神様には頼らない

三冬月マヨ

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魔王様助けて・中編

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「はよっス! まずは甘酒で身体を温めて下せえ!」

 外へと出て庭へと回り込んだら、ハムヲが七輪の上に置かれた鍋から、甘酒を湯呑に掬って寄越して来た。
 そのハムヲを筆頭に、庭には鍋の乗った七輪が幾つかあり、その周りではこの地に住む魔族がわらわらと談笑して居た。
 あっちに居るのは、秋の稲刈りを手伝った奴らだな。
 あっちのは、川で一緒に釣りをした奴らだな。
 あっちのは…。
 つか、これだけ七輪があるのなら、ファイヤードラム缶要らなくない?

「…なあんか、変な感じよね~…」

 なんて思っていたら、マリエルがしみじみと呟いた。

「…ああ…。何で俺ら、戦っていたんだろうな…」

 ずずず、と甘酒を啜りながらレンが頷く。

「仕方無ぇっすよ。それが、世の理って奴なんで」

 世の理、か。
 それで片付けてしまって良いのかと思うけど…。
 けど、そうとでも思わなければ遣り切れない事もある訳で…。
 オニキスのせいかは解らないけど、ここの奴らは皆、俺達に好意的だ。
 そう、あの、情けなく憎き魔王のせいで。

「…ん…?」

 あれ?
 俺、今、何考えた?

「ライザー様~、最初の一振りはオニキス様と共にお願いしますー!」

 首を捻る俺の耳に、カラヲの陽気な声が届いた。

「あら。今年初の夫婦の共同作業かしら?」

 きょ、きょうどう…?

「ケーキ入刀みたいに言うなよ」

 け、けえき…?
 な、何か、結婚式みた…。

「あ、でも、既に共同作業はやってるかあ」

 おい、マリエル!

「この性女が!」

 全くだ!
 今のは間違いなく性って聞こえたぞ!

「痛いっ!」

「何故、俺がそいつとそんな事をしなければならない?」

 マリエルの頭に、レンが拳を落とした処で、俺は口を開いた。

 …あ、れ…?
 俺、何言ってんの?

 周りが一気に静かになった。

「あ、あれぇ? ライザー君、ごめん。お姉さん、からかい過ぎた?」

「悪い、ライザー、こいつに悪気は無いんだ」

 レンに首根っこを捕まれて、顔の前で両手を合わせるマリエルに、俺は鷹揚に頷く。
 いや、待ってぇ!?
 誰、この俺様!?

「そんなのは、解っている。何故、この俺が。そんな光に堕ちた魔王なぞと、そんな事をしなければならない? 角を失ったくせに、おめおめと生き恥を晒している奴と」

 おっ、おっ、おっ、おおっ!?
 ちょ、どうしたの!?
 どうしちゃったの、お口さんっ!?
 餅つき!
 餅つきだよ!?
 ぺったんぺったんどっせいやっちまったなの餅つきだよ!?

「えええ!? ライザー君、どうしちゃったの!?」

 本当になっ!!

「らしくないぞ!?」

 いいぞ、もっと言えっ!!

「ラララララララララッ!?」

 歌うな、カラヲ!

「オオオオオニキス様!? ライザー様はどうしちゃったにゃん!?」

 もっと突っ込んでくれ!!

「…ふむ…。闇の気配がする」

 冷静だな、オニキス!!

 がくがくとニャンタに揺さぶられながら、オニキスが顎に手をあてて、じっと俺を見て来た。

 それより、闇?
 闇って、何!?

「クククククク…その者は、我が闇に飲まれたのだ! 闇に堕ちた勇者は勇者に非ず!」

 何!?

「は!?」

「へ!?」

 何処からともなく沸いて出て来た闇の精霊に、マリエルやレンを始め、皆が…いや、オニキスは特に驚いた様子も無く俺を見ているが…オニキス以外は皆、驚いていた。

「フフフフフフフ…光のよ! オニキスよ! どうだ! 貴様等の愛し子が闇に、魔王になった様を見るのは!? 我が憎かろう!? 我を恐れよ! 我を崇めよ!! 我を称えよ!! クククククク……フフフ…ハーッハッハッハッハッハーッハッハッ…ッホッぶぅえほッんぶッ。うむ、むせた」

 だから、むせるなよ!!
 てか、魔王!?
 俺、そんなのになった覚えは無いぞ!?
 てか、魔族の王だから魔王なんじゃないの!?
 違うの!?

「そうだ。俺は魔王になった。その証に見ろ!!」

 何を!?

 俺は片手を頭に耳の上辺りへと置いた。
 そこはドクドクと熱く脈を打っている。
 そこから何かが生えて来る感覚がする。
 するじゃなくて、実際に、そこを突き破って何かが出て来ている。

「ライザー君!?」

「おま…っ…!?」

 指の合間を縫って、ニョキニョキと生えて来た、何だか堅い物。
 それは。

「角っ!? ライザー君、それ…っ…!?」

 マリエルが、両手で口を隠して叫んだ。

「な、何だよ…どうなってんだ!?」

 レンも、片手で鼻を押さえて叫んだ。
 そして。

「いぃやああああああーっ!! 牡鹿のような角が、ぷるぷる震えていて可愛いーっ!! くっ、殺せ! くっ、殺せっ!!」

「おま…っ…! 反則だろ、それは…っ…!!」

「ライザー様! 後ろ姿を見せて下さい!」

「ライザー様! 尻尾はあるにゃん!?」

「ライザーの兄貴ィ! 角に、その角にハムを群がらせても宜しいッすかっ!?」

 マリエルが身体を捩りながら叫び、レンが何故か鼻血を垂らしながら悶え、カラヲが両手を振って喚き、ニャンタが今にも俺に飛び掛かりそうな勢いでバンザイをし、ハムヲが懐からハムスターを取り出したりしている中で、庭に居た魔族達がパタパタと倒れて行っている。

 …いや…これ、どんな状況なの? ねえ?
 俺、角が生えたの?
 牡鹿の角?
 震えてる角?
 何それ、怖いんだけど!?

「…ふむ…。確かに、魔王となるには十分な力を感じる…」

 オニキスが肩に杵を担いだまま、空いていた手で顎を触りながら、落ち着いた様子で頷いてみせた。

「余裕だな? 旧魔王のオニキスよ。これからは、この俺がここを支配させて貰う。その為には、貴様の存在が邪魔なのだ。そうだろう? 闇の精霊よ」

 ほげっ!?

「ふぁっ!? いや、お主、何を!? 我は、その様なつもりは無くて! お主が闇に染ま…っ…!!」

 俺だけでなく、闇の精霊も身体を纏っている闇をポロポロと零しながら、慌てている。

 …ん?
 何か…これ…覚えがある様な…?

「いい、解っている。この生き恥を晒している旧魔王を倒し、俺が新たな魔王として君臨する。そうだろう?」

 ほおおおおうっ!?

「ちが、ちが、違うのだ! 我は」

「良い。オニキスから見れば、断りも無く、俺を魔王にした貴様は裏切り者」

 いや、話を聞けよ、俺っ!!

「ふぁああああああああああっ!?」

 お前も慌てふためいて居ないで、何か言えよっ!!

「だが、安心しろ。オニキスを斃し、その憂い、この俺が見事に晴らしてやろう」

 ひぎゃああああああああっ!?
 いぃいやあああああああああっ!!
 誰か…オニキス!
 俺を助けろ! 助けて! 助けて下さいっ!!
 お前なら解るよな!?
 今の俺が普通じゃないってっ!!

「…ふむ…」

 いや!?
 何でそこで顎に指をあてて、難しい顔して考えてるの!?
 ねえ!?
 助けて!?
 周りの奴らも、固まってたり、倒れたりしてないで何か言って?
 ねえ、マリエル? 身を捩ってないで何か言って?
 ねえ、レン? 鼻血出してないで何か言って?
 ねえ、カラヲにニャンタにハムヲ? ノートやスケブを取り出して、何を書いているの? ねえ?

「おや~? おやおや~? 何だか面白そうな事になっているね?」

 そう、何処かのどかな声を上げながらやって来たのは、光の精霊だった。

「うわあああああん~!! 光のおおおおおお~!! 助けてたもぉ~っ!!」

 うおおおおおおおおおおおおおおいいいいいいいっ!!
 お前が泣きつくのかよおおおおおおおおっ!?
 泣きつきたいのは、俺だからね!?

「うん、うん。良い具合に光と闇が融合しているね? その闇を取り除くのは僕には無理だよ?」

 抱き着いて来た闇の精霊の頭(の部分)を撫でながら、光の精霊が底抜けに明るい声で言った。

「ふえ?」

 光の精霊や、闇の精霊には顔は無い。無いが、俺には、光の精霊が途轍もなく、爽やかな笑顔を浮かべている様に見えた。
 そして、闇の精霊は情けなさ大爆発で、号泣している様に見える。
 いや…精霊達ェ…。

 …てか…融合って何…?
 何…俺、ずっとこのままなの?

「…光の精霊よ…それは真か?」

 お? おお?
 オニキス、何か考え付いたのか?
 流石は、極悪非道な…って、だから、何を考えてんの、俺ぇっ!?
 嫌だぞ、俺、こんなのはっ!!
 こんなんなら、まだ勇者の方がマシだっ!!

「それが真として、何の不都合がある? ほら、掛かって来いよ。それとも、角が無いから戦えない等と情けない事を口にするつもりか?」

 いぃいいいいいいやぁあああああああああっ!!

 何、目を細めて口の端上げて、右手を前に出して人差し指くいくいカモンしてるの、俺ぇっ!?

「あわ、あわ、あわ…」

「んー。取り敢えず、一つになろうか? そうすれば、君が何を考えてこうしたのか解るし、ね?」

「え。あ、う、あ、あわ、あわ!! 嫌じゃあ~っ!!」

 そこぉっ!!
 何、暢気に合体してんだよおおおおおおおっ!?
 光の精霊は、この場を鎮めに出て来たんじゃないのかよおおおおおおおっ!?
 何しに出て来たんだよ、お前ええええええぇっ!?
 もう、うえぇいってなっちまうぞ、俺ぇっ!!

 そんな事を思ったせいか、俺のお馬鹿なお口さんはとんでもない事を口にしてくれた。

「ふ…。俺一人では満足出来ないと? 良いだろう。来い、レン、マリエル」

「え?」

「へ?」

 俺の呼び掛けに、二人が目を丸くした。

「あの日の再現だ。いや、あの時以上にお前達は力を付けている。そうだろう? だから…」

 そこで俺は一度言葉を区切り、二人の顔をそれぞれ見て、口を開いた。

「来い、レン、マリエル」

 ◆

「ひきゃあああああ――――――――………」

「うわああああああ――――――――………」

 そして、速攻で二人は空の彼方へと飛んで行った。
 退場早過ぎぃいいいいいいっ!!

「…貴様…」

「…ふむ…。私は、そなた一人相手が不服だと口にした覚えはないのだが。勝手に話を進めてくれるな」

 二人を見送った後、杵で二人を空の彼方へとぶっ飛ばしたオニキスを俺は睨んだ。

 あのぉ…お友達…だよね?
 何の躊躇いもなく、この人、二人に向かって行ったよ? 秒で。
 しかも、不敵な笑みを浮かべたままで。
 杵で二人をぱっかーんと、すっ飛ばしたよ、この人…。

「…そうだな…。二人には悪いが…ここは、礎となっ」

「暫し待たれよ」

 しかし、続く言葉は掌をこちらに向けて制したオニキスに遮られた。

「カラヲ、ニャンタ、ハムヲ、マリエル、レン。これよりのライザーの一言一句、一挙手一投足、いずれも何一つ欠ける事無く、記録せよ」

「お任せを!」

「任せるにゃん!」

「腕がなるぜぃ!」

「私に任せて!」

「おうよ!!」

 ちょっと待ってぇ!?
 後半の二人、何時、お空から戻って来たのおおおおおお!?
 何しれっと、そっちに付いてんのおっ!?
 しかも、めちゃくちゃ良い笑顔でサムズアップしてぇっ!!
 無傷でぇっ!!
 いや、もしかしたら打撲とかは…いや、マリエルが回復した!?
 ねえ!? もしかして、変な方向で強くなってたの!?
 今更だけどっ!
 俺、こいつらと友達で良いの!?

≪えっとな、えっとな、最近と云うか、あのぷるぷるが来てからな…≫

≪うん、うん。そうだね。だって、僕嫉妬して欲しかったんだもん。だから、良いんだよ?≫

≪ほえ?≫

≪君にはもっと闇に染まって欲しかったし? そうしたら僕はもっと輝けるし?≫

 おい、そんな脇で何か重要な会話してないか?
 そこのゼブランな球体さん…。
 てか、ぷるぷるって、何? ねえ?
 まさか、俺とか言わないよな?
 違うよな?
 違うよね?
 違うと言って?

「…ふ…。俺は…何時でも、どのような存在でも、独り…孤独なのだな…」

 おぉう。
 何、前髪掻き上げて言ってんの、俺ぇ。
 何、流し目決めてくれてんの、俺ぇ。

「…前世で孤独だったのは、貴様のせいだと聞いた。貴様は、そんな俺をずっと嘲笑って居たのだろう? そんな俺が、貴様に堕ちて行くのを、貴様はどんな気持ちで見ていたんだ?」

 は?
 へ?
 な、何言ってんの!?
 光の精霊のせいだって!
 オニキスは手が出せなくて、見て居るしか出来なくて…っ…!

「…ふむ…。そうだな…私は見て居た。そうと知りながら、何もしなかった。そして、それをそなたに話す事もしなかった」

 おい!?
 何を言ってんだ、お前!?
 何で、何で、何で!?

「否定はしないんだな? それがお前の答えなんだな?」

 何、もしかして、オニキスは…光の精霊を…止める事が出来た…とか…そう云うのか…?
 手は出せない…って…嘘だったのか…?
 いや、違うっ!!
 そんな筈は無い…っ…!!

「否定も何も。それは、事実」

 止めろっ!!

「ならば、消えろ!」
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