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猫拾いました
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「くっそー、あのおっさん。俺を森ん中にほっぽりやがって、まっじっでふざけんな!今度会った時はノミ以下になるまでぶん殴ってやる!」
ちょびーっと文句を垂れ流しながら、俺は森の中を地図を片手に進んでいた。
木々で日差しが妨げられなんとか暑さは免れているものの、俺の体力が限界だ。ていうか俺のこの状況を説明させてくれ!
ざっと説明するとこんな感じだ。
おっさん(天の声)が嫌な言葉を発した。
↓
目を開けるとよくわからない森の中で寝ていた。
↓
これは誰のせいか?
↓
ノミ、じゃなくてあのおっさんのせい!
読者のみなさん?ご理解いただけましたでしょうか?
これが勝手に異世界に転生させると言われて怪しいおっさんの言うことを聞いてしまったやつの末路ですよー。良い子はマネしないように!
知らない人とお話してはいけませんよ、っていう親のしつけを俺たちはいつから忘れちまったんだろうな?ちゃんと言うこと聞いときゃよかった!母ちゃんに逆らえねえダッサイやつって言われてももうどーーっでもいいよ!俺の全人生にヘタレキモオタの烙印押されてもかまやしねえぜ!
(てか烙印って漢字かっけえ!なんでも火へんつけばかっけえっていう思想やめような俺)
なんか俺の脳内おかしくなったんじゃねえか?でもさ、みんなもそう思わねえ?灼眼とかまさにかっこよくね?
てかここ、本当に異世界なのか?見た感じどこにでもあるふっつーの森なんだが?そして俺は、そのふっつーの森で迷っているんだが?俺、自分が情けねえよー!
なんだか俺の心がさまよっているが、気にしないことにした。
俺がここに来たときはもう服も異世界間のある冒険服に着替え終わっていたし、腰には短剣もさしてあった。(割とサラッと言ったが、後から考えてみると色々やばいな)
とりあえず俺の現在地を知りたかったので、ウエストバッグに偶然入っていた地図とコンパスで目的の宿屋に向かうことにして今に至る。そんな感じだ。
「お!あれって村じゃね!やっと見えたぜ!たどり着いたぜ!ヒャッホーイ!」
今までの疲労を忘れたかのように俺は飛び上がって喜び、走り出そうとしたそのとき、
「にゃーーお」
「ん?にゃーーお?」
俺の耳に聞きなれない声が聞こえてきた。振り返ると小さな汚れた白猫が可愛いクリクリとした目で、俺を見つめていた。
その猫をかわいそうに思った俺は、そっと近づきしゃがみながら手を伸ばした。すると、ペロペロと俺の手を舐めてきた。もう超可愛い!
「おー、お前どうした?こんなところで。可愛いなー」
ずっとなでなでしていたくなるが、俺には目的地があるため急がなくてはならない。
「ごめんな。俺、そろそろ行かないとなんだよ。またな」
俺は立ち上がると猫に手を振って背を向けた。その場から立ち去ろうとすると、俺の足がちくりと痛む。痛んだ足に目を向けると、そこには必死に俺の足に爪を立ててしがみつくさっきの猫がいた。
「はいはい、お前の場所はここだろ。早く俺の足から離れてくれるかなあ?てか離れろよ。痛えんだけど」
少しキレ気味に俺は猫に頼んだ。
しかし、がっしりと俺の足を掴んだ猫は離れる様子など微塵も見せない。
「おい、お前いい加減にしろよ!俺の心は海より広いが、今は期間限定でアリより狭いんだ!早く、離れろってーー!」
「うにゃーーーーー!」
「うにゃーじゃねえって!て、痛い!いたたたたた!離れろよ!」
猫の尖った爪が俺に食い込む。
「くっそーーーー!異世界のばかやろーーーーー!」
俺の声が無情にも辺りに響き渡るのであった...。
///////////////
「はあ...」
結局俺は、猫を肩に乗せて歩くはめとなっている。意外と軽かった猫は俺の顔にすり寄っている。
なんかこれ、ポケット○ンスターのサトシになった気分だ。それはそれで気分もよくなっていい。足が血だらけなのを除けばだが...。
「まあ、これはこれでいっか。かわいそうだったしな」
無理矢理割り切って道を進む。
すると、村の門が見えてきた。発展しているわけではないが、風情があっていい雰囲気だ。まさに、RPGの始まりの街って感じ。
俺はその門をくぐって村に入った。楽しそうな声が所々で聞こえてくる。
「お!宿屋ってのはここかー」
地図に当てはまる場所にたどり着いた俺は、建物の外観を眺めた。
どうやらここはカフェも兼業しているらしい。店の看板に『喫茶☆クレアかあさん』と書いてあり、その上に『空室あります』がある。
てか、クレアかあさんってクレアおばさんじゃねえのかよ。一瞬クリームシチューを思い出しちまったよ。てかクリームシチュー作れんのかよ。あれよりうまいの作れんのかよ。
密かに思いながら俺は店の中に入っていった。
ちょびーっと文句を垂れ流しながら、俺は森の中を地図を片手に進んでいた。
木々で日差しが妨げられなんとか暑さは免れているものの、俺の体力が限界だ。ていうか俺のこの状況を説明させてくれ!
ざっと説明するとこんな感じだ。
おっさん(天の声)が嫌な言葉を発した。
↓
目を開けるとよくわからない森の中で寝ていた。
↓
これは誰のせいか?
↓
ノミ、じゃなくてあのおっさんのせい!
読者のみなさん?ご理解いただけましたでしょうか?
これが勝手に異世界に転生させると言われて怪しいおっさんの言うことを聞いてしまったやつの末路ですよー。良い子はマネしないように!
知らない人とお話してはいけませんよ、っていう親のしつけを俺たちはいつから忘れちまったんだろうな?ちゃんと言うこと聞いときゃよかった!母ちゃんに逆らえねえダッサイやつって言われてももうどーーっでもいいよ!俺の全人生にヘタレキモオタの烙印押されてもかまやしねえぜ!
(てか烙印って漢字かっけえ!なんでも火へんつけばかっけえっていう思想やめような俺)
なんか俺の脳内おかしくなったんじゃねえか?でもさ、みんなもそう思わねえ?灼眼とかまさにかっこよくね?
てかここ、本当に異世界なのか?見た感じどこにでもあるふっつーの森なんだが?そして俺は、そのふっつーの森で迷っているんだが?俺、自分が情けねえよー!
なんだか俺の心がさまよっているが、気にしないことにした。
俺がここに来たときはもう服も異世界間のある冒険服に着替え終わっていたし、腰には短剣もさしてあった。(割とサラッと言ったが、後から考えてみると色々やばいな)
とりあえず俺の現在地を知りたかったので、ウエストバッグに偶然入っていた地図とコンパスで目的の宿屋に向かうことにして今に至る。そんな感じだ。
「お!あれって村じゃね!やっと見えたぜ!たどり着いたぜ!ヒャッホーイ!」
今までの疲労を忘れたかのように俺は飛び上がって喜び、走り出そうとしたそのとき、
「にゃーーお」
「ん?にゃーーお?」
俺の耳に聞きなれない声が聞こえてきた。振り返ると小さな汚れた白猫が可愛いクリクリとした目で、俺を見つめていた。
その猫をかわいそうに思った俺は、そっと近づきしゃがみながら手を伸ばした。すると、ペロペロと俺の手を舐めてきた。もう超可愛い!
「おー、お前どうした?こんなところで。可愛いなー」
ずっとなでなでしていたくなるが、俺には目的地があるため急がなくてはならない。
「ごめんな。俺、そろそろ行かないとなんだよ。またな」
俺は立ち上がると猫に手を振って背を向けた。その場から立ち去ろうとすると、俺の足がちくりと痛む。痛んだ足に目を向けると、そこには必死に俺の足に爪を立ててしがみつくさっきの猫がいた。
「はいはい、お前の場所はここだろ。早く俺の足から離れてくれるかなあ?てか離れろよ。痛えんだけど」
少しキレ気味に俺は猫に頼んだ。
しかし、がっしりと俺の足を掴んだ猫は離れる様子など微塵も見せない。
「おい、お前いい加減にしろよ!俺の心は海より広いが、今は期間限定でアリより狭いんだ!早く、離れろってーー!」
「うにゃーーーーー!」
「うにゃーじゃねえって!て、痛い!いたたたたた!離れろよ!」
猫の尖った爪が俺に食い込む。
「くっそーーーー!異世界のばかやろーーーーー!」
俺の声が無情にも辺りに響き渡るのであった...。
///////////////
「はあ...」
結局俺は、猫を肩に乗せて歩くはめとなっている。意外と軽かった猫は俺の顔にすり寄っている。
なんかこれ、ポケット○ンスターのサトシになった気分だ。それはそれで気分もよくなっていい。足が血だらけなのを除けばだが...。
「まあ、これはこれでいっか。かわいそうだったしな」
無理矢理割り切って道を進む。
すると、村の門が見えてきた。発展しているわけではないが、風情があっていい雰囲気だ。まさに、RPGの始まりの街って感じ。
俺はその門をくぐって村に入った。楽しそうな声が所々で聞こえてくる。
「お!宿屋ってのはここかー」
地図に当てはまる場所にたどり着いた俺は、建物の外観を眺めた。
どうやらここはカフェも兼業しているらしい。店の看板に『喫茶☆クレアかあさん』と書いてあり、その上に『空室あります』がある。
てか、クレアかあさんってクレアおばさんじゃねえのかよ。一瞬クリームシチューを思い出しちまったよ。てかクリームシチュー作れんのかよ。あれよりうまいの作れんのかよ。
密かに思いながら俺は店の中に入っていった。
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