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彩
【六】
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慣れとは言いましても、やはり僕は恥ずかしくて恥ずかしくて。
"初めては旦那様の手で"
と云う願いが叶えられたのですから、これからは自分の手で致しますと告げたのです。
が、旦那様は断固として、それを拒否しました。
他人に見せる物ではないと、仰ってませんでしたか? と問えば、恋人同士なら話は別だと言われてしまいました。
うぅん、意地悪です。
ですが、旦那様に触れられるのは、やはり嬉しくもあるのです。
旦那様の手は優しくて。
低い声で、耳元で名前を呼ばれると、それだけで身体が震えてしまいます。
おちんちんを弄られながら、耳朶を啄んだり、軽く肩に唇を落とされたりしますと、頭の中が真っ白になり、ふわふわとした意識が、高い高い空へと昇って行く気がします。
ああ、回数を重ねる毎に、口からは自然と『ふぇ~』と出る様になりました。
そんな頃からでしょうか?
旦那様の胸に預けています、僕の背中に、硬い物があたる様になりましたのは。
胡座を掻く旦那様の太腿の上に、僕は乗っています。
最初は、旦那様の上に座る事等出来ませんとお断りをしたのですが『風呂場の硬い床になぞ、座らせられん』と、言われまして、渋々と胡座を掻いたそこにお邪魔をする事になったのです。
ですが、あの様に恥ずかしくて堪らないのでしたら、これで良かったのかも知れません。顔を見られながらですと、僕は、恐らく逃げ出していたかも知れませんから。
それに、身体から力が抜けてしまいますので、こうして背中を預けていると、とても安心するのですよね。旦那様の心音が背中から伝わって来て、それが、また心地良いのです。とくんとくんとした音が、どくんどくんと力強くなって行く瞬間に、旦那様も僕と同じ気持ちで居るのでしょうかと思いまして、嬉しくなります。
『…あの…僕も、旦那様のおちんち…ペ、ペニスを触りたいのですが…』
慣れだと、経験だと、旦那様が仰った通りに、この頃には、僕もそれなりに慣れて来たのだと思います。
僕だけがして戴くのは、申し訳なくて。
それに、僕も旦那様のおちんちんに触りたかったのです。
ですが。
『ぐっ!?』
と、旦那様は呻いて身体を固くしてしまいました。一部分だけではなく、全身を。
何故でしょう?
ぴくぴくと背中にあたる旦那様の胸が痙攣しています。
『…旦那様? お嫌ですか?』
そう尋ねる僕に、旦那様が『嫌ではないっ!』と、語気荒く返します。それでしたらと、脚の上から下りようとした僕の身体に、旦那様の両腕が絡み付きました。
『旦那様?』
これでは、下りる事が出来ません。
『気持ちは嬉しいが、お前には、まだ早いっ!』
『ふぇっ!?』
早いとはっ!?
『お前にそんな事をされたら、俺は無理矢理お前を手篭めにしてしまう!!』
『て…っ…!』
流石の僕でも、手篭めの意味は解ります。
『…てごめ…』
小さく呟くと同時に、ぽぽぽっと顔だけではなく、全身が熱くなりました。僕は、もう茹で蛸です。お風呂場の熱気にあてられた訳では、ありません。
『俺は俗物だから、惚れたお前と交わりたい。…だが、お前はどうだ? 無理強いはしたくないし、これがお前を怖がらせるのならば、切り落としても構わん』
『ふえっ!?』
切り落とす!?
何をですか!?
と、驚く僕を旦那様がきつく抱き締めます。そうしましたら、旦那様が切り落とすと仰った、熱くて硬い物が僕の腰を押しました。
『…受け入れる側は負担が大きいし、ただでさえ、お前は細いし小柄だ…』
旦那様が切なく苦しそうな声を出しながら、僕のお腹を撫でるものですから、ふわふわとした意識は何処かへと飛んで行きました。
『お前が知っているかは知らんが…ここ…』
旦那様がお腹にあった片方の手を動かし、僕のおちんちんを通り過ぎ、陰囊も通り過ぎたその奥を指で突付きます。
『…ここに、俺の男根…お、ちんちんを挿れるんだ』
耳元で囁く様に言われて、僕の身体がぴくんと跳ねました。
『…それだけでは無い。愉悦を求めて、この中を荒らす』
残っていた方の手が、お腹を擦り、お臍周りをくるくると撫でます。何かを探る様な動きに、何故か僕の鼓動が大きく音を立てて、早くなりました。
どっくんどっくんとした音が鼓膜に響き、息苦しくなって行きます。
『…あ、の…そ、れは…その…旦那様には喜ばしい事でしょうか…?』
それでしたら、僕に否やはありません。
『阿呆』
そう告げるより早くに、旦那様が僕の後頭部にこつんと額をあてました。
『そう訊かれる予感はしたがな…』
お腹を撫でる手が止まり、再びぎゅっと抱き締められました。落とされた呟きと同じ様に、抱き締める腕が震えているのは、気のせいでしょうか?
『旦那様?』
『…まあ良い。俺の我が儘だ。気にするな』
そう言われて、気にしない訳がありません。
どうしましょう?
何と答えるのが正解だったのでしょうか?
"初めては旦那様の手で"
と云う願いが叶えられたのですから、これからは自分の手で致しますと告げたのです。
が、旦那様は断固として、それを拒否しました。
他人に見せる物ではないと、仰ってませんでしたか? と問えば、恋人同士なら話は別だと言われてしまいました。
うぅん、意地悪です。
ですが、旦那様に触れられるのは、やはり嬉しくもあるのです。
旦那様の手は優しくて。
低い声で、耳元で名前を呼ばれると、それだけで身体が震えてしまいます。
おちんちんを弄られながら、耳朶を啄んだり、軽く肩に唇を落とされたりしますと、頭の中が真っ白になり、ふわふわとした意識が、高い高い空へと昇って行く気がします。
ああ、回数を重ねる毎に、口からは自然と『ふぇ~』と出る様になりました。
そんな頃からでしょうか?
旦那様の胸に預けています、僕の背中に、硬い物があたる様になりましたのは。
胡座を掻く旦那様の太腿の上に、僕は乗っています。
最初は、旦那様の上に座る事等出来ませんとお断りをしたのですが『風呂場の硬い床になぞ、座らせられん』と、言われまして、渋々と胡座を掻いたそこにお邪魔をする事になったのです。
ですが、あの様に恥ずかしくて堪らないのでしたら、これで良かったのかも知れません。顔を見られながらですと、僕は、恐らく逃げ出していたかも知れませんから。
それに、身体から力が抜けてしまいますので、こうして背中を預けていると、とても安心するのですよね。旦那様の心音が背中から伝わって来て、それが、また心地良いのです。とくんとくんとした音が、どくんどくんと力強くなって行く瞬間に、旦那様も僕と同じ気持ちで居るのでしょうかと思いまして、嬉しくなります。
『…あの…僕も、旦那様のおちんち…ペ、ペニスを触りたいのですが…』
慣れだと、経験だと、旦那様が仰った通りに、この頃には、僕もそれなりに慣れて来たのだと思います。
僕だけがして戴くのは、申し訳なくて。
それに、僕も旦那様のおちんちんに触りたかったのです。
ですが。
『ぐっ!?』
と、旦那様は呻いて身体を固くしてしまいました。一部分だけではなく、全身を。
何故でしょう?
ぴくぴくと背中にあたる旦那様の胸が痙攣しています。
『…旦那様? お嫌ですか?』
そう尋ねる僕に、旦那様が『嫌ではないっ!』と、語気荒く返します。それでしたらと、脚の上から下りようとした僕の身体に、旦那様の両腕が絡み付きました。
『旦那様?』
これでは、下りる事が出来ません。
『気持ちは嬉しいが、お前には、まだ早いっ!』
『ふぇっ!?』
早いとはっ!?
『お前にそんな事をされたら、俺は無理矢理お前を手篭めにしてしまう!!』
『て…っ…!』
流石の僕でも、手篭めの意味は解ります。
『…てごめ…』
小さく呟くと同時に、ぽぽぽっと顔だけではなく、全身が熱くなりました。僕は、もう茹で蛸です。お風呂場の熱気にあてられた訳では、ありません。
『俺は俗物だから、惚れたお前と交わりたい。…だが、お前はどうだ? 無理強いはしたくないし、これがお前を怖がらせるのならば、切り落としても構わん』
『ふえっ!?』
切り落とす!?
何をですか!?
と、驚く僕を旦那様がきつく抱き締めます。そうしましたら、旦那様が切り落とすと仰った、熱くて硬い物が僕の腰を押しました。
『…受け入れる側は負担が大きいし、ただでさえ、お前は細いし小柄だ…』
旦那様が切なく苦しそうな声を出しながら、僕のお腹を撫でるものですから、ふわふわとした意識は何処かへと飛んで行きました。
『お前が知っているかは知らんが…ここ…』
旦那様がお腹にあった片方の手を動かし、僕のおちんちんを通り過ぎ、陰囊も通り過ぎたその奥を指で突付きます。
『…ここに、俺の男根…お、ちんちんを挿れるんだ』
耳元で囁く様に言われて、僕の身体がぴくんと跳ねました。
『…それだけでは無い。愉悦を求めて、この中を荒らす』
残っていた方の手が、お腹を擦り、お臍周りをくるくると撫でます。何かを探る様な動きに、何故か僕の鼓動が大きく音を立てて、早くなりました。
どっくんどっくんとした音が鼓膜に響き、息苦しくなって行きます。
『…あ、の…そ、れは…その…旦那様には喜ばしい事でしょうか…?』
それでしたら、僕に否やはありません。
『阿呆』
そう告げるより早くに、旦那様が僕の後頭部にこつんと額をあてました。
『そう訊かれる予感はしたがな…』
お腹を撫でる手が止まり、再びぎゅっと抱き締められました。落とされた呟きと同じ様に、抱き締める腕が震えているのは、気のせいでしょうか?
『旦那様?』
『…まあ良い。俺の我が儘だ。気にするな』
そう言われて、気にしない訳がありません。
どうしましょう?
何と答えるのが正解だったのでしょうか?
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