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ゲイル、息子(予定)の為に公爵家に通います!
俺、冒険者になりたい。だから少しの我慢だよゲイル(加筆修正済)
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俺が倒れて半月。
途中、公爵に「家族じゃない宣言」してからも、俺の扱いは変わらなかった。
いや、以前のような「いない子」扱いというところからは激変していたが、「家族じゃない宣言」後も、正しく「公爵家の3男」という待遇のままだった。いや、むしろそれよりいい待遇かもしれない。
間違っても「間借り人」の扱いではない。
とにかく至れり尽くせりなのだ。
ゲイルはそんな俺の部屋に、ずっと居座っていた。通ってくるというよりも、仕事で留守になる時以外はいつもいると言っていい。
「公爵は家族じゃない。ゲイルが家族だ」と言ってやった俺からすると、公爵家の中に俺とゲイルのゲイル一家が間借りしているようなものなのだが…意外なことに家主たる公爵の方が俺たちに気を遣っている状態だ。
俺の部屋はいわば「公爵家の中の治外法権」。ここの法律、俺とゲイル。ここの正義、俺とゲイルである。
公爵は俺に何か用がある時すら、申し訳なさそうに遠慮がちにやって来る。
使用人たちも、入れ替えられている。俺の部屋につけられた新しい使用人たちはみんな明るくて優しい。
「何か必要なものはございませんか」「お食事はお口にあいますでしょうか?」と下にも置かぬおもてなしっぷりだ。
生死の境をさ迷うような衰弱っぷりだった俺だが、意外なことにこの半月でほぼ元通りになってた。
「ゲイル、すごい!」
とはしゃぐ俺に、ゲイルは苦笑した。
「いや、元々、サフィがあんなに弱ること自体がありえないんだよ。
十分な栄養と休息で、サフィが本来持っている力を存分にいきわたらせてやっただけなんだ。
あとは怪我の治療……それくらいしかできなかったからな」
悔し気に呟くゲイル。
ゲイルは癒しの魔法が使えるのだという。でもあまりヒールを多用すると人間が本来もつ回復力が育たないため、普段はなるべくヒールは使わず、薬草などの薬を使用するようにしているそうだ。
とはいえ、緊急を要する場合にはヒールを使う。
俺の場合、容態的にはヒール案件だったらしいのだが…。
ゲイルのヒールは俺には効かない。
魔力が多い俺の身体には物理攻撃以外の魔法は効かないのだそうだ。
ええ?何それ?初出なんですけどー?!
「俺の魔力がもっと多ければ、サフィを早く治してやれたんだがな…」
充分やってくれたと思うのだが、ゲイル的には納得がいっていないらしい。
もっと魔力を増やして見せるからな、と意気込んでいる。
いやいや、俺の魔力、どんだけあるんだよ!
「公爵には『回復には時間がかかる』と言ってある。
せいぜい罪悪感に苦しむがいいさ!はっはっは!
これまでの分、めいっぱい心配させてやろうぜ!」
人の悪い顔でゲイルが笑う。
「ゲイル、すき!さいこう!」
どうやらこの世界での魔力には色々な特性があるらしい。
そのうちの一つが魔力量だ。
俺の魔力が母の身体を侵したように、多い魔力は少ない魔力に干渉する。
だが、その逆はない。
強い魔力は、まるで自身を守る盾のように自分より弱い他者の魔力に侵食されるの拒むのである。
ゲイルの魔力もなかなかに多いそうで、ゲイルが生まれる時も大変だったという。
そんなゲイルのヒールでも俺には効かなかった。
ゲイルの魔力は俺の魔力に拒まれ、普通の治療をするしかなかったのだそう。
正確な魔力量は5歳のお披露目会で測定されるまでわからないのだが、俺の出産時の母の様子からすると、俺の魔力はゲイルの2倍以上はあると思われる。
「言っただろ?本来、サフィの魔力量ならこんな風に倒れるなんてあり得ないんだ。
あんな扱いをされながらこれまで無事だった理由。それはサフィの魔力量が多かったからだ。
それなのにあそこまでケガをし、身体まで蝕んだのは、根本的に身体を維持する栄養が足りていなかったんだ」
俺に説明しながら「クソッタレが!」とまた剣呑な顔になるゲイル。
気を許したゲイルは、口が悪い。
まあ、そこも好きだけど。
本人いわく、下町で治療をしている影響だそうだ。本当かな?
最初に会った時、公爵に対しても俺に対しても(内容はともかく)丁寧な口調で話をしていたようだが、彼本来の口調はこっちらしい。
公爵とも、元々はこんなふうに砕けた口調で話をしていたのだそうだ。
じゃあ、なんであんな風に公爵と「貴族的会話」をしていたのかと聞くと…
「ああ。あいつへの嫌味だな。
エリアナを救えなかった俺の力不足は認めるが、だからと言って、サフィが病弱だからと嘘をついてサフィを物置にひとりで押し込んでいやがったのは許せない。
そんなことになってるとは思わなかったっていうんだが…そんなこと関係ねえ!
もっとサフィを気にかけていれば、気付いたはずなんだよ。
あいつの管理不足だ。自分の弱さのツケをサフィに払わせやがって…!クソめ!
俺はもちろん、侯爵家の連中だって何度も『サフィに会わせろ』って掛け合ったんだぞ?
なのに『サフィラスにはもう別のものをつけている』の一点張りでな。
エリアナに似た俺らに会うのが辛かった?知るか!
そうこうしているうちに…事故で俺の兄、サフィの祖父にあたる前侯爵が他界したんだ。それで、急遽エリアナの弟であるサフィの叔父が侯爵位を継いだ。
だが、本来なら爵位を継ぐのはまだまだ先だと思っていたもんだから…ちとごたついてな。
俺たちもサフィのことに気付けなかった。すまなかった。
魔力量からして『病弱で外に出せない』だなんておかしいとうすうす気づいていたのに…。
エリアナの忘れ形見、末息子として溺愛されているもんだと思い込んでいたんだ。
まさかあんな扱いをされていたとは…」
申し訳なかった、しょんぼりと頭を垂れる。
「でも、ゲイルはきてくれた。
それに、ぼくのおとうさまになってくれた」
そう言って俺はゲイルの頭を撫ぜた。
ゲイルの髪の色は、侯爵家によくあらわれる色なのだそうだ。
少し茶味がかったやわらかな金色の髪。俺の髪の色とそっくりだ。
俺はモフっとその頭に顔をうずめた。
そうか。
公爵家だけでなく、母方にも俺の家族は居たんだな。
それで、状況により後手になってしまっていたようだが、俺のことを心配してくれていたんだ。
サフィはずっとここの連中しか知らなかった。
でも、それでもサフィの知らないところに、サフィのことを想ってくれている人がいたんだ。
そのことで俺は救われたような気がした。
ゲイルは公爵家に、いや、俺の部屋にほぼ住み込みで俺の治療をし、俺を息子として溺愛している。
俺をぎゅうぎゅうしながら
「10歳になったらなんて言わず、このまま俺んとこに来ればいいのに…」
というので、
「だめ。こうしゃくけはえらいから。
そのちからでいろいろできることがある。りようする。
ここでぼく つよくなりたい。
こうしゃくけのけんりょくで、いいせんせいをやとう。
こうしゃくけのおかね ばんばんつかう。
まほうと、けんをおしえてもらう。それまでまってて」
と俺が諭す。この一連の流れが定番化していた。
あと、このまま離れて、やつらに「無かったこと」にされたくないってのがある。
ゲイルにはいわないけど。
自分の罪って、目の前にあると忘れられないじゃん?
常に「サフィにしたこと」を見せつけてやるんだ。
俺を見せて、忘れる事は許さない。
最低でもサフィが辛かった4年間以上は、サフィにしっかり向き合ってもらいたい。
冒険者登録できる年齢というのもあるが、そう言う意味で10歳なのである。
もちろんその間は公爵家の金と権力を使いまくる。
それで10歳になったら、俺はゲイルのところに行って冒険者になるのだ。
冒険者は俺とサフィの夢だからね!
4歳で貴族教育とやらが始まり、唯一良かったことがある。
文字が少し読めるようになったことだ。
教師は「文字も読めぬとは!」とサフィを罵倒したが、それでも全く文字を教えて貰えなかったサフィからすると、大進歩だったのだ。
辛い毎日にサフィの救いになったのは、絵本を読めるようになったこと。
サフィの楽しみは図書館だった。
暇さえあれば図書館に籠り、ふかふかの椅子に座って、絵本を広げた。
そこで、冒険者の事を知った。
冒険者は、自由だった。
自分の腕一本で戦い、道を切り開いていく。それで沢山の人を救うのだ。
羨ましいと思った。
何もできない自分だけど、冒険者になれば誰かの役にたてるのかもしれない。
そうしたら、自分だって愛されるかもしれない。
10歳になると冒険者登録できるらしい。
だから、10歳になったらこの家を出て冒険者になる…なんて夢をみていた。
そのサフィの夢は、俺の夢になった。
予定通り10歳で俺は家を出て冒険者になる。
ゲイルが俺を息子にしてくれるなら「ゲイルの息子 兼 冒険者のサフィ」になるのだ!
沢山金をかせいで、ゲイルの病院をいくつも建てるんだ。
ゲイルと俺で沢山の人を助けて、笑顔にするんだ。
10歳までまだまだ時間がある。
俺は公爵家の奴らの罪悪感を利用して、公爵家の権力と金を最大限使わせて貰うつもりだ。
ゲイルにも権力や伝手はあるようだが、俺としては公爵家から搾取できるぶんだけ搾取するつもり。
俺の魔力量は特殊らしいから、俺に教えることのできる魔法の先生となるとなかなか見つからないだろう。
でも、俺は冒険者になりたい。どうせなら、俺は一流の冒険者になりたい!
それには、一流の先生から魔法と剣を学ぶ必要があるのである。
「ゲイルだってねむるでしょ?
ぼくのとこ ねむりにきて。
ぼくといっしょに ねよ。
そしたらゲイル おしごともできる。
ぼくも まいにちゲイルといっしょ」
そう!これですべて解決なのだ!
俺って頭いい!
こうすれば、公爵家に寄生し権力を利用しながら、俺はゲイルと毎日一緒にいられるのである。
途中、公爵に「家族じゃない宣言」してからも、俺の扱いは変わらなかった。
いや、以前のような「いない子」扱いというところからは激変していたが、「家族じゃない宣言」後も、正しく「公爵家の3男」という待遇のままだった。いや、むしろそれよりいい待遇かもしれない。
間違っても「間借り人」の扱いではない。
とにかく至れり尽くせりなのだ。
ゲイルはそんな俺の部屋に、ずっと居座っていた。通ってくるというよりも、仕事で留守になる時以外はいつもいると言っていい。
「公爵は家族じゃない。ゲイルが家族だ」と言ってやった俺からすると、公爵家の中に俺とゲイルのゲイル一家が間借りしているようなものなのだが…意外なことに家主たる公爵の方が俺たちに気を遣っている状態だ。
俺の部屋はいわば「公爵家の中の治外法権」。ここの法律、俺とゲイル。ここの正義、俺とゲイルである。
公爵は俺に何か用がある時すら、申し訳なさそうに遠慮がちにやって来る。
使用人たちも、入れ替えられている。俺の部屋につけられた新しい使用人たちはみんな明るくて優しい。
「何か必要なものはございませんか」「お食事はお口にあいますでしょうか?」と下にも置かぬおもてなしっぷりだ。
生死の境をさ迷うような衰弱っぷりだった俺だが、意外なことにこの半月でほぼ元通りになってた。
「ゲイル、すごい!」
とはしゃぐ俺に、ゲイルは苦笑した。
「いや、元々、サフィがあんなに弱ること自体がありえないんだよ。
十分な栄養と休息で、サフィが本来持っている力を存分にいきわたらせてやっただけなんだ。
あとは怪我の治療……それくらいしかできなかったからな」
悔し気に呟くゲイル。
ゲイルは癒しの魔法が使えるのだという。でもあまりヒールを多用すると人間が本来もつ回復力が育たないため、普段はなるべくヒールは使わず、薬草などの薬を使用するようにしているそうだ。
とはいえ、緊急を要する場合にはヒールを使う。
俺の場合、容態的にはヒール案件だったらしいのだが…。
ゲイルのヒールは俺には効かない。
魔力が多い俺の身体には物理攻撃以外の魔法は効かないのだそうだ。
ええ?何それ?初出なんですけどー?!
「俺の魔力がもっと多ければ、サフィを早く治してやれたんだがな…」
充分やってくれたと思うのだが、ゲイル的には納得がいっていないらしい。
もっと魔力を増やして見せるからな、と意気込んでいる。
いやいや、俺の魔力、どんだけあるんだよ!
「公爵には『回復には時間がかかる』と言ってある。
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これまでの分、めいっぱい心配させてやろうぜ!」
人の悪い顔でゲイルが笑う。
「ゲイル、すき!さいこう!」
どうやらこの世界での魔力には色々な特性があるらしい。
そのうちの一つが魔力量だ。
俺の魔力が母の身体を侵したように、多い魔力は少ない魔力に干渉する。
だが、その逆はない。
強い魔力は、まるで自身を守る盾のように自分より弱い他者の魔力に侵食されるの拒むのである。
ゲイルの魔力もなかなかに多いそうで、ゲイルが生まれる時も大変だったという。
そんなゲイルのヒールでも俺には効かなかった。
ゲイルの魔力は俺の魔力に拒まれ、普通の治療をするしかなかったのだそう。
正確な魔力量は5歳のお披露目会で測定されるまでわからないのだが、俺の出産時の母の様子からすると、俺の魔力はゲイルの2倍以上はあると思われる。
「言っただろ?本来、サフィの魔力量ならこんな風に倒れるなんてあり得ないんだ。
あんな扱いをされながらこれまで無事だった理由。それはサフィの魔力量が多かったからだ。
それなのにあそこまでケガをし、身体まで蝕んだのは、根本的に身体を維持する栄養が足りていなかったんだ」
俺に説明しながら「クソッタレが!」とまた剣呑な顔になるゲイル。
気を許したゲイルは、口が悪い。
まあ、そこも好きだけど。
本人いわく、下町で治療をしている影響だそうだ。本当かな?
最初に会った時、公爵に対しても俺に対しても(内容はともかく)丁寧な口調で話をしていたようだが、彼本来の口調はこっちらしい。
公爵とも、元々はこんなふうに砕けた口調で話をしていたのだそうだ。
じゃあ、なんであんな風に公爵と「貴族的会話」をしていたのかと聞くと…
「ああ。あいつへの嫌味だな。
エリアナを救えなかった俺の力不足は認めるが、だからと言って、サフィが病弱だからと嘘をついてサフィを物置にひとりで押し込んでいやがったのは許せない。
そんなことになってるとは思わなかったっていうんだが…そんなこと関係ねえ!
もっとサフィを気にかけていれば、気付いたはずなんだよ。
あいつの管理不足だ。自分の弱さのツケをサフィに払わせやがって…!クソめ!
俺はもちろん、侯爵家の連中だって何度も『サフィに会わせろ』って掛け合ったんだぞ?
なのに『サフィラスにはもう別のものをつけている』の一点張りでな。
エリアナに似た俺らに会うのが辛かった?知るか!
そうこうしているうちに…事故で俺の兄、サフィの祖父にあたる前侯爵が他界したんだ。それで、急遽エリアナの弟であるサフィの叔父が侯爵位を継いだ。
だが、本来なら爵位を継ぐのはまだまだ先だと思っていたもんだから…ちとごたついてな。
俺たちもサフィのことに気付けなかった。すまなかった。
魔力量からして『病弱で外に出せない』だなんておかしいとうすうす気づいていたのに…。
エリアナの忘れ形見、末息子として溺愛されているもんだと思い込んでいたんだ。
まさかあんな扱いをされていたとは…」
申し訳なかった、しょんぼりと頭を垂れる。
「でも、ゲイルはきてくれた。
それに、ぼくのおとうさまになってくれた」
そう言って俺はゲイルの頭を撫ぜた。
ゲイルの髪の色は、侯爵家によくあらわれる色なのだそうだ。
少し茶味がかったやわらかな金色の髪。俺の髪の色とそっくりだ。
俺はモフっとその頭に顔をうずめた。
そうか。
公爵家だけでなく、母方にも俺の家族は居たんだな。
それで、状況により後手になってしまっていたようだが、俺のことを心配してくれていたんだ。
サフィはずっとここの連中しか知らなかった。
でも、それでもサフィの知らないところに、サフィのことを想ってくれている人がいたんだ。
そのことで俺は救われたような気がした。
ゲイルは公爵家に、いや、俺の部屋にほぼ住み込みで俺の治療をし、俺を息子として溺愛している。
俺をぎゅうぎゅうしながら
「10歳になったらなんて言わず、このまま俺んとこに来ればいいのに…」
というので、
「だめ。こうしゃくけはえらいから。
そのちからでいろいろできることがある。りようする。
ここでぼく つよくなりたい。
こうしゃくけのけんりょくで、いいせんせいをやとう。
こうしゃくけのおかね ばんばんつかう。
まほうと、けんをおしえてもらう。それまでまってて」
と俺が諭す。この一連の流れが定番化していた。
あと、このまま離れて、やつらに「無かったこと」にされたくないってのがある。
ゲイルにはいわないけど。
自分の罪って、目の前にあると忘れられないじゃん?
常に「サフィにしたこと」を見せつけてやるんだ。
俺を見せて、忘れる事は許さない。
最低でもサフィが辛かった4年間以上は、サフィにしっかり向き合ってもらいたい。
冒険者登録できる年齢というのもあるが、そう言う意味で10歳なのである。
もちろんその間は公爵家の金と権力を使いまくる。
それで10歳になったら、俺はゲイルのところに行って冒険者になるのだ。
冒険者は俺とサフィの夢だからね!
4歳で貴族教育とやらが始まり、唯一良かったことがある。
文字が少し読めるようになったことだ。
教師は「文字も読めぬとは!」とサフィを罵倒したが、それでも全く文字を教えて貰えなかったサフィからすると、大進歩だったのだ。
辛い毎日にサフィの救いになったのは、絵本を読めるようになったこと。
サフィの楽しみは図書館だった。
暇さえあれば図書館に籠り、ふかふかの椅子に座って、絵本を広げた。
そこで、冒険者の事を知った。
冒険者は、自由だった。
自分の腕一本で戦い、道を切り開いていく。それで沢山の人を救うのだ。
羨ましいと思った。
何もできない自分だけど、冒険者になれば誰かの役にたてるのかもしれない。
そうしたら、自分だって愛されるかもしれない。
10歳になると冒険者登録できるらしい。
だから、10歳になったらこの家を出て冒険者になる…なんて夢をみていた。
そのサフィの夢は、俺の夢になった。
予定通り10歳で俺は家を出て冒険者になる。
ゲイルが俺を息子にしてくれるなら「ゲイルの息子 兼 冒険者のサフィ」になるのだ!
沢山金をかせいで、ゲイルの病院をいくつも建てるんだ。
ゲイルと俺で沢山の人を助けて、笑顔にするんだ。
10歳までまだまだ時間がある。
俺は公爵家の奴らの罪悪感を利用して、公爵家の権力と金を最大限使わせて貰うつもりだ。
ゲイルにも権力や伝手はあるようだが、俺としては公爵家から搾取できるぶんだけ搾取するつもり。
俺の魔力量は特殊らしいから、俺に教えることのできる魔法の先生となるとなかなか見つからないだろう。
でも、俺は冒険者になりたい。どうせなら、俺は一流の冒険者になりたい!
それには、一流の先生から魔法と剣を学ぶ必要があるのである。
「ゲイルだってねむるでしょ?
ぼくのとこ ねむりにきて。
ぼくといっしょに ねよ。
そしたらゲイル おしごともできる。
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