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ギャル親父は壁になりたい
11.出歯亀いや、出歯壁だ
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『保健室でえろえろのお約束キタ――(゜∀゜)――!! なん、これ、なんこれっ!? 羽間、ワイシャツ開けてるけど上のボタンは留まってるし、そんでネクタイは緩んでいて、チラチラ見える赤く尖った乳首いんやらすい~っ!! しかし結構なブツをお持ちですねっ!! やだ、もう、何だよ、そのお汁!! ププッ!! 顔赤くして涙目で睨まれても怖くありましぇーん! 僕はまだイきましぇーんってか! 松重は、もうグログロの赤黒さっ!! 白衣は着たまま、上半身の衣服には乱れは無いのに、下半身、太腿まで晒すって、どんな性癖!! って、あんな太いのが本当に入るんだっ!! てか、これがギャップ萌えってヤツ!? 穏やかそうな松重が攻めで、見た目的にも攻めな羽間が受けとかウケるって、ダジャレじゃないぞっ! てか受けがウケる( ̄m ̄〃)ぷぷっ!』
と、BL脳が爆走している合間にも、目の前で事態は動いていた。
「てっめ、何時まで…って、お、い…っ…!!」
顔を赤くした羽間先生が、目尻に涙を浮かべて睨んで来るが、それは妙な色気を孕んでいた。
ああ…羽間先生はプライベートだと、そんな口調なんだと、ぼんやりと思う。
切れ長な目に、引き締まった腹筋等を見れば、その方が"らしい"な、と思った。
「見られた物は仕方がないよ。俺、まだイッてないし」
そんな羽間先生とは対照的に、松重先生は落ち着いた物だ。
物腰が柔らかで、穏やかな笑顔を何時もは浮かべている筈なのだが、今はニヒルとも言える笑いを浮かべている。その笑顔のまま、羽間先生の腰を両手で掴み、松重先生が自分の腰を突き上げれば、何とも言えない音が室内に響く。
「んあ…っ…!!」
その突き上げに、羽間先生が堪らずと云った様に声を上げ、背を仰け反らせ、喉を晒す。ぴゅるっと、羽間先生のペニスからあられもない液体が飛び出し、羽間先生と松重先生の身体へと掛かって行く。
「お、おい…」
「あ」
矢田にグイッと腕を引かれて、俺は我に返った。
「あ、ああ…大変失礼しました。俺達は馬に蹴られて死んできます。行こう、矢田」
いや、返っていないのかも知れない。
矢田の肩を抱いて、俺は二人に背を向けて歩き出し、保健室を後にした。
『あ、そう? 気を付けてね』とか『はあ!?』とか、そんな声が聞こえた気がするが、耳を通り過ぎて行った。
「ほら、のど飴だ。残り少ないから袋ごとあげるよ」
既に誰も居ない職員室に入り、俺は自分の机の引き出しからのど飴を取り出して矢田に渡す。
「…落ち着いてんだな…デキてるって知ってたのか? 的場のくせに…」
のど飴の袋を受け取りながら、ぼそぼそと話す矢田に俺は『あ~』と言いながら、首の後ろを掻く。
「いや、知らなかったよ。そう云えば、お前、俺の事を止めていたなあ…お前こそ知って…って、俺のくせにって何だ」
何やら失礼な事を言わなかったか、こいつ? と思ったが、矢田はそれを無視して何処か嬉しそうな声で喋る。
「知らなかったのに、あんな落ち着いてたのか…的場って、やっぱ…」
「いや、かなり驚いたけどな? ほら、それ舐めながら帰れ」
そう言って俺は矢田に背中を向けて、鞄に必要な物を詰めて行く。
大いに驚いたけどなあ…頭の中では盛大に喚いていたし。今だって、これをアオッターで叫んだら、先輩方がどんな反応をするのか気になっているし、田中さんはネタにして良いかと言うだろうなとか、そんな事を思っているし。まあ、しかし、あの二人の事を叫ぶのは、流石にいかんだろう。BL脳としては、叫びたいが。
「…好きだな…」
「ん?」
そののど飴が好きなのか? と、聞く前にトンッと背中に衝撃を受けた。
「へ?」
いや、矢田が俺の腰に手を回して、後ろから抱き付いている。
「…俺、的場が好きだ。寮に入って、片付けの合間に下見に来て、弁当を食ってるのを見た時から…」
ぎゅうっと腰に回した矢田の腕に力が入って、締め付けられ更に密着されて、尻の辺りに違和感を覚えた。
「は?」
何だ? 何か硬い物が当たってる気がするんだが?
肩の辺りにふわふわの茶髪が見える。その辺りから、やたらと熱の籠った吐息が掛かって、俺はネジの切れたゼンマイ仕掛けの人形の様に身体が固まってしまった。
「…的場は…男同士とか気にしないんだろ? 想う気持ちは自由つってたし…松重と羽間がしてた事…俺も的場としてぇ…」
「え」
『おほーっ! 煽られ告白キタ――(゜∀゜)――!! 禁断の職員室で盛っちゃう? 盛っちゃう!?』
と、BL脳が爆走している合間にも、目の前で事態は動いていた。
「てっめ、何時まで…って、お、い…っ…!!」
顔を赤くした羽間先生が、目尻に涙を浮かべて睨んで来るが、それは妙な色気を孕んでいた。
ああ…羽間先生はプライベートだと、そんな口調なんだと、ぼんやりと思う。
切れ長な目に、引き締まった腹筋等を見れば、その方が"らしい"な、と思った。
「見られた物は仕方がないよ。俺、まだイッてないし」
そんな羽間先生とは対照的に、松重先生は落ち着いた物だ。
物腰が柔らかで、穏やかな笑顔を何時もは浮かべている筈なのだが、今はニヒルとも言える笑いを浮かべている。その笑顔のまま、羽間先生の腰を両手で掴み、松重先生が自分の腰を突き上げれば、何とも言えない音が室内に響く。
「んあ…っ…!!」
その突き上げに、羽間先生が堪らずと云った様に声を上げ、背を仰け反らせ、喉を晒す。ぴゅるっと、羽間先生のペニスからあられもない液体が飛び出し、羽間先生と松重先生の身体へと掛かって行く。
「お、おい…」
「あ」
矢田にグイッと腕を引かれて、俺は我に返った。
「あ、ああ…大変失礼しました。俺達は馬に蹴られて死んできます。行こう、矢田」
いや、返っていないのかも知れない。
矢田の肩を抱いて、俺は二人に背を向けて歩き出し、保健室を後にした。
『あ、そう? 気を付けてね』とか『はあ!?』とか、そんな声が聞こえた気がするが、耳を通り過ぎて行った。
「ほら、のど飴だ。残り少ないから袋ごとあげるよ」
既に誰も居ない職員室に入り、俺は自分の机の引き出しからのど飴を取り出して矢田に渡す。
「…落ち着いてんだな…デキてるって知ってたのか? 的場のくせに…」
のど飴の袋を受け取りながら、ぼそぼそと話す矢田に俺は『あ~』と言いながら、首の後ろを掻く。
「いや、知らなかったよ。そう云えば、お前、俺の事を止めていたなあ…お前こそ知って…って、俺のくせにって何だ」
何やら失礼な事を言わなかったか、こいつ? と思ったが、矢田はそれを無視して何処か嬉しそうな声で喋る。
「知らなかったのに、あんな落ち着いてたのか…的場って、やっぱ…」
「いや、かなり驚いたけどな? ほら、それ舐めながら帰れ」
そう言って俺は矢田に背中を向けて、鞄に必要な物を詰めて行く。
大いに驚いたけどなあ…頭の中では盛大に喚いていたし。今だって、これをアオッターで叫んだら、先輩方がどんな反応をするのか気になっているし、田中さんはネタにして良いかと言うだろうなとか、そんな事を思っているし。まあ、しかし、あの二人の事を叫ぶのは、流石にいかんだろう。BL脳としては、叫びたいが。
「…好きだな…」
「ん?」
そののど飴が好きなのか? と、聞く前にトンッと背中に衝撃を受けた。
「へ?」
いや、矢田が俺の腰に手を回して、後ろから抱き付いている。
「…俺、的場が好きだ。寮に入って、片付けの合間に下見に来て、弁当を食ってるのを見た時から…」
ぎゅうっと腰に回した矢田の腕に力が入って、締め付けられ更に密着されて、尻の辺りに違和感を覚えた。
「は?」
何だ? 何か硬い物が当たってる気がするんだが?
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「…的場は…男同士とか気にしないんだろ? 想う気持ちは自由つってたし…松重と羽間がしてた事…俺も的場としてぇ…」
「え」
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