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12.変な精霊王…?
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やっぱり2人はSランクなだけあって流れるように敵を屠って行く…すごい…僕は結界を張って二人の間からすり抜けてきた魔物にメラゾ◯マを当てるだけだ…。
「ふぅ…これで全部か…?」
「あぁ、そうだね、ついでだし素材取っていこう」
2人は息が切れている様子もなくさっさと次に行動を移していた。
「…………あのさぁ…、ツッコむのが怖くてツッコめなかったんたが…シン…お前さっきの火柱は何なんだ…?!」
「それを聞くか、ダレン…私はスルーしようとしてたのに…!!」
はぇ…、メラゾー◯のこと…?
「えっと…イメージが大切だって言われたので、前の世界でのゲーム…架空の物語で出てきた魔法をイメージしてみました!」
そう言うと2人は目を開いて固まってしまった。
「いや…そうだな…シンは魔力量が∞、尚且つ想像力もあるから…出来ても何も不思議じゃない…。だが普通はあそこまで大きな火柱を起こそうとしたら私でも5発で魔力切れを起こしてしまう。だから、ここぞというときにしか使ってはだめだぞ?」
「はぁい…ごめんなさい…」
そうだよな、こんなにぽんぽん発動させてたら人に見られた時に説明ができない。馬鹿正直に言えば二人が懸念しているように僕はあっという間に追われる存在になってしまうだろう。そうしたら念願の逆ハーレムだって出来なくなるんだ…!それにまだ獣人と精霊しか見てない…。竜人も、魔族も会ったことがないから会いたいし…。
グルグルと考え込んでいると、いつの間にか二人が目の前に来てザックさんが頬に手を当てた。
その手の温かさに思わずすり寄ると、ザックさんは驚きつつも僕の好きなようにさせてくれた。
「まるで猫だな」
ダレンがシンには聞こえないように独りごつ。
「シン…謝らなくて良い。私達はシンに初めて会った日に守ると誓ったんだ。だからシンには多少は気をつけてほしいけど、自分の好きに生きてもほしいんだよ。」
優しく穏やかに投げかけられる言葉。本当に願ってくれているようで、心にまっすぐと届いた。
「はい、ありがとうございます、お二人共。」
心地よい。この二人に出会ってからそんなに時間が経っていないのに、どんどん心が惹かれていく。転生した理由は不純も良いところなものだったが、この二人に会えて良かったと心底思えた。
「ふふ…好きだなぁ…」
ハッと口を押さえる。思わず口から出てしまった言葉はしっかり二人の耳にも届いていた。
「シン、それは……」
ダレンさんが何か言う前に泉の事を!!
「いっ、いずみ!!!お二人共泉からあの方を出しましょう!!」
僕の勢いに押されたのか2人はその話題には触れず、側の泉に向かって歩き始めた。
近づけば近づくほど思いが聞こえてくる。僕はいつの間にか涙が出ていたようで、前を歩くザックさんにハンカチで優しく顔を拭かれた。
「大丈夫だからね。すぐに彼を出してあげよう。」
泉に着くと、魔物を減らしたからだろうか、心做しか泉の透明度が上がっている気がする。底が見えそうなほどまではないが、頑張って目を凝らせば少し深いところまでは見れるくらいだ。
「ザック!シン!いたぞ!」
少し離れていたところでダレンさんが見つけてくれたようだ!
ダレンさんは服が濡れるのも構わず薄汚れた泉へ入る。そしてそこから引っ張り出したのは水を含んで膨張した死体だった。
すると泉がどんどん透明になっていくではないか。空気も重かったのが清浄になっていき、雲もなくなって辺りはとても明るく暖かな場所へと変貌していった。
「泉が…!」
『おおおおお~!!!ありがとう愛し子達~!!!これでオイラ達の住処が戻ったぞ~!!』
そう叫びながら森を飛び回ってきたのはランだった。そしてその後ろに多数の人型…。
『『『愛し子ありがとう~!!』』』
みんなランと同じように羽が生えて飛んでいる。
「もしかして…みんなも精霊…?」
『そうだよ!』
『そう~!』
『そうにゃん』
『こいつらずっと愛し子の側にいた奴らだぜ!急に何人も精霊が姿を現したらお前混乱するだろ?だから代表としてオイラだけが出てきたんだ!』
えっへん、と胸を張るラン。
『こいつに負けたの~!じゃんけんで!』
『そう~!』
『そうにゃん』
じゃんけんして代表きめてたんだ…
思わず遠い目になる僕達。
『というか…早くそいつをどうにかしてあげてくれ、まだ瘴気が出てる。泉から出たからとりあえずは収まったが…』
「シンは見るな、ザック、マジックバッグ出してくれ、入れる。」
ザックさんは僕が死体を見ないようにと片腕で目を隠しながら、もう片腕で器用にゴソゴソとマジックバッグを出していた。
「………よし、この死体はギルドに持っていって身元と何故こんなに瘴気を発しているのか確認させよう。」
「ああ、わかった。シン、もう大丈夫だよ、ごめんね。」
そう言いながら腕を外されるともうそこには何もなかった。……気にしないようにしよう。
『そうだ!言うの忘れてたぜ!これから礼を言いに精霊王がここに来てくれるって!』
『来てくれるって!』
『くれるって!』
『くれるにゃん』
え…精霊王がここに…?!
『紹介が遅いですよ、ラン。いつ出ようかと思ってたんですから。』
そう後ろから急に声をかけてきたのは、明るい金髪で同じく金の瞳を持った美青年だった。まるで春の陽だまりがそのまま人となったような雰囲気で、ずっと側にいたいと思えるほどであった。
ダレンやザックは背が高く、180程はあるだろうと推測していたが、この精霊王は2人よりも高かった。
「こ、この人が精霊王……」
「あ…あぅ…えと………は、初めまして?精霊王様?」
ふんわりと優しく微笑む精霊王。
『ええ、初めまして、我らが愛し子。』
そう言われたと思ったら精霊王が近づいてきて抱き上げてきた…!!
「え、わわっ…!」
『ふふ、やっぱり可愛いですね、シン。』
そう歌を歌うように僕に語りかけると精霊王は僕にキスをする。
「んんっ…?!んむっ…は、はぁっ…!ちょ…!!んぅっ…!」
しかもディープなやつ。助けてくれ…二人共…!!
「「シン!!」」
ベリッと音がしそうな勢いでダレンが僕を、ザックが精霊王を剥がす。
『おや…邪魔をしないでくださいよ。私達は夫婦なのですから、キスの1つや2つくらい良いじゃないですか』
何を言っているんだこいつは…?
「ふぅ…これで全部か…?」
「あぁ、そうだね、ついでだし素材取っていこう」
2人は息が切れている様子もなくさっさと次に行動を移していた。
「…………あのさぁ…、ツッコむのが怖くてツッコめなかったんたが…シン…お前さっきの火柱は何なんだ…?!」
「それを聞くか、ダレン…私はスルーしようとしてたのに…!!」
はぇ…、メラゾー◯のこと…?
「えっと…イメージが大切だって言われたので、前の世界でのゲーム…架空の物語で出てきた魔法をイメージしてみました!」
そう言うと2人は目を開いて固まってしまった。
「いや…そうだな…シンは魔力量が∞、尚且つ想像力もあるから…出来ても何も不思議じゃない…。だが普通はあそこまで大きな火柱を起こそうとしたら私でも5発で魔力切れを起こしてしまう。だから、ここぞというときにしか使ってはだめだぞ?」
「はぁい…ごめんなさい…」
そうだよな、こんなにぽんぽん発動させてたら人に見られた時に説明ができない。馬鹿正直に言えば二人が懸念しているように僕はあっという間に追われる存在になってしまうだろう。そうしたら念願の逆ハーレムだって出来なくなるんだ…!それにまだ獣人と精霊しか見てない…。竜人も、魔族も会ったことがないから会いたいし…。
グルグルと考え込んでいると、いつの間にか二人が目の前に来てザックさんが頬に手を当てた。
その手の温かさに思わずすり寄ると、ザックさんは驚きつつも僕の好きなようにさせてくれた。
「まるで猫だな」
ダレンがシンには聞こえないように独りごつ。
「シン…謝らなくて良い。私達はシンに初めて会った日に守ると誓ったんだ。だからシンには多少は気をつけてほしいけど、自分の好きに生きてもほしいんだよ。」
優しく穏やかに投げかけられる言葉。本当に願ってくれているようで、心にまっすぐと届いた。
「はい、ありがとうございます、お二人共。」
心地よい。この二人に出会ってからそんなに時間が経っていないのに、どんどん心が惹かれていく。転生した理由は不純も良いところなものだったが、この二人に会えて良かったと心底思えた。
「ふふ…好きだなぁ…」
ハッと口を押さえる。思わず口から出てしまった言葉はしっかり二人の耳にも届いていた。
「シン、それは……」
ダレンさんが何か言う前に泉の事を!!
「いっ、いずみ!!!お二人共泉からあの方を出しましょう!!」
僕の勢いに押されたのか2人はその話題には触れず、側の泉に向かって歩き始めた。
近づけば近づくほど思いが聞こえてくる。僕はいつの間にか涙が出ていたようで、前を歩くザックさんにハンカチで優しく顔を拭かれた。
「大丈夫だからね。すぐに彼を出してあげよう。」
泉に着くと、魔物を減らしたからだろうか、心做しか泉の透明度が上がっている気がする。底が見えそうなほどまではないが、頑張って目を凝らせば少し深いところまでは見れるくらいだ。
「ザック!シン!いたぞ!」
少し離れていたところでダレンさんが見つけてくれたようだ!
ダレンさんは服が濡れるのも構わず薄汚れた泉へ入る。そしてそこから引っ張り出したのは水を含んで膨張した死体だった。
すると泉がどんどん透明になっていくではないか。空気も重かったのが清浄になっていき、雲もなくなって辺りはとても明るく暖かな場所へと変貌していった。
「泉が…!」
『おおおおお~!!!ありがとう愛し子達~!!!これでオイラ達の住処が戻ったぞ~!!』
そう叫びながら森を飛び回ってきたのはランだった。そしてその後ろに多数の人型…。
『『『愛し子ありがとう~!!』』』
みんなランと同じように羽が生えて飛んでいる。
「もしかして…みんなも精霊…?」
『そうだよ!』
『そう~!』
『そうにゃん』
『こいつらずっと愛し子の側にいた奴らだぜ!急に何人も精霊が姿を現したらお前混乱するだろ?だから代表としてオイラだけが出てきたんだ!』
えっへん、と胸を張るラン。
『こいつに負けたの~!じゃんけんで!』
『そう~!』
『そうにゃん』
じゃんけんして代表きめてたんだ…
思わず遠い目になる僕達。
『というか…早くそいつをどうにかしてあげてくれ、まだ瘴気が出てる。泉から出たからとりあえずは収まったが…』
「シンは見るな、ザック、マジックバッグ出してくれ、入れる。」
ザックさんは僕が死体を見ないようにと片腕で目を隠しながら、もう片腕で器用にゴソゴソとマジックバッグを出していた。
「………よし、この死体はギルドに持っていって身元と何故こんなに瘴気を発しているのか確認させよう。」
「ああ、わかった。シン、もう大丈夫だよ、ごめんね。」
そう言いながら腕を外されるともうそこには何もなかった。……気にしないようにしよう。
『そうだ!言うの忘れてたぜ!これから礼を言いに精霊王がここに来てくれるって!』
『来てくれるって!』
『くれるって!』
『くれるにゃん』
え…精霊王がここに…?!
『紹介が遅いですよ、ラン。いつ出ようかと思ってたんですから。』
そう後ろから急に声をかけてきたのは、明るい金髪で同じく金の瞳を持った美青年だった。まるで春の陽だまりがそのまま人となったような雰囲気で、ずっと側にいたいと思えるほどであった。
ダレンやザックは背が高く、180程はあるだろうと推測していたが、この精霊王は2人よりも高かった。
「こ、この人が精霊王……」
「あ…あぅ…えと………は、初めまして?精霊王様?」
ふんわりと優しく微笑む精霊王。
『ええ、初めまして、我らが愛し子。』
そう言われたと思ったら精霊王が近づいてきて抱き上げてきた…!!
「え、わわっ…!」
『ふふ、やっぱり可愛いですね、シン。』
そう歌を歌うように僕に語りかけると精霊王は僕にキスをする。
「んんっ…?!んむっ…は、はぁっ…!ちょ…!!んぅっ…!」
しかもディープなやつ。助けてくれ…二人共…!!
「「シン!!」」
ベリッと音がしそうな勢いでダレンが僕を、ザックが精霊王を剥がす。
『おや…邪魔をしないでくださいよ。私達は夫婦なのですから、キスの1つや2つくらい良いじゃないですか』
何を言っているんだこいつは…?
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