いいたします。。。お楽しみいただけましたら、ぜひぽちっとイイネをお願いいたします♡コメントもぜひ♡
お気に入りに追加
5,355
あなたにおすすめの小説

自分勝手な側妃を見習えとおっしゃったのですから、わたくしの望む未来を手にすると決めました。
Mayoi
恋愛
国王キングズリーの寵愛を受ける側妃メラニー。
二人から見下される正妃クローディア。
正妃として国王に苦言を呈すれば嫉妬だと言われ、逆に側妃を見習うように言わる始末。
国王であるキングズリーがそう言ったのだからクローディアも決心する。
クローディアは自らの望む未来を手にすべく、密かに手を回す。

王家も我が家を馬鹿にしてますわよね
章槻雅希
ファンタジー
よくある婚約者が護衛対象の王女を優先して婚約破棄になるパターンのお話。あの手の話を読んで、『なんで王家は王女の醜聞になりかねない噂を放置してるんだろう』『てか、これ、王家が婚約者の家蔑ろにしてるよね?』と思った結果できた話。ひそかなサブタイは『うちも王家を馬鹿にしてますけど』かもしれません。
『小説家になろう』『アルファポリス』(敬称略)に重複投稿、自サイトにも掲載しています。
「あなたの好きなひとを盗るつもりなんてなかった。どうか許して」と親友に謝られたけど、その男性は私の好きなひとではありません。まあいっか。
石河 翠
恋愛
真面目が取り柄のハリエットには、同い年の従姉妹エミリーがいる。母親同士の仲が悪く、二人は何かにつけ比較されてきた。
ある日招待されたお茶会にて、ハリエットは突然エミリーから謝られる。なんとエミリーは、ハリエットの好きなひとを盗ってしまったのだという。エミリーの母親は、ハリエットを出し抜けてご機嫌の様子。
ところが、紹介された男性はハリエットの好きなひととは全くの別人。しかもエミリーは勘違いしているわけではないらしい。そこでハリエットは伯母の誤解を解かないまま、エミリーの結婚式への出席を希望し……。
母親の束縛から逃れて初恋を叶えるしたたかなヒロインと恋人を溺愛する腹黒ヒーローの恋物語。ハッピーエンドです。
この作品は他サイトにも投稿しております。
扉絵は写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID:23852097)をお借りしております。

家出したとある辺境夫人の話
あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
『突然ではございますが、私はあなたと離縁し、このお屋敷を去ることにいたしました』
これは、一通の置き手紙からはじまった一組の心通わぬ夫婦のお語。
※ちゃんとハッピーエンドです。ただし、主人公にとっては。
※他サイトでも掲載します。

妹の嘘の病により、私の人生は大きく狂わされましたが…漸く、幸せを掴む事が出来ました
coco
恋愛
病弱な妹の願いを叶える為、私の婚約者は私に別れを告げた。
そして彼は、妹の傍に寄り添う事にしたが…?
聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい
金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。
私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。
勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。
なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。
※小説家になろうさんにも投稿しています。

婚約者が、私より従妹のことを信用しきっていたので、婚約破棄して譲ることにしました。どうですか?ハズレだったでしょう?
珠宮さくら
恋愛
婚約者が、従妹の言葉を信用しきっていて、婚約破棄することになった。
だが、彼は身をもって知ることとになる。自分が選んだ女の方が、とんでもないハズレだったことを。
全2話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる