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自信満々のカカシ
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「あ~。のどかだなあ~」
俺は田んぼのあぜ道に座って、柏餅を食べていた。
青空の下、植えたばかりの苗の緑が眩しいぜ。
そよそよと、やんわりと汗を掻いた首筋を撫でてく風も気持ち良い。
そんな青空の下で、柏餅を食べる俺の他にもう一人。まだ、黙々と田植えをしてる男が一人居た。
まあ、視線を遠くにやれば、あちらこちらで田植えをしてる魔族達が見えるんだけどな。
「…オニキス、休憩しろよ…」
「…ふむ。あともう少しなのだ。ここ、この間隔が中々決まらなくてな」
俺の視線の先でオニキスは、泥で汚れた手で顎に手をあてて、真っ直ぐに植えられた苗を見てる。
「いや、適当でいいだろ? 見栄えなんか気にする必要ないだろ?」
めちゃくちゃ等間隔に植えられてるように見えるのは、俺の気のせいか?
てか、魔王のくせに真面目かよ。
やれやれと、髪の毛に手をつっこんでガリガリと掻いていたら、ポロリと右側の角の残骸が取れた。
「おお! オニキス、角が抜けた!」
すっかり存在を忘れてた。
あったんだよな、そう言えば。
角をぶんぶん振り回してたら、手の中から角の重みと感触が消えた。
…角の残骸はオニキスの便利空間に消えたようだ…。
ヤツの便利空間には、かつては俺の物だった物がどれぐらいあるんだろ…。
「…ま、いいけどさ。左のも、近い内に抜けるのかな~」
左手で、角の斬り口に触る。
我ながら、見事な斬り口だ。
何も引っ掛からない。すべすべだ。
「オニキス様ー、ライザー様ー、お昼にしましょうー!!」
カラヲの声に、後ろを振り返れば、鯉のぼりではなく、鰻のぼりと鮎のぼりが風に揺れてるのが見えた。
いや、もう何日も見てるけどな。
最初見た時は、どこぞの道の駅かと思った。
野菜を買いに行ったらそれがあってさ、思わずスマホで撮ったんだよ。けど、それを共有…うん、止めよう。
「お昼は筍づくしですよー」
あぜ道の上に、カラヲは弁当が包まれた風呂敷を置いて、そう言いながら広げていった。
三段のお重だった。一段目には、筍の炊き込みご飯のおにぎり。二段目は筍と鶏肉や野菜のごった煮、三段目は青椒肉絲だった。
「いい加減にしろよ、オニキス。俺は腹が減ったんだ。空腹に苦しむ俺を見るのがそんなに楽しいのか?」
…ああ、安定のお口さん…。
「…ふむ。そなたがそこまで言うのならば、吝か」
だけど、オニキスの脳内変換も安定だ。
俺の言葉にオニキスが満足そうに頷きかけた時、カラヲがやらかしてくれた。
「はーい、はい、一ミリどころか、十メーター狂った処で米の味は代わりませんよ。ほら、泥だらけの手と足で来ないで下さいよ。あちらの井戸で洗ってから来て下さいね。ああ、着物の裾にも泥が。褌見えるぐらいに捲り上げて、ライザー様を誘惑してみあばばばばばばばばばば!!」
…うん、まあ、あばばされると思ったけどな。
こいつらの上下関係って、本当にどうなってるんだろうな?
カラヲをあばばしたオニキスは田んぼから上がって井戸の方へと歩いて行った。
それを見送ってから、小皿におかずを盛り付けてるカラヲに声を掛けた。
「…しっかし、ずっと思ってたけどさ、何でここ、こんなに日本に寄せてんだ? 季節毎のイベントとかさ」
うん。
すっかり馴染んでるけどさ。
何でわざわざこんな面倒な事をしてんだろな?
前世持ちに日本人が多いとか、か?
桜だってさ、ここに来るまで見た事無かったぞ?
筍だって、前世ぶりだよ。
「ああ、それはライザー様の為ですよ」
「俺?」
あばばからの復帰が早くなったカラヲの言葉に、俺は首を傾げた。
「そうですよ。ライザー様の前世での嫌な記憶を塗り替える為に、オニキス様が長い時間を掛けて準備していたのです。あ、麦茶飲みますか?」
「あ、うん…」
水筒から紙コップに麦茶を入れてカラヲが渡して来るのを俺は受け取った。
「…流石、年季の入ったストーカーだな…」
…記憶の塗り替えって…クリスマスだけじゃ無かったのか…。
…全部…。
季節毎に前世の俺が感じて来た寂しさとか、虚しさ…全部…?
どんだけだよ。
何その自信?
どっから沸いて出て来んの?
魔王だから?
魔王ってか、もう神様なんじゃないの?
まあ、けど、そうなのかも知れないな。
無条件とは言い難いとこがあるけど…。
まあ、ほぼ無条件で何でもかんでも俺の為に色々やってくれる、人情味のある神様。
俺限定の神様、か…。
田植えする魔王様だったり、神様だったり。
おかしすぎるだろ、もう。
「…何だかなあ、もう」
だから、何であいつはこう云う事を自分の口から中々言わないのかな。
余計な事なら遠慮なく言うくせに。
麦茶を一口飲んで空を仰ぐ。
白い鳥が風に乗って、ゆらゆらと飛んでるのが見える。ついでにゼブランな物体が脱糞してるのも見える。
「…あいつら、どんだけだよ…」
「他人の事は言えませんからね」
「ん?」
俺の呟きの意味を理解したのかしてないのか、すかさずツッコんで来たカラヲを、じとんと見れば。
「ああ、そうです。今日は端午の節句ですので、こちらを御用意したんですよ。これを身に着ければ、オニキス様に抱き潰される事請け合いですよ」
何やら良い笑顔を浮かべて、懐から赤い布を取り出して俺に渡して来た。
いや、だから。
何で皆してそれを言うのか。
「てか、何だこれ? 風呂敷か?」
渡されたそれを広げれば、形は菱形? 三つの角に紐がある?
「金○郎の前掛けですので、下には何も着ないで下さいね」
日本人だった俺は、かの有名なマサカリ担いだカッパ頭のガキンチョの姿がありありと頭に浮かんだ。
「誰が着るかあっ!!」
裸エプロンはこの間二人でやったし!!
てか、あのエプロンより、こっちの方が断然恥ずかしいだろ!!
思わずカラヲに投げ返したら、カラヲにぶつかる直前に、それは奇妙に軌道を変えて、バサバサと流れて行った。俺の横を通り抜けて、何時の間にか背後に立って居たオニキスの手の中へと。
「…ふむ。では、これは私が着よう」
………………………………………何て?
思わず思考停止した俺の目の前で、オニキスが指を鳴らした。
そうすれば、オニキスが着ていた着物が消えて、代わりに金○郎の前掛けが装着されてた。
「…ふむ…。私にはやはり小さいか…」
…いや…真面目に頷かないで…?
上にあった紐は首にかけるヤツだったらしいけど、それ首絞まってない? ねえ? ちょっと首赤くなってない?
横の紐は後ろで結ぶんだろうけどさ、長さ足りてる? ちょっと切れそうに見えるんだけど?
でさ、前掛けの下、長さ足りないよね? ヘソまでしか隠れてないよね? ねえ? パンツはどこにやったの? のどかな田園風景の中で、ナニを晒してんの? ねえ? 何でそんなに自信満々なの? 田んぼで自信満々にして良いのは、カカシだけだからね?
「………………俺…何でこんなのと戦ったんだろ…………」
グラグラと目眩がして、額に手をあてて思わず呟けば、カラヲは何事も無かったかのように、新しい紙コップを取り出して、そこに麦茶を注いでオニキスに渡しながら言った。
「それが、運命と云う物ですよ」
…いや…こんな露出狂の運命は要らない…。
と、俺がどんなに拒否っても、この運命は付いてくるんだろうな。何故なら、それが運命だから。
俺は田んぼのあぜ道に座って、柏餅を食べていた。
青空の下、植えたばかりの苗の緑が眩しいぜ。
そよそよと、やんわりと汗を掻いた首筋を撫でてく風も気持ち良い。
そんな青空の下で、柏餅を食べる俺の他にもう一人。まだ、黙々と田植えをしてる男が一人居た。
まあ、視線を遠くにやれば、あちらこちらで田植えをしてる魔族達が見えるんだけどな。
「…オニキス、休憩しろよ…」
「…ふむ。あともう少しなのだ。ここ、この間隔が中々決まらなくてな」
俺の視線の先でオニキスは、泥で汚れた手で顎に手をあてて、真っ直ぐに植えられた苗を見てる。
「いや、適当でいいだろ? 見栄えなんか気にする必要ないだろ?」
めちゃくちゃ等間隔に植えられてるように見えるのは、俺の気のせいか?
てか、魔王のくせに真面目かよ。
やれやれと、髪の毛に手をつっこんでガリガリと掻いていたら、ポロリと右側の角の残骸が取れた。
「おお! オニキス、角が抜けた!」
すっかり存在を忘れてた。
あったんだよな、そう言えば。
角をぶんぶん振り回してたら、手の中から角の重みと感触が消えた。
…角の残骸はオニキスの便利空間に消えたようだ…。
ヤツの便利空間には、かつては俺の物だった物がどれぐらいあるんだろ…。
「…ま、いいけどさ。左のも、近い内に抜けるのかな~」
左手で、角の斬り口に触る。
我ながら、見事な斬り口だ。
何も引っ掛からない。すべすべだ。
「オニキス様ー、ライザー様ー、お昼にしましょうー!!」
カラヲの声に、後ろを振り返れば、鯉のぼりではなく、鰻のぼりと鮎のぼりが風に揺れてるのが見えた。
いや、もう何日も見てるけどな。
最初見た時は、どこぞの道の駅かと思った。
野菜を買いに行ったらそれがあってさ、思わずスマホで撮ったんだよ。けど、それを共有…うん、止めよう。
「お昼は筍づくしですよー」
あぜ道の上に、カラヲは弁当が包まれた風呂敷を置いて、そう言いながら広げていった。
三段のお重だった。一段目には、筍の炊き込みご飯のおにぎり。二段目は筍と鶏肉や野菜のごった煮、三段目は青椒肉絲だった。
「いい加減にしろよ、オニキス。俺は腹が減ったんだ。空腹に苦しむ俺を見るのがそんなに楽しいのか?」
…ああ、安定のお口さん…。
「…ふむ。そなたがそこまで言うのならば、吝か」
だけど、オニキスの脳内変換も安定だ。
俺の言葉にオニキスが満足そうに頷きかけた時、カラヲがやらかしてくれた。
「はーい、はい、一ミリどころか、十メーター狂った処で米の味は代わりませんよ。ほら、泥だらけの手と足で来ないで下さいよ。あちらの井戸で洗ってから来て下さいね。ああ、着物の裾にも泥が。褌見えるぐらいに捲り上げて、ライザー様を誘惑してみあばばばばばばばばばば!!」
…うん、まあ、あばばされると思ったけどな。
こいつらの上下関係って、本当にどうなってるんだろうな?
カラヲをあばばしたオニキスは田んぼから上がって井戸の方へと歩いて行った。
それを見送ってから、小皿におかずを盛り付けてるカラヲに声を掛けた。
「…しっかし、ずっと思ってたけどさ、何でここ、こんなに日本に寄せてんだ? 季節毎のイベントとかさ」
うん。
すっかり馴染んでるけどさ。
何でわざわざこんな面倒な事をしてんだろな?
前世持ちに日本人が多いとか、か?
桜だってさ、ここに来るまで見た事無かったぞ?
筍だって、前世ぶりだよ。
「ああ、それはライザー様の為ですよ」
「俺?」
あばばからの復帰が早くなったカラヲの言葉に、俺は首を傾げた。
「そうですよ。ライザー様の前世での嫌な記憶を塗り替える為に、オニキス様が長い時間を掛けて準備していたのです。あ、麦茶飲みますか?」
「あ、うん…」
水筒から紙コップに麦茶を入れてカラヲが渡して来るのを俺は受け取った。
「…流石、年季の入ったストーカーだな…」
…記憶の塗り替えって…クリスマスだけじゃ無かったのか…。
…全部…。
季節毎に前世の俺が感じて来た寂しさとか、虚しさ…全部…?
どんだけだよ。
何その自信?
どっから沸いて出て来んの?
魔王だから?
魔王ってか、もう神様なんじゃないの?
まあ、けど、そうなのかも知れないな。
無条件とは言い難いとこがあるけど…。
まあ、ほぼ無条件で何でもかんでも俺の為に色々やってくれる、人情味のある神様。
俺限定の神様、か…。
田植えする魔王様だったり、神様だったり。
おかしすぎるだろ、もう。
「…何だかなあ、もう」
だから、何であいつはこう云う事を自分の口から中々言わないのかな。
余計な事なら遠慮なく言うくせに。
麦茶を一口飲んで空を仰ぐ。
白い鳥が風に乗って、ゆらゆらと飛んでるのが見える。ついでにゼブランな物体が脱糞してるのも見える。
「…あいつら、どんだけだよ…」
「他人の事は言えませんからね」
「ん?」
俺の呟きの意味を理解したのかしてないのか、すかさずツッコんで来たカラヲを、じとんと見れば。
「ああ、そうです。今日は端午の節句ですので、こちらを御用意したんですよ。これを身に着ければ、オニキス様に抱き潰される事請け合いですよ」
何やら良い笑顔を浮かべて、懐から赤い布を取り出して俺に渡して来た。
いや、だから。
何で皆してそれを言うのか。
「てか、何だこれ? 風呂敷か?」
渡されたそれを広げれば、形は菱形? 三つの角に紐がある?
「金○郎の前掛けですので、下には何も着ないで下さいね」
日本人だった俺は、かの有名なマサカリ担いだカッパ頭のガキンチョの姿がありありと頭に浮かんだ。
「誰が着るかあっ!!」
裸エプロンはこの間二人でやったし!!
てか、あのエプロンより、こっちの方が断然恥ずかしいだろ!!
思わずカラヲに投げ返したら、カラヲにぶつかる直前に、それは奇妙に軌道を変えて、バサバサと流れて行った。俺の横を通り抜けて、何時の間にか背後に立って居たオニキスの手の中へと。
「…ふむ。では、これは私が着よう」
………………………………………何て?
思わず思考停止した俺の目の前で、オニキスが指を鳴らした。
そうすれば、オニキスが着ていた着物が消えて、代わりに金○郎の前掛けが装着されてた。
「…ふむ…。私にはやはり小さいか…」
…いや…真面目に頷かないで…?
上にあった紐は首にかけるヤツだったらしいけど、それ首絞まってない? ねえ? ちょっと首赤くなってない?
横の紐は後ろで結ぶんだろうけどさ、長さ足りてる? ちょっと切れそうに見えるんだけど?
でさ、前掛けの下、長さ足りないよね? ヘソまでしか隠れてないよね? ねえ? パンツはどこにやったの? のどかな田園風景の中で、ナニを晒してんの? ねえ? 何でそんなに自信満々なの? 田んぼで自信満々にして良いのは、カカシだけだからね?
「………………俺…何でこんなのと戦ったんだろ…………」
グラグラと目眩がして、額に手をあてて思わず呟けば、カラヲは何事も無かったかのように、新しい紙コップを取り出して、そこに麦茶を注いでオニキスに渡しながら言った。
「それが、運命と云う物ですよ」
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と、俺がどんなに拒否っても、この運命は付いてくるんだろうな。何故なら、それが運命だから。
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