君が望むなら、俺が全部叶えてみせる

都立冨澤大学附属高校

夢のお茶会2 湊side

「え？」

この人は何を言っているのだろう
高校3年の、たった今進学先が決まった俺に
バイトを…？

俺は混乱したまま静止していた

そんな俺の気が伝わったのか
慌てた様子で先輩が弁解をする

「いや、あの、店長がね！！湊くん可愛いから1時間ぐらい窓際で本読んでくれれば満足（ゴホンッ）宣伝にもなるし、あがったら2階のフロア貸してくれるって言ってて
私、こう見えて高校を首席で卒業してるんだ、変な先生に教わるより100倍成績上げられる自信あるから…どうかな？い、今の時期、難しいかもしれないけど…」

「…宜しくお願いします！
学校のことは何とかなる秘策があるので！」

俺は二つ返事で返した
先輩の首席はもちろん、教え方が丁寧でも有名だった
そんな中村先輩直々に勉強を教えてもらえるなんて奇跡と言っても過言じゃない
やっと、俺の将来が見えたんだ
絶対に叶えてみせるんだ

まあ、高校3年生の今の時期からバイトを始めるなんて、あの進学校が許可するわけないだろう
ふふふ、だが俺には秘策がある
…難しいのは一般的な家庭の場合だ

今、自分の保護者は血の繋がらない祖父母だけだなのだ
学校へ詳しくは伝えてはいないが、遺産だけで暮らしている事は把握しているはず
先生に、大学受験を考えているけど
生活費が厳しい…とかなんとかいえばいける気がする


いや、なんとかするんだ。晴臣くんとの未来の為に
もしその未来の晴臣くんの横に俺が居なくても
晴臣くんの横に別な人が居たとしても
俺が晴臣くんを支えられる仕事につけば
ずっと、そばには居られるかもしれない

俺は先輩の手を握り締めて握手をする

「先輩、俺、頑張ります！明日からでも来ます！」

「ふふふ、ありがとう。
じゃあまた放課後、シフトは都度調整きくから無理しない程度に頑張ろうね」

俺は、先輩に手を振り
明日からのバイト先を後にした


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その足で、クラス担任と学年主任に
バイトを直談判しに行った

結構渋られたが、最終的に中村先輩と一緒だと伝えると

①成績を現状より必ず上げる事
②成績を少しでも落としたらバイト中止
③他生徒へ他言厳禁

誓約書まで書かされた上で許可を貰った