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第一章 『無能』のレッテルを貼られた僕がいかにして英雄と呼ばれるようになったか?
第二十四話 解明! 神隠し事件の不都合な『真相』!
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いっせいに女性たちの視線が集まる。
うーん、この後の展開が読めてしまうなぁ。
「やだよ。アタシらはメンドーな家事から解放され、夫のグチからも解放されたんだ。もどるもんか」
「そーよ! あの体たらくが心配するもんか!」
「あの人ったらいつもいつも飲んだくれて! 一度だって家事を手伝ったことなんてありゃしないよ!」
「だから少し困ればいいのさ! そうすれば私たちの苦労もわかるわ!」
ほらね。
「アニキ、ここはとりあえず安全そうだし、リリー姉さんを探しに行こう?」
「けどよ……」
「あの! ここで黒のロングヘア―で、褐色の肌で、耳は長くて、民族風の服と、腰に〈ナンナ・ヌー〉族が頭にかぶるような、羽かんむりを巻いた人みませんでした?」
「ああ、あの子なら、人形たちにこの先へ連れていかれたよ。なんでもこの先の主人に呼ばれてね」
「主人?」
「ああ、そうさ。ここ人形たちは主人の婚約者を探すのが仕事らしいのさ」
なるほど、だから女性ばかりをねらって……。
ん? でもちょっとまって、この遺跡相当古いよな。
「というか、その主人そもそも生きているんですかね?」
「さあね。知らないよ。アタシらはお眼鏡にかなわなかったからね」
さいですか。
「わかりました。じゃあ、僕たちは先を急ぎます」
「そうかい」
「ああ、そうそう。〈優美なるバラ〉の奥さんってここにいます?」
「ああ、それなら……」
「はい……」
奥から物静でやさしそうな女性が出てくる。息子さんとは正反対な感じ。
「あなたの息子さん、ものすごく心配していましたよ。それだけ伝えたくて」
「そうですか……でも、私はあの子にムリヤリ、あんなカッコをさせる主人のところになんてもどりたくはありません」
「ムリヤリ? えっと……お子さん、意外と生き生きというか、楽しんでましたよ?」
「え?」
「んじゃあ、これで」
よし、先を急ごう。
やっぱり、なれないことするもんじゃないね。
きざなこと言っちゃった。
顔が熱い。
「ねぇ、フィル? 宿屋の息子ってだれ? そんな子いた?」
「あ、そっか。さっき言いそびれちゃったんだっけ、ミシェルのことだよ」
「……………………………………………………………はぁぁぁぁぁーーーーっ!?」
めちゃくちゃビックリている。
ウィンが目を丸くしたところなんて初めて見た。
なんか新鮮。
「つ、つまり、えっと、てことはなに……えぇっと……まさか、フィルってオトコノコが好きだったの!?」
「ブフっ! さっきの会話でいったいどうしたらそうなるのさ!」
……なんか急に頭痛くなった。
と、とにかくさらに深部へ進むこと、およそ10分――。
ついに、リリー姉さんをみつけたんだ!
「リリーっ!」
「レヴィン!? それに二人とも――」
ガシッとアニキがリリー姉さんを抱きしめる。
「わぉっ!」
「へぇ~」
オアツイこと。
「ちょ、ちょっとレヴィン!? 二人とも見ているからはなれてってば!」
「よかった。ほんとうに……よかった」
「……はぁ……もう、しょうがないんだから」
ところでここは何の部屋なんだろう。
「リリー姉ぇはここでなにしていたの? さっき食堂みたいなところで、連れていかれたって聞いたけど」
「ああ、そうね。多分人形はお見合いさせるつもりだったんだと思うんだけど……」
あたりを見わたしても、人形の一つもいない。
「この通りすることないから、ちょっと遺跡を調べていたの」
なんでも人形たちは、〈オートマトン〉と呼ばれる古代の機械人形らしい。
主人の命令で女性たちをさらっていたとか。
「でもその主人って」
「ええ、見ての通り、亡くなっているわ」
「みたいですね」
なんか玉座っぽいものがあるけど、あるものといえばガイコツ。
「私もさっき町の人たちに聞いたけど、数日前にここへ雷が落ちたらしいの」
「雷ですか?」
「うん、遺跡って雷の精霊の力を使っているものが多いって聞くから、きっとそのせいで目覚めてしまったのね」
なんと人さわがせな。
幸い、人に危害? をあたえるようなものじゃなさそう。
リリー姉さんの話じゃ遺跡をまた眠りにつかせればだいじょうぶだって。
「そんなことより、レヴィン、そろそろはなしてくれないかしら」
「あ、ああ……」
「リリー姉さんも無事だったことだし! 帰ろう! 女性たちも連れて!」
「そうだね。問題はどうやって説得するかだね」
それが一番の問題。
まぁ、それは歩きながら考えるとするか。
――と思って、玉座を後にした次の瞬間。
BUUUH! BUUUH!
「なにこの音!?」
『内部に男と思われる生体反応を三つ検知。直ちに排除せよ、繰り返す……』
THUD! THUD! THUD! THUD! THUD!
「何か来る!?」
現れたのは、なんと!
女性たちをさらっていた人形とは2回りもデカイ機械人形だった。
「ゴ、ゴーレム!?」
「みんな来るよっ! 構えてっ!」
大型の機械人形、ゴーレムは両手を振り下ろしたっ!
――戦いが始まっておよそ10分。
KABOOOOOOOOOOOOONN!!
「きゃぁっ!」
「ぐっ!」
「下がれ二人ともっ! オレがやる! オラっ!」
GRASH!!
「くぅ! かてぇっ!!」
アニキの銃剣、【ペイルライダー】がはじかれるっ!
ゴーレムの外皮は星霊銃をもってしてもキズ一つつけるのがやっとのカタさで。
僕らは苦戦を強いられていたんだ!
『岩人の石弾!』
ZUDOOOOOOOOOOOOOON!
KALOOOOOOOOOOONK!!
「なっ!」
「うそでしょ……」
まさか、あの〈グリードウォーム〉の外皮をつらぬいた精霊術が……。
ただ、へこませるだけで終わってしまうなんて……。
「どうしようっ! フィル! レヴィン兄ぃ! リリー姉ぇっ!」
このままだとジリ貧。
弾も残り少ない。
あとはにげるしか。
でもどうやって?
あの女性たちも連れ出さなきゃならないのに?
「リリー、アレをやってくれ」
うーん、この後の展開が読めてしまうなぁ。
「やだよ。アタシらはメンドーな家事から解放され、夫のグチからも解放されたんだ。もどるもんか」
「そーよ! あの体たらくが心配するもんか!」
「あの人ったらいつもいつも飲んだくれて! 一度だって家事を手伝ったことなんてありゃしないよ!」
「だから少し困ればいいのさ! そうすれば私たちの苦労もわかるわ!」
ほらね。
「アニキ、ここはとりあえず安全そうだし、リリー姉さんを探しに行こう?」
「けどよ……」
「あの! ここで黒のロングヘア―で、褐色の肌で、耳は長くて、民族風の服と、腰に〈ナンナ・ヌー〉族が頭にかぶるような、羽かんむりを巻いた人みませんでした?」
「ああ、あの子なら、人形たちにこの先へ連れていかれたよ。なんでもこの先の主人に呼ばれてね」
「主人?」
「ああ、そうさ。ここ人形たちは主人の婚約者を探すのが仕事らしいのさ」
なるほど、だから女性ばかりをねらって……。
ん? でもちょっとまって、この遺跡相当古いよな。
「というか、その主人そもそも生きているんですかね?」
「さあね。知らないよ。アタシらはお眼鏡にかなわなかったからね」
さいですか。
「わかりました。じゃあ、僕たちは先を急ぎます」
「そうかい」
「ああ、そうそう。〈優美なるバラ〉の奥さんってここにいます?」
「ああ、それなら……」
「はい……」
奥から物静でやさしそうな女性が出てくる。息子さんとは正反対な感じ。
「あなたの息子さん、ものすごく心配していましたよ。それだけ伝えたくて」
「そうですか……でも、私はあの子にムリヤリ、あんなカッコをさせる主人のところになんてもどりたくはありません」
「ムリヤリ? えっと……お子さん、意外と生き生きというか、楽しんでましたよ?」
「え?」
「んじゃあ、これで」
よし、先を急ごう。
やっぱり、なれないことするもんじゃないね。
きざなこと言っちゃった。
顔が熱い。
「ねぇ、フィル? 宿屋の息子ってだれ? そんな子いた?」
「あ、そっか。さっき言いそびれちゃったんだっけ、ミシェルのことだよ」
「……………………………………………………………はぁぁぁぁぁーーーーっ!?」
めちゃくちゃビックリている。
ウィンが目を丸くしたところなんて初めて見た。
なんか新鮮。
「つ、つまり、えっと、てことはなに……えぇっと……まさか、フィルってオトコノコが好きだったの!?」
「ブフっ! さっきの会話でいったいどうしたらそうなるのさ!」
……なんか急に頭痛くなった。
と、とにかくさらに深部へ進むこと、およそ10分――。
ついに、リリー姉さんをみつけたんだ!
「リリーっ!」
「レヴィン!? それに二人とも――」
ガシッとアニキがリリー姉さんを抱きしめる。
「わぉっ!」
「へぇ~」
オアツイこと。
「ちょ、ちょっとレヴィン!? 二人とも見ているからはなれてってば!」
「よかった。ほんとうに……よかった」
「……はぁ……もう、しょうがないんだから」
ところでここは何の部屋なんだろう。
「リリー姉ぇはここでなにしていたの? さっき食堂みたいなところで、連れていかれたって聞いたけど」
「ああ、そうね。多分人形はお見合いさせるつもりだったんだと思うんだけど……」
あたりを見わたしても、人形の一つもいない。
「この通りすることないから、ちょっと遺跡を調べていたの」
なんでも人形たちは、〈オートマトン〉と呼ばれる古代の機械人形らしい。
主人の命令で女性たちをさらっていたとか。
「でもその主人って」
「ええ、見ての通り、亡くなっているわ」
「みたいですね」
なんか玉座っぽいものがあるけど、あるものといえばガイコツ。
「私もさっき町の人たちに聞いたけど、数日前にここへ雷が落ちたらしいの」
「雷ですか?」
「うん、遺跡って雷の精霊の力を使っているものが多いって聞くから、きっとそのせいで目覚めてしまったのね」
なんと人さわがせな。
幸い、人に危害? をあたえるようなものじゃなさそう。
リリー姉さんの話じゃ遺跡をまた眠りにつかせればだいじょうぶだって。
「そんなことより、レヴィン、そろそろはなしてくれないかしら」
「あ、ああ……」
「リリー姉さんも無事だったことだし! 帰ろう! 女性たちも連れて!」
「そうだね。問題はどうやって説得するかだね」
それが一番の問題。
まぁ、それは歩きながら考えるとするか。
――と思って、玉座を後にした次の瞬間。
BUUUH! BUUUH!
「なにこの音!?」
『内部に男と思われる生体反応を三つ検知。直ちに排除せよ、繰り返す……』
THUD! THUD! THUD! THUD! THUD!
「何か来る!?」
現れたのは、なんと!
女性たちをさらっていた人形とは2回りもデカイ機械人形だった。
「ゴ、ゴーレム!?」
「みんな来るよっ! 構えてっ!」
大型の機械人形、ゴーレムは両手を振り下ろしたっ!
――戦いが始まっておよそ10分。
KABOOOOOOOOOOOOONN!!
「きゃぁっ!」
「ぐっ!」
「下がれ二人ともっ! オレがやる! オラっ!」
GRASH!!
「くぅ! かてぇっ!!」
アニキの銃剣、【ペイルライダー】がはじかれるっ!
ゴーレムの外皮は星霊銃をもってしてもキズ一つつけるのがやっとのカタさで。
僕らは苦戦を強いられていたんだ!
『岩人の石弾!』
ZUDOOOOOOOOOOOOOON!
KALOOOOOOOOOOONK!!
「なっ!」
「うそでしょ……」
まさか、あの〈グリードウォーム〉の外皮をつらぬいた精霊術が……。
ただ、へこませるだけで終わってしまうなんて……。
「どうしようっ! フィル! レヴィン兄ぃ! リリー姉ぇっ!」
このままだとジリ貧。
弾も残り少ない。
あとはにげるしか。
でもどうやって?
あの女性たちも連れ出さなきゃならないのに?
「リリー、アレをやってくれ」
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