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第1章 始まりの海国
海を断て
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「海を退かせられないか? 水最上神の神片とかで?」
「この量の水を操るには詠唱時間が足りない」
解決方法はすでに見えているというのに、もはや万事休すという状態だった。
あと一手が足りない、残り時間も少ない中、二人の焦りは加速していく。
「勇者の意地を見せぬか、坊主」
「ロイケン爺!? 避難は終わったのか!?」
「そちらは完了しています。ですが二人が敗れれば、無意味になります。どうか勝利を」
そんなこと言われても如何しようもない、といった様子で口をつぐむクレイス。
見兼ねたロイケンが戦いの師としての助言を飛ばす。
「お前は海を割っただろう?」
「割ったって言っても少し……いや、やってみる価値はあるか!」
本気の助言なのかどうかは怪しいが、クレイスに一縷の希望を見出させるには充分すぎる一言となる。
それを察したパニーナは可能性をひめた風の神「ウィドー」の神片を発動させ、キリルの元に残りを吹き飛ばした。
「海を割る嵐を起こそう、キリル!」
「本気で言ってる? まあ、それが勇者っぽいって言うなら付き合うわよ」
飛んできた全てのウィドーを杖の先端に詰め込み、入りきらない分は手で押し当てるだけという簡素なやり方だが、キリルにとっては操りにくい神片など存在しない。
実は杖も雰囲気を出すためだけに存在している。
「私の起こす竜巻をクレイスの剣にまとわせる。それで水を吹き飛ばして!」
その決意に満ちたキリルの声音を信じ、その場でクレイスは跳躍した。
飛び立つ勇者めがけて一番威力の弱い風の術を打ち込む。
短文詠唱だが、クレイスをさらに上空へ飛ばすには充分すぎる。
「やれっ! キリル!」
水面に落ちる前に剣へ風の術を付与しなければ、この作戦は失敗。
タイミングが重要という作戦において二人は完全にお互いを信頼していた。
愛や友情などではない、絶対的な強さに対しての信頼。そこに一点の曇りもない。
「『風の旅が始まる! 雲を抜け、海を抜け、世界を駆けろ! 行きつく未来は、安寧の柔風か! 凄惨たる疾風の嵐か!』」
空中から水面めがけて伸ばされた剣。それめがけてキリルもまた杖を突きつけた。
「『ヴィオード・ヴェント・アドヴェント!』」
ゾオンより巨大な竜巻が立ち昇り、クレイスの剣へと吸い込まれるように付与される。
その大きさを凝縮した風の塊はサング・オブ・ブレイバーの周りを留まるほどに小さくなったが、クレイスは少しでも力を緩めれば巻き込まれる、という逼迫した中で膂力に全てを賭けた。
「キリルが限界超えたんだ……僕もやらなきゃ勇者が廃る!」
「決めなさぁぁぁい! クレイスー!」
落下する中で交差する視線。
そこにある信頼に応えるべく勢いよく剣を振り抜く。
水面に全てのエネルギーが伝わるように繰り出された斬撃は、まさに目にも留まらぬものだった。
海の中に飛び込んだ嵐は大きくうねり、水を空高くまで巻き上げていく。
「どぉらああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
振り切った斬撃は水平線の向こうまで軌跡を残し、ゾオン周辺の水を空高く登る壁に変えた。
大きく振った剣の重さと風の勢いに負けないようにクレイスは握力をさらに強め、抉れた海の中に消えていく。
同時に熱くなる左目がテュイアへとこの勇姿を届けていると語った。
「テュイア……もうカッコ悪いところは見せられねぇな!」
もはや地表と化した海底に着地したクレイスは、上にキリルが乗っていることも気にせず指示された高さへと落下の勢いを乗せた斬撃を繰り出した。
「もう一発だぁぁぁぁぁぁ!」
嵐が神片を食い破るように、ゾオンは完全に両断される。
支えを失った上の部分は水がなくなった方にもたれかかるように倒れた。
「やったか?」
戦いに身を置き続け、神片とも深く関わってきたクレイスだからこそ核を裂けなかったことを知覚する。
倒れていくゾオンの中心に他の部分とは違い、黒い血のように怪しく輝く神片は無傷で輝いていた。
右手で剣を突き立てるが風の能力はすでになくなっており、もはや貫通力も失せている。
「くっ……」
斬り裂かれた水も重力とともに戻ろうと形を変えていく。
まさに絶体絶命だというクレイスの耳にまだまだ元気そうなキリルの声が響いてきた。
「力を抜くなぁー!」
間抜けな叱咤だったが、踏み込む力に変わる。
パーティの前で、何よりテュイアの前で不甲斐ない姿は勇者としてやはり見せられない。
「『フィオ・フィーア!』」
「って、おい! キリル!?」
しかし、すぐに巻き起こる混乱の嵐。
命知らずのキリルは落下しながら突き立てられた刃に炎の術を放ったのだ。
その爆炎で勢いづいた勇者の剣はゾオンに罅を入れ始める。
落下寸前のキリルを左手で掴み、すんでのところで救助したが、クレイスも肩が外れる寸前だった。
「何余計なことしてんのよ! 集中しなさい!」
「お前死ぬとこだったんだぞ!?」
「あんたが不甲斐ないから助けてあげるんでしょ! ほら! もっと力こめる!」
突き立てた右腕にキリルの付与術式が添えられる。
炎が斬撃に力を与え、ゾオンの罅がどんどんと大きくなっていく。
「「いっけえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」」
左目の熱が増し、テュイアも力を貸してくれているかのようだった。
三位一体の力を感じたクレイスの突撃でゾオンは澄んだ音が鳴り響かせ砕け散り、ゾオンの色は生気を失ったように黒が深まった。
甲高い破壊音と共に魔王との繋がりという禍々しさが消え去っていくことを体感する。
「決まったな!」
「最高ね!」
喜び勇む二人はその場で小躍りしたいくらいの高揚感に包まれるも海の底にいることを思い出し、遠くなった太陽を睨む。
同時に平静を取り戻した左目がテュイアとの接続を切らしたことを告げた。
泥臭い脱出劇は見られなくてよかったと安堵のため息をつく。
「キリル、戻る方法は?」
「ない。ウィドーは使い切った!」
「自信ありげに言うことじゃないからそれ」
水深六十メートルから水面を目指すことはクレイスにとっては造作もない話だが、キリルは違う。
さらに天高くそびえていた水の壁は、元に戻ろうと断頭台の瀑布と化す寸前であった。
その水が元に戻れば凄まじいな流れが発生し、どこかに叩きつけられて死ぬ確率の方が高い。
それでもやるしかない、と意を決してキリルを抱え水の中へ飛び込もうとするクレイスに懐かしき声がかけられた。
「クレイス。水中で女と戯れるとはいい身分だな」
時が止まった感覚を初めてクレイスは実感した。
キリルを投げ捨て剣を構え直すその姿勢はもはや勇者ではなく狂戦士。
一瞬にして血走った瞳が見据える先にいたのは、ゾオンの残滓を利用して転移空間を作り上げた『魔王』だった。
「この量の水を操るには詠唱時間が足りない」
解決方法はすでに見えているというのに、もはや万事休すという状態だった。
あと一手が足りない、残り時間も少ない中、二人の焦りは加速していく。
「勇者の意地を見せぬか、坊主」
「ロイケン爺!? 避難は終わったのか!?」
「そちらは完了しています。ですが二人が敗れれば、無意味になります。どうか勝利を」
そんなこと言われても如何しようもない、といった様子で口をつぐむクレイス。
見兼ねたロイケンが戦いの師としての助言を飛ばす。
「お前は海を割っただろう?」
「割ったって言っても少し……いや、やってみる価値はあるか!」
本気の助言なのかどうかは怪しいが、クレイスに一縷の希望を見出させるには充分すぎる一言となる。
それを察したパニーナは可能性をひめた風の神「ウィドー」の神片を発動させ、キリルの元に残りを吹き飛ばした。
「海を割る嵐を起こそう、キリル!」
「本気で言ってる? まあ、それが勇者っぽいって言うなら付き合うわよ」
飛んできた全てのウィドーを杖の先端に詰め込み、入りきらない分は手で押し当てるだけという簡素なやり方だが、キリルにとっては操りにくい神片など存在しない。
実は杖も雰囲気を出すためだけに存在している。
「私の起こす竜巻をクレイスの剣にまとわせる。それで水を吹き飛ばして!」
その決意に満ちたキリルの声音を信じ、その場でクレイスは跳躍した。
飛び立つ勇者めがけて一番威力の弱い風の術を打ち込む。
短文詠唱だが、クレイスをさらに上空へ飛ばすには充分すぎる。
「やれっ! キリル!」
水面に落ちる前に剣へ風の術を付与しなければ、この作戦は失敗。
タイミングが重要という作戦において二人は完全にお互いを信頼していた。
愛や友情などではない、絶対的な強さに対しての信頼。そこに一点の曇りもない。
「『風の旅が始まる! 雲を抜け、海を抜け、世界を駆けろ! 行きつく未来は、安寧の柔風か! 凄惨たる疾風の嵐か!』」
空中から水面めがけて伸ばされた剣。それめがけてキリルもまた杖を突きつけた。
「『ヴィオード・ヴェント・アドヴェント!』」
ゾオンより巨大な竜巻が立ち昇り、クレイスの剣へと吸い込まれるように付与される。
その大きさを凝縮した風の塊はサング・オブ・ブレイバーの周りを留まるほどに小さくなったが、クレイスは少しでも力を緩めれば巻き込まれる、という逼迫した中で膂力に全てを賭けた。
「キリルが限界超えたんだ……僕もやらなきゃ勇者が廃る!」
「決めなさぁぁぁい! クレイスー!」
落下する中で交差する視線。
そこにある信頼に応えるべく勢いよく剣を振り抜く。
水面に全てのエネルギーが伝わるように繰り出された斬撃は、まさに目にも留まらぬものだった。
海の中に飛び込んだ嵐は大きくうねり、水を空高くまで巻き上げていく。
「どぉらああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
振り切った斬撃は水平線の向こうまで軌跡を残し、ゾオン周辺の水を空高く登る壁に変えた。
大きく振った剣の重さと風の勢いに負けないようにクレイスは握力をさらに強め、抉れた海の中に消えていく。
同時に熱くなる左目がテュイアへとこの勇姿を届けていると語った。
「テュイア……もうカッコ悪いところは見せられねぇな!」
もはや地表と化した海底に着地したクレイスは、上にキリルが乗っていることも気にせず指示された高さへと落下の勢いを乗せた斬撃を繰り出した。
「もう一発だぁぁぁぁぁぁ!」
嵐が神片を食い破るように、ゾオンは完全に両断される。
支えを失った上の部分は水がなくなった方にもたれかかるように倒れた。
「やったか?」
戦いに身を置き続け、神片とも深く関わってきたクレイスだからこそ核を裂けなかったことを知覚する。
倒れていくゾオンの中心に他の部分とは違い、黒い血のように怪しく輝く神片は無傷で輝いていた。
右手で剣を突き立てるが風の能力はすでになくなっており、もはや貫通力も失せている。
「くっ……」
斬り裂かれた水も重力とともに戻ろうと形を変えていく。
まさに絶体絶命だというクレイスの耳にまだまだ元気そうなキリルの声が響いてきた。
「力を抜くなぁー!」
間抜けな叱咤だったが、踏み込む力に変わる。
パーティの前で、何よりテュイアの前で不甲斐ない姿は勇者としてやはり見せられない。
「『フィオ・フィーア!』」
「って、おい! キリル!?」
しかし、すぐに巻き起こる混乱の嵐。
命知らずのキリルは落下しながら突き立てられた刃に炎の術を放ったのだ。
その爆炎で勢いづいた勇者の剣はゾオンに罅を入れ始める。
落下寸前のキリルを左手で掴み、すんでのところで救助したが、クレイスも肩が外れる寸前だった。
「何余計なことしてんのよ! 集中しなさい!」
「お前死ぬとこだったんだぞ!?」
「あんたが不甲斐ないから助けてあげるんでしょ! ほら! もっと力こめる!」
突き立てた右腕にキリルの付与術式が添えられる。
炎が斬撃に力を与え、ゾオンの罅がどんどんと大きくなっていく。
「「いっけえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」」
左目の熱が増し、テュイアも力を貸してくれているかのようだった。
三位一体の力を感じたクレイスの突撃でゾオンは澄んだ音が鳴り響かせ砕け散り、ゾオンの色は生気を失ったように黒が深まった。
甲高い破壊音と共に魔王との繋がりという禍々しさが消え去っていくことを体感する。
「決まったな!」
「最高ね!」
喜び勇む二人はその場で小躍りしたいくらいの高揚感に包まれるも海の底にいることを思い出し、遠くなった太陽を睨む。
同時に平静を取り戻した左目がテュイアとの接続を切らしたことを告げた。
泥臭い脱出劇は見られなくてよかったと安堵のため息をつく。
「キリル、戻る方法は?」
「ない。ウィドーは使い切った!」
「自信ありげに言うことじゃないからそれ」
水深六十メートルから水面を目指すことはクレイスにとっては造作もない話だが、キリルは違う。
さらに天高くそびえていた水の壁は、元に戻ろうと断頭台の瀑布と化す寸前であった。
その水が元に戻れば凄まじいな流れが発生し、どこかに叩きつけられて死ぬ確率の方が高い。
それでもやるしかない、と意を決してキリルを抱え水の中へ飛び込もうとするクレイスに懐かしき声がかけられた。
「クレイス。水中で女と戯れるとはいい身分だな」
時が止まった感覚を初めてクレイスは実感した。
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