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物語編
第1話 この物語最初のオペ
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この物語は舘野辰雄(53)男性の患者のオペから始まる。
このオペは、下行大動脈瘤に対する人工血管置換術だ。
執刀医は総合外科医局長の佐川浩介、第1助手に川野卓郎、全身管理に麻酔科の千住卓郎、器械出しに手術室看護師の川村幸子、外回りに手術室看護師の野々村摩耶、人工心肺の管理に臨床工学技士の金沢太郎がこのオペのスタッフだ。いよいよオペが始まる。
(佐川)「これより患者舘野辰雄さんの、下行大動脈瘤に対する人工血管置換術を開始します。千住先生、バイタルは?」
(千住)「バイタル血圧120-80、心拍数72、サチュレーション98%、不整脈等の心電図以上は、ありません。」
(佐川)「では胸骨正中切開をする。メス。・・・セッシと電メス。」
患者の体にメスが入った。それからオペが続く
(川野)「開胸器。・・・佐川先生開胸器を掛けます。」
(佐川)「了解」
開胸の処置が終わった。いよいよ人工心肺の装着をしようとしている。
(佐川)「人工心肺装着するぞ。千住先生、ヘパリンを入れて。」
(千住)「了解です。」
(佐川)「アオルタを切開する。メス。・・・送血カニューレ。」
それからしばらく、人工心肺の装着が完了し、患者の心臓を止め、体外循環に切り替わろうとしている。
(佐川)「人工心肺を開始する。ポンプオン」
(金沢)「ポンプオンします。」
(佐川)「大動脈を遮断する。フローダウン、遮断鉗子。・・・遮断した。バックアップ」
(金沢)「バックアップします。」
(佐川)「心停止液、プレギースタート。」
(金沢)「はい。」
(千住)「心停止しました。」
(佐川)「よし!大動脈瘤を切除し、人工血管で再建する。メッツェン。」
それから約15分かけて大動脈瘤の切除が終わった。
(佐川)「川野先生、人工血管の準備はいいな。」
(川野)「はい、大丈夫です。」
(千住)「あと、45分で人工心肺離脱してください。」
(佐川)「了解。人工血管を入れ、縫合するぞ。人工血管。・・・縫合する、3-0バイクリル。」
それから約30分かけて、無事縫合が完了した。
(佐川)「縫合完了。フローダウン。」
(金沢)「フローダウンします。」
(佐川)「遮断解除。バックアップ。」
(金沢)「バックアップします。」
(佐川)「除細動器の用意。パドル用意して。」
(野々村)「はい。」
(川村)「佐川先生、パドルです。」
(佐川)「DC20J(ジュール)でチャージして。」
(野々村)「はい。・・・・・・・・・・・・ チャージできました。」
(佐川)「はい。離れて。・・ショック!」
(千住)「心拍再開しました。バイタル、徐々に戻ってきています。」
(佐川)「了解。人工心肺離脱するぞ。ポンプオフ。」
(金沢)「ポンプオフです。」
(佐川)「送血管と、脱血管をはずす、メッツェン。」
オペは成功し、人工心肺の離脱の処置に取りかかった。
(佐川)「人工心肺の離脱完了。閉胸する。胸骨ワイヤー。」
閉胸の処置に入った。まもなく縫合が完了しようとし、縫合の糸を切るための器具、このオペの最後の器械となるクーパーが執刀医に渡されようとした。
(佐川)「クーパー。・・・終了、お疲れ様でした。」
(一同)「お疲れ様でした。」
(佐川)「きちんと傷口消毒してから、HCUに移しておいてくれ。」
(川野)「はい。」
そして執刀医がオペ室から退出した。患者である舘野さんは、翌日意識を取り戻し、3日後HCUから外科病棟に戻された。執刀医である佐川と外科病棟看護師の工藤が病室に訪れた。
(佐川)「舘野さん、体の調子はいかがですか。」
(舘野)「調子がいいです。大動脈瘤も早期に見つけて、手術してくださいましたし、とても感謝しております。」
(佐川)「それは、良かったですね。工藤さん、患者さんの状態はどうですか。」
(工藤)「とても回復が良好です。ドレーンからの出血も止まってますし。」
(佐川)「じゃあドレーンは明日抜こうか。」
(工藤)「はい。明日から食事再開でよろしいでしょうか。」
(佐川)「明日の昼から、それと五分粥で栄養部に指示だしておいてください。」
(工藤)「わかりました。」
(佐川)「舘野さん、今日までは点滴で栄養補給をしてもらいます。明日にはドレーン外せますので、そしたら食事は大丈夫ですよ。」
(工藤)「舘野さん、良かったですね。」
(舘野)「ありがとうございます。」
佐川と工藤が病室から出ていった。舘野さんは順調に回復し二ヶ月後に退院していった。
このオペは、下行大動脈瘤に対する人工血管置換術だ。
執刀医は総合外科医局長の佐川浩介、第1助手に川野卓郎、全身管理に麻酔科の千住卓郎、器械出しに手術室看護師の川村幸子、外回りに手術室看護師の野々村摩耶、人工心肺の管理に臨床工学技士の金沢太郎がこのオペのスタッフだ。いよいよオペが始まる。
(佐川)「これより患者舘野辰雄さんの、下行大動脈瘤に対する人工血管置換術を開始します。千住先生、バイタルは?」
(千住)「バイタル血圧120-80、心拍数72、サチュレーション98%、不整脈等の心電図以上は、ありません。」
(佐川)「では胸骨正中切開をする。メス。・・・セッシと電メス。」
患者の体にメスが入った。それからオペが続く
(川野)「開胸器。・・・佐川先生開胸器を掛けます。」
(佐川)「了解」
開胸の処置が終わった。いよいよ人工心肺の装着をしようとしている。
(佐川)「人工心肺装着するぞ。千住先生、ヘパリンを入れて。」
(千住)「了解です。」
(佐川)「アオルタを切開する。メス。・・・送血カニューレ。」
それからしばらく、人工心肺の装着が完了し、患者の心臓を止め、体外循環に切り替わろうとしている。
(佐川)「人工心肺を開始する。ポンプオン」
(金沢)「ポンプオンします。」
(佐川)「大動脈を遮断する。フローダウン、遮断鉗子。・・・遮断した。バックアップ」
(金沢)「バックアップします。」
(佐川)「心停止液、プレギースタート。」
(金沢)「はい。」
(千住)「心停止しました。」
(佐川)「よし!大動脈瘤を切除し、人工血管で再建する。メッツェン。」
それから約15分かけて大動脈瘤の切除が終わった。
(佐川)「川野先生、人工血管の準備はいいな。」
(川野)「はい、大丈夫です。」
(千住)「あと、45分で人工心肺離脱してください。」
(佐川)「了解。人工血管を入れ、縫合するぞ。人工血管。・・・縫合する、3-0バイクリル。」
それから約30分かけて、無事縫合が完了した。
(佐川)「縫合完了。フローダウン。」
(金沢)「フローダウンします。」
(佐川)「遮断解除。バックアップ。」
(金沢)「バックアップします。」
(佐川)「除細動器の用意。パドル用意して。」
(野々村)「はい。」
(川村)「佐川先生、パドルです。」
(佐川)「DC20J(ジュール)でチャージして。」
(野々村)「はい。・・・・・・・・・・・・ チャージできました。」
(佐川)「はい。離れて。・・ショック!」
(千住)「心拍再開しました。バイタル、徐々に戻ってきています。」
(佐川)「了解。人工心肺離脱するぞ。ポンプオフ。」
(金沢)「ポンプオフです。」
(佐川)「送血管と、脱血管をはずす、メッツェン。」
オペは成功し、人工心肺の離脱の処置に取りかかった。
(佐川)「人工心肺の離脱完了。閉胸する。胸骨ワイヤー。」
閉胸の処置に入った。まもなく縫合が完了しようとし、縫合の糸を切るための器具、このオペの最後の器械となるクーパーが執刀医に渡されようとした。
(佐川)「クーパー。・・・終了、お疲れ様でした。」
(一同)「お疲れ様でした。」
(佐川)「きちんと傷口消毒してから、HCUに移しておいてくれ。」
(川野)「はい。」
そして執刀医がオペ室から退出した。患者である舘野さんは、翌日意識を取り戻し、3日後HCUから外科病棟に戻された。執刀医である佐川と外科病棟看護師の工藤が病室に訪れた。
(佐川)「舘野さん、体の調子はいかがですか。」
(舘野)「調子がいいです。大動脈瘤も早期に見つけて、手術してくださいましたし、とても感謝しております。」
(佐川)「それは、良かったですね。工藤さん、患者さんの状態はどうですか。」
(工藤)「とても回復が良好です。ドレーンからの出血も止まってますし。」
(佐川)「じゃあドレーンは明日抜こうか。」
(工藤)「はい。明日から食事再開でよろしいでしょうか。」
(佐川)「明日の昼から、それと五分粥で栄養部に指示だしておいてください。」
(工藤)「わかりました。」
(佐川)「舘野さん、今日までは点滴で栄養補給をしてもらいます。明日にはドレーン外せますので、そしたら食事は大丈夫ですよ。」
(工藤)「舘野さん、良かったですね。」
(舘野)「ありがとうございます。」
佐川と工藤が病室から出ていった。舘野さんは順調に回復し二ヶ月後に退院していった。
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