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都立冨澤大学附属高校
俺の任務 湊side (高2夏)
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《高校2年生・7月》
午前の授業が終わると
昼休憩の開始のチャイムが鳴る前に俺は席を立つ
今の俺は、最重要ミッションを与えられているのだ
2限目が、終わった頃に晴臣くんから
[昼キッチンカーの2つ買ってきて]
とLINEが届いた
えっと…何を、どこに?
質問したいが、何度も質問すると
彼は、もういいと面倒そうに言うのだ
さっさと買いに行こうと
教室のドアに手をかけた時後ろから
聞き馴染んだ声が聞こえる
「湊…また呼び出し?」
あからさまな嫌悪感を表情に出す廉くんに僕は あははと、少し困った様に笑う
「そんな顔しないで…大丈夫だから」
「ねえ、絶対騙されてるよ湊」
少しでも安心してもらいたくて
これは自分がしたくてしている事だと分かってもらいたくて
なんとか弁明しようとするも彼の表情は怖いままだった
悩んでいた最中
おっとりとした高め声が、俺達の会話を遮る
「まあまあ、みなっちを応援しようよ~廉きゅん」
「1回本当に痛い目見なきゃ分からんのでしょ、こうゆう馬鹿は」
俺をみなっち、廉を廉きゅんと呼ぶ
小柄でピンク色のふわふわしたカーディガンを着こなし、癖っ毛をツインに纏めた彼女は 高橋桃香、
その横に立つ、俺と大差ない身長でふんっと呆れた様な顔で俺を一瞥し、しっしっと追い払う様に手を振る彼女は、山口柚果
仲良し2人組で他の生徒達からはユズモモとセットで呼ばれることが多い2人
可愛いものが大好きな廉がモモの筆記用具を褒めたのが最初のきっかけだった
廉に絡まれているモモをみたユズが廉を軟派なやつと認定し、強く非難して罵詈雑言を浴びせたのだ
俺とモモが必死に弁解し、誤解が解ける頃には、なんだかんだ4人一緒に過ごす事が増えていた
俺が初対面の男性を苦手にしていることや
晴臣に片思いしていることも
勢いで告白して付き合えたことも
3人は揶揄う事もせず真剣に聞いてくれた
最初は喜んでくれていたが
晴臣の女性関係の事や俺への態度をみて別れるべきだと何度も諭された
彼はセフレや女友達は多いが
俺と付き合い始めて4ヶ月
ああみえて、告白は断ってくれている
誠実なひとだ
(鳳城くん遊んでるけど、珍しくいまの彼女と長いよねー)
ーーそう噂が流れているくらいには
晴臣は相手が約束を破らなければ、自分から振ることは無いと言っていた
なら、永遠なのでは?と本気で思う
カタッと響いた物音にハッとする湊
自分を心配そうに見つめる3人の姿に胸の奥がジワリと暖かくなるのを感じた
「じゃあ、明日は僕達とお昼の約束ね」
そう言って廉に差し出された小指に
俺は躊躇なく自分の小指を絡めた
晴臣くんと交際している事を
秘密にして欲しいと言った俺の願いをずっと3人は守ってくれている
中学時代にこんなに心配してくれる存在が1人もいなかった俺はとても嬉しかった
廉くんのおかげで、ユズモモとも仲良くなれたし…感謝しかないなあと染み染み思う
早く行かなくて良いのかとユズに言われてハッとする
廊下の窓ガラスから昇降口の方を見下すと
すでにキッチンカーに長い列が出来ていた
「やば!行ってきます!」
そう言って俺は早歩きで目的のキッチンカーを目指した
午前の授業が終わると
昼休憩の開始のチャイムが鳴る前に俺は席を立つ
今の俺は、最重要ミッションを与えられているのだ
2限目が、終わった頃に晴臣くんから
[昼キッチンカーの2つ買ってきて]
とLINEが届いた
えっと…何を、どこに?
質問したいが、何度も質問すると
彼は、もういいと面倒そうに言うのだ
さっさと買いに行こうと
教室のドアに手をかけた時後ろから
聞き馴染んだ声が聞こえる
「湊…また呼び出し?」
あからさまな嫌悪感を表情に出す廉くんに僕は あははと、少し困った様に笑う
「そんな顔しないで…大丈夫だから」
「ねえ、絶対騙されてるよ湊」
少しでも安心してもらいたくて
これは自分がしたくてしている事だと分かってもらいたくて
なんとか弁明しようとするも彼の表情は怖いままだった
悩んでいた最中
おっとりとした高め声が、俺達の会話を遮る
「まあまあ、みなっちを応援しようよ~廉きゅん」
「1回本当に痛い目見なきゃ分からんのでしょ、こうゆう馬鹿は」
俺をみなっち、廉を廉きゅんと呼ぶ
小柄でピンク色のふわふわしたカーディガンを着こなし、癖っ毛をツインに纏めた彼女は 高橋桃香、
その横に立つ、俺と大差ない身長でふんっと呆れた様な顔で俺を一瞥し、しっしっと追い払う様に手を振る彼女は、山口柚果
仲良し2人組で他の生徒達からはユズモモとセットで呼ばれることが多い2人
可愛いものが大好きな廉がモモの筆記用具を褒めたのが最初のきっかけだった
廉に絡まれているモモをみたユズが廉を軟派なやつと認定し、強く非難して罵詈雑言を浴びせたのだ
俺とモモが必死に弁解し、誤解が解ける頃には、なんだかんだ4人一緒に過ごす事が増えていた
俺が初対面の男性を苦手にしていることや
晴臣に片思いしていることも
勢いで告白して付き合えたことも
3人は揶揄う事もせず真剣に聞いてくれた
最初は喜んでくれていたが
晴臣の女性関係の事や俺への態度をみて別れるべきだと何度も諭された
彼はセフレや女友達は多いが
俺と付き合い始めて4ヶ月
ああみえて、告白は断ってくれている
誠実なひとだ
(鳳城くん遊んでるけど、珍しくいまの彼女と長いよねー)
ーーそう噂が流れているくらいには
晴臣は相手が約束を破らなければ、自分から振ることは無いと言っていた
なら、永遠なのでは?と本気で思う
カタッと響いた物音にハッとする湊
自分を心配そうに見つめる3人の姿に胸の奥がジワリと暖かくなるのを感じた
「じゃあ、明日は僕達とお昼の約束ね」
そう言って廉に差し出された小指に
俺は躊躇なく自分の小指を絡めた
晴臣くんと交際している事を
秘密にして欲しいと言った俺の願いをずっと3人は守ってくれている
中学時代にこんなに心配してくれる存在が1人もいなかった俺はとても嬉しかった
廉くんのおかげで、ユズモモとも仲良くなれたし…感謝しかないなあと染み染み思う
早く行かなくて良いのかとユズに言われてハッとする
廊下の窓ガラスから昇降口の方を見下すと
すでにキッチンカーに長い列が出来ていた
「やば!行ってきます!」
そう言って俺は早歩きで目的のキッチンカーを目指した
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