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都立冨澤大学附属高校
俺の切望 湊side(高2春)
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《高校2年生・4月》
入学式を翌日に控えた今日
俺は異例の2年生での生徒会長になった晴臣くんの姿をどうにか拝もうと
予行練習をする体育館に向かっていた
「晴臣くん私と付き合ってる自覚ある?」
湊は突然耳に届いた彼の名前に即座に反応した
慌てて声のする方へ駆け寄り、体育館の壁に隠れる
「まあ、付き合おうと言われたしな」
「私、私だけにしてくれないと嫌!」
「そうか、じゃあ終わりにするか」
「ーーっ!少しは迷う素振り見せられないわけ?もう、いいわよ。さようなら」
リアルタイムで彼女に振られた晴臣くんが数歩歩けば届く距離にいる!!
久々に拝めた生晴臣くんの姿
直接話せるのなんて、今しかない!
ーーー初めまして、俺佐伯湊!
よろしくね!
好きな食べ物は唐揚げ!
嫌いなのは甘いカレー!
好きな動物は猫!
昔犬飼ってたけど、散歩がしんどくて今は猫好き!
わあ!嘘みたいに似てるね俺友達になろう!
よし!!知り合いから友達のシュミレーションは完璧だ!行くぞ!
そう思った俺は勢いよく彼の目の前に立ちはだかる
「は、じ、あっえっと、晴臣くん!!
大好きです!!付き合ってください!!!!」
バーーーンッと盛大な告白に
晴臣は思わず片耳を指先で押さえた
告白を言い切り、はあはあと肩で息をする
湊はとてつもなく後悔していた
こんなつもりはなかった
ゆっくり、ゆっくり距離を縮めていくつもりだった
これじゃあ、友達ルートも絶望的だ
俺の今までの努力は一体…そう思うとブワッと涙が溢れた
「…別に良いけど、男同士で付き合って何するわけ」
ん?聞き間違いだと思った
ベツニイイ??
別にいい…!? え!!!!!
俺は何度も自分の耳と脳みそで確認する
「良いの!?!俺、本当何でもする!
して欲しい事とかなんでも言って!!
俺、晴臣くんが嫌なことなは絶対にしないから!」
湊は今、自分は世界で一幸せなんじゃないかと感じた
約3年の片思いが今実ったのだ
世間的には褒められたもので無かったとしても
俺にとっては、詐欺だと噂の祭り屋台のくじ引きで、連続一等が当たるくらいの奇跡なのだ喜ばずにはいられない
別に俺に気持ちが無いのは百も承知
そりゃそうに決まってる
でも、付き合うのを同意した今、
俺と晴臣くんは恋人同士なのだ
そう思うと、胸がキュンキュンしたし
俺の周りを桜の花びらが舞い上がった気がした
まだ咲かない桜の木々も満開に咲いてるような錯覚に陥る程に俺は歓喜していた
置いてけぼりの晴臣は、
あからさまに面倒そうな顔で佇んでいた
「俺ホモじゃないし、そうゆう行為はしねーぞ。まあ、フェラぐらいならさせてもいいけど
あと、普通に性欲はあるし女関係に口出ししたら即終わりな」
良く噂で聞いた台詞を
晴臣くんの口から直接聞けるなんて
なんて良い日なんだ、福眼ならぬ、福耳だ
「もちろん!!うんっわかった!!
大好きだよ!晴臣くん!」
「…いや、うん、まあ宜しく」
一気に疲れ切った顔をした晴臣くんは
湊に聞き出されたLINEのQRを開いた後
予行練習あるから、と
逃げる様に体育館の中に入って行った
後ろ姿が全く見えなくなるまで
湊は見つめて、熱のこもったため息を吐くのだった
新入生のみんな!!
あのかっこいい生徒会長は俺の彼氏!!
と口に出せなくとも
にやにやが止まらない晴臣は
式典の最中も終始ニコニコで
廉に何があったのかと
問いただされることになる
入学式を翌日に控えた今日
俺は異例の2年生での生徒会長になった晴臣くんの姿をどうにか拝もうと
予行練習をする体育館に向かっていた
「晴臣くん私と付き合ってる自覚ある?」
湊は突然耳に届いた彼の名前に即座に反応した
慌てて声のする方へ駆け寄り、体育館の壁に隠れる
「まあ、付き合おうと言われたしな」
「私、私だけにしてくれないと嫌!」
「そうか、じゃあ終わりにするか」
「ーーっ!少しは迷う素振り見せられないわけ?もう、いいわよ。さようなら」
リアルタイムで彼女に振られた晴臣くんが数歩歩けば届く距離にいる!!
久々に拝めた生晴臣くんの姿
直接話せるのなんて、今しかない!
ーーー初めまして、俺佐伯湊!
よろしくね!
好きな食べ物は唐揚げ!
嫌いなのは甘いカレー!
好きな動物は猫!
昔犬飼ってたけど、散歩がしんどくて今は猫好き!
わあ!嘘みたいに似てるね俺友達になろう!
よし!!知り合いから友達のシュミレーションは完璧だ!行くぞ!
そう思った俺は勢いよく彼の目の前に立ちはだかる
「は、じ、あっえっと、晴臣くん!!
大好きです!!付き合ってください!!!!」
バーーーンッと盛大な告白に
晴臣は思わず片耳を指先で押さえた
告白を言い切り、はあはあと肩で息をする
湊はとてつもなく後悔していた
こんなつもりはなかった
ゆっくり、ゆっくり距離を縮めていくつもりだった
これじゃあ、友達ルートも絶望的だ
俺の今までの努力は一体…そう思うとブワッと涙が溢れた
「…別に良いけど、男同士で付き合って何するわけ」
ん?聞き間違いだと思った
ベツニイイ??
別にいい…!? え!!!!!
俺は何度も自分の耳と脳みそで確認する
「良いの!?!俺、本当何でもする!
して欲しい事とかなんでも言って!!
俺、晴臣くんが嫌なことなは絶対にしないから!」
湊は今、自分は世界で一幸せなんじゃないかと感じた
約3年の片思いが今実ったのだ
世間的には褒められたもので無かったとしても
俺にとっては、詐欺だと噂の祭り屋台のくじ引きで、連続一等が当たるくらいの奇跡なのだ喜ばずにはいられない
別に俺に気持ちが無いのは百も承知
そりゃそうに決まってる
でも、付き合うのを同意した今、
俺と晴臣くんは恋人同士なのだ
そう思うと、胸がキュンキュンしたし
俺の周りを桜の花びらが舞い上がった気がした
まだ咲かない桜の木々も満開に咲いてるような錯覚に陥る程に俺は歓喜していた
置いてけぼりの晴臣は、
あからさまに面倒そうな顔で佇んでいた
「俺ホモじゃないし、そうゆう行為はしねーぞ。まあ、フェラぐらいならさせてもいいけど
あと、普通に性欲はあるし女関係に口出ししたら即終わりな」
良く噂で聞いた台詞を
晴臣くんの口から直接聞けるなんて
なんて良い日なんだ、福眼ならぬ、福耳だ
「もちろん!!うんっわかった!!
大好きだよ!晴臣くん!」
「…いや、うん、まあ宜しく」
一気に疲れ切った顔をした晴臣くんは
湊に聞き出されたLINEのQRを開いた後
予行練習あるから、と
逃げる様に体育館の中に入って行った
後ろ姿が全く見えなくなるまで
湊は見つめて、熱のこもったため息を吐くのだった
新入生のみんな!!
あのかっこいい生徒会長は俺の彼氏!!
と口に出せなくとも
にやにやが止まらない晴臣は
式典の最中も終始ニコニコで
廉に何があったのかと
問いただされることになる
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