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26.これは監禁ですか?
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あれから一週間経つが…めっちゃ快適~~~!!
「なんですかこれ?!」
「ふふ、シンが好きそうなもの集めてみました。猫のぬいぐるみに、犬の等身大のぬいぐるみ、熊、フェレット、うさぎのぬいぐるみ。好きでしょう?」
ん"ん"!好きですが!!
前世では男だし大人だから買っちゃいけない…と思ってたからすごく嬉しいですありがとうございます!!
「はい、お茶を淹れましたよ。レディーグレイです。ミルクもありますからね。あとフルーツタルト、作ってみました。感想聞かせてくださいね。」
え?!自分で作ったの?!このタルト!お店レベルじゃん…。
「てか何ですかこのハイスペ!!」
「おや、褒めてもらって嬉しいです。ありがとうございます。」
あれから特に嫌なことをされるわけでもなく、ただ美味しいご飯、美味しいお菓子を食べさせてもらったり、かわいい動物のぬいぐるみ、邪神が使役してる猫の魔獣を触らせてもらったり…。鎖は伸縮自在のようで、短く見えるけどこの屋敷の中ならどこでも行けるという便利さ。
これ僕ここに一生住んでもいいかも…。いやいや、旦那様達の元へ帰らないと。
「なんでここまで良くしてくれるの?」
そう尋ねると、パズズは柔らかく微笑んで言った。
「貴方を愛しているからですよ。」
やっぱり…ヤンデレになったオベロンじゃないか。
「愛してるなら僕を帰してよ。」
「そしたら貴方、逃げて私の前に二度と姿を現さないでしょう?」
そりゃ軟禁されたらねぇ…。もういっそのことこの人も僕と結婚したら収まるんじゃないこれ?
「おや、結婚してくださるのですか?」
あ…心の声聞こえてるんだった。
「だって、パズズは手に入れたおもちゃを無くすのが許せないんでしょ。それだったら切ることができない契約を結んで側にいるほうがいいじゃないか。」
するとパズズは目を丸くしてこちらを凝視する。
「貴方意外と男らしいのですね。よろしい、でしたら結婚しましょう!ふふふ、愛らしい貴方との結婚生活…。存分に愛させてもらいますね?」
美中年が恍惚とした笑みを浮かべているのは、とてもゾクゾクしたものがあったが…
そうか…結婚したということはそういう事をしなければならないわけで…。まあオベロンとはしてないけど…。
仕方ない、腹を決めよう。
「わかった……」
✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿
精霊の国にて
『精霊王様~!愛し子の気配、ちょっとわかったよ~!』
『ラン…私も見つけましたが…。あそこはたかが精霊王では行けないところです…。』
頭を抱えて蹲っているオベロンの周りには数多の精霊が王と愛し子を助けようとしていた。
「なぁ、他の神に助けを求めることはできねぇのか。」
精霊の助けを借りやすいこの国に、ダレンとザックはオベロンと共に来ていた。
『邪神は、創造神レベルの神でなければ対応できません。彼の作った結界の中には、創造神しか入ることができないのですよ。』
「じゃあ創造神を呼んでください、精霊王。私達のシンが、今頃どんな目に遭っているのかもわからないのにこんなにチンタラできない!!」
普段は冷静なザックが焦りと恐怖に顔を染めてオベロンに詰め寄る。しかしオベロンは沈痛な面持ちで信じられないようなことを言った。
『あの神は…これくらいのことでは私に手を貸しません…。それこそ世界の終わりになるくらいのことがなければ。』
ザックはそれを聞いて何か考えるように顎に手を当てる。
「ダレン、あいつを呼ぶぞ。精霊王、世界を終わらせたらいいのですね?終わらせようか、この世界を。」
澱んだ瞳でゆらり、と立ち上がり上級魔法の転移を使ってザックはどこかへと消え去る。
『あいつ、とは?』
「ちょっとした知り合いで、おそらく冒険者の中では最も強い竜人。そいつ一人で世界の半分は壊せるだろうな。そんなあいつでも一度ヘマをして俺達が助けたことがある。だから俺達に何か困ったことがあれば一度だけ助けるという契約を交わしたんだ。」
『や、やばいじゃねぇかよ!オイラこの世界壊されるのやだよぉ~!愛し子のためとはいえあいつもこんな事望んでないよぉ~!』
ランが半泣きで精霊王に泣きつくが、精霊王もダレンも、ザック同様に瞳が濁りきっていて話を聞こうとはしなかった。
(あぁぁぁあ……やばいよ愛し子!お前が帰ってこないとオイラたちの楽園が壊されちまう!!)
シンが邪神の元で快適に暮らしていると知らない彼らは、どうやって連れ戻すかそればかり考えていた。
※※※※※※※※※※※
すみません、更新遅くなっております。
保護猫ちゃんの準備で今てんやわんやなのです…!
あと書き溜めしております。
「なんですかこれ?!」
「ふふ、シンが好きそうなもの集めてみました。猫のぬいぐるみに、犬の等身大のぬいぐるみ、熊、フェレット、うさぎのぬいぐるみ。好きでしょう?」
ん"ん"!好きですが!!
前世では男だし大人だから買っちゃいけない…と思ってたからすごく嬉しいですありがとうございます!!
「はい、お茶を淹れましたよ。レディーグレイです。ミルクもありますからね。あとフルーツタルト、作ってみました。感想聞かせてくださいね。」
え?!自分で作ったの?!このタルト!お店レベルじゃん…。
「てか何ですかこのハイスペ!!」
「おや、褒めてもらって嬉しいです。ありがとうございます。」
あれから特に嫌なことをされるわけでもなく、ただ美味しいご飯、美味しいお菓子を食べさせてもらったり、かわいい動物のぬいぐるみ、邪神が使役してる猫の魔獣を触らせてもらったり…。鎖は伸縮自在のようで、短く見えるけどこの屋敷の中ならどこでも行けるという便利さ。
これ僕ここに一生住んでもいいかも…。いやいや、旦那様達の元へ帰らないと。
「なんでここまで良くしてくれるの?」
そう尋ねると、パズズは柔らかく微笑んで言った。
「貴方を愛しているからですよ。」
やっぱり…ヤンデレになったオベロンじゃないか。
「愛してるなら僕を帰してよ。」
「そしたら貴方、逃げて私の前に二度と姿を現さないでしょう?」
そりゃ軟禁されたらねぇ…。もういっそのことこの人も僕と結婚したら収まるんじゃないこれ?
「おや、結婚してくださるのですか?」
あ…心の声聞こえてるんだった。
「だって、パズズは手に入れたおもちゃを無くすのが許せないんでしょ。それだったら切ることができない契約を結んで側にいるほうがいいじゃないか。」
するとパズズは目を丸くしてこちらを凝視する。
「貴方意外と男らしいのですね。よろしい、でしたら結婚しましょう!ふふふ、愛らしい貴方との結婚生活…。存分に愛させてもらいますね?」
美中年が恍惚とした笑みを浮かべているのは、とてもゾクゾクしたものがあったが…
そうか…結婚したということはそういう事をしなければならないわけで…。まあオベロンとはしてないけど…。
仕方ない、腹を決めよう。
「わかった……」
✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿
精霊の国にて
『精霊王様~!愛し子の気配、ちょっとわかったよ~!』
『ラン…私も見つけましたが…。あそこはたかが精霊王では行けないところです…。』
頭を抱えて蹲っているオベロンの周りには数多の精霊が王と愛し子を助けようとしていた。
「なぁ、他の神に助けを求めることはできねぇのか。」
精霊の助けを借りやすいこの国に、ダレンとザックはオベロンと共に来ていた。
『邪神は、創造神レベルの神でなければ対応できません。彼の作った結界の中には、創造神しか入ることができないのですよ。』
「じゃあ創造神を呼んでください、精霊王。私達のシンが、今頃どんな目に遭っているのかもわからないのにこんなにチンタラできない!!」
普段は冷静なザックが焦りと恐怖に顔を染めてオベロンに詰め寄る。しかしオベロンは沈痛な面持ちで信じられないようなことを言った。
『あの神は…これくらいのことでは私に手を貸しません…。それこそ世界の終わりになるくらいのことがなければ。』
ザックはそれを聞いて何か考えるように顎に手を当てる。
「ダレン、あいつを呼ぶぞ。精霊王、世界を終わらせたらいいのですね?終わらせようか、この世界を。」
澱んだ瞳でゆらり、と立ち上がり上級魔法の転移を使ってザックはどこかへと消え去る。
『あいつ、とは?』
「ちょっとした知り合いで、おそらく冒険者の中では最も強い竜人。そいつ一人で世界の半分は壊せるだろうな。そんなあいつでも一度ヘマをして俺達が助けたことがある。だから俺達に何か困ったことがあれば一度だけ助けるという契約を交わしたんだ。」
『や、やばいじゃねぇかよ!オイラこの世界壊されるのやだよぉ~!愛し子のためとはいえあいつもこんな事望んでないよぉ~!』
ランが半泣きで精霊王に泣きつくが、精霊王もダレンも、ザック同様に瞳が濁りきっていて話を聞こうとはしなかった。
(あぁぁぁあ……やばいよ愛し子!お前が帰ってこないとオイラたちの楽園が壊されちまう!!)
シンが邪神の元で快適に暮らしていると知らない彼らは、どうやって連れ戻すかそればかり考えていた。
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すみません、更新遅くなっております。
保護猫ちゃんの準備で今てんやわんやなのです…!
あと書き溜めしております。
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