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限界離婚≪再≫
エピローグ(再会)
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真理は、拓也と離婚をした後すぐに再婚をした。
父の部下になる新しい夫は優秀で、若くして部長に昇進している。
真理は、夫との間に息子を授かった。
真人と名付けられた息子は、とても可愛く愛おしい。
息子は、繊細で些細な音で泣き叫んだり、暴れる事がある。
まだ乳児だから仕方がないのだろうかと、真理は気にしないようにしていた。
1歳半検診を受ける時も、息子は癇癪を起していた。
目の前の保健師が話しかける度に、涙を流し暴れている。
いつもの事だが流石に真理は恥ずかしくなった。
周囲を見渡しても、息子程泣いている子供はどこにもいない。
それに、気になる事があった。
1歳半のチェックリストの半分ほどしか息子は出来ないのだ。
夫にも相談したいが、仕事が忙しくいつも深夜に帰宅する夫と話をする時間がなかった。
息子は立ち歩くことができるのに、なぜか歩こうとしない。
いつも手のひらをヒラヒラ動かし、同じ行動を繰り返す。
保健師の面談が終わり、医師の診察の順番になった。
医師は、1歳半の記入用紙を見て言った。
「この子は、少し生まれつき特性があるみたいですね。」
医師に発達検査を勧められた。
予約を取り、検査を受けた後で真理は告げられた。
「自閉傾向がありますね。知的発達の遅れも見られます。」
おもわず真理は大声を出す。
「そんな!」
隣で話を聞いていた息子は、両手で耳を塞ぎ険しい表情で震えていた。
(ああ、そうだ。元夫の拓也にそっくりだ。)
拓也とは離婚した後一度も会っていない。あの時は、こんな人と一生過ごすのは嫌だと思った。
震える息子を見て思う。
(ああ、そんな。この子は私の大事な息子よ。だから、、、私は、、、)
真理は、震える愛おしい息子をそっと抱きしめた。
《再》END
父の部下になる新しい夫は優秀で、若くして部長に昇進している。
真理は、夫との間に息子を授かった。
真人と名付けられた息子は、とても可愛く愛おしい。
息子は、繊細で些細な音で泣き叫んだり、暴れる事がある。
まだ乳児だから仕方がないのだろうかと、真理は気にしないようにしていた。
1歳半検診を受ける時も、息子は癇癪を起していた。
目の前の保健師が話しかける度に、涙を流し暴れている。
いつもの事だが流石に真理は恥ずかしくなった。
周囲を見渡しても、息子程泣いている子供はどこにもいない。
それに、気になる事があった。
1歳半のチェックリストの半分ほどしか息子は出来ないのだ。
夫にも相談したいが、仕事が忙しくいつも深夜に帰宅する夫と話をする時間がなかった。
息子は立ち歩くことができるのに、なぜか歩こうとしない。
いつも手のひらをヒラヒラ動かし、同じ行動を繰り返す。
保健師の面談が終わり、医師の診察の順番になった。
医師は、1歳半の記入用紙を見て言った。
「この子は、少し生まれつき特性があるみたいですね。」
医師に発達検査を勧められた。
予約を取り、検査を受けた後で真理は告げられた。
「自閉傾向がありますね。知的発達の遅れも見られます。」
おもわず真理は大声を出す。
「そんな!」
隣で話を聞いていた息子は、両手で耳を塞ぎ険しい表情で震えていた。
(ああ、そうだ。元夫の拓也にそっくりだ。)
拓也とは離婚した後一度も会っていない。あの時は、こんな人と一生過ごすのは嫌だと思った。
震える息子を見て思う。
(ああ、そんな。この子は私の大事な息子よ。だから、、、私は、、、)
真理は、震える愛おしい息子をそっと抱きしめた。
《再》END
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