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第4章 神の君臨
勇者の唄
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「なっ……!?」
そこにいたのは集中力を切らさず、居合の構えをとっていたクレイスの姿だ。
ゼルヴェだけでは足りなかった。
キリル、パニーナ、レヴィー、その三人がいてやっと稼いだ数秒がクレイスに完璧な集中力と技を放つリズムを与える。
「……!」
最後に息を深く吸い込むクレイス。
吹き飛ばされ、地面に横たわるゼルヴェやキリルたちは大声でクレイスの名を叫んで勇者の勝利を願った。
「勝て! クレイス!」
「クレイスーーーーーー!」
「クレイスさぁぁぁぁぁぁぁぁん!」
「勇者よ! 勝利以外は認めんぞ!」
そんな声援を振り払うようにヘラもまた、壊れかけた戦鎚の能力を自身の右腕に注ぎ込んで決着の一撃を準備する。
「黙れ黙れ黙れぇぇぇ! 潰してやるわぁぁぁぁぁぁ!」
その数秒前、クレイスには世界がだんだんと緩やかに見えていった。
「落ち着け……落ち着くんだ……」
武器の威力は一級品。
ならば最後の決着をつけるのは自分自身の力だ、と懸命に心を落ち着けさせる。
しかし昂った戦闘心と神を倒さなければ、世界は破滅の道を辿ると言う重圧でクレイスの息は段々とと早くなる。
そして頭によぎるのは攻撃の失敗。
それを振り払う、そして失敗の未来が見える。
この繰り返し。研ぎ澄まされた意識がもたらす無限地獄でクレイスは自滅しそうになっていた。
「落ち着かんか、バカ弟子が」
「ロイケン爺……?」
居合の構えをとるクレイスの眼前に現れるは、死んだはずの師匠。
幻影や自分が助けを請う妄想だとクレイスはすぐに頭を振った。
「お前はもう導く側なのだ、そして……」
「僕には……僕にはまだ早いよ」
「……意識を研ぎ澄まして、仲間達の勇姿を見ろ」
続いて放とうとした言葉をやめて、ロイケンはクレイスに辺りを見渡させた。
そのクレイスの目に飛び込んできたのは限界を越えたゼルヴェ、命を顧みず戦い身を投じるキリルとパニーナ。
片腕が使い物にならなくなってもなお、誇り高く戦おうとするレヴィー。
「百聞は一見に如かず。お前が皆を導いていくように仲間がお前を導いてくれる」
心が静まる。刀の斬れ味が研ぎ澄まされるように、クレイスは意識の奥で揺らぎが消えた。
「……これで師匠の役目は終わりじゃな。もうお前を支えるのは、儂ではない」
その言葉に呼応するように、クレイスはふと自分の右側に目を見やる。
刀にかけた己の手に添えられた小さな手のひら。
「テュイア……」
遥か後方で横たわっているはずのテュイアがクレイスの隣で微笑んでいた。
魂同然の存在だが命の鼓動をクレイスは感じる。テュイアを救うという気持ちが、さらに高まった。
「勇者クレイス・アルカイオよ。幸せになれ。これが最後の指導じゃ」
涙は堪えた。
幻影だろとなんだろうとロイケンに情けない姿を見せたままの別れだけは避けたいとクレイスは歯を食いしばった。
何の未練も残さないように、と強い自分を想像して最強の一撃となる抜刀を作り上げていく。
「絶・抜刀!」
——そして、時が重なる。
「黙れ黙れ黙れぇぇぇ! 潰してやるわぁぁぁぁぁぁ!」
黒い雷を纏ったヘラの腕は醜く膨れ上がっているが、そこから感じる神力は今までの戦いの中でも桁違いだった。
故にゼルヴェ達は驚いた。
「……」
その状況で一切動じず、一閃のために意識を研ぎ澄ませるクレイスの姿に。
「ビビって声も出ないかしらぁ!?」
その刹那、クレイスとヘラの瞳が交差した。
「!?」
神であるはずのヘラは慄き、クレイスと共に戦おうとするテュイアの魂に震えた。
ヘラにはその二人が神よりも強く、気高く見えてしまったのである。
「行こう、テュイア」
(ええ……)
「絶・抜刀……瞬輝!」
光速で振り下ろされる拳と居合の斬撃はぶつかり合うことはなかった。
滑るようにクレイスの刀がヘラを捌いていく。そのままヘラの腕から胸までを斬撃が駆け巡り、斬り飛ばした。
「なっ、何ですって!!!!」
「これで終わりだぁぁぁぁぁぁ!」
為す術もなかった鎧すらも簡単に斬り裂いたが、神の核ともいえる心臓部は予想を遥かに超えた頑強さだった。
「くっ……ぐぅ!」
「ここまで追い詰めたのは褒めてあげる……ご褒美に苦しまないように殺してあげるわ!」
両断された左腕を変化させ、鋭利な槍へと変えていく。動けない勇者を貫くには充分すぎた。
(させない……!)
しかし、微かに見える心臓部から橙色の光が漏れ出してクレイスのそばに彩られていく。
二人にだけ見えていたテュイアが全員に知覚できるほど鮮明な存在に変わっていった。
「人間の容れ物風情がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
さらに、ヘラの力の一部を奪い去ったのか、そのまま心臓部に綻びが生じ始めた。
手を力強く握りしめてくるテュイアと共にクレイスは吠える。
そこにいたのは集中力を切らさず、居合の構えをとっていたクレイスの姿だ。
ゼルヴェだけでは足りなかった。
キリル、パニーナ、レヴィー、その三人がいてやっと稼いだ数秒がクレイスに完璧な集中力と技を放つリズムを与える。
「……!」
最後に息を深く吸い込むクレイス。
吹き飛ばされ、地面に横たわるゼルヴェやキリルたちは大声でクレイスの名を叫んで勇者の勝利を願った。
「勝て! クレイス!」
「クレイスーーーーーー!」
「クレイスさぁぁぁぁぁぁぁぁん!」
「勇者よ! 勝利以外は認めんぞ!」
そんな声援を振り払うようにヘラもまた、壊れかけた戦鎚の能力を自身の右腕に注ぎ込んで決着の一撃を準備する。
「黙れ黙れ黙れぇぇぇ! 潰してやるわぁぁぁぁぁぁ!」
その数秒前、クレイスには世界がだんだんと緩やかに見えていった。
「落ち着け……落ち着くんだ……」
武器の威力は一級品。
ならば最後の決着をつけるのは自分自身の力だ、と懸命に心を落ち着けさせる。
しかし昂った戦闘心と神を倒さなければ、世界は破滅の道を辿ると言う重圧でクレイスの息は段々とと早くなる。
そして頭によぎるのは攻撃の失敗。
それを振り払う、そして失敗の未来が見える。
この繰り返し。研ぎ澄まされた意識がもたらす無限地獄でクレイスは自滅しそうになっていた。
「落ち着かんか、バカ弟子が」
「ロイケン爺……?」
居合の構えをとるクレイスの眼前に現れるは、死んだはずの師匠。
幻影や自分が助けを請う妄想だとクレイスはすぐに頭を振った。
「お前はもう導く側なのだ、そして……」
「僕には……僕にはまだ早いよ」
「……意識を研ぎ澄まして、仲間達の勇姿を見ろ」
続いて放とうとした言葉をやめて、ロイケンはクレイスに辺りを見渡させた。
そのクレイスの目に飛び込んできたのは限界を越えたゼルヴェ、命を顧みず戦い身を投じるキリルとパニーナ。
片腕が使い物にならなくなってもなお、誇り高く戦おうとするレヴィー。
「百聞は一見に如かず。お前が皆を導いていくように仲間がお前を導いてくれる」
心が静まる。刀の斬れ味が研ぎ澄まされるように、クレイスは意識の奥で揺らぎが消えた。
「……これで師匠の役目は終わりじゃな。もうお前を支えるのは、儂ではない」
その言葉に呼応するように、クレイスはふと自分の右側に目を見やる。
刀にかけた己の手に添えられた小さな手のひら。
「テュイア……」
遥か後方で横たわっているはずのテュイアがクレイスの隣で微笑んでいた。
魂同然の存在だが命の鼓動をクレイスは感じる。テュイアを救うという気持ちが、さらに高まった。
「勇者クレイス・アルカイオよ。幸せになれ。これが最後の指導じゃ」
涙は堪えた。
幻影だろとなんだろうとロイケンに情けない姿を見せたままの別れだけは避けたいとクレイスは歯を食いしばった。
何の未練も残さないように、と強い自分を想像して最強の一撃となる抜刀を作り上げていく。
「絶・抜刀!」
——そして、時が重なる。
「黙れ黙れ黙れぇぇぇ! 潰してやるわぁぁぁぁぁぁ!」
黒い雷を纏ったヘラの腕は醜く膨れ上がっているが、そこから感じる神力は今までの戦いの中でも桁違いだった。
故にゼルヴェ達は驚いた。
「……」
その状況で一切動じず、一閃のために意識を研ぎ澄ませるクレイスの姿に。
「ビビって声も出ないかしらぁ!?」
その刹那、クレイスとヘラの瞳が交差した。
「!?」
神であるはずのヘラは慄き、クレイスと共に戦おうとするテュイアの魂に震えた。
ヘラにはその二人が神よりも強く、気高く見えてしまったのである。
「行こう、テュイア」
(ええ……)
「絶・抜刀……瞬輝!」
光速で振り下ろされる拳と居合の斬撃はぶつかり合うことはなかった。
滑るようにクレイスの刀がヘラを捌いていく。そのままヘラの腕から胸までを斬撃が駆け巡り、斬り飛ばした。
「なっ、何ですって!!!!」
「これで終わりだぁぁぁぁぁぁ!」
為す術もなかった鎧すらも簡単に斬り裂いたが、神の核ともいえる心臓部は予想を遥かに超えた頑強さだった。
「くっ……ぐぅ!」
「ここまで追い詰めたのは褒めてあげる……ご褒美に苦しまないように殺してあげるわ!」
両断された左腕を変化させ、鋭利な槍へと変えていく。動けない勇者を貫くには充分すぎた。
(させない……!)
しかし、微かに見える心臓部から橙色の光が漏れ出してクレイスのそばに彩られていく。
二人にだけ見えていたテュイアが全員に知覚できるほど鮮明な存在に変わっていった。
「人間の容れ物風情がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
さらに、ヘラの力の一部を奪い去ったのか、そのまま心臓部に綻びが生じ始めた。
手を力強く握りしめてくるテュイアと共にクレイスは吠える。
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