君が望むなら、俺が全部叶えてみせる

都立冨澤大学附属高校

俺の救世主 湊side （高3春）

《高校3年生・4月》

春休みが明け、教室の窓の外には例年と変わらず盛大に桜が咲き誇っていた

今年でここの桜を見るのも最後か

そんな感傷に浸りながら俺は自分のスマホを取り出してLINEの画面を繰り返し開く

晴臣くんからの連絡は先月、迷惑だと言い渡された日から1度もない

今までは冷たい態度をとられても
恋人だから、大好きだから
と一方的にLINEを送っていたが
迷惑だとハッキリ言われてしまうと
中々送信ボタンを押す勇気が出なかった

「はあ…」

机に突っ伏すと、大きなため息をついた後
そのまま睡魔に襲われるがまま意識を手放した

♪ﾋﾟｺﾝ

浩太郎
［今日の放課後、少し時間を貰いたい］

湊がそのLINEに気がついたのは
既に6限目が終わった頃だった








ーーーーーおまけーーーーー

（湊が眠ってる頃のクラスでは）

「ユズちゃん！大変！みなっちがしおれてる！」

「本当ね、干からびそう
そういえば大学の候補が絞れないとかなんとか言ってたわ」

「えー！みなっち頭良いから、どこでも行けそうなのにね？」

「湊がっていうよりも、彼のってとこじゃない？」

「いいなあ！もも、専門だからユズちゃんと離れ離れなっちゃう」

「モモは美容師志望だもんね。
私は大学行くけど、ももとは一緒に住むつもりだけど？」

「本当！？もう！ユズちゃん大好き！」

「…ユズモモ、授業始まるまで静かにしてあげよう」

「廉きゅんは？」

「ぼ、僕は…獣医に」

「へー意外にまともな夢があったのね」

「可愛いだろ、動物は」


春、各々の将来について
何となく語り合う3人だった




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