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おまけ
フラグは続くよ、どこまでも・中編
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そうだ、すっかり忘れてた。
この部屋に来る時は、何時も二人だったから、綺麗にラムクリされてた。
「…一人で、この部屋に入ったと云う事は、もう交わる気が無いと…」
なんて思っても、声に出さなければ相手には伝わらない訳で。
現にノアは、目に見えるぐらいに、ズンッと落ち込んでくれている。
が、尻から手は離していない。
いや、怖いから。
目のハイライトが消えかけた状態で、ガクンと両肩を落としながらも、尻を掴んでるの怖いからっ!! その両手をどっかの役物みたく高速で落とすなよ!? 俺、あれよりも甲高い声を出すからな!?
「忘れてたっ! って、違うんだ!! 俺の部屋だと邪魔が入るかも知れないだろ!? オナ…自慰に耽りたかっただけっ!! お前としたくないとか、そんな事は無いからっ!!」
だから、俺は力の限りに叫ぶ。
これ以上、首は回らないだろうってぐらいに後ろを振り返って、叫んだ。
多分、フリーズ決めた時の『よっしゃあっ!!』以上に、声を振り絞った自信がある。
「…自慰…?」
ぴくりとノアの肩が跳ね、その目に光が戻って来るのが見えた。
だから、俺はペラペラと喋る。
「そう! 溜まっててさ! でも、ちんこだけじゃイけなくて! だから、尻も弄ればイけるんじゃないかとっ!!」
多分、後から思い返せば、言わなくても良かったんじゃないかと、のたうち回るかもだけど、そんなの今の俺に考え付く筈も無い。
「…それで、この部屋に? 一人で?」
ノアの目から影が消えて、声のトーンもどん底から這い上がって来たから、俺は安心して思い切りの笑顔で答えた。
「そう! だって、幾ら恋人でも、ヌくの手伝ってくれなんて言えないだろ!?」
「………………………」
って、何で黙る!?
おい、長い溜め息を尻に吹き掛けるなっ!!
「……ええ、本当にどうして、こんなに馬か…わいいのでしょう…」
今、馬鹿って言い掛けたな!?
「私達は恋人同士なのですよ? 何故、私を頼ってくれないのですか…」
だから!
そう言いながら尻に息を吹き掛けるな!
「いや、だから…幾ら恋人同士でも…甘える訳には…」
「甘えてくれて良いんですよ? 一人で達する事が出来ないのなら、二人ですれば良いのです」
ちょっと切なさを滲ませたノアの声に、俺の目からポロポロと鱗が落ちた。いや、鱗なんてないが。
「え? あ、そうなの?」
そうか、甘えて良いのか。
「チョロ…ではなくて、そうです。これは、二人でする物でしょう?」
待て。
今、チョロいって言わなかったか? こいつ?
「ま、まあ、良いか。じゃ、早速だ。指貸せ」
「…はい?」
何で疑問形なんだ?
ああ、言葉が足りなかったか?
俺は片腕を伸ばし、人差し指をベッドの下へと向けて、足りなかったであろう言葉を付けたす。
「ほら、そこに魔法の液体もあるし。ちょちょいと尻を…いや、先にちんこの方が良いかな。とにかく、ちゃちゃっと俺を昇天させてくれ」
我が天井に悔いなしって、拳を天に突き上げる程の勢いでな!
「……ヨーチ様…」
…あれ? 何か、ノアの声のトーンが下がったな? てか、尻を掴む手の力が強くなってないか? 指、めり込んでないか、これ? ちょっと痛いぞ? おかしいな? あれ? 何で?
「…手伝ってくれ…ぐえっ!?」
手伝ってくれるんだよな? って言おうとした俺は、潰された蛙の様な声を出した。
いや、実際に尻から手を離したノアに圧し掛かられた俺は、脚をおっぴろげて潰された蛙の様な格好になっている。おい、ちんこ潰れたらどうしてくれるんだ。と、叫びたいが。
「あだだだだだだだっ!?」
が、何でか知らないが、俺はノアに片手で後頭部を鷲掴みにされて、思っていたのとは違う叫び声を上げていた。
おおおおぉおぉおぉいっ!?
何で怒ってるんだ!?
手伝うって言ったよな!?
「この部屋がどう云う部屋か確認した後で、何を言っているんです?」
「いだいっ! あだま割れるっ!! 何怒ってんだよっ!? オナ、自慰の手伝いをしてくれるんだろっ!?」
「何故、自慰になるのですかっ! 私は二人でと言いましたよね!? ここは、その為の部屋だと確認した後で、何故、そうなるのですかっ!!」
話が違うと怒鳴れば、ノアも負けじと声を張り上げた。
「あ」
あ、そうか。
俺、ずっとオナる事しか考えてなかったけど、ノアの手伝いって、そう云う事か!
CZ通り越して、AT直撃って事か!
「…え…? 良いのか? …俺が溜まっててイきたいだけなのに?」
恐る恐る聞けば、ノアは犬耳の幻をペタリと下げて見せた。
「私達は恋人なのですよ? 水臭い事を言わないで下さい。…それに、どちらにせよ交わらなければ、この部屋から出る事は出来ません。…まあ…私としては、そちらでも構いませ…いえ、そちらの方が良い…か? まあじゃん欲に耐え切れなくなったヨーチ様が私に泣いて縋る…あ、良いで」
最初はしょんもりとした声だったが、段々おかしくなって来たから、俺は慌てて叫ぶ。
「そうだな! 水臭かったよなっ!! 良しっ! 水じゃなくて、青臭い事をしよう!!」
お前神官だよな!?
何、人を監禁する様な事を口走っているんだよっ!?
怖いよっ!!
「…そうですか…良いのですか?」
残念そうに言うなっ!!
この部屋に来る時は、何時も二人だったから、綺麗にラムクリされてた。
「…一人で、この部屋に入ったと云う事は、もう交わる気が無いと…」
なんて思っても、声に出さなければ相手には伝わらない訳で。
現にノアは、目に見えるぐらいに、ズンッと落ち込んでくれている。
が、尻から手は離していない。
いや、怖いから。
目のハイライトが消えかけた状態で、ガクンと両肩を落としながらも、尻を掴んでるの怖いからっ!! その両手をどっかの役物みたく高速で落とすなよ!? 俺、あれよりも甲高い声を出すからな!?
「忘れてたっ! って、違うんだ!! 俺の部屋だと邪魔が入るかも知れないだろ!? オナ…自慰に耽りたかっただけっ!! お前としたくないとか、そんな事は無いからっ!!」
だから、俺は力の限りに叫ぶ。
これ以上、首は回らないだろうってぐらいに後ろを振り返って、叫んだ。
多分、フリーズ決めた時の『よっしゃあっ!!』以上に、声を振り絞った自信がある。
「…自慰…?」
ぴくりとノアの肩が跳ね、その目に光が戻って来るのが見えた。
だから、俺はペラペラと喋る。
「そう! 溜まっててさ! でも、ちんこだけじゃイけなくて! だから、尻も弄ればイけるんじゃないかとっ!!」
多分、後から思い返せば、言わなくても良かったんじゃないかと、のたうち回るかもだけど、そんなの今の俺に考え付く筈も無い。
「…それで、この部屋に? 一人で?」
ノアの目から影が消えて、声のトーンもどん底から這い上がって来たから、俺は安心して思い切りの笑顔で答えた。
「そう! だって、幾ら恋人でも、ヌくの手伝ってくれなんて言えないだろ!?」
「………………………」
って、何で黙る!?
おい、長い溜め息を尻に吹き掛けるなっ!!
「……ええ、本当にどうして、こんなに馬か…わいいのでしょう…」
今、馬鹿って言い掛けたな!?
「私達は恋人同士なのですよ? 何故、私を頼ってくれないのですか…」
だから!
そう言いながら尻に息を吹き掛けるな!
「いや、だから…幾ら恋人同士でも…甘える訳には…」
「甘えてくれて良いんですよ? 一人で達する事が出来ないのなら、二人ですれば良いのです」
ちょっと切なさを滲ませたノアの声に、俺の目からポロポロと鱗が落ちた。いや、鱗なんてないが。
「え? あ、そうなの?」
そうか、甘えて良いのか。
「チョロ…ではなくて、そうです。これは、二人でする物でしょう?」
待て。
今、チョロいって言わなかったか? こいつ?
「ま、まあ、良いか。じゃ、早速だ。指貸せ」
「…はい?」
何で疑問形なんだ?
ああ、言葉が足りなかったか?
俺は片腕を伸ばし、人差し指をベッドの下へと向けて、足りなかったであろう言葉を付けたす。
「ほら、そこに魔法の液体もあるし。ちょちょいと尻を…いや、先にちんこの方が良いかな。とにかく、ちゃちゃっと俺を昇天させてくれ」
我が天井に悔いなしって、拳を天に突き上げる程の勢いでな!
「……ヨーチ様…」
…あれ? 何か、ノアの声のトーンが下がったな? てか、尻を掴む手の力が強くなってないか? 指、めり込んでないか、これ? ちょっと痛いぞ? おかしいな? あれ? 何で?
「…手伝ってくれ…ぐえっ!?」
手伝ってくれるんだよな? って言おうとした俺は、潰された蛙の様な声を出した。
いや、実際に尻から手を離したノアに圧し掛かられた俺は、脚をおっぴろげて潰された蛙の様な格好になっている。おい、ちんこ潰れたらどうしてくれるんだ。と、叫びたいが。
「あだだだだだだだっ!?」
が、何でか知らないが、俺はノアに片手で後頭部を鷲掴みにされて、思っていたのとは違う叫び声を上げていた。
おおおおぉおぉおぉいっ!?
何で怒ってるんだ!?
手伝うって言ったよな!?
「この部屋がどう云う部屋か確認した後で、何を言っているんです?」
「いだいっ! あだま割れるっ!! 何怒ってんだよっ!? オナ、自慰の手伝いをしてくれるんだろっ!?」
「何故、自慰になるのですかっ! 私は二人でと言いましたよね!? ここは、その為の部屋だと確認した後で、何故、そうなるのですかっ!!」
話が違うと怒鳴れば、ノアも負けじと声を張り上げた。
「あ」
あ、そうか。
俺、ずっとオナる事しか考えてなかったけど、ノアの手伝いって、そう云う事か!
CZ通り越して、AT直撃って事か!
「…え…? 良いのか? …俺が溜まっててイきたいだけなのに?」
恐る恐る聞けば、ノアは犬耳の幻をペタリと下げて見せた。
「私達は恋人なのですよ? 水臭い事を言わないで下さい。…それに、どちらにせよ交わらなければ、この部屋から出る事は出来ません。…まあ…私としては、そちらでも構いませ…いえ、そちらの方が良い…か? まあじゃん欲に耐え切れなくなったヨーチ様が私に泣いて縋る…あ、良いで」
最初はしょんもりとした声だったが、段々おかしくなって来たから、俺は慌てて叫ぶ。
「そうだな! 水臭かったよなっ!! 良しっ! 水じゃなくて、青臭い事をしよう!!」
お前神官だよな!?
何、人を監禁する様な事を口走っているんだよっ!?
怖いよっ!!
「…そうですか…良いのですか?」
残念そうに言うなっ!!
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