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あの日のこと(中学生)湊side
俺の動機
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それからというものの、俺はクラスの授業が終われば急いで教室を飛び出し、
学校内で晴臣くんの姿を探す日々が始まった
全部で4クラスのこの学年で俺はDクラス、彼はAクラス、教室も離れており、簡単にすれ違うこともできない
だが、晴臣くんは見た目だけでなく色々と目立つ人だった
集会があれば、毎回何かしらの賞を受賞して登壇していたし
生徒会に所属しており、よく皆の前で挨拶もしていた
女達を引き連れ、廊下を歩く姿を、見たのも数回じゃない
しかし、彼は女の子には平等で
笑顔をみせる事の少ない彼は
冷酷な印象を持たせるようで
氷の王子
何て、ふざけたあだ名で呼ばれていた
なんだそれ、ちょっとかっこいい
別に女を邪険にするわけではなく
休み時間には彼の席の周りに群がる女達を
怒るわけでもなく、どうでもよさそうに過ごしていた
そんな中にもう1人長身の適度に日焼けをした男子生徒が彼の机を向きながら喋っている
呆れたような笑みを浮かべながら
彼は女の子達を自分のクラスへ戻るよう促してもいた
五十嵐浩太郎
彼は晴臣くんの幼少期からの幼馴染らしい
晴臣くんより少しだけ背の低い彼は、剣道部の主将らしい
筋肉質で制服の上からでも引き締まった身体がよく分かった
彼を光の王子と名付けたのは誰なのか
安直すぎやしないかと言いたいが
まあ、光と氷、対極のようでそうじゃない
光と氷で美しさが増すのだと
俺もそう思う。
ニコニコと、愛想の良さそうな光の彼に
氷の晴臣くんは唯一笑うんだ
いつも眉間に皺のよった彼の顔が
ふと気を抜いたような表情になる
ああ、俺も目の前で見れたら…多分失血死する
友達なんか不要だと言う考えは相変わらずだったが
晴臣くんと繋がりたい、知り合いたい、友人になりたい、あわよくば…なんて考えてしまう
嫌でも、自分の気持ちに気が付く
ああ、俺は…晴臣くんが好きなんだと
でも、他の男にはドキリともしない
なんなら嫌悪感まで湧く
きっと、晴臣くんだけ…特別
そう思うと、同性愛者の自分にショックだったが
誰かを愛せたのだと、喜びも感じた
近付きたい。知りたい。笑顔をみたい。
学校内で晴臣くんの姿を探す日々が始まった
全部で4クラスのこの学年で俺はDクラス、彼はAクラス、教室も離れており、簡単にすれ違うこともできない
だが、晴臣くんは見た目だけでなく色々と目立つ人だった
集会があれば、毎回何かしらの賞を受賞して登壇していたし
生徒会に所属しており、よく皆の前で挨拶もしていた
女達を引き連れ、廊下を歩く姿を、見たのも数回じゃない
しかし、彼は女の子には平等で
笑顔をみせる事の少ない彼は
冷酷な印象を持たせるようで
氷の王子
何て、ふざけたあだ名で呼ばれていた
なんだそれ、ちょっとかっこいい
別に女を邪険にするわけではなく
休み時間には彼の席の周りに群がる女達を
怒るわけでもなく、どうでもよさそうに過ごしていた
そんな中にもう1人長身の適度に日焼けをした男子生徒が彼の机を向きながら喋っている
呆れたような笑みを浮かべながら
彼は女の子達を自分のクラスへ戻るよう促してもいた
五十嵐浩太郎
彼は晴臣くんの幼少期からの幼馴染らしい
晴臣くんより少しだけ背の低い彼は、剣道部の主将らしい
筋肉質で制服の上からでも引き締まった身体がよく分かった
彼を光の王子と名付けたのは誰なのか
安直すぎやしないかと言いたいが
まあ、光と氷、対極のようでそうじゃない
光と氷で美しさが増すのだと
俺もそう思う。
ニコニコと、愛想の良さそうな光の彼に
氷の晴臣くんは唯一笑うんだ
いつも眉間に皺のよった彼の顔が
ふと気を抜いたような表情になる
ああ、俺も目の前で見れたら…多分失血死する
友達なんか不要だと言う考えは相変わらずだったが
晴臣くんと繋がりたい、知り合いたい、友人になりたい、あわよくば…なんて考えてしまう
嫌でも、自分の気持ちに気が付く
ああ、俺は…晴臣くんが好きなんだと
でも、他の男にはドキリともしない
なんなら嫌悪感まで湧く
きっと、晴臣くんだけ…特別
そう思うと、同性愛者の自分にショックだったが
誰かを愛せたのだと、喜びも感じた
近付きたい。知りたい。笑顔をみたい。
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