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おまけ
危機編・08※
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「…トイセ会長…」
「もう生徒会長ではないから、トイセで良い」
「…トイセ先輩」
「何だ」
「…あれは何ですか?」
「マウスだな」
「…そのマウスが口に咥えているのは…」
「ヤ・マバチだな」
「…何故…マウスが彼を咥えているのでしょうか?」
「大きく育ったからだな」
あいも変わらず淡々と、顔色一つ変えずに返事を返す先輩に、俺は声を大にして叫んだ。
「育ち過ぎでしょう!? マウスって、普通、掌サイズですよね!? そのマウスが何故、人を! 人間を咥えてぶら下げられる程の大きさになっているのですか!?」
そう、今、俺達が居る温室の前には、巨大なマウスが居たのだ。それも、鳥の巣頭じゃなくて、マバチ(?)先輩をぶらぶらと口からぶら下げて。ハイエースぐらいの大きさで、それを縦にした感じだ。良く、電柱に車が立て掛けてあるだろう? あれを想像してくれ。
「あはは。あれじゃあ、お腹も空く訳だよね。メゴロウ君より食べるんじゃないのかな?」
「僕は雑食じゃありません」
そこおっ!! 何、ほのぼのとのほほんとした空気を出しているんだっ!!
「お腹が空くとか空かないとかの問題じゃあないでしょう!? 何故、そんなに落ち着いているのですかっ!!」
「だって、マウスはマバチ君のペットだし」
「いや、薬の実験動物だ」
薬!? 実験!?
「彼は一体何者なのですかっ!?」
「薬物学のサークルの代表だ。春から四年生で不老不死の薬の研究をしている」
「不老不死!?」
「へえ…」
そのフレーズに、俺は思わずドキリとしてしまったが、メゴロウは余裕のよっちゃんだ。
「でも、不思議と薬を打たれたマウスは巨大化しちゃうんだよね。ここまで大きいのは初めて見たけど」
いや、それ失敗しているって言わないか!?
「あ」
俺とメゴロウの声が重なる。
そんな遣り取りをしている俺達の前で、マウスが口をもごもごと動かし出したからだ。
ガリッ! ゴリッ! ゴキッ!
と、云う、骨を噛み砕く音が、温室の内部に居る俺達の耳へと届く。
音だけじゃ、ない。
マウスの口が動く度に、血が飛び、肉片が飛び、温室のガラスに付着して行く。
マバチは抵抗しない。
いや、力なく銜えられていた事から察するに、既に息絶えていたのかも知れない。
「…う…」
と、口元を手で押さえずには居られない。胃の中にあるピザトーストや、フルーツサンドが逆流しそうだ。
そう、何だかんだで昼食会を楽しんでいた処で、コイツがいきなり目の前に現れた。
いや、いきなりじゃないな。
ふと、窓の外を見たら白い物が見えた。
それが、段々と近付いて来るのを、ただ呆然として見ていた。
だって、信じたく無かったんだ。
余りにもサイズ感がバグり過ぎていて。
どう見ても、白いネズミだと気が付いた時には、ガラス一枚隔てた向こうに、マバチを銜えたコイツが居た。
「…一体何が…」
コイツは何処から来たんだ? マバチの研究とか言ってたな? その研究室だかなんだか知らないが、そこからか?
「…トイセ先輩…」
込み上がる吐き気を堪えながら、テーブルを挟んで向かいに居る先輩に声を掛けたら、先輩の姿が無かった。その隣に座っていた筈のゴンベ王子も。
「…え…?」
慌てて立ち上がれば、二人は椅子から下りて土に穴を掘って、その中にエレエレと胃の中の物をリバースしていた。
「何か余裕だな、おいっ!?」
思わず叫べば、俺の隣に座るメゴロウが『…ケタロウ様…可愛い…』と、うっとりとした声と目を俺に向けて来た。
誰か、こいつらを何とかしてくれ!!
「もう生徒会長ではないから、トイセで良い」
「…トイセ先輩」
「何だ」
「…あれは何ですか?」
「マウスだな」
「…そのマウスが口に咥えているのは…」
「ヤ・マバチだな」
「…何故…マウスが彼を咥えているのでしょうか?」
「大きく育ったからだな」
あいも変わらず淡々と、顔色一つ変えずに返事を返す先輩に、俺は声を大にして叫んだ。
「育ち過ぎでしょう!? マウスって、普通、掌サイズですよね!? そのマウスが何故、人を! 人間を咥えてぶら下げられる程の大きさになっているのですか!?」
そう、今、俺達が居る温室の前には、巨大なマウスが居たのだ。それも、鳥の巣頭じゃなくて、マバチ(?)先輩をぶらぶらと口からぶら下げて。ハイエースぐらいの大きさで、それを縦にした感じだ。良く、電柱に車が立て掛けてあるだろう? あれを想像してくれ。
「あはは。あれじゃあ、お腹も空く訳だよね。メゴロウ君より食べるんじゃないのかな?」
「僕は雑食じゃありません」
そこおっ!! 何、ほのぼのとのほほんとした空気を出しているんだっ!!
「お腹が空くとか空かないとかの問題じゃあないでしょう!? 何故、そんなに落ち着いているのですかっ!!」
「だって、マウスはマバチ君のペットだし」
「いや、薬の実験動物だ」
薬!? 実験!?
「彼は一体何者なのですかっ!?」
「薬物学のサークルの代表だ。春から四年生で不老不死の薬の研究をしている」
「不老不死!?」
「へえ…」
そのフレーズに、俺は思わずドキリとしてしまったが、メゴロウは余裕のよっちゃんだ。
「でも、不思議と薬を打たれたマウスは巨大化しちゃうんだよね。ここまで大きいのは初めて見たけど」
いや、それ失敗しているって言わないか!?
「あ」
俺とメゴロウの声が重なる。
そんな遣り取りをしている俺達の前で、マウスが口をもごもごと動かし出したからだ。
ガリッ! ゴリッ! ゴキッ!
と、云う、骨を噛み砕く音が、温室の内部に居る俺達の耳へと届く。
音だけじゃ、ない。
マウスの口が動く度に、血が飛び、肉片が飛び、温室のガラスに付着して行く。
マバチは抵抗しない。
いや、力なく銜えられていた事から察するに、既に息絶えていたのかも知れない。
「…う…」
と、口元を手で押さえずには居られない。胃の中にあるピザトーストや、フルーツサンドが逆流しそうだ。
そう、何だかんだで昼食会を楽しんでいた処で、コイツがいきなり目の前に現れた。
いや、いきなりじゃないな。
ふと、窓の外を見たら白い物が見えた。
それが、段々と近付いて来るのを、ただ呆然として見ていた。
だって、信じたく無かったんだ。
余りにもサイズ感がバグり過ぎていて。
どう見ても、白いネズミだと気が付いた時には、ガラス一枚隔てた向こうに、マバチを銜えたコイツが居た。
「…一体何が…」
コイツは何処から来たんだ? マバチの研究とか言ってたな? その研究室だかなんだか知らないが、そこからか?
「…トイセ先輩…」
込み上がる吐き気を堪えながら、テーブルを挟んで向かいに居る先輩に声を掛けたら、先輩の姿が無かった。その隣に座っていた筈のゴンベ王子も。
「…え…?」
慌てて立ち上がれば、二人は椅子から下りて土に穴を掘って、その中にエレエレと胃の中の物をリバースしていた。
「何か余裕だな、おいっ!?」
思わず叫べば、俺の隣に座るメゴロウが『…ケタロウ様…可愛い…』と、うっとりとした声と目を俺に向けて来た。
誰か、こいつらを何とかしてくれ!!
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