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転移英雄は導く希望の中で
話をしようか
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「いやぁ美味かった!!!!」
「これはリピートするねぇ!」
昼食を済ませた俺ら4人は、後味の幸福感に包まれながら街を歩く。
「本当に奢ってもらって良かったんですか?」
「敬語」
「あっ、ごめんなさ……すまない」
「別にあれくらい奢っても差異はないさ。どうせ高いんだしな!」
「後で収入も入るからね!」
あのダンジョンで手に入れたお宝の数々。早く換金したいところだが、まだ早い!一先ずやることを済ませてからにしよう……。
歩きながらそう考えている時、蓮兎は俺の前を追い抜き、振り返る。
「ねぇ。一つ聞きたいんだけど、ヘレンさん達の所に行って何するんだ?」
「その事なんだが、まだこの剣についても話してないからな。行って話を付けてこないと」
「うん、今後とも関わるだろうからねぇ……」
「え?それって……」
「よし!食後の運動だ!目的地までダッシュ!!」
「「えぇ?!」」
「いえーい!!行くぞぉ!!」
「「ちょっと待って!!!」」
目的地は中央にある巨大な城。距離にして五kmを四捨五入で切り捨てられるくらいの分速で走った。
「「待ってぇぇ!!!!!」」
その声も遠くへ。何とか追いつこうとする2人だったが、俺達が目的地に着く頃には姿は見えず、十分待ちようやく来たと思ったらその場でぶっ倒れた。
「おいおい、速度合わせたんだから楽々来いよ」
「はぁ……!はぁ……!!む、無理……!早すぎ……!」
「身体強化……の……!スキル……使ったのに……!追い付けないの何で……?!」
「あれで強化してたのか!練度が甘いぞ!」
「そうだそうだ!」
「何で、ルナちゃんは走ってないの……?」
「何言ってるの?私は走らんよ?」
「「さも当然の様に……」」
「はぁ……。少し休憩してから入るかぁ」
俺らは、城の門の目の前で休憩を始める。
門番がえ?入らないの?って顔してるが無視。ちゃんと息を整えてから入りたい。
休憩を始めて数分。蓮兎達はやっと息を整えた。
「…………よし、もう大丈夫」
「お、休憩終わり?ならOKだね!て事で門番さん!開けて!」
「……えっと、勇者様のお連れ様でよろしいでしょうか?」
「そうです。この2人は重要人物です。中に入れるよ?」
「は!畏まりました!中にお入りくださいませ!勇者様!」
と、目の前の大きな門が開かれる。
「「おぉ遂に!!」」
世界最大級の大きさを誇る城!それが目の前に!!さぁ!どんなものか!!
俺ら2人はワクワクしながら開いた瞬間の門を通る。そしてそこにあるのは、木だった。
「「…………あれ??」」
…………あれ???
「何で、城が無い……?」
「遠くからだったら見えてたよね?!何で木しかないの?!」
目の前に広がる木!木!木!上を見上げても城の形すら無い!何がどうなってる?!
「あー、何も無しに通るとそうなるよね……。俺も一回あったし……」
「「どうゆう事?!」」
「城に入るには条件が必要なのよ。それは、一人一つの通行証を持って正門を通る事。貴方達、まだ通行証貰ってないのに入ったでしょ?だから城に着かなかったのよ」
「「何それすげぇ……」」
通行証もそうだが、正門から入らないと駄目なのか……。多分魔物とかが直接攻め込んで来た用のトラップなんだろう。流石世界国家。やる事が違う……!
「ほら、通行証。もう一度入り直せば城に着くわよ」
「ありがとう!よし!気を取り直して!」
もう一度入り直す。と、そこにはしっかりと城が鎮座していた。
「「デカァァァァァァ!!!」」
見上げても天辺が見えない!!
「中世レベルの文明でここまで大きい城が出来るのか!!あれか、魔法か!スキルか!便利だなぁ!!」
「便利だね!!」
「早く中に入りましょ?ここじゃ邪魔になっちゃうでしよ」
俺らは城を眺めながら歩く。と、バルムンクが何か思ったのか呟く。
「……まだ残ってたのねこの城」
「え?この城そんな昔からあったのか?」
「そうよ。少なくとも私が聖剣として勇者に力を貸していた時からあったわ。果たして何千年前のでしょうね」
この城、多少傷が付いてるが充分な強度を持ってそうだ。これが何千年前の遺産か……?!
「おい!!遅いぞ!!何をしていたんだ!!」
「「??!!」」
城横にある広場からこちらに向かってくる人影。そこには、薄着の格好で木剣を握るヘレンの姿が。
「「ヘ、ヘレンさん!」」
「昼食の時間はとっくの前に過ぎている!早く訓練の準備を……って君達は?!」
「昨日ぶりだな。後日にしてと言ったから今日来たぞ」
「いきなり?!」
「これから訓練だったか。じゃあそれの後とかにでも話そうか」
急な登場に驚くヘレン。それを横目に広場に進む。真剣そうな面持ちで。
「これはリピートするねぇ!」
昼食を済ませた俺ら4人は、後味の幸福感に包まれながら街を歩く。
「本当に奢ってもらって良かったんですか?」
「敬語」
「あっ、ごめんなさ……すまない」
「別にあれくらい奢っても差異はないさ。どうせ高いんだしな!」
「後で収入も入るからね!」
あのダンジョンで手に入れたお宝の数々。早く換金したいところだが、まだ早い!一先ずやることを済ませてからにしよう……。
歩きながらそう考えている時、蓮兎は俺の前を追い抜き、振り返る。
「ねぇ。一つ聞きたいんだけど、ヘレンさん達の所に行って何するんだ?」
「その事なんだが、まだこの剣についても話してないからな。行って話を付けてこないと」
「うん、今後とも関わるだろうからねぇ……」
「え?それって……」
「よし!食後の運動だ!目的地までダッシュ!!」
「「えぇ?!」」
「いえーい!!行くぞぉ!!」
「「ちょっと待って!!!」」
目的地は中央にある巨大な城。距離にして五kmを四捨五入で切り捨てられるくらいの分速で走った。
「「待ってぇぇ!!!!!」」
その声も遠くへ。何とか追いつこうとする2人だったが、俺達が目的地に着く頃には姿は見えず、十分待ちようやく来たと思ったらその場でぶっ倒れた。
「おいおい、速度合わせたんだから楽々来いよ」
「はぁ……!はぁ……!!む、無理……!早すぎ……!」
「身体強化……の……!スキル……使ったのに……!追い付けないの何で……?!」
「あれで強化してたのか!練度が甘いぞ!」
「そうだそうだ!」
「何で、ルナちゃんは走ってないの……?」
「何言ってるの?私は走らんよ?」
「「さも当然の様に……」」
「はぁ……。少し休憩してから入るかぁ」
俺らは、城の門の目の前で休憩を始める。
門番がえ?入らないの?って顔してるが無視。ちゃんと息を整えてから入りたい。
休憩を始めて数分。蓮兎達はやっと息を整えた。
「…………よし、もう大丈夫」
「お、休憩終わり?ならOKだね!て事で門番さん!開けて!」
「……えっと、勇者様のお連れ様でよろしいでしょうか?」
「そうです。この2人は重要人物です。中に入れるよ?」
「は!畏まりました!中にお入りくださいませ!勇者様!」
と、目の前の大きな門が開かれる。
「「おぉ遂に!!」」
世界最大級の大きさを誇る城!それが目の前に!!さぁ!どんなものか!!
俺ら2人はワクワクしながら開いた瞬間の門を通る。そしてそこにあるのは、木だった。
「「…………あれ??」」
…………あれ???
「何で、城が無い……?」
「遠くからだったら見えてたよね?!何で木しかないの?!」
目の前に広がる木!木!木!上を見上げても城の形すら無い!何がどうなってる?!
「あー、何も無しに通るとそうなるよね……。俺も一回あったし……」
「「どうゆう事?!」」
「城に入るには条件が必要なのよ。それは、一人一つの通行証を持って正門を通る事。貴方達、まだ通行証貰ってないのに入ったでしょ?だから城に着かなかったのよ」
「「何それすげぇ……」」
通行証もそうだが、正門から入らないと駄目なのか……。多分魔物とかが直接攻め込んで来た用のトラップなんだろう。流石世界国家。やる事が違う……!
「ほら、通行証。もう一度入り直せば城に着くわよ」
「ありがとう!よし!気を取り直して!」
もう一度入り直す。と、そこにはしっかりと城が鎮座していた。
「「デカァァァァァァ!!!」」
見上げても天辺が見えない!!
「中世レベルの文明でここまで大きい城が出来るのか!!あれか、魔法か!スキルか!便利だなぁ!!」
「便利だね!!」
「早く中に入りましょ?ここじゃ邪魔になっちゃうでしよ」
俺らは城を眺めながら歩く。と、バルムンクが何か思ったのか呟く。
「……まだ残ってたのねこの城」
「え?この城そんな昔からあったのか?」
「そうよ。少なくとも私が聖剣として勇者に力を貸していた時からあったわ。果たして何千年前のでしょうね」
この城、多少傷が付いてるが充分な強度を持ってそうだ。これが何千年前の遺産か……?!
「おい!!遅いぞ!!何をしていたんだ!!」
「「??!!」」
城横にある広場からこちらに向かってくる人影。そこには、薄着の格好で木剣を握るヘレンの姿が。
「「ヘ、ヘレンさん!」」
「昼食の時間はとっくの前に過ぎている!早く訓練の準備を……って君達は?!」
「昨日ぶりだな。後日にしてと言ったから今日来たぞ」
「いきなり?!」
「これから訓練だったか。じゃあそれの後とかにでも話そうか」
急な登場に驚くヘレン。それを横目に広場に進む。真剣そうな面持ちで。
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