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物語編
第2話 救命救急センターいのちのたたかい
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帝都医科大学付属病院救命救急センターは、1日に何人もの患者が搬送されてくる。軽症の患者から重症の患者まで。病院の中でも一番、患者の死が多いところである。ある日救命救急センターのホットラインの電話がなる。それを出たのが救命科の医師、安西泰彦だった。
(安西)「帝都医科大学付属病院救命救急センターです。」
(電話の相手の救命救急士)「患者さんの受け入れをお願いします。ビルの外階段から転落した30代の男性、頭部外傷、脳挫傷の疑いありです。意識レベル300、血圧200を越えて脈拍40台、サチュレーション83%、瞳孔不同があります。受け入れ可能ですか。」
(安西)「可能です。搬送してください。」
(電話の相手の救命救急士)「わかりました。5分後に到着します。」
5分後に30代の男性が到着し、処置室に入った。
(安西)「モニター装着、血ガス血算生化、マンニトールを全開で落として。」
(根本)「血圧220、心拍数40です。」
(安西)「呼吸が悪いな。真田さん挿管の用意して。」
(真田)「はい。・・・・・・・・・・用意できました。」
(安西)「挿管します。喉頭鏡、・・・・・・チューブ、・・・・・・・よし、スタイレット抜いて・・・アンビューバッグ。」
(根本)「血圧改善しません。」
(安西)「頭部CTとMRIをとる、連絡して。」
(真田)「はい。」
頭部CTとMRIの結果、危険な状態であることがわかった。
(安西)「脳挫傷で急性硬膜下血腫だ。それに頭蓋骨の骨折がひどいな、すぐに開頭する必要がある。」
(真田)「どうしますか。」
(安西)「すぐにオペ室に連絡して。それと、助手が必要だから、外科の光石先生にも。」
(真田)「はい。」
患者は、オペ室に、搬送された。救命科の安西の執刀、外科の光石の助手で、直ちに緊急オペが行われた。
(安西)「これより、開頭血腫除去及びドレナージを開始します。」
(一同)「お願いします」
(千住)「バイタル、血圧220、心拍数40、改善しません。」
(川村)「穿頭セットと開頭セットの器械を用意してあります。」
(安西)「わかりました。開頭します。メス。・・・頭皮クリップ。・・・パーフォーレータ。」
それから開頭の処置が終了した。
(光石)「脳の状態、よくありませんね。」
(安西)「そうですね。」
(安西)「硬膜を開ける。メス。・・・メッツェン。」
(光石)「血で何も見えない。」
(安西)「結構出血と血腫が大きいな。」
(光石)「これ、脳幹までいってますよ。」
(安西)「そうですね。結構出血ひどいな、吸引して。」
(光石)「了解。これ助かったとしても、植物状態か、脳死ですね。」
(安西)「そうですね。この状態で、意識が回復する可能性は限りなく低いですからね。」
(光石)「そうですね。」
(千住)「血圧が急激に低下、60-40」
(安西)「千住先生、輸血で繋いでください。」
(千住)「わかりました。」
(安西)「急ぎましょう。」
(光石)「はい。」
1時間後、患者の心停止を告げる、心電図モニタのアラームがなる。
血腫と出血が大きく、脳幹が激しく損傷を受けていたため、そのオペの甲斐もなく、亡くなってしまった。患者さんが亡くなるのは、救命救急センターでは、珍しくはないのだ。それからまたホットラインの電話がなる。その電話を出たのが救命科の医師、田中孝だった。
(田中)「はい、帝都医科大学付属病院救命救急センター。」
(電話の相手の救命救急士)「患者さんの受け入れをお願いします。40代の男性、左胸の胸痛を訴えています。意識レベル10、血圧95-70、心拍数112、サチュレーション93%です。受け入れ可能ですか。」
(田中)「わかりました、搬送してください。」
患者が搬送され、処置室に入った。
(田中)「左の呼吸音が弱いな。緊張性気胸の疑い。胸部ポータブルレントゲンの用意。」
(真田)「はい。」
胸部ポータブルレントゲン検査の結果、緊張性気胸という肺に穴が開いて、空気が漏れ、肺と心臓を圧迫されている状態だ。。助けるには。胸から空気を抜く処置が必要だった。患者は、胸腔に空気がたまり、肺と心臓を圧迫されている状態だった。その患者には、胸から空気を抜くため、脱気という処置をすれば、助かる状態だった。
(田中)「やはり緊張性気胸だな。ドレーンを留置するから、14フレンチのチェストチューブと切開縫合セットの用意。」
(根本)「はい。」
(田中)「用意できたか。」
(根本)「できました。」
(田中)「じゃあ、やるぞ。メス。・・・ペアン。・・・ドレーン。」
処置は、完了し、ドレーンバッグに空気が入っていった。成功だ。
(田中)「脱気、成功だな。」
(田中)「よし、バイタル戻ってきたな。」
(根本)「呼吸状態が改善しています。」
(田中)「ドレーンの固定をしよう。4-0ポリプロピレン。」
その患者は、ICUに移され、順調に回復し、3日後一般病棟に移されドレーンを抜くことができ、1週間後に退院していった。救命救急センターは、病院のなかで一番ハードなところだ。救命科のスタッフはろくに睡眠をとることができず、ご飯を食べることができない。なので、救命科のスタッフは、減少しつつある。なので、助かる患者であったとしても、助からないという事態もある。救命救急センターは、“自分の体よりも患者を救いたい”という強い意志がなければ、務まることができない。
(安西)「帝都医科大学付属病院救命救急センターです。」
(電話の相手の救命救急士)「患者さんの受け入れをお願いします。ビルの外階段から転落した30代の男性、頭部外傷、脳挫傷の疑いありです。意識レベル300、血圧200を越えて脈拍40台、サチュレーション83%、瞳孔不同があります。受け入れ可能ですか。」
(安西)「可能です。搬送してください。」
(電話の相手の救命救急士)「わかりました。5分後に到着します。」
5分後に30代の男性が到着し、処置室に入った。
(安西)「モニター装着、血ガス血算生化、マンニトールを全開で落として。」
(根本)「血圧220、心拍数40です。」
(安西)「呼吸が悪いな。真田さん挿管の用意して。」
(真田)「はい。・・・・・・・・・・用意できました。」
(安西)「挿管します。喉頭鏡、・・・・・・チューブ、・・・・・・・よし、スタイレット抜いて・・・アンビューバッグ。」
(根本)「血圧改善しません。」
(安西)「頭部CTとMRIをとる、連絡して。」
(真田)「はい。」
頭部CTとMRIの結果、危険な状態であることがわかった。
(安西)「脳挫傷で急性硬膜下血腫だ。それに頭蓋骨の骨折がひどいな、すぐに開頭する必要がある。」
(真田)「どうしますか。」
(安西)「すぐにオペ室に連絡して。それと、助手が必要だから、外科の光石先生にも。」
(真田)「はい。」
患者は、オペ室に、搬送された。救命科の安西の執刀、外科の光石の助手で、直ちに緊急オペが行われた。
(安西)「これより、開頭血腫除去及びドレナージを開始します。」
(一同)「お願いします」
(千住)「バイタル、血圧220、心拍数40、改善しません。」
(川村)「穿頭セットと開頭セットの器械を用意してあります。」
(安西)「わかりました。開頭します。メス。・・・頭皮クリップ。・・・パーフォーレータ。」
それから開頭の処置が終了した。
(光石)「脳の状態、よくありませんね。」
(安西)「そうですね。」
(安西)「硬膜を開ける。メス。・・・メッツェン。」
(光石)「血で何も見えない。」
(安西)「結構出血と血腫が大きいな。」
(光石)「これ、脳幹までいってますよ。」
(安西)「そうですね。結構出血ひどいな、吸引して。」
(光石)「了解。これ助かったとしても、植物状態か、脳死ですね。」
(安西)「そうですね。この状態で、意識が回復する可能性は限りなく低いですからね。」
(光石)「そうですね。」
(千住)「血圧が急激に低下、60-40」
(安西)「千住先生、輸血で繋いでください。」
(千住)「わかりました。」
(安西)「急ぎましょう。」
(光石)「はい。」
1時間後、患者の心停止を告げる、心電図モニタのアラームがなる。
血腫と出血が大きく、脳幹が激しく損傷を受けていたため、そのオペの甲斐もなく、亡くなってしまった。患者さんが亡くなるのは、救命救急センターでは、珍しくはないのだ。それからまたホットラインの電話がなる。その電話を出たのが救命科の医師、田中孝だった。
(田中)「はい、帝都医科大学付属病院救命救急センター。」
(電話の相手の救命救急士)「患者さんの受け入れをお願いします。40代の男性、左胸の胸痛を訴えています。意識レベル10、血圧95-70、心拍数112、サチュレーション93%です。受け入れ可能ですか。」
(田中)「わかりました、搬送してください。」
患者が搬送され、処置室に入った。
(田中)「左の呼吸音が弱いな。緊張性気胸の疑い。胸部ポータブルレントゲンの用意。」
(真田)「はい。」
胸部ポータブルレントゲン検査の結果、緊張性気胸という肺に穴が開いて、空気が漏れ、肺と心臓を圧迫されている状態だ。。助けるには。胸から空気を抜く処置が必要だった。患者は、胸腔に空気がたまり、肺と心臓を圧迫されている状態だった。その患者には、胸から空気を抜くため、脱気という処置をすれば、助かる状態だった。
(田中)「やはり緊張性気胸だな。ドレーンを留置するから、14フレンチのチェストチューブと切開縫合セットの用意。」
(根本)「はい。」
(田中)「用意できたか。」
(根本)「できました。」
(田中)「じゃあ、やるぞ。メス。・・・ペアン。・・・ドレーン。」
処置は、完了し、ドレーンバッグに空気が入っていった。成功だ。
(田中)「脱気、成功だな。」
(田中)「よし、バイタル戻ってきたな。」
(根本)「呼吸状態が改善しています。」
(田中)「ドレーンの固定をしよう。4-0ポリプロピレン。」
その患者は、ICUに移され、順調に回復し、3日後一般病棟に移されドレーンを抜くことができ、1週間後に退院していった。救命救急センターは、病院のなかで一番ハードなところだ。救命科のスタッフはろくに睡眠をとることができず、ご飯を食べることができない。なので、救命科のスタッフは、減少しつつある。なので、助かる患者であったとしても、助からないという事態もある。救命救急センターは、“自分の体よりも患者を救いたい”という強い意志がなければ、務まることができない。
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