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ストーカーではありません!
ミラレタ!
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食事はとっても美味しかった。サーモンは香り豊かで柔らかくサラダとよく合っていた。子牛のステーキは、ソフィアが今まで食べたお肉とは比較できない程柔らかくジューシーだった。スープもデザートも全て美味しく、本当に最高だった。
食べさせられる事が恥ずかしく、止めよう止めようと思うが、美味しそうな最高級の料理達にソフィアは負けてしまった。ソフィアも一通りの料理はできる。クレゴール侯爵家では、料理もソフィアの仕事の一つだったからだ。公爵家の食材は明らかに違う。本当に美味しかった。
食事の余韻に浸っていると、いつの間にかザックバード公爵はいなくなっていた。
ソフィアが滞在する部屋は広く、食事中に、ザックバード公爵から備え付けられているお風呂やトイレ、洗面所を自由に使っていいとそれぞれのドアを指差して教えて貰っていた。
捕まえた使用人なのに、こんな高待遇でいいのかと思ったが、いろいろ疲れていたソフィアは考える事を放棄した。
とりあえず、ソフィアは部屋の入り口のドアへ向かう。やはり鍵をかけられている。なぜかドアには鍵穴が無くソフィアには開けれそうに無い。窓のドアも全て開かなかった。
次にトイレへ向かう。トイレ内も広く誰も使った事の無いように綺麗だった。
(この部屋って誰の為の部屋なんだろう。客室でも無さそうだけど、どこも綺麗で使用感が無い。初めて人を入れたみたい。)
トイレをすませて、手を洗う時に何故か寒気を感じる。誰に覗かれているかのような不快感。
ゾクゾク。
(なんだろう?)
ソフィアは気にしないようにして浴室へ向かった。
脱衣所には、清潔でフカフカのタオルと着替えが置かれている。着替えはシルクのワンピースで、一目で高級な物だとわかる。
マーガレットお嬢様が、大金を出して手に入れたシルクのドレスが同じような素材だったはずだ。シルクのドレスに小さな傷をつけたからと若い使用人が解雇されたのは数ヶ月前の事だった。
(これに着替えるの?大丈夫かな?汚しても弁償してなんて言われないよね。)
私は今着ている服を脱いで浴室へ入った。
すでにお湯が溜まっている浴室は想像以上に広く豪華だった。
10人ほど入れそうな広い浴槽。数種類のケア用品が揃った流し場。シャワーヘッドはエポック社の最新式の物がつけられている。
私は体を洗い浴槽に浸かった。
(本当。どうしてこうなったんだろう。朝までは順調だったのに。そもそもストーカーってなんなの?お嬢様の依頼でしているだけなのに、ストーカーに間違われるなんて、ザックバード公爵なら使用人に探られるのは慣れていそうなのに。)
湯船に浸かりながら考え事をしていると、暖かいにも関わらずゾクゾクと背筋に寒気を感じる。さっきトイレで感じたように誰かに見られている気がする。
(やっぱり何かおかしい。)
湯気が周囲を白く染める。ぼやける視界の向こうに何かが光った。
(あれだ!)
ザバァー
私は勢いよく立ち上がり、光った何かに向かった。
近づいてよく見るとそこにあったのは超小型のレンズだった。
「え?え?なに?これ?えええ、」
浴室にカメラがあるなんて信じられない。
思わず声に出して狼狽える。
バタン、ドタドタドタドタ、バーーン
「ソフィア。どうしたの?大丈夫?」
浴室に慌てて入ってきたのはザックバード公爵だった。
「キャーーーーア」
裸で何も身につけていない私は慌てて胸を隠し叫び声をあげた。
「どうしたの?ソフィア。今助けてあげる。」
そういうとザックバード公爵は私に近づく急に抱きしめようとしてきた。
「違う!出て行って!」
身の危険を感じた私は、近くにあった桶を思いっきりザックバード公爵へ投げつけた。
食べさせられる事が恥ずかしく、止めよう止めようと思うが、美味しそうな最高級の料理達にソフィアは負けてしまった。ソフィアも一通りの料理はできる。クレゴール侯爵家では、料理もソフィアの仕事の一つだったからだ。公爵家の食材は明らかに違う。本当に美味しかった。
食事の余韻に浸っていると、いつの間にかザックバード公爵はいなくなっていた。
ソフィアが滞在する部屋は広く、食事中に、ザックバード公爵から備え付けられているお風呂やトイレ、洗面所を自由に使っていいとそれぞれのドアを指差して教えて貰っていた。
捕まえた使用人なのに、こんな高待遇でいいのかと思ったが、いろいろ疲れていたソフィアは考える事を放棄した。
とりあえず、ソフィアは部屋の入り口のドアへ向かう。やはり鍵をかけられている。なぜかドアには鍵穴が無くソフィアには開けれそうに無い。窓のドアも全て開かなかった。
次にトイレへ向かう。トイレ内も広く誰も使った事の無いように綺麗だった。
(この部屋って誰の為の部屋なんだろう。客室でも無さそうだけど、どこも綺麗で使用感が無い。初めて人を入れたみたい。)
トイレをすませて、手を洗う時に何故か寒気を感じる。誰に覗かれているかのような不快感。
ゾクゾク。
(なんだろう?)
ソフィアは気にしないようにして浴室へ向かった。
脱衣所には、清潔でフカフカのタオルと着替えが置かれている。着替えはシルクのワンピースで、一目で高級な物だとわかる。
マーガレットお嬢様が、大金を出して手に入れたシルクのドレスが同じような素材だったはずだ。シルクのドレスに小さな傷をつけたからと若い使用人が解雇されたのは数ヶ月前の事だった。
(これに着替えるの?大丈夫かな?汚しても弁償してなんて言われないよね。)
私は今着ている服を脱いで浴室へ入った。
すでにお湯が溜まっている浴室は想像以上に広く豪華だった。
10人ほど入れそうな広い浴槽。数種類のケア用品が揃った流し場。シャワーヘッドはエポック社の最新式の物がつけられている。
私は体を洗い浴槽に浸かった。
(本当。どうしてこうなったんだろう。朝までは順調だったのに。そもそもストーカーってなんなの?お嬢様の依頼でしているだけなのに、ストーカーに間違われるなんて、ザックバード公爵なら使用人に探られるのは慣れていそうなのに。)
湯船に浸かりながら考え事をしていると、暖かいにも関わらずゾクゾクと背筋に寒気を感じる。さっきトイレで感じたように誰かに見られている気がする。
(やっぱり何かおかしい。)
湯気が周囲を白く染める。ぼやける視界の向こうに何かが光った。
(あれだ!)
ザバァー
私は勢いよく立ち上がり、光った何かに向かった。
近づいてよく見るとそこにあったのは超小型のレンズだった。
「え?え?なに?これ?えええ、」
浴室にカメラがあるなんて信じられない。
思わず声に出して狼狽える。
バタン、ドタドタドタドタ、バーーン
「ソフィア。どうしたの?大丈夫?」
浴室に慌てて入ってきたのはザックバード公爵だった。
「キャーーーーア」
裸で何も身につけていない私は慌てて胸を隠し叫び声をあげた。
「どうしたの?ソフィア。今助けてあげる。」
そういうとザックバード公爵は私に近づく急に抱きしめようとしてきた。
「違う!出て行って!」
身の危険を感じた私は、近くにあった桶を思いっきりザックバード公爵へ投げつけた。
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