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お気に入り300超え記念⭐️『ちいさな。』
しおりを挟む ある日公爵家に王宮から早馬が来て、国王直々に僕が呼ばれた。急いできてくれと。
僕は馬車に飛び乗って王宮へと向かう。ルイスも一緒だけれど、嫌な胸騒ぎがする中でいつものようにのんびりと話す気にはなれなかった。
「ルカくん、よく来たね。すまないがついてきてくれるかい?」
国王様が直接出迎えてくれて、辺りは物々しい雰囲気に包まれていた。そしていつもは必ず僕を笑顔で迎えてくれるゼインが今日はいない。どんどん嫌な予感が膨らんでいく。ゼイン……!
そうしてやって来たのはゼインの寝室。王様は一つノックをして扉を開けた。
「ゼイン、お前の可愛い婚約者が来たぞ」
「ありがとうございます、父上。」
声が聞こえる、少年の声だ。手招きされたので僕も入ってみると、そこには優雅に足を組んで紅茶を飲むゼインに似た少年の姿があった。
彼は僕を見ると花がほころぶような笑顔を見せて、
「ルカ。いらっしゃい。ふふ、やっぱり驚いちゃったよね」
僕より少し年上だろうか、10歳ほどの少年が立ち上がって僕の側にくる。流れるような手つきで頬をサラリと撫で、ちゅっと音を立て再び頬にキスをされた。
そんな中僕はパニック状態に陥っていた。
え?え?誰?!ゼインは?!ゼイン!なんでキスするの!これ誰?!ゼインの弟?ゼインはどこにいるの!
「ふ…ふぇ……ゼインはどこなのぉぉぉ!」
王様もルイスも見知らぬ少年も、何故いるのかわからないゼイン付きの侍従がいる中で限界突破してしまった僕は人目を憚らず号泣してしまった。
それに大慌てだったのは王様とゼインもどきの少年。
王様は息子の婚約者に何も説明せずにつれてきたのがバレて息子に怒られるのが怖くて焦るし、ゼインもどきの少年…本人なのだが、可愛い天使のルカが泣いてしまって慌てるし。少々カオスな空間となっていた。
「父上…後で覚えておいてください…」
「あぁぁあ…ル、ルストォ…助けてくれ…」
「うわああああぁぁあん!!ゼイン~~!!」
(主を宥めるのが私の役目というのは分かっていますが…どうすればいいのですかゼイン殿下!!!)
(僕この仕事辞めていいかな…)
ルイスとゼインの侍従、ロバートも目が遠くなるほどのカオスっぷり…
「えと…じゃあゼイン…魔道具の誤作動でそうなっちゃったの…?」
「うん、そうなんだよ。ごめんね、父上が何も説明しなかったみたいで。私のこの姿では今外に出られないし。1日で収まるって。」
ゼインは国政の手伝いの他に、犯罪などで押収された魔道具や凶器を調べて犯人を追い詰める、前世で言う検察官?みたいなところの長官を務めているらしい。ある事件の犯人が使っていた魔道具を調べていたらしく、それがいきなり発動してしまって幼くなったようだった。
「というわけで、私は今日一日自室から出られない。でも私の婚約者に会いたいしね?だから父上に呼んでもらおうと思ったのだけど…。何を思ったかルカを驚かせたかったらしい。本当にごめんね…」
「ルカくん、お詫びにシェフ特製のプリンを私の分もあげるから、許してくれるかい?」
ぷりん!!
「へへっ、いーですよっ!」
プリン!おいしープリン!
「なんだかルカ様ってチョロくないですかね」
「しー…殿下がお聞きになれば首を切られますよ。確かに主はチョロいですが。」
ロバートとルイスが仲良く話してるなぁ…とほのぼのして見ていた。
✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿
そして皆が部屋から出てゼインと二人きりになったら、彼は
「ルカ、おいで。小さくなってしまったけど、いつもみたいに抱っこしたいな?」
ぽんぽん、と太ももを叩いて座るように促す。そろり…とお尻を乗っけると、いつもより細い腕がお腹に回ってきた。
「ふふ、やっぱり小さいね。それに顔がこんなに近い。」
後ろを振り向けば、いつもはもっと上にある顔がすごく近くにあってびっくりした。
驚いているとゼインはそのまま僕の首筋に鼻をスリスリと擦り付けて息を目一杯吸い込んでいる。
「すぅーーーーーー………はぁ…ずっとこうしたかった。良い匂い。幼くなったらいい事ずくめだね、身長も年も近くなるし、学園だって数年だけかもしれないけど一緒に通える。このままずっと治らなければいいのに…」
僕は正面を向いていたから、彼の瞳が仄暗くなっているのに気づかなかった。
「んー…でも、僕は小さなゼインも好きだけど、やっぱり大きなゼインの方が好き!だってね、体が大きいからその分僕をすっぽり覆って寝られるし、手も大きいから僕の手が見えなくなるの!僕はその方がゼインに包まれてる、って感じがして嬉しい!」
するとワントーン低くなっていた彼の声が途端に明るくなって、腕の力が強くなった。
「ありがとう、そう言ってくれて。やっぱりルカはすごいや。さすがは私の薔薇だね。」
「ふふ!ありがと?」
そうして2人でまたいつものようにのんびりお話していると、再び国王様が部屋に入ってきた。
「おお、仲が良くて何よりだ。それはそうとルカくん。今日は泊まっていくかい?」
「いいんですか!ゼインもいい?」
「うん、もちろん」
やったあ、ゼインとお泊り!
今日は泊まるということを家に連絡してもらい、僕の着替えはゼインの部屋に何着かあるのでばっちり。
今日はこの状態だからと仕事はないそうで、1日中一緒にいられるんだって。だから絵本を読んでもらうのにも、おやつの時間にも、晩ごはんの時も、ずーっとお膝の上だった。
「ルカ様はずっとくっついていて嫌じゃないんですかね。」
「いえ…あの方はゼイン殿下が好きすぎるのでその心配はないかと。」
お部屋で晩ごはんを食べていると後ろの侍従ズはぽそぽそと喋っていた。
あの2人やっぱり仲いいなぁ…何言ってるかわからないけど、内緒話できるくらい仲がいいんだ…。同じ立場だから気が合うのかも?
そんな的外れなことを考えながらぱくぱくと口元へ運ばれる食事にひたすらうまうま、と舌鼓を打つ僕でした。
「さぁ、おいで、一緒に寝よう」
湯浴みも終わらせてあとは寝るだけ。ゼインがシーツを捲って僕が入れるように場所を開けてくれる。すぽっと入るとむぎゅっと抱きしめられてお休みのキスをしてくれた。
「おやすみ、可愛いルカ。」
「おやすみ、ゼイン!」
やっぱり小さくなったからか、いつものような安心感はない。だけどもし僕とゼインが似たような年齢だったらこうなってたのかもしれない、そう思うとなんだかそれもいいかも、と思った僕だった。
夢の中で、姿が戻ったゼインが寝ている僕の頬をさらさらと撫でて満足気に微笑むところを見た。ぼんやりとそれを見ていると、気づいたゼインは顔を近づけて唇にキスをする。
――――――――なんて良い夢。
このままずっと目が覚めなければいいのに。
「ルカ、起きて。もう朝食の時間だよ。ルーカ。」
「…ちょーしょく……ぷりん……むにゃ……」
「ふふ、プリンも用意させるから、おーきーて?」
「んむぅ……ありぇ?ぜいん…おはよぉ…もどったねぇ、よかったぁ……」
そこには大きさが戻ったゼインがいた。
昨日は可愛かったけど、やっぱりかっこいいなぁ…。
「はっ、プリン!ゼイン早く行こ!」
急がないと!
「ふふ、プリンは逃げないから、ゆっくりね。」
「あ、そうだ、ゼイン、ちょっとかがんで?」
「ん?なぁに?」
ちゅっ
「えへへ、夢の中でね、ゼインがキスしてくれる夢見たの!だからお返し!」
唇にはできなかったからほっぺたにしちゃったけど、ゼイン、固まっちゃった。
まあいいや、プリンが僕を待ってる!
「早く行くよ~」
「あれは…反則だ………」
「殿下、本当に結婚まで待てますか?」
ロバートがニヤニヤと面白そうにしながら尋ねる。
「煩い、黙れ。」
「おお怖い。」
あんなに無邪気に笑ってキスするなんて……。将来が恐ろしいな…。
※※※※※※※※※※※
お気に入り300ありがとうございます😊
100の時点で書き始めてたのですが、予想以上に伸びまくっておりましてタイトル100→200→300と変えてました🤣
さて、今回はゼインが幼くなってしまうというご都合でしたがいかがでしたでしょうか?
小さくなってもゼインはゼインでしたね😊
ルカくん好き好きゼインは永遠に、でした🫣
そしてルカくんが見た夢は本当に夢だったのか。気になりますね。
今後もどうぞ今作品をよろしくお願いします🙇
僕は馬車に飛び乗って王宮へと向かう。ルイスも一緒だけれど、嫌な胸騒ぎがする中でいつものようにのんびりと話す気にはなれなかった。
「ルカくん、よく来たね。すまないがついてきてくれるかい?」
国王様が直接出迎えてくれて、辺りは物々しい雰囲気に包まれていた。そしていつもは必ず僕を笑顔で迎えてくれるゼインが今日はいない。どんどん嫌な予感が膨らんでいく。ゼイン……!
そうしてやって来たのはゼインの寝室。王様は一つノックをして扉を開けた。
「ゼイン、お前の可愛い婚約者が来たぞ」
「ありがとうございます、父上。」
声が聞こえる、少年の声だ。手招きされたので僕も入ってみると、そこには優雅に足を組んで紅茶を飲むゼインに似た少年の姿があった。
彼は僕を見ると花がほころぶような笑顔を見せて、
「ルカ。いらっしゃい。ふふ、やっぱり驚いちゃったよね」
僕より少し年上だろうか、10歳ほどの少年が立ち上がって僕の側にくる。流れるような手つきで頬をサラリと撫で、ちゅっと音を立て再び頬にキスをされた。
そんな中僕はパニック状態に陥っていた。
え?え?誰?!ゼインは?!ゼイン!なんでキスするの!これ誰?!ゼインの弟?ゼインはどこにいるの!
「ふ…ふぇ……ゼインはどこなのぉぉぉ!」
王様もルイスも見知らぬ少年も、何故いるのかわからないゼイン付きの侍従がいる中で限界突破してしまった僕は人目を憚らず号泣してしまった。
それに大慌てだったのは王様とゼインもどきの少年。
王様は息子の婚約者に何も説明せずにつれてきたのがバレて息子に怒られるのが怖くて焦るし、ゼインもどきの少年…本人なのだが、可愛い天使のルカが泣いてしまって慌てるし。少々カオスな空間となっていた。
「父上…後で覚えておいてください…」
「あぁぁあ…ル、ルストォ…助けてくれ…」
「うわああああぁぁあん!!ゼイン~~!!」
(主を宥めるのが私の役目というのは分かっていますが…どうすればいいのですかゼイン殿下!!!)
(僕この仕事辞めていいかな…)
ルイスとゼインの侍従、ロバートも目が遠くなるほどのカオスっぷり…
「えと…じゃあゼイン…魔道具の誤作動でそうなっちゃったの…?」
「うん、そうなんだよ。ごめんね、父上が何も説明しなかったみたいで。私のこの姿では今外に出られないし。1日で収まるって。」
ゼインは国政の手伝いの他に、犯罪などで押収された魔道具や凶器を調べて犯人を追い詰める、前世で言う検察官?みたいなところの長官を務めているらしい。ある事件の犯人が使っていた魔道具を調べていたらしく、それがいきなり発動してしまって幼くなったようだった。
「というわけで、私は今日一日自室から出られない。でも私の婚約者に会いたいしね?だから父上に呼んでもらおうと思ったのだけど…。何を思ったかルカを驚かせたかったらしい。本当にごめんね…」
「ルカくん、お詫びにシェフ特製のプリンを私の分もあげるから、許してくれるかい?」
ぷりん!!
「へへっ、いーですよっ!」
プリン!おいしープリン!
「なんだかルカ様ってチョロくないですかね」
「しー…殿下がお聞きになれば首を切られますよ。確かに主はチョロいですが。」
ロバートとルイスが仲良く話してるなぁ…とほのぼのして見ていた。
✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿
そして皆が部屋から出てゼインと二人きりになったら、彼は
「ルカ、おいで。小さくなってしまったけど、いつもみたいに抱っこしたいな?」
ぽんぽん、と太ももを叩いて座るように促す。そろり…とお尻を乗っけると、いつもより細い腕がお腹に回ってきた。
「ふふ、やっぱり小さいね。それに顔がこんなに近い。」
後ろを振り向けば、いつもはもっと上にある顔がすごく近くにあってびっくりした。
驚いているとゼインはそのまま僕の首筋に鼻をスリスリと擦り付けて息を目一杯吸い込んでいる。
「すぅーーーーーー………はぁ…ずっとこうしたかった。良い匂い。幼くなったらいい事ずくめだね、身長も年も近くなるし、学園だって数年だけかもしれないけど一緒に通える。このままずっと治らなければいいのに…」
僕は正面を向いていたから、彼の瞳が仄暗くなっているのに気づかなかった。
「んー…でも、僕は小さなゼインも好きだけど、やっぱり大きなゼインの方が好き!だってね、体が大きいからその分僕をすっぽり覆って寝られるし、手も大きいから僕の手が見えなくなるの!僕はその方がゼインに包まれてる、って感じがして嬉しい!」
するとワントーン低くなっていた彼の声が途端に明るくなって、腕の力が強くなった。
「ありがとう、そう言ってくれて。やっぱりルカはすごいや。さすがは私の薔薇だね。」
「ふふ!ありがと?」
そうして2人でまたいつものようにのんびりお話していると、再び国王様が部屋に入ってきた。
「おお、仲が良くて何よりだ。それはそうとルカくん。今日は泊まっていくかい?」
「いいんですか!ゼインもいい?」
「うん、もちろん」
やったあ、ゼインとお泊り!
今日は泊まるということを家に連絡してもらい、僕の着替えはゼインの部屋に何着かあるのでばっちり。
今日はこの状態だからと仕事はないそうで、1日中一緒にいられるんだって。だから絵本を読んでもらうのにも、おやつの時間にも、晩ごはんの時も、ずーっとお膝の上だった。
「ルカ様はずっとくっついていて嫌じゃないんですかね。」
「いえ…あの方はゼイン殿下が好きすぎるのでその心配はないかと。」
お部屋で晩ごはんを食べていると後ろの侍従ズはぽそぽそと喋っていた。
あの2人やっぱり仲いいなぁ…何言ってるかわからないけど、内緒話できるくらい仲がいいんだ…。同じ立場だから気が合うのかも?
そんな的外れなことを考えながらぱくぱくと口元へ運ばれる食事にひたすらうまうま、と舌鼓を打つ僕でした。
「さぁ、おいで、一緒に寝よう」
湯浴みも終わらせてあとは寝るだけ。ゼインがシーツを捲って僕が入れるように場所を開けてくれる。すぽっと入るとむぎゅっと抱きしめられてお休みのキスをしてくれた。
「おやすみ、可愛いルカ。」
「おやすみ、ゼイン!」
やっぱり小さくなったからか、いつものような安心感はない。だけどもし僕とゼインが似たような年齢だったらこうなってたのかもしれない、そう思うとなんだかそれもいいかも、と思った僕だった。
夢の中で、姿が戻ったゼインが寝ている僕の頬をさらさらと撫でて満足気に微笑むところを見た。ぼんやりとそれを見ていると、気づいたゼインは顔を近づけて唇にキスをする。
――――――――なんて良い夢。
このままずっと目が覚めなければいいのに。
「ルカ、起きて。もう朝食の時間だよ。ルーカ。」
「…ちょーしょく……ぷりん……むにゃ……」
「ふふ、プリンも用意させるから、おーきーて?」
「んむぅ……ありぇ?ぜいん…おはよぉ…もどったねぇ、よかったぁ……」
そこには大きさが戻ったゼインがいた。
昨日は可愛かったけど、やっぱりかっこいいなぁ…。
「はっ、プリン!ゼイン早く行こ!」
急がないと!
「ふふ、プリンは逃げないから、ゆっくりね。」
「あ、そうだ、ゼイン、ちょっとかがんで?」
「ん?なぁに?」
ちゅっ
「えへへ、夢の中でね、ゼインがキスしてくれる夢見たの!だからお返し!」
唇にはできなかったからほっぺたにしちゃったけど、ゼイン、固まっちゃった。
まあいいや、プリンが僕を待ってる!
「早く行くよ~」
「あれは…反則だ………」
「殿下、本当に結婚まで待てますか?」
ロバートがニヤニヤと面白そうにしながら尋ねる。
「煩い、黙れ。」
「おお怖い。」
あんなに無邪気に笑ってキスするなんて……。将来が恐ろしいな…。
※※※※※※※※※※※
お気に入り300ありがとうございます😊
100の時点で書き始めてたのですが、予想以上に伸びまくっておりましてタイトル100→200→300と変えてました🤣
さて、今回はゼインが幼くなってしまうというご都合でしたがいかがでしたでしょうか?
小さくなってもゼインはゼインでしたね😊
ルカくん好き好きゼインは永遠に、でした🫣
そしてルカくんが見た夢は本当に夢だったのか。気になりますね。
今後もどうぞ今作品をよろしくお願いします🙇
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