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11.ごめんなさい。
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「おい、さっさと起きろ。……………ちっ、おい!」
バキッ
「カヒュッ…ゲホッ、ゲホゲホッ…!」
痛い。どこここ。お腹がジンジンする…。怖い。助けて…。
「やっと起きたか…。くそっ、あのジジイも好き者だよな、ガキを痛めつけた状態で犯すなんてよ。」
どういうこと…?
「こ、ここはどこですか…、あなた達は誰ですか…!」
「あぁ?ここはノルン侯爵家の地下室。お前今からあの好色ジジイに犯されんだ。……悪く思うなよ。」
ドンッ、バキッ、ガンッ
後ろで手を縛られているために力任せに蹴られている腹と顔は守れず、されるがままになってしまった。
「がはっ、ごめ、なさ…!いだっ……!!やめてぇえっ…!あがっ!ああっ!!いだい!!ごめんなさっ…!ゆるじで…!!!」
『お前なんて産まれなければよかったのに』
やめて。そんなこといわないで。
『お前が母親を殺したんだ』
ごめんなさい。許してください。
バシッ、ゴキッ
「ゴホッ、ヒュッ……!ご…べ…なさ…。ごべなさい、ごめん…なさ…ごめんなさ…ご…っげほ…なさ…い…、ぉめんなさい、ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…」
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
「なんだこのガキ…気色悪…もうこの辺でいいだろ…あとはあのジジイに任せるか。」
口からは血を流し、目の焦点は合わず、腕や足はあらぬ方向へ向かっている。虚ろになりながら呪文のように謝罪を繰り返す幼児は端からみれば異様としか言えぬ光景だった。
「おおぉ~……やっと私の手に入ったか…長いあいだ待つ甲斐があったよ…良い具合に壊してくれたね、ありがとう。しかし煩いな…猿轡をしろ」
腕の縄は解かれたが、今度は口に布が詰め込まれて声が出ないようにされた。そしてゆっくりと服を剥いでいき、傷が付いた胸や足を舐めるように眺めていた。
「さぁ、ルカくん…オジサンと良いことをしようか…」
そうしてルカに伸ばされた手は、宙へと飛び跳ねた。
「ぐっ、ぎゃああああああ!!!手が!!!ああああああ!!」
「ユースト・ノルン!公爵家令息並びに第二王子婚約者の誘拐と暴行、その他の子供の誘拐、殺人、性的暴行で捕まえる!弁明の余地はないと思え!」
地下室に大勢の騎士がなだれ込む。侯爵の手を切り落としたのは、ゼインだった。
「ぐああああああ、くそっくそおおお!!」
侯爵は断末魔を上げながら騎士に連れて行かれた。そしてルカに近づくゼイン。
「ルカ…ルカ…!ごめんね、来るのが遅くなってしまった…!こんなものつけられて…ごめんね…!すぐに治してあげるから…!」
ハラハラと頬を濡らしながら懐から魔道具を取り出す。それはルカの父が何かあったときのために、と長年かけて完成させたものだった。病気は治せないが、外傷は全て治すことの出来る国宝級の魔道具だった。
「お願いだから…こっちを見て、ルカ………!」
その声は、届かない。
✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿
~ゼインSide~
ルカから可愛らしく脅されて渋々執務をこなしているときだった。侍従から中庭へ花を見に出たと聞いて、新しく植えられた薔薇が気になったのだろうと微笑ましく思っていた。そんな時に。
「殿下!!ルカ様が!!!」
執務室の扉を勢いよく開けて入ってきたのは、ルカに付けていた影。
ルカが、攫われた。
眼前が怒りで真っ赤に染まるようだった。
急いで公爵家へ連絡すると、ルカに付けた魔道具が機能していないとのことだった。ルカの侍従と護衛騎士達は気絶させられており、中庭にそのまま放置されていたらしい。
「只今もう一人影がルカ様について行っております!そいつは今ノルン侯爵家に向かっているようです!」
やはりあいつか…!!!
「早急に追え!令状を取ってくる!」
間に合え、間に合え、間に合え!!!
ルカの誘拐発覚から1時間でノルン侯爵家へついた。どうやら家主は地下室にいるらしい、執事が青くなりながらもホッとした様子で伝えてきた。
地下室のドアを開けるとそこには裸にされ、口には猿轡、タラリと口元からこぼれ落ちている血、殴られたのか腫れてしまった顔、腕、腹、足。そして向いてはいけない方向へ曲がってしまった左腕と右足。光無く空を見つめるエメラルドの瞳…。
「さぁ、ルカくん…オジサンと良いことをしようか…」
でっぷりと肥えた汚らわしいバケモノがルカに触ろうとしていた。
その気持ちの悪い手をどけろ!!!!
怒りのままに剣を振るう。聞くに堪えない醜い叫び声が聞こえるが、ルカの父上から頂いた魔道具でルカの傷を癒さねば…!
ルカ…頼むから私を見てくれ…!その愛らしい瞳で、愛らしい声で、愛らしい微笑みを私に向けてくれ…!!
猿轡を外し、魔道具を起動させる。傷はどんどん治り、折れた骨も治っていくが、闇に堕ちた瞳は輝きを取り戻すことなく閉じられた。
「あああああっ…!!ルカ…!ルカ…!!」
傷の無くなった体を抱きしめても、抱きしめ返されることはなかった。
※※※※※※※※※※
ルカくん死んでないです。
死んだら物語終わっちゃいますからね。
え、これネタバレ?
いいえ、違います。ネタバレじゃないです。
バキッ
「カヒュッ…ゲホッ、ゲホゲホッ…!」
痛い。どこここ。お腹がジンジンする…。怖い。助けて…。
「やっと起きたか…。くそっ、あのジジイも好き者だよな、ガキを痛めつけた状態で犯すなんてよ。」
どういうこと…?
「こ、ここはどこですか…、あなた達は誰ですか…!」
「あぁ?ここはノルン侯爵家の地下室。お前今からあの好色ジジイに犯されんだ。……悪く思うなよ。」
ドンッ、バキッ、ガンッ
後ろで手を縛られているために力任せに蹴られている腹と顔は守れず、されるがままになってしまった。
「がはっ、ごめ、なさ…!いだっ……!!やめてぇえっ…!あがっ!ああっ!!いだい!!ごめんなさっ…!ゆるじで…!!!」
『お前なんて産まれなければよかったのに』
やめて。そんなこといわないで。
『お前が母親を殺したんだ』
ごめんなさい。許してください。
バシッ、ゴキッ
「ゴホッ、ヒュッ……!ご…べ…なさ…。ごべなさい、ごめん…なさ…ごめんなさ…ご…っげほ…なさ…い…、ぉめんなさい、ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…」
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
「なんだこのガキ…気色悪…もうこの辺でいいだろ…あとはあのジジイに任せるか。」
口からは血を流し、目の焦点は合わず、腕や足はあらぬ方向へ向かっている。虚ろになりながら呪文のように謝罪を繰り返す幼児は端からみれば異様としか言えぬ光景だった。
「おおぉ~……やっと私の手に入ったか…長いあいだ待つ甲斐があったよ…良い具合に壊してくれたね、ありがとう。しかし煩いな…猿轡をしろ」
腕の縄は解かれたが、今度は口に布が詰め込まれて声が出ないようにされた。そしてゆっくりと服を剥いでいき、傷が付いた胸や足を舐めるように眺めていた。
「さぁ、ルカくん…オジサンと良いことをしようか…」
そうしてルカに伸ばされた手は、宙へと飛び跳ねた。
「ぐっ、ぎゃああああああ!!!手が!!!ああああああ!!」
「ユースト・ノルン!公爵家令息並びに第二王子婚約者の誘拐と暴行、その他の子供の誘拐、殺人、性的暴行で捕まえる!弁明の余地はないと思え!」
地下室に大勢の騎士がなだれ込む。侯爵の手を切り落としたのは、ゼインだった。
「ぐああああああ、くそっくそおおお!!」
侯爵は断末魔を上げながら騎士に連れて行かれた。そしてルカに近づくゼイン。
「ルカ…ルカ…!ごめんね、来るのが遅くなってしまった…!こんなものつけられて…ごめんね…!すぐに治してあげるから…!」
ハラハラと頬を濡らしながら懐から魔道具を取り出す。それはルカの父が何かあったときのために、と長年かけて完成させたものだった。病気は治せないが、外傷は全て治すことの出来る国宝級の魔道具だった。
「お願いだから…こっちを見て、ルカ………!」
その声は、届かない。
✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿
~ゼインSide~
ルカから可愛らしく脅されて渋々執務をこなしているときだった。侍従から中庭へ花を見に出たと聞いて、新しく植えられた薔薇が気になったのだろうと微笑ましく思っていた。そんな時に。
「殿下!!ルカ様が!!!」
執務室の扉を勢いよく開けて入ってきたのは、ルカに付けていた影。
ルカが、攫われた。
眼前が怒りで真っ赤に染まるようだった。
急いで公爵家へ連絡すると、ルカに付けた魔道具が機能していないとのことだった。ルカの侍従と護衛騎士達は気絶させられており、中庭にそのまま放置されていたらしい。
「只今もう一人影がルカ様について行っております!そいつは今ノルン侯爵家に向かっているようです!」
やはりあいつか…!!!
「早急に追え!令状を取ってくる!」
間に合え、間に合え、間に合え!!!
ルカの誘拐発覚から1時間でノルン侯爵家へついた。どうやら家主は地下室にいるらしい、執事が青くなりながらもホッとした様子で伝えてきた。
地下室のドアを開けるとそこには裸にされ、口には猿轡、タラリと口元からこぼれ落ちている血、殴られたのか腫れてしまった顔、腕、腹、足。そして向いてはいけない方向へ曲がってしまった左腕と右足。光無く空を見つめるエメラルドの瞳…。
「さぁ、ルカくん…オジサンと良いことをしようか…」
でっぷりと肥えた汚らわしいバケモノがルカに触ろうとしていた。
その気持ちの悪い手をどけろ!!!!
怒りのままに剣を振るう。聞くに堪えない醜い叫び声が聞こえるが、ルカの父上から頂いた魔道具でルカの傷を癒さねば…!
ルカ…頼むから私を見てくれ…!その愛らしい瞳で、愛らしい声で、愛らしい微笑みを私に向けてくれ…!!
猿轡を外し、魔道具を起動させる。傷はどんどん治り、折れた骨も治っていくが、闇に堕ちた瞳は輝きを取り戻すことなく閉じられた。
「あああああっ…!!ルカ…!ルカ…!!」
傷の無くなった体を抱きしめても、抱きしめ返されることはなかった。
※※※※※※※※※※
ルカくん死んでないです。
死んだら物語終わっちゃいますからね。
え、これネタバレ?
いいえ、違います。ネタバレじゃないです。
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