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俺、えりりんと貴族教育する!
俺、学習能力もチートです!
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エリアス先生との勉強は楽しかった。
意外なことにエリアスはとても良い教師だったのだ!意外なことに!(2度言う)
まず彼がしたのは
「何を理解していて何を理解していないか」の切り分けだ。
とりあえず、文字はある程度は覚えた。
貴族の爵位や仕事、最低限のマナーについても大筋は。
しかし、立ち居振る舞いなどの実践、貴族年鑑やこの国の歴史や地理、日常生活についての常識(これは、俺の前世の常識に照らして今は行動しているが、この世界と同じなのか?違いがあるのかないのかすら分からない)はからきしだ。
算術に関しては、あのクソに習ったわけではないが、教科書を見せてもらう限り前世よりかなり簡単なもののようなので問題無いだろう。
「うん。教育を開始して2ヶ月ほどと聞いていたけど、それまでは全く文字も言葉も教えてもらっていなかったんだよね?」
エリアスは顎に手をやり「ふむふむ」と頷くと、ガバリと俺に抱きついてきた。
「凄いよサフィ!
子供は幼い頃から読み聞かせや絵本、生活の中で自然と言葉を習うんだ。
まず自分だけで言葉を覚えたのも凄いし、たった数ヶ月で文字を覚え、貴族について学び、マナーを覚えたんでしょ?
それは凄いことなんだよ。
君はとても優秀な子だ!頑張ったんだね、サフィ!」
彼の言葉に、俺は不覚にも泣いてしまった。
サフィの努力が報われた、って思った。
「出来が悪いーと罵られ暴力まで振るわれたが、そうではなかった。
あのクズが分かってなかっただけで、君は優秀だったんだよ、サフィ。
泣き出した俺に、エリアスは黙って俺をギュウっと抱きしめ、ポンポンと背中をたたく。
大丈夫だよ、頑張ったね、君は凄い、いいこだよ。
俺が夢みて与えられなかった言葉が温かなシャワーのように降り注ぐ。
「…がんばったよ。たくさんがんばったんだよ。ぼく」
「がんばってもがんばっても、ダメだっていわれたんだ。こうしゃくけの おにもつだって」
「でも、ぼくはゆうしゅう!ぼくはすごい!ね?そうだよね?」
エリアスは俺の顔を両手で掴むと、俺の目を覗き込むようにして断言した。
「うん。サフィは優秀だよ!凄いよ!エリアス先生が断言する!
きっとお披露目会で君に会った人はみんな君を見て驚くよ!
だって君は素晴らしいからね!」
そして俺の涙をそっと指で拭うと、いつの間にやら取り出した飴をポンと俺の口に放り込んだ。
口中に広がる突然の甘味に驚き、俺の涙が引っ込む。
「!!甘い!!」
「優秀なサフィには、先生がご褒美をあげる!これは今まで頑張った分だよ!」
「がんばったぶん?」
「そう!それで、これから頑張ったら、また先生がご褒美をあげるからね!楽しみにしてて!」
「うん!たくさんがんばるから、ごほうび!ね!」
俺は俄然やる気を出したのだった。
「サフィ、この世界はいくつかの国に分かれていて、その国が更にいくつかの土地に分かれている。その分かれた土地を領地といい、その領地を治めているのが、いわゆる領主と呼ばれる貴族なんだ。これはいいかな?」
「うん。こうしゃくさまも、おじさまも、おとうさまもりょうしゅです」
「そうだよ。良く分かったね。
では、貴族はどうやって生活に必要なお金を得ているか、分かるかな?」
「……りょうちから?」
「うん。そうだね。領地で働く領民といわれる人たちからの税金、それも大切な収入だ。でもね、その他にもあるんだよ。
貴族は爵位ごとにそれぞれ国から与えられる維持費と呼ばれるお金と、それぞれの持つ鉱山などの資産、開発や販売などによる利益からも収入を得ている」
「じゃあ、貴族が全て領主かというと、それは違うんだ。貴族の中にも領地を持たない貴族がいる。
実はね、維持費だけで貴族としての生活の維持は難しいんだよ。では、彼らは何で収入を得ていると思う?」
こんな感じでエリアスは、説明しながら僕に考えさせ、そこから更に発展させる。
時々雑談を交えながら進めてくれるエリアス先生の授業は、ただ聞いていただけのクズの授業とは違い、俺に合っていた。
自分で考えながら導いた答えは忘れない。それに、やりとりしながら進めることで、どこまで自分が理解していて何がわからないかが明確になる。考える力を伸ばすこともできる。
何より、俺が理解するたびに褒めてくれるので、やる気が出るのだ!
他の教科も同様にわかりやすく噛み砕いて教えてくれるエリアス先生のおかげで、俺の知識はどんどん増えていった。
ゲイルも大いに助けになってくれた。
毎晩俺の部屋に帰って来る(自分の病院へ片道1時間かけて馬を走らせ、通っているのだ)のだが、ベッドで寝る前に
「今日は何をしたんだ?」と聞いて来るのだ。
これがうまい具合にその日学んだことの復習のようになったのである。
俺の物覚えがよかった事もあるが(何しろ中身は元17歳。受験も経験済み、ある程度の異世界ものも履修済みなのだから)実技用に数か月の余裕を残し、お披露目会の3ヶ月前には全て完了したのだった。
チャラいとか頼りなさそうとか、先生として大丈夫かと疑っていたのが申し訳ないくらいだ。
ゴメンよエリアス!
意外なことにエリアスはとても良い教師だったのだ!意外なことに!(2度言う)
まず彼がしたのは
「何を理解していて何を理解していないか」の切り分けだ。
とりあえず、文字はある程度は覚えた。
貴族の爵位や仕事、最低限のマナーについても大筋は。
しかし、立ち居振る舞いなどの実践、貴族年鑑やこの国の歴史や地理、日常生活についての常識(これは、俺の前世の常識に照らして今は行動しているが、この世界と同じなのか?違いがあるのかないのかすら分からない)はからきしだ。
算術に関しては、あのクソに習ったわけではないが、教科書を見せてもらう限り前世よりかなり簡単なもののようなので問題無いだろう。
「うん。教育を開始して2ヶ月ほどと聞いていたけど、それまでは全く文字も言葉も教えてもらっていなかったんだよね?」
エリアスは顎に手をやり「ふむふむ」と頷くと、ガバリと俺に抱きついてきた。
「凄いよサフィ!
子供は幼い頃から読み聞かせや絵本、生活の中で自然と言葉を習うんだ。
まず自分だけで言葉を覚えたのも凄いし、たった数ヶ月で文字を覚え、貴族について学び、マナーを覚えたんでしょ?
それは凄いことなんだよ。
君はとても優秀な子だ!頑張ったんだね、サフィ!」
彼の言葉に、俺は不覚にも泣いてしまった。
サフィの努力が報われた、って思った。
「出来が悪いーと罵られ暴力まで振るわれたが、そうではなかった。
あのクズが分かってなかっただけで、君は優秀だったんだよ、サフィ。
泣き出した俺に、エリアスは黙って俺をギュウっと抱きしめ、ポンポンと背中をたたく。
大丈夫だよ、頑張ったね、君は凄い、いいこだよ。
俺が夢みて与えられなかった言葉が温かなシャワーのように降り注ぐ。
「…がんばったよ。たくさんがんばったんだよ。ぼく」
「がんばってもがんばっても、ダメだっていわれたんだ。こうしゃくけの おにもつだって」
「でも、ぼくはゆうしゅう!ぼくはすごい!ね?そうだよね?」
エリアスは俺の顔を両手で掴むと、俺の目を覗き込むようにして断言した。
「うん。サフィは優秀だよ!凄いよ!エリアス先生が断言する!
きっとお披露目会で君に会った人はみんな君を見て驚くよ!
だって君は素晴らしいからね!」
そして俺の涙をそっと指で拭うと、いつの間にやら取り出した飴をポンと俺の口に放り込んだ。
口中に広がる突然の甘味に驚き、俺の涙が引っ込む。
「!!甘い!!」
「優秀なサフィには、先生がご褒美をあげる!これは今まで頑張った分だよ!」
「がんばったぶん?」
「そう!それで、これから頑張ったら、また先生がご褒美をあげるからね!楽しみにしてて!」
「うん!たくさんがんばるから、ごほうび!ね!」
俺は俄然やる気を出したのだった。
「サフィ、この世界はいくつかの国に分かれていて、その国が更にいくつかの土地に分かれている。その分かれた土地を領地といい、その領地を治めているのが、いわゆる領主と呼ばれる貴族なんだ。これはいいかな?」
「うん。こうしゃくさまも、おじさまも、おとうさまもりょうしゅです」
「そうだよ。良く分かったね。
では、貴族はどうやって生活に必要なお金を得ているか、分かるかな?」
「……りょうちから?」
「うん。そうだね。領地で働く領民といわれる人たちからの税金、それも大切な収入だ。でもね、その他にもあるんだよ。
貴族は爵位ごとにそれぞれ国から与えられる維持費と呼ばれるお金と、それぞれの持つ鉱山などの資産、開発や販売などによる利益からも収入を得ている」
「じゃあ、貴族が全て領主かというと、それは違うんだ。貴族の中にも領地を持たない貴族がいる。
実はね、維持費だけで貴族としての生活の維持は難しいんだよ。では、彼らは何で収入を得ていると思う?」
こんな感じでエリアスは、説明しながら僕に考えさせ、そこから更に発展させる。
時々雑談を交えながら進めてくれるエリアス先生の授業は、ただ聞いていただけのクズの授業とは違い、俺に合っていた。
自分で考えながら導いた答えは忘れない。それに、やりとりしながら進めることで、どこまで自分が理解していて何がわからないかが明確になる。考える力を伸ばすこともできる。
何より、俺が理解するたびに褒めてくれるので、やる気が出るのだ!
他の教科も同様にわかりやすく噛み砕いて教えてくれるエリアス先生のおかげで、俺の知識はどんどん増えていった。
ゲイルも大いに助けになってくれた。
毎晩俺の部屋に帰って来る(自分の病院へ片道1時間かけて馬を走らせ、通っているのだ)のだが、ベッドで寝る前に
「今日は何をしたんだ?」と聞いて来るのだ。
これがうまい具合にその日学んだことの復習のようになったのである。
俺の物覚えがよかった事もあるが(何しろ中身は元17歳。受験も経験済み、ある程度の異世界ものも履修済みなのだから)実技用に数か月の余裕を残し、お披露目会の3ヶ月前には全て完了したのだった。
チャラいとか頼りなさそうとか、先生として大丈夫かと疑っていたのが申し訳ないくらいだ。
ゴメンよエリアス!
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